さくらに恋して/新作短歌

そろそろ散り染めの今年の桜を惜しんで。

  
 恋しやな 京の都の紅枝垂れ
   他国の空に今日も涙す

 白川の 水の流れに浮く花を
   芸妓の酌を受けて眺める 

 色めきて 紅に染まりし花を見て 
   佳人を想わぬ友よ哀しき

 黒髪に 花の簪 赤き紅
   だらりの帯の舞子愛しや

 夕暮れて 芸妓行きかう細き路地
   かわす言葉も変わることなく

 散り初めし 薄紅桜の路地影に
   君ひきよせてそっと抱きぬ

 桜影 きみ我が袖を引き止めて
   口の紅をば拭いて微笑み

 今頃は 京の都の想い人 
   我を偲びて涙するかも

 おぼろ月 紅の枝垂れに見る夢は
   京の都のいにしえの恋


☆しばらく京都に行っていません。春爛漫のこの時期
 きっとたくさんの人でにぎやかでしょうね。(いずみ)

 


  
      
   

さくらに恋して/新作短歌

さくらに恋して/新作短歌

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-04-04

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted