疎ましき春/新作俳句
最近俳句を詠んでいないのをふと思い出したけれど・・・。
春の花 冷たき墓石の傍らに揺れ
春は来ぬ もう永遠に来ぬ わが心には
塹壕の 笑顔の肩に春の雪
聴き慣れし 春の小鳥の歌や何処に
砲煙に 帰る場所なき 渡り鳥
入学も かなわぬままの 地下暮らし
上げ雲雀 今日も見上げて 平和を想う
助けたき 気はさらなれど 我が暮らし
あどけなき 声は響けど されどいつまで
地響きの 音迫れども 為す術もなく
花開く 春来たれども 心疎まし
花開く 春来たれども 心の春遠し
疎ましき春/新作俳句