犬猫論争

[ 400字小説 / 06 ]

 
いつもくだらない話で盛り上がっていた友達と犬派と猫派で言い争いになったことがある。犬派の友達は忠実で天然おバカなところが堪らなく可愛いと言い、猫派の私は気まぐれなのに意外に寂しがり屋で気にしいなところが堪らなく愛しいと言い、一髪即発であわや喧嘩になるところだった。
「犬は呼んだら来てくれるし可愛げがあるよね」
「猫は呼んでも来ないけど、そこがいいんじゃない」
そう言うと友達は私のことをMだと言ったが、どちらかと言えば、寂しくて犬を飼い始めた甘えん坊の友達のほうがMだと思うのだけれど。私の場合は子供の頃は犬を飼っていたのだけれど、一人暮らしを始めてから猫を飼い始めた。手が掛かるようで意外に掛からない猫の魅力に取り憑かれてから、猫しか愛せなくなってしまった。

そんな私に友達は言う。
「まあ、どっちも飼ってみたらどちらも堪らなく可愛いんだけどね」
それに関しては同感だけど、私はやっぱり猫が好き。

犬猫論争

2022/10/12

【備考】
こちらは上限400字のショートショート投稿サイト『ショートショートガーデン』に『野辺りな』名義で投稿したものです。わんにゃんの日に犬猫をお題に書き下ろしました。
活動の中心は創作系SNS『くるっぷ』とMisskeyのノベルスキー、Twitterで、Twitterに140字小説や54字の物語を投稿中。その他、短編系の投稿サイトも利用中です。

犬猫論争

犬と猫どちらかなんて決められないけど

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-03-13

Copyrighted
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