囚人の言語

見ることは死ぬことに似ている、捉えることが囚われることに似ているように。

眼は呪われた器官である。あらゆるものは、この呪われた器官に呪われている。

定住への生理的嫌悪。放浪者のみが人生を全的に生きている。

檻という檻を壊してまわった。放浪すら檻の一種だという考えが(よぎ)った時、(あら)ゆる光が(つい)えた。(おれ)は生きたことがない。

己は自分を、他人のように、眼差(まなざ)す。

囚人の言語

囚人の言語

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-03-03

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