好きなれどその答えは。
君の声がきこえる。
君のぬくもりが遺ってる。
君の面影がとなりで揺れ動く。
それでもわたしのこころは何一つ変わらぬまま
一定の場所をさまよい続ける。
それが愚かで浅はかなことだとわかっていても。
世界を色付けたキャンパスはいま。
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好きだとか、愛だとか、わたしには関係ないと思ってた。
誰かと一緒にいても、気持ちは上の空で続くものなんて何一つなくて
その「一瞬」だけで後に残るのは嫌悪感のみ。
わたしはなんて最低な人間なのだろうか、
人を愛することなど、一生ないんじゃないだろうか。
そう、思っていたはずなのに。
桜が舞うこの時期は、心の中に嵐がくる。
わたしが好きな花は死人花で、桜とは似ても似つかない。
嫌いと好きが入り混じった桜を見るたび、その美しさに
感嘆と憎悪が生まれる。
君に対しての気持ちも、きっとそうなのだろう。
わたしには続かないと思っていた「好き」が、忘れられずいて
ことあるごとに、君を思い出す。
だけど、そこに「愛している」、想いがあるのかどうかはわからない。
わかろうとしたくない、のかもしれない。
愛と憎しみは紙一重で、ただひたすらに忘れられないほど
君のことが好きなのに、憎しみを抱いているわたしがいるのも確かで
「届かないから」「触れられないから」「そばにいられないから」
そんな安易なことからではなく、もっと複雑に入り組んでしまった「モノ」。
この憎しみを君に、ぶつけられたらどれだけ楽なのだろう。
心の中のモノを吐き出してしまえたら、どれだけ。
君を守りたいと思っていたあの頃がとても懐かしく感じる。
それでも傍に居たいと願ってしまうのは
君を「愛している」からなのだろうか。
なんて、愚かなのだろう。
君からはなんの便りもないわたしなのに。
好きなれどその答えは。