裸体
私は見た。
寝床でこちらを向いて横たわっている裸の少年の姿。
そこが寝床であってもこの少年の身体は眠りには繋がらないのは明らかだった。
何も隠すことの出来ない、何にも紛れることの出来ない一個の、とりとめのない身体。
「それ」は体内で濾過されることはなく、留まることも出来ず、原形のまま流出していた。
少年は「それ」を止める方法を知らない。
この少年は失くしたのだ。何を、はわからない。絶たれた、ということを身体は納得していない。生きることを止めることが出来ない生気。
眠りの場面で煌煌としている。
このことは私の「悲しみの姿」を変えた。これまでの私の悲しみは今思えば長閑なものだった。
裸体