卒業

十八歳の彼が年寄りに見えたのは、ガリガリに痩せていて顔が土色をしていたから。「お前も」と言われて、もう会うことはないとお互い知っているのに「またな」と書いた。田中がハブられてるのに団結で勝利した体育祭やら、同じような出し物の個性が光った文化祭やら、そんなのの締めくくりとしては適当。薄ら寒い体育館では尾崎が流れて、こんな式で流されるようじゃあんたのアガキはもう終わったんだね、はは、ご苦労さんって感じで僕たち私たちは輝かしい未来に向かって巣立つそうです。
先生、あんたはその輝かしい未来って奴の中に、今いるのかい?

卒業

卒業

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-03-12

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