試験管少年手紙録
黒髪少年と試験管少年
君と、俺は、どんな、関係なのだろう。
一つ、言えることは、君は、“知らない”俺に対して、教えてくれる、存在。
なら、それは、
「先生と生徒?」
…違う。
いや、その言葉が、近いのかも、しれないが…。
「俺たちは、」
名付けるのは、難しい。
でも、今はまだ、それでいい、と、思った。
2023.02.25 関係性自論2開催記念
試験管少年と黒髪少年
あの日から、月日が経った。
瞼を閉じれば、揺蕩う青が、浮かぶ。
他にも、滲む赤、伸びる黒、瞬く黄色。
初めて“知った”、景色、感情、全て、大切な…。
おはよう。かけられた声に、窓辺を見やる。
優しい笑顔。
胸が、温かい。
名付けるなら、きっと。
「おはよう」
宝物だ。
2024.05.24 試験管少年10周年記念
黒髪少年と本の試験管少年
「二回目…だな」
この光景は、以前も見たことがある。
また、路地に、いるようだ。
危険がないとわかっているから、足取りは軽い。
よく見ると、色んな店が、並んでいる。
「…面白そう」
こっちもあるよ。
ふと、知っている声が、聞こえる。
声の主が、この状況を、作っていることも。
さぁ、行こうか。
2024.05.25 Booknook vol.2 開催記念
黒髪少年と夏の試験管少年
まだ、蒸し暑い夜、遠くで、何やらやるらしい。
詳しくは、知らないが、小さなお祭り、なのだろうか。
お祭り?
わくわく、と、青い瞳が、語る。
「かも、な」
そう、答えれば、何をやろうか、何を食べようか、考え始めた。
その姿が、微笑ましい。
そして、ふと、気づいた。
それなら、
「祭りに、行こうか」
2023.08.26 関係性自論3開催記念
黒髪少年と冬の試験管少年
ほぅ…と吐く息が、白くのぼる。
それに合わせて、手のひらのものが、ちかりと、輝いた。
「それは?」
そう、問えば、柘榴の瞳が、柔らかく、弧を描く。
僕の、欠片。
グレー、黒、白の、不思議な花。
隣と、最中と、終わり。
紡がれる言葉が、君自身だと、わかった。
それなら、
「大切に、しなきゃだな」
2023.12.09 ホイップフェス開催記念
黒髪少年と冬の試験管少年
「どうする?」
そう、問えば、白い睫毛が、影を作る。
悩んでいる、感じだ。
そうだろう、君は、静かを、好む。
でも、遠く、夏からの伝言を、伝えたい。
この場所は、君とだから、意味があるんだ。
だから、自分も、意を決して、口にする。
俺は、
「君と、行きたいんだ」
2024.02.24 関係性自論4開催記念
試験管少年手紙録