ルル、ときどき、きらい
ルル。罪にまみれた世界で踊る。少女たちの群れ。機械のからだで、みんな、やさしい生命を表現している。闇を葬るほどの、スポットライトの雨に打たれて、街頭テレビに映される、しらないだれかの、にんげんの、ひとりひとつの、生。(まぶしい)
わたしたちを、どう思っているのだろうか。
あのひとは。
無論、わたしと、ルルのことだが。わたしがねむっているあいだに、ルルが、あのひとになにか、よからぬことをしていないか、気になっているのだけれど、ねむけにはあらがえず。ルルがねむっているあいだは、あのひとは、わたしだけのもので、あのひとが読書をしているかたわらで、静かにそっとしている時間が、わたしには至福の時である。真夜中、ずっと、わたしとルルは、わたしと、ルルであってほしいのに、ときどき、神さまのきまぐれみたいに、わたしたちのままであることがあるから、そういうときはあのひとと一緒にいられるうれしさと、でも、ルルとはんぶんこみたいな、つまりはひとりじめできない悔しさとが混同して、メンタルやばいにきまっている。きっと。
ルル。ときどき、あなたが、宇宙の果てまで飛んで行ってほしいと思う。
ごめん。
街頭テレビからながれる、だれかの生の主張。
洗脳みたいで、こわいよ。
ルル、ときどき、きらい