景勝本会議の議事についての註釈
・・・景勝本会議の議事についての註釈・・・ 令5・4
・少なくとも日本に於て議会的な「議論」という言葉が意味すべきところは所謂侃々諤々とした主張の応酬や理論武装の高め合いではない。
・先ず第一には選挙によって直接的もしくは間接的に選ばれた者がそれぞれ最終表決に於ける一票を有して居ることは重要ではあるし大前提にあるものの、それらの議員が最終的な表決に於て投じる賛否はその議員自身の元からの意志や所属する集団の意向に基くなどする為に既にその議員がその議員として存在して居る時点からもう豫め決まって居るようなものかも知れないことは否定できまい。
・それとも、然うはいっても何か色々な情報や意見を聞くことによって議員の一票も変るかも知れないという説も必ずしも完全には否定できないとした場合、尚更「議論」という形だけ整った制限時間つきの単なる原稿の読み合いや段取り重視の歯切れの悪い委員会のような行事が繰り広げられてしまうことに違和感を覚えざるを得ない。
・我々が尽すべき「議論」とは如何なるものか。議員のみならず国民までもがその自らの賛否の意見に磨きをかけたり客観的に見られるようになったりすることではないのだろうか。
・そして時代はもはや誰もが夥しい数の配信に親しむ段階に入って久しい。嘗ての時代はその時代の環境からして制限時間を設けそれぞれの意見を民意に基き順に表明し合うという形式が取られたということなども重々に理解した上で、今この時代には嘗て出来なかった最良の手を摸索しなければならない。
・それぞれの勢力に制限時間を設けなくとも、それぞれの勢力が思うが儘に無数の情報発信を「国の議会」の「議論」という肩書の下に行うことは幾らでも出来る。
・そしてその情報発信とは音声であり動画であり、あるいは文字の遣り取りでもある。
・そしてそれら音声や動画や文字の遣り取りは、選挙で選ばれた議員らによって執り行われる「時事情報共有会」であり「時事情報座談会」でもあるのだった。
・日本に於て、政治を支える国民としての強い自負が国民に根づいて居ようか。どのような国であろうと政治に興味を持つ者と持たない者は少なからずどちらも居るには違いなくとも、日本では後者があまりにも多いどころか殆どといっても間違いではない。教育がどうのの問題というより、あまりにも然ういった習慣が無さ過ぎるに尽きる。そんな状況に於ては、もはや意見のぶつかい合いなど政治の贋物に過ぎず只自分に回ってきた役目をやりこなしてまた別の人に回す作業のようなものでしかなくなろう。
・日本でこそ、時事情報共有会や時事情報座談会は滲透されたい。
・そしてどれも気軽なものであればあるほど良いものになる。一切形式ばる必要もない。一年を通して好きな時間に好きな話題を気軽な状態の議員たちが南十何百何千と動画を挙げたり生放送したりするなどして語り合ったり指摘し合ったり解説したり解明し合ったりすれば良い。
・そしてそれらの最中にこそ、選挙された議員たちの「資質」は垣間見える。
・それも含めたそれらのすべてが、日本にとっての真の「議論」と謂って差し支えない。
・信任辯説は詮議大任が各方の概ねの同意を得る(取分け強い叛撥が無い)ことでその自らが信任辯説に於て語るべきと決めた議題を取扱う場とする。その議題についてどのような議論がどのような段階で繰り広げられて居るかは特に問わない。
・最高合議は信任辯説に於て一度以上取扱われた議題の内、より専門的な議論よりも先ず各会派間の更なる共通認識を構築せんとする根本的な議論が行われるべきとされた議題を取扱う場とする。
また、集中合議や立体合議もしくは大臣諮問会議に於て行われた議論を受けて改めて各会派間の更なる共通認識を構築せんとする根本的な議論が行われるべきとされた議題も取扱う。
・集中合議に於ては信任辯説か最高合議の何れかにて一度以上取扱われた議題の内、各会派の間でより専門的な認識が共有されるべきとされた議題を取扱う場とする。
また、立体合議や大臣諮問会議に於ける議論の内、より各会派の間で認識共有されるべきとされた専門的な議論が存在する議題も取扱う。
・立体合議に於ては信任辯説又は最高合議又は集中合議に於て各会派間の代表者による大枠の議論が最低限行われたとして各会派が合意した議題が速やかに取扱われるべし。各会派は立体合議に於てこそ更に深い議論がなされるべきという共通認識に基いて、この措置には常に肯定的であられたい。
・大臣諮問会議に於ては信任辯説や最高合議や集中合議に於て間もなく取扱われるべき議題の事前審査的な議論が行われるべし。
また、信任辯説や最高合議や集中合議や立体合議に於て取扱われた議題の内、当該大臣と当該議員らの間で補足的な或はより専門的な議論を行ってまた間もなく信任辯説や最高合議や集中合議に戻されるべきとされた議題も取扱う。
・大臣諮問会議はその当該政務大臣による政務大臣としての或種私的な会議であっても差し支えない。
議員らにとっては意見発言する場は他の議事に於て充分確保されて居るべきである為、大臣諮問会議に於ては当該政務大臣の意向によって当該各議員の意見発言機会が大きく左右されることも致し方ないものとする。但し本会議法に定める所の「適切な意見発言機会」を確保する為には最低でもすべての議員に一定の意見発言機会は与えられるべし。しかしその上で当該政務大臣の意向で特定の議員に意見発言機会が偏るなどしてもこれを誹難することはない。
大臣諮問会議は改まった会議様式である必要はなく。その当該政務大臣の意向によってその会議の進行や雰囲気が決定されるものとする。
・信任辯説や最高合議、集中合議の中継配信は従来の議会に於けるものを踏襲することとするが、録画したものを公表するときは最大限簡素で且つわかり易い字幕がつけられて居る方が望ましい。
また、中継参加者はその意見発言中に於ては他の物理的出席中の議事参加者と同じく特に注目を受けるべし。
・大臣諮問会議の中継配信は立体合議の個別討論に於けるものを基本的に参考として差し支えない。
・立体合議以外の議事に於て中継によって参加する者(物理的出席をせずして立体合議以外の議事に参加する者、中継参加者)は成るべく音声と映像の何れにもよって議事に参加されたい。
中継参加者が音声を伴って議事に参加するとき、その音声は議事秩序に沿ってその中継参加者の声のみが明瞭に聴こえるものである必要がある。
また中継参加者が映像を伴って議事に参加するとき、その映像の背景は白もしくは黒又はそれらに準ずる色の何の模様文字装飾の無い壁である必要がありまたその中継場所はその中継参加者が中継中に安定して議事秩序に沿った議事参加が果せる視界明瞭の屋内の場所であるべし。
仮に正当な何かしらの理由により以上のような中継條件を整えられない中継参加者は事前にもしくはその状態発生後速やかに詮議大任にその旨を申し出て議事秩序の範囲内でその許可を得られたい。
中継中の中継参加者はその中継中、その中継参加者が本人と断定され続けられる必要がある。中継参加者が映像を伴わない場合は詮議大任と主輔及び議事事務職員はその中継参加者が本人であることの確證をその中継中共有し続けられたい。映像を伴う場合はその中継参加者はその自らを自らと誰からも断定できる状態を維持されたい。
中継中の中継参加者は着席して居るか立って居るかを特に問わないが、正当な理由が無い限り基本的には中継中着席し続けて居る形を取られたい。また当然ながら中継中の中継参加者は可能な限り粛々とした態度姿勢であるべし。
また、中継参加者の参加音声や参加映像その他その参加に伴うすべての情報は詮議大任や主輔又は大臣諮問会議に於ては当該政務大臣及び各議事事務職員によって完全に監督され共有され認識されて居る必要があるが、その議事の参加者ひとりひとりに向けては意見発言を行う者の音声や映像がその都度その意見発言中にのみ提供されて居れば良しとする。ただ、大臣諮問会議などに於て可能であればその議事のすべての中継参加者の音声映像がその議事の参加者全員に常に提供されることも有り得るものとする。
・立体合議の個別討論に於て注意されたい点は次の通りとする
❶個別討論は音声映像及び音声及び文字情報の何れか或は複数を駆使して行われたい。特にいかなる個別討論に於ても音声と文字情報の何れか一方は欠落してははらない。可能であれば何れも欠落させてはならない。
❷個別討論は生配信されることが望ましいが、収録した動画や音源や文字欄(収録記録)をその実施後に成るべく速やかに公開することも全く妨げられるものではない。
但し収録記録は遅くてもその収録実施終了後七日以内に公開されるよう努めるべし。
個別討論に於ける生配信又は公開される収録記録の各題名はその各当該議題をわかり易く表して居るものであり且つ景勝本会議議事としての秩序に反しないものであれば基本的に各自で自由に決められるものとするが、勿論各自で一題名を決し命名せんとするときに事前に詮議大任及び議事当局からの許可を得る必要がある。
❸生配信された個別討論の収録記録は無編輯もしくは適切な編輯を加えるを以てその生配信終了後も基本的に無期限無制限に公開されたい。編輯の有無や編輯内容等については必ず事前に又は編輯時に当該個別討論に関るすべての会派及び議事事務当局との調整確認が行われるべし。
編輯に於ては、先ずどのような場合でもその議論に不必要な装飾演出は控えられたい。効果音などもあってはならない。映像にしろ音声にしろ文字にしろ、その個別討論の参加者の意見発言内容が必要最低限の簡素且つわかり易い形を以て伝えられるべし。
基本的に諸規則等に牴触する意見発言でない限りすべての意見発言は削除されず当然に公開される。また、仮令意見発言の調子等が圓滑でなかったり聴き取り辛かったり不明瞭だったりなどする場合でも語間を埋めたり繋ぎ合せたり前後を入れ換えたりなどすることなし。
❹公開が停止されるべきとして当該個別討論に関る会派の過半数より申出が又は議事事務当局より通告がそれぞれあった場合は直ちに当該公開は停止される。その公開停止の継続や解除等については当該個別討論に関る会派と議事事務当局による更なる調整が行われるべし。
但し公開が停止されたとしても成るべく保存され得る収録記録はすべて保存され続けられたい。
❺収録記録が損われ又は収録記録自体を忘れた等した場合はその損失部分もしくは抜け落ち部分の議は存在しないものとしてこれを扱う
但しそのような事態に常に備える為にあらゆる個別討論は公開せずとも可能な限り映像記録や音声記録や文字情報記録の何れもを駆使して記録しておくべし。損失や抜け落ち等には当該個別討論に関る会派や議事事務当局が協力して対処し、可能な限りの復旧が果されたい。
❻個別討論の参加者は映像に於ても音声に於ても文字情報に於ても特別な事情が無い限り自らの本名や地位肩書や顔や声を細工加工せず公開し続けて居る必要がある。
❼個別討論に於てはその参加者として認められて居る者だけが登場し関与することができる。映像がある場合、成るべくすべての参加者が同じ画角に一度に収まることが出来るようにされたい。またそれが出来るにしても出来ないにしても、意見発言者がその意見発言を行う度に単独でもしくは注目されるように映像上に映し出されることがあって良い。
非参加者の映り込みや乱入などが発生した部分は直ちに訂正、修正されたい。それ故、個別討論の開催場所があるとき、その開催場所はその個別討論の参加者のみが安定的に映り込み登場し続けられるのが明らかな場所を当然に選ばれたい。
但し適切な訂正修正を行った編輯後に初めて公開することを前提として非参加者の一般人などの存在する場所を当該開催場所とすることはこれを妨げない。且つ非参加者であっても景勝本議員やその他公人またはその個別討論実施を手伝う職員などが映り込んだり参加者との少しの掛け合いなどした場合は各当事者の意思によらない限り必ずしもこれを訂正修正する必要はない。とはいえそれらの行為が必要以上に長尺に及びその個別討論に深く関与するような状態になったときは直ちにそれらを止めさせて又後に編輯によって訂正修正されるべし。
また、前述のような場合を避けるのであれば開催場所の背景には成るべく平穏で自然的なものか無地もしくは文字装飾の無い壁が選ばれたい。議事の秩序に反しないものであれば当該議事の映像内から排する必要はないが、前提としてその背景にその議事に必要のないものが明らかに映り込むような状態を豫め意識的に避けられるべし。
また大前提として、常にその個別討論の開催場所が視界明瞭であることは当然とする。
❽個別討論に於ける参加者の服装は議事規則にもある通り私服とは一線を劃した正装であるべし。国の議事という枠組みではない夫々の私的な議論や配信などとは意識的に区別しておく為にも敢てそこは気軽な議論が望ましいとはいえ寧ろ厳格にされたい。
❾個別討論に於てはその参加者の全員やもしくは一部が立って居るか着席中であるか席でないところに座って居るか、その他どのような姿勢体勢状態であるかは問わないが基本的に議論をすることの出来る常識的な姿勢体勢状態であることを要する。
当然ながら一般的に横柄とされたり悪い印象を与えるような姿勢体勢状態は許されない。また、成るべく足を組んだり寝転がって居たりなどもしてはならない。
机や椅子等を用いるか、又夫々がどのような配置でそこに居るかは各自に決めるところによる。但し机や椅子等は最も簡素且つ丈夫なものであるべし。
また、すべての参加者は可能な限り最小限の範囲に収まり集まって居られたい。
❿個別討論中に於ける口調は法に触れたりその議を乱すようなものではない限り、他のどのような議事よりも砕けた俗的なものであっても許容されたい。
⓫個別討論中に於ての不必要な飲食は議事規則にある通り禁じられるがそれを遵守するのであればその開催場所に不必要な飲食物が存在して居ても注意すべきことではない。
但し不必要な飲食物は特に映像として映り込む場合には意識的に整頓されて居る必要があり、濫りに数が多くてはならない。またそれらを踏まえても抑々不必要な飲食物がその場にあったり映り込んだりすることを可能であれば避けるよう努められたい。
また喫煙物や酒類及びそれらに類するものはその議事の議題として関連がある場合を除く外いかなる理由があってもその開催場所にあってはならず映り込ませてはならない。
⓬一個別討論にいかなる時間制限も存在しないが、議事としての議論が明らかに存在して居ないにも関らず当該個別討論が開催中として扱われたり中継や収録などが継続して居るということはあってはならない。
成るべく一つ一つの個別討論は意識的に議題ごとに長くても二時間や三時間以内、短くて十分程度以上の尺を以て整理されて行われ公開されるべし。複数の個別討論を同一の動画等に纏めて公開することはこれを妨げない。但しそれらの動画等も徒に長尺となることは避けられたい。
⓭個別討論に於ては他の議事とは異なり、その各個別討論もしくは他の個別討論に関連して視聴者から寄せられた感想や要望などの諸意見を取り上げそれに纏わる議論等を行うことが出来る。
視聴者からの諸意見はその議事の開催中か事後かを問わず受けつけられるべし。但し、生放送中の個別討論に於てその時々に寄せられる諸意見は議事の秩序として及び法令に照らして好ましからざるものか否かを精査する為にも視聴者側が視聴可能な生放送中の画面等上には表示されないこととする。
また、精査された上で問題なしと判断された諸意見はその議事の事後に於てその公開動画に附随させるか或は他の手段をしてすべて公開されるべし。但し諸意見を意見した本人と確認の取れる者がその諸意見の非公開を議事事務当局に申し出てきたときは当該諸意見を非公開とする。一度非公開とされた諸意見はいかなる場合に於てもその後公開されない。
諸意見の精査を含めたその管理運営等は議事職員か詮議大任の認める外部職員がこれを行うべし。
また、視聴者は成るべく日本国民たる者か日本に在住する者であることが望ましい。よって各議事の議員や職員は議事の遂行を妨げずに技術的にも確認し得る手段がある場合は必ずその議事のすべての視聴者の出自や現在住地の確認を行い、視聴者はその確認を受けて認められなければその議事に於て諸意見を寄せることが出来ない。
⓮個別討論に於てその各参加者はその議題に関連しその議論に必要でありその議論をより充実させる映像情報(編輯の有無を問わない)をその公開映像画面全体を以て放映させることが出来る。その放映中はその個別討論の参加者その他その開催場所の如何なるものも映り込ませてはならず、その放映中に於てその個別討論の参加者はその映像情報についてその声もしくは文字情報のみによって互いに意見発言されたい。
個別討論中の情報映像の放映時間や頻度は特に制限されないが、映像情報にする必要のない内容をも映像情報にするなどして放映に極度に依存することなどは避けられたい。
・詮議大任は当然ながらその自らが議場(開催場所)に居る議事のみならず自らがそこに居ない議事についてもその秩序の監視監督を行う
詮議大任がその場に居ない議事を執り仕切る者もしくはその役割をその都度担うべき者はその議事の秩序に関して詮議大任に直ちに報告すべきことが発生したときは可能な限り直ちに詮議大任本人もしくは主輔へ報告するか、その他詮議大任に速やかに報告し得る手段を以て直ちに詮議大任へ当該事案が報告されるよう努められたい。
詮議大任はその自らが参加する議事を等閑にしてでも他の議事の秩序に関する事案を確認認識し行動を起そうとする必要はないが、その自らが参加する議事がないときは直ちにあらゆる議事の秩序に関する事案を確認認識しそれに伴う行動を起すべし。
ただ、ここに述べられる「報告」というのは飽く迄も秩序に反する行為などを取締る為の保険のようなもので、やはりその意味でも可能な限りすべての議事は常に映像や音声や文字のあらゆるすべての保存手段で保存され常に公開されて居るものである必要がある。
詮議大任がその議事の映像や音声や文字を当該報告の前後の何れかを問わず正確に確認認識できる状態であるならばその時点で既に「報告」が果すべき機能が果されて居るに等しい。とはいえ更にその上で形としての「報告」もその議事の映像や音声や文字の諸記録とも合せながら充分に行われるべきものでもあられたい。
・議事に於ける意見発言について、先ず「意見発言」という文言に於て発言に加え意見という言葉が添えられて居るのは、専ら「発言」することに不自由を課されて居る者による意見表明行為のことを総じて「意見」と呼ぶことで発言と同等の意味を持たせんとして居る為に他ならない。
・発言することに不自由を課されて居ない者による発言につき、議事の秩序という観点に於て一つ重要となってくるのが議員たちの朗読問題や質疑問題と思われる。
原稿等を必要とするのは制限時間があるからでもあり然うでもなくとも或程度その場で話したいことを必要なだけ豫め書き記したものがある方が圓滑であることは間違いないが、それにしても只原稿等の文字を追うだけだったりその読み合いにお互いが終始するといった場合が生じてくるのは深刻な議事秩序の劣化と侵害に他ならない。
仮令制限時間があるとしても議員たる者、誰にでもわかり易い言葉でなら自らの意見したいことを原稿等に頼らずにその場で述べられるようであられたい。要領を得なかったり歯切れが悪かったりしたとしても、それに対して原稿等の朗読によって整然としただけの意見発言が「議事」の一端を担えるかは疑わしい。朗読の応酬は特に議事に於てなされなくともその原稿等の内容が公開されて居れば国民ひとりひとりが私的に行えてしまう程の事であり、真に議事に求められるべきは議員の生の意見であり意気である。
よって詮議大任やその各議事を執り仕切る者及びその他の参加者は原稿等を読み上げて居るか餘りにも原稿等にその意見発言を頼り過ぎて居ると自身が確信した相手議員のその行為状態を、「議事の秩序に反する」ものだとして主張し適当な行動に出られたい(但し、自らの意見発言を補助する為に自ら豫め意見発言すべきことの大体の題名や趣旨だけを目安として示して居るに過ぎないものはこれを原稿等と看做すべきではないが、そのようなものを用意する者も飽く迄も原稿等と見誤られない程度の極めて簡素なものにせんとする意識的な工夫をなす義務がある。)。
その為、意見発言するすべての議員はその意見発言の際にその意見発言が原稿等に基いて居るか基いて居ないかを他者から充分に確認できる状態を意識的に構築して居る必要がある。通信映像を以て意見発言する者は当該状態をその映像内に常に収めて居られたい。
また、音声のみによってその議事に参加し意見発言せんとする議員は可能な限りその意見発言が原稿等に基いて居ないことを證明し得る手段を以てその議事の後に詮議大任に対し当該證明を行う必要があるが、前提として議事に於て意見発言する者は少なくとも映像を伴ってその議事に参加することが何よりも望ましいとする。
・発言することに不自由を課されて居る者(意見者)はその各自の可能な手段程度によってその意見方法を選ばれたい。
2意見者の内、その自らの意見を不自由なく自ら文章としてその都度速やかに書き示し又は打ち込み表すことが出来る者は公的に必要物を完備することによって然様の何れかの手段で議事に参加し意見出来るようにされるべし。
その都度文章を書き示すことで意見する場合は成るべく必要な度に文章を書いたり消したりすることの出来る電磁的書版を用い他の議事参加者がその都度その文章を読める状態にしておかれたい。
その都度文章を打ち込み表すことで意見する場合は主に文字鍵盤等を用いて電磁的書版に意見文章を打ち込み表し他の議事参加者がその都度その文章を読める状態にしておかれたい。
意見者でない他の議事参加者はそれらによってなされた意見を当然に意見者以外の参加者による発言と差別なく扱い認めるべし。
3意見者の内、その自らの意見を不自由なく自ら文章としてその都度速やかに表すことの出来ない者はその自らの意見をその都度速やかに表す為の専門的な代辯人を必要な人数だけその議事に伴わせ当該代辯を受けることが出来る。
またもしくは、その自らの意見を特殊な方法によって代辯可能な機能装置等を駆使してその議事に於けるその自らの意見の表明を行うことも出来る。
当該代辯人の議事への同伴とその人数又は代辯可能な機能装置等の利用に関しては豫め詮議大任からすべての議事に於ける当該許可を受けるべし。
代辯人を伴う当該議員はその代辯人に対して当該議事前までにその議事に於ける自らの意見とするところの文章を書版等により提出提供し、その議事に於てそれを読ませることが出来る。これらは例えば「朗読」や「原稿等」の意味するところにはあたらないことは総じて認識されたい。
但し、代辯人を伴って豫め用意された意見を読み上げるのではその場次第の議論は行い難く、行おうとすれば発言が不自由であり代辯人がその都度その議員の意見を正確に確認し代辯せんとするのには相応の時間を要し費やさざるを得ない。発言を不自由としない者と然うでない者との間には事実として決定的な状況差がありそのような時間の費やし方は議事を議事たらしめる為の障壁となる。
意見を代辯可能な機能装置等の技術的発展とそれを活用する議員の技量等の充実によって他の議員の協力と理解の下に速やかに当該意見表明が行われ議事が滞りなく進行されるのであれば然うであるに越したことはない。
また、手話等の手段をすべての議員の間で共有することで専らそれらの手段を以て当該議事がすべて執り行われるということも可能なのであれば全くそのような議事の実施は妨げられない。しかし、議員全員が議事を全く通常どおりにやりこなせる程に手話等の手段に長けて居るとは限らないどころか恐らくは殆どそのような状況はない。
よって、その自らの意見を不自由なく自らその都度速やかに文章として表すことのできない者は成るべく理解があり認識も共有されて居る一部の議員らとの個別討論に於てその意見を存分に表現するようにした方が望ましい。時間も存分に使われるべきであり、個別討論はまさにこのような場合の為にあるものでもある。
・意見発言中の議員はその議事及びその意見発言に於て必要とし自らがその為に閲覧等して居る情報物等があるときは、必ずそのすべての情報物等をその議事の他の参加者や視聴者側に当該意見発言中常に公開し続けて居られたい。
これは原稿等を朗読して居るわけではないことを證明する為にもなり、また自らの意見発言にあわせて画像映像など多様な情報を駆使することでよりその内容を充実させんとすることも出来るようになる。
景勝本会議の議事についての註釈