アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅶ

アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅶ

『母さん』

『突撃―――――――!!!!』

炎龍軍特攻隊隊長レベウンとその部下たち、と・・・、男の人・・・?が黒龍軍に攻めてきている。

走ってきている。レベウンは何か言葉を呟き、魔法剣を手に掴み、敵の兵士に飛びかかった。

――レベウン、流石に特攻隊長だけはある。だけど、あの男の人、誰だろう?見たことないんだけど・・・。何か、気になるんだよね・・・。

うちは、その男の人物に少し注意を測ってみる。その力は未知数だ。だから、警戒を少しでもしないと・・・。

うちは、気を引き締め、顔をパァン!と叩いた。

うちも、戦いに参加しようとして、城の中をブラブラしていたら、黎穏の・・・、いや、レイヤの姿が見えた。

「り、理亜・・・。おまっ、避難してろって。危険なんだからよぉ・・・」

レイヤが、驚き、そして、呆れた顔になる。どうやら、うちのこと、とても心配してくれていたようだ。

しかし、うちとの会話に夢中になり、レイヤは、前から襲ってきている敵の存在に気がつかなかった。

「あ、危ない―――――!!!」

うちは、炎龍軍にいるとき、ギンに「護身用です!」と言って、防御魔法を教えてもらった。その魔法を、今、発揮する時だ。

『ラデン・ヴァシチェロ・リアーゼ!!』

うちは、両手を前にだした。すると、両手が、青く光った。

レイヤの目の前に、円状の盾のような結界が現れた。

「理亜、ありがと・・・ハッ!」

レイヤは、理亜にお礼を言うと、すぐさま、結界に飛び移り、敵を魔法で倒す。

『デイザン・レヴェウント・アギアジェール』

――すごい・・・!

片手を敵の方に向ける。すると、真っ黒い炎のようなものが敵に当たる。黒い炎だ。

「よし、次だ」

その言葉を言うと、レイヤは前へ走っていった。

うちは、次に大きいホールに行ってみようとした。スタスタ歩いていると後ろに気配を感じた。

なんだろう。と後ろを振り向いてみたが、何もいなかった。



と思った。


「よぉ、理亜」

「!?」



「リュ、リュウテン!?」

リュウテンは、暗闇から、不敵な笑みを浮向かってきたと思うと、すぐ目の前にいた。

「俺の能力は、時を操るって感じだ。だから、瞬間移動もできる。そういった、マジックだ」

リュウテンは、自分の能力について解説を始めた。しかし、理亜はその話には、少しも興味がなかった。

「てか、何であんたたちがいるのさ!だって、あんたら・・・、うちのこと・・・。うちのことっ!殺そうなんて思っていたんでしょ!?今更ここに来てなに!?
そんなにうちのこと、殺したいとか思って来たの!?もう、うちなんてどうだっていいでしょ!?もう、構わないでよ!!」

理亜は、悔しくて涙が流れてきた。もう、何も考えられなかった。

「もう、帰ってよ!!」

理亜は、手を空で切り、大声で叫んだ。涙が溢れる。

――もう、うちなんてどうだっていいんでしょ!?うちなんて、うちなんて・・・・。消えてしまえばいいんでしょっ!?

突然、暖かい温もりに包まれた。

恐る恐る目を開けてみると、目の前で、リュウテンに抱きしめられているということがわかった。

「お前・・・、そんなこと、言うなよ。―――な?」

「龍っ・・・」

もう、足に力が入らなくなって、ガクンと膝が落ちる。涙が、こぼれて、視界が薄れてくる。

――一瞬だけど、龍に見えた・・・。

うちは、ここでやっと、人に思われている、考えられているということがわかった気がする。

「俺たちが、暗殺――!?」

「うん。黎穏に言われた」

うちは、涙を拭いて、リュウテンと話し合いをしていた。黒龍軍にされていたこと、言われたこと、そして、炎龍軍で行われたことなどが内容だ。

「黎穏・・・?あぁ、レイヤだな?」

「え、その名前を知っているの?」

「知っているもなにも、有名人だからな?」

「えっ、そんな有名人なの?」

うちは、もう一度聞いてみた。どんだけ有名なのか、リュウテンに黎穏の情報をたくさん聞き出してみよう。

「ああ。えっと、あいつはまず、黒龍軍の王子だ。そのぐらいは、知っているよな?」

「あ、うん」

「また、あいつは黒龍の息子。それもわかるよな。そして、闇の力を持っている」

「うん」

「また、あいつは、息子もいる」

「えっ!?む、息子っ!?」

うちは、椅子から乗り上げ、勢いよく、立ち上がった。

――そ、そんな・・・!!あいつに、子供がいたなんて・・・!!

もう、びっくりして、体が動かない。その様子を見て、リュウテンは、心配そうな表情になる。

そのとき。

「リュウさん、やっといた。もう、俺ら探したんすよ・・・」

――あ、あの男の人だ・・・。

レベウンと一緒に行動していたあの男が今、ここにいる。これが、運命の出会いというやつなのか・・・いや、絶対にないな。

しかし、それが本当だったとは、思いもよらなかった。

「か、母さん・・・」

「え?」

これからが本番だ。

アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅶ

アナザー・ライフ ~another・life~ Numberⅶ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-30

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