望むなら(書き出し。)
学生と言ってしまうには類まれな取柄を持つ二人。
37歳で亡くなった大映昭和の大スター市川雷蔵扮する眠狂四郎は時にこの様に短く返事をする事がある。
実にcoolでニヒルな二枚目と言える。
では、此の前に相手が話し掛けた言葉は何だろう?
「・・眠狂四郎・・お主を斬る・・」
「・・望むなら・・」
「無敵の武士だものね?」
大女優である加賀志保と葉山洋二は学生時代からの付き合いだ。
ミスコン制覇から業界入りした彼女は瞬く間にスターダムにのし上がった。
二人は単なる親友というに過ぎない。其れは卒業時に其々の道を歩むにあたりちょっと。
彼女はキャンパスのミスコンだけでなく、噂を聞きスカウトが殺到したという前代未聞の美女。
仮に東京中のいや、大阪や京都の大学で行われたミスコンに出場していれば・・。
卒業をしてからの彼女の評判は決して悪いどころか実に礼儀正しく少しも気取る様な事は無かった。
其れも其の筈、学生時代の彼女の取得単位の総数は約五十あまりになるのだが、その内A~優の事~が全てを占めていたというのだから、創始者である福沢諭吉が聞いたら何と言っただろうか?
法学部政治学科にしてゼミはマスコミニュケーションと平凡なのだが、特別聴講生とし理科系の理論物理などにも顔を出し、国内の司法資格など多数に亘り在学中に取得をしている。
この原因の一つには彼女一人が全ての講義等を聴講したのではなく洋二と二手に分けノートをとった。
ノートというものは、よくキャンパスで学生が販売する事はあるが、千円出したところで、まるきし役に立たなかったなどという事もざらにある。
その点、二人のノートは極めて内容の濃いもので重要なポイントを中心に上手く纏められており、製本でもすれば案外大学の近くの書店でも買い手が殺到すると思えるlevel。
とは言っても、実際には二人以外には亘る事の無いノート若しくはそのコピーと言える。
そんな事もあり、二人共優秀な成績で卒業をし、同時に現役で各種の難関資格試験に合格した。
其の話は、週刊誌などでは寧ろ隅に追いやられた様に記載されており、メインとしては二人の共通の趣味と言える、文学・音楽・美術の分野なのだが、その実ペーパー学問ではなく、書籍になっていたり、作曲集や演奏集としてYouTubeなどにアップロードされている。
此れは世間向けのサービスのようなもので、professionalが満足するようなものは別途CDなどに録音され或いは書籍に纏められている。
二人の才能の全てを同時に評価するという人類はあまり無いだろう。
大抵は自らの好みのgenreに限り購入するのが現実だろう。
そういう意味では、ほぼマルチプレイヤーと言えるだろうが、あまり総合的に評価をするファンはいないと思われる。
二人といっても、業界人は彼女のみで、洋二は彼女の事務所のCEOとして経営に携わる一方、自らは法律事務所を中心に弁護士として活躍を。
また、しばしばTV局の報道番組などにも解説者として招かれる事もある。
と言っただけで、二人が如何に忙しい身であるかは想像がつくと思う。
国内のみにあらず世界的にも、突如出現した双子座との異名をとる程である。
その二人の私生活についてはおいおい話す事になるのだが、取り敢えず見出し並みに説明すれば、決して夫婦などではなく住まいは賃貸のマンションに隣同士で部屋を・・と言う状況。
更に志保は独身を満喫したい質だが、洋二は目下結婚相手を物色中という状況が、聊か人類のfanからすれば奇異に感じられるとしても仕方がない。
順次二人の詳細が紹介される部分もあるだろうし、二人だけの特殊な関係とでも思われる事になるかも知れない。
(本日は用があり出掛ける関係で、時間が無くなったので、此処までとし、明日続きを載せるつもりである。)
望むなら(書き出し。)
二人の特異な分野における活躍など。