「手紙」
それはペンとインキで以て書かれたものではなかった
一、二本の指による奇ッ怪な魔法によって書かれたものだった
例えるならば平坦な道
然れどその平らかには砂鉄から生れた砂金が散りばめて居た
到底物を得るには不足すぎる
蓋しわたくしには一粒一粒をかたちづくる一欠片一欠片が宝石であった
天の道の野分に咲く小さな花だ
その花はわたくしのぬるき涙を呑んで生き永らえると言う
喜べ!
まだ 心は枯れていなかった
「手紙」
それはペンとインキで以て書かれたものではなかった
一、二本の指による奇ッ怪な魔法によって書かれたものだった
例えるならば平坦な道
然れどその平らかには砂鉄から生れた砂金が散りばめて居た
到底物を得るには不足すぎる
蓋しわたくしには一粒一粒をかたちづくる一欠片一欠片が宝石であった
天の道の野分に咲く小さな花だ
その花はわたくしのぬるき涙を呑んで生き永らえると言う
喜べ!
まだ 心は枯れていなかった
「手紙」