希死念慮依存症

またの名を希死観念依存症

 誰かを恨んでしまう自分が情けない

 しかし借金をしていなかったらきっと
 死んでいた。

 こんな小出しにする必要は本来ないのかもしれない。
 これをTwitterに書きたい。
 誰かにかかわってもらいたい。
 誰かに触れてもらいたい。

 でもそれはないのだと分かって居る
 分かって居るから辛く苦しい。

 誰かにこの気持ちを聞いてもらいたい。
 ただ愚痴として聞き流してもらいたい。

「寝ろ」と言わないで
「病院行け」と突き放さないで

 僕を見捨てないでくれ

 今ある辛さ苦しさはほとんど全て、借金が原因だと思う。
 けれどきっと、そうでもしなければ生きられなかったと思う。
 お金を使わなければ、どうにかならなかったと思う。
 でも、これをいったら怒られるし、蔑まれるから、絶対に明かさない、明かせない、明かしたくない。
 僕はきっともっと早くに死ぬべきだったのだろうか。
 それでも死ねない。
 いや本当は死にたくないのだ。絶対生きていたい。
 けれど、生きていても楽しくない。

 毎日の給料日だって、現実と目を合わせれば辛くて、鬱になりそうである。

 鬱と診断されていないから気軽に言えない。
 僕が辛いと言っても、回りは助けてくれない。
 疎ましく思って離れるか、どうにか縛りつけるだけ。
 そこに僕への配慮は無くて
 ただのエゴでしかなく

 僕はどうすることもできない

 どうしようも無い

 どうすればいいかも分からない
 なんて素晴らしい言葉なんだろうね
 鬱なんて。

 今すぐにでも話したい。
 けれどもそうしてしまえばまた失ってしまうから。
 嫌われてしまうから。

 誰にも明かさない。

 きっと、絶対。
 経験が言うんだ。

 きっと周りに助けを求めてしまえば

 周りに迷惑をかけている罪悪感に苛まれ
 これまで経験してきた助けてくれた人の逆上への恐怖に夜も眠れず
 慣れた頃にやってくる、突然見切りを付けられることへの裏切りが。

 僕を殺す。

 お金がない。
 だからお金を借りる。
 そうでもしないと生きられない。

 本来誰かに寄っかかるべきなんだろうけれど。

 その寄っかかる人が居ない。
 誰かに助けを求めても、それがあってできない。
 もう何も傷つきたくない。
 恥をかきたくない。
 満足に対応されないに病気を持った人としていたくない。

 もう“普通”の人で居たい。

 世の中は酷い
 助けようとしているのは分かる。
 けれどもそれが返って僕の心を殺しにかかっているんだ。

 これを読んで否定から入る人はきっと僕を殺す人なんだろう。

 それが最後肯定に繋がるとしても、それを聞く前に僕は飛び降りるだろう。

 ああなんて最低なのだろうと思う。
 0か100しかない僕にとって、これは致命的である。
 生きるのに向いていない。
 世の中を過ごすのに向いていない。
 これ以上世間に迷惑をかける訳にはいかない。

 借金を返せそうにない。

 未来のことは分からない。
 それは希望に変わる言葉ではなく、絶望に変わる言葉なのだ。
 良いことがあるかもしれないし、悪いことがあるかもしれない。
 そんな不確定な要素で不安にさせないで。

 もうナイーブになっているのだ。
 少しの不安でさえも過剰に受け取ってしまうのだ。
 呼吸をするように僕は過剰になってしまう。

 だから僕は今必死に感情を整理しようと、馬鹿な駄文を打っているのだ。
 憂鬱な明日になってしまった。

 アルバイトに行きたくない。

 もうこれ以上迷惑をかけたくない。
 過剰に人の言葉を受けてしまう自分が嫌だ。

 誰も悪くはない、ただただ自分が悪いのだ。
 だから涙が止まらなくなる。
 日々感じる罪悪感に圧し潰されそうになるのも、時間の問題だ。

 今までどうにかなっていただけで、もうそろそろその効果も切れるのではないだろうか。

 恥をまき散らして迷惑をかけながらバックレるよりも
 もうそのまま穏便にできないものだろうか。

 いや無理だろうな。何せ僕は職場にこの病状を明かしていない。
 だから普通の人間なのだ。
 何が何だろうと。
 誰が何と言おうと、僕は普通なのだ。普通で居なければいけないのだ。

 誰もが、病気なんてただの勘違いなんだと思うくらいには普通を振る舞わなければいけないのだ。
 これでは誰も助けてくれるはずがない。
 けれども、やはり助けがいるのだ。
 しかし、やはり僕は普通で居なければいけないのだ。
 もう頼る人は居ない。

 身内になんて到底頼めたものじゃない。

 温かく寄り添ってくれる人もいない。
 明かしたくない。
 これ以上恥を振りまきたくない。

 病院へはいけない。
 借金がある。
 病院へはいけない。
 借金をしなければ行けない。
 病院へはいけない。
 借金をしてまで現実と向き合うほどの気力は僕に無い。

 なら映画を観ることの方がずっと楽しいし、前向きになれるし、自主的に赴ける。

 だとしたら僕は病人ではないのだ。
 映画に行ける人間がそんな病気を負っているはずがないのだ。

 だからこれは僕のなまけに過ぎない。

 この過呼吸も気のせいだ、演じているだけだ。甘えているだけだ。
 この喉の痛みも気のせいだ、演じているだけだ。甘えているだけだ。

 しかしどこかで認めて欲しい自分がいるのも事実だった。
 しかし僕は普通の人間なのだろう。
 世間でそう扱われるしか、僕には残されていない。

 僕は馬鹿なのだ。
 僕は阿呆なのだ。

 いや判断力さえも鈍っている。
 何かを決断する力さえも鈍っている。

 だから話が理解できないし。
 文すらも理解できなくなってきている。

 しかしこれを言っても、ほとんど問題視してくれない。

 僕はこうすることしかできない。
 助けてと言えない。
 表情と、その少ない病状を明かすことぐらいしか自分の状態を明かす事ができない。

 終わりだ。

 僕には友人がいない。
 親の引っ越しが続いてるから。

 僕には親友が近くに居ない。
 頼れる友人も
 愚痴を聞いてくれるであろう恋人も
 旧友も居ない。

 もうあの時死んでおけばよかった。
 そう思わざるを得ない。
 また怒られる。
 怒られるのは嫌だ。
 けれど怒られる。

 どうしていいか分からない。

 その声が不愉快でも、過去が思い出せないせいで離れられない。

 お金がないから離れられない。
 借金をしてまでも離れようと思ったけれど。
 結局引き留められて、僕は何故かここに居る。

 どうしてこうなったのだろう。

 どうして何故かここに居る。
 もう、あの時……死んでおけばよかったというけれど、多分死ねないんだろうな。

 もう大丈夫と見放さないで、
 僕はまだ大丈夫じゃない。

 もう大丈夫と見放さないで、
 僕は全然歩けない。


 赤信号だと分かっておきながらも、なぜか進もうとしている時点で僕はもう終わりだと感じ始めた。
 限界にきているんだと思った。もうそのゾーンに踏み入れているんだと心の底から思った。
 けれど、そんなことを書いている時点で僕はまだ元気なんだろう。
 無駄なお金を使わせられない。
 どうにか自立するんだ……
 どうにか……どうにか……。

 なあ、自立できないって言わないでよ
 自立は無理だって言わないでよ

 僕はなんのために生きてきているんだろうと心の底から思うんだよ。

 だからそんなこと言わないでよ。
 僕の事を言わないでよ。
 そんな正直に明かさないでくれよ。
 現実をそんな淡々と語らないでくれよ。
 僕の苦痛を平気な顔して踏まないでくれよ
 現実とのジレンマに悩んで憔悴しているのにいわないでよ。

 なんでそう無神経で居られるんだよ。

 自分の立場なんて嫌なほど分かって居る。
 分かって居ればそもそも借金なんてしないというけれど、そうしなければ死んでいた。

 思い出すだけでも辛いから忘れることにした。
 忘れていることにした。

 そうすることで今日まで何とかハッピーにやって来た。
 それ以外の方法は全て潰れた。
 もう気軽に提案なんてしないでくれ。
 救わないでくれ。

 それでどれだけ傷ついたか分からない癖に。

 それでもきっと、僕がそう言ったからっていうんだろうけれど……だから。
 それだから僕は助けが求められない。
 求めたくても求められない。
 これを読んで恐らく、読者は嘲笑してると想定して、書いている。

 お前らは敵だ。

 僕を利用して、搾り取る悪魔だ。
 僕をたぶらかして、自身の欲を満たす悪魔だ。

 そうやって、不幸を擦り付ける自分が情けない。
 そうやって、不幸を自慢している自分が憎たらしい。

 リストカットもできない癖に。
 もう何が正しくて、何が正しくないのかも分からない癖に。
 もう僕には道が見えない。
 ずっと暗いままだ。
 親ガチャも嘘、毒親も嘘、もう何もかもが間違えている可能性だってある。
 なにもかもそれのせいにしたいだけの傲慢さが生み出した麻薬に過ぎない。

 もう無知と偏見と虚像に浸らなければ。
 もうそれに依存しなければ僕は生きていけない。

希死念慮依存症

希死念慮依存症

そうやって哂ってきたのでしょう?

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-03-05

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