遠い空の下、机に向かって書き物をする青年
雨の音がしてふと顔を上げる
テレビを消した私は立ち上がって風呂に入る
彼の思考は灰色の貸借対照表のマス目からマス目へ
私は風呂の中で今日一日のくだらない
出来事をかみ砕く
そうやって吐き出された思考や念は
すべて舞い上がって空へ
いじめられて自殺する子供がいる
憎しみにゆがめられた目で空を見る
あの子と私はどこかでつながっている
彼の退屈は私の憎悪で私の憎悪はあの子の退屈で
こんがらがったままスクランブル交差点に犇めく
人の塊
この世のすべてはつながっていて、こんがらがったまま
つながっている
気づいて私はこんがらがる
私一人死んでも

選んだわけでもなく、何かもわからず、私たちはこの世界に生まれて、 この世界がなんなのかもほとんど知らずに死んでいく。不思議ですよね。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-30

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