ララのお告げ

 ララ。
 桜の花びらを纏って、微笑。

 他者(だれか)に、このきもちをわかってほしいと思っても、わたしが、他者(だれか)のきもちがわからないのとおなじように、わからないものだって、わかっているはずなのに、わかりたくないときの、いらだち。非常に身勝手だと思う。我儘で、傲慢で、でも、みんなそういう部分をきっと、もちあわせているはずだと信じながら、繁華街の、居酒屋さんの外の席で、手を叩いて笑っている集団を見やる。
 世界は変わって、元の生活が戻ってきているというより、また新しく先へ進んでいる気がして、なんとなく、ついていけてない感じが否めないけれど、ララだけが、永遠に不変で、ララだけはいつまでも、ララ、という存在であることに、わたしはひそかに安堵している。

 星が、いつかはおわってゆくものだと、学校の先生はおしえてくれなかった。
 ララだけが、ときどき思い出したように、わたしにささやいてくれるのだ。

ララのお告げ

ララのお告げ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-03-27

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