火曜日のハナ

近所にある大きな桜の木が
冬に剪定されたから
今年はほとんど花が咲かない
花が咲かないから
もちろん散らない
散らないのに何だか寂しい
寂しいきみをみるのが辛い
きみに優しくしたいけれど
どうすればいいか分からない
きみはとっても偉大だし
僕は本当にちっぽけだから
きみに残された枝先に咲く
その数輪の花が
一年毎に少しずつ増えていって
やがて本当のきみの姿に、
多分新しいきみの姿に戻っていくのを
見守ることしかできない

火曜日のハナ

火曜日のハナ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-03-21

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