息継ぎをしないときは自分を見つめ直しているとき
調和
やわらかな星の断面に沈む深夜の都市部は濃厚な酸素にみたされて肺はいつもどこか重たげ 釣り堀にひそんでいたワニが見た欠片的生命体が細やかな粒子となり混沌する世界は誰をもそっとうけとめるだけのゆりかご
永遠に春
夜中の宇宙に浮かぶ星の舟を思い描いて窮屈な箱庭で呼吸をするノエルの左耳に光るものがあの子の涙だった日の甘やかな眩暈と鼻孔を擽る春の花の匂いに噎せ返り
息継ぎをしないときは自分を見つめ直しているとき
自分を見失ったとき、まるで自分で自分の首を絞めるかのように、息継ぎのない文章を書く。
そして、ああ、やっぱりこの、余白、呼吸のリズムだ、と思い直して、ふたたび、わたしは、あおい はる、となる。