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ピントは あっていると思ってた

あなたと春を 3度過ごした
満開のさくら やわらかい光
ドーナツと つめたいコーヒー
1度目の春は 思い出せるのに
3度目の春は ぼやけていると
気づいたのは いつだった

この春 あなたのスマホには
見慣れない曲ばかり
きりとれてしかいなかったのかな
ファインダー覗いても
ピントは ぼやけたままだった

今 とりだしてみても
他人のものみたいで
あの時は まっすぐに 言えたのだと
あなたも わたしも 何もかもぼやけて
あせていく おもいを とめたくて

何がいけなかったのだろう

ピントはあわず
シャッターをおした

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-04-01

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