自選短歌 2023年2月

見つめると見つめ返してイグアナが話しだすのをしばらく待った

他人ではなくなりたいな生真面目な顔であなたに声をかけつつ

晴れた日の銃殺刑を待つようにわたしの影が壁に突っ立つ

無音だが肉の重みを思わせる歩みで猫が横切っていく

飛べそうな気はするけれどくるくるとひどい嵐の夜の風見鶏

(わたくしを忘れものとは呼ばないで落としものですきっとそうです)

くちびるがいかにもラヴと言いそうだわたしのラブでふさいでしまえ

自選短歌 2023年2月

自選短歌 2023年2月

2023年2月に「うたの日」で発表した短歌からの自選7首です。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-03-02

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