愛なき世界

冷たい掌の上には錠剤
頭の中バカにして街を彷徨く
今日も顔のない人に抱かれ
何も考えず何も知らずに

朝には前頭葉が軋み出す
窓には鉄格子
どこへでも行けると思い込んでいた
どこへ行っても変わらなかった
つまらない

あなたを忘れてしまった


はろーこんにちは
ねえ、どうしてここにいるの?
首輪が外されても私は世界を忘れている
歩けないのよー
車椅子をくださいな
お菓子とほんの少しの薬を下さいな

あなたをくれないかしら?

愛なき世界

愛なき世界

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-02-25

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted