奇想詩『亡霊売春婦の正しい愛し方』
私は週末の真夜中になると
車に乗って高速道路の上で降りる
なぜならそこには
亡霊売春婦がいるからだ
彼女は決まった時間に
決まった場所にしか現れない
私が亡霊売春婦と出会ったのは
真夜中に高速道路で居眠り運転をしていて
安全のために路側帯に車を停めた時だった
そこには色白で裸の女性がいて
私はひどく寝ぼけているのかと思った
彼女は運転席の窓を軽くノックして
私に窓を開けるように促した
「入れてくれないかしら」
私がドアロックを外すと
彼女は助手席に座った
「ショットガン」
助手席のことを英語ではそう呼ぶのだと
西部開拓時代やらの話を交えながら
彼女が教えてくれた
けれども私は彼女の裸体のせいで
何も話が入ってこなかった
彼女は車に乗せてくれたお礼に
私のペニスを舐めさせてほしいと言った
返事をする間もなく
彼女は私のズボンのジッパーを下ろして
すでに勃起していたペニスを口にくわえた
私にはこれが夢なのか現実なのか
わからなくなっていた
あるいはこれは強烈な睡魔と
真夜中の高速道路が
そうさせているのかもしれない
やがて私は果て
彼女は精液を飲み
そのまま眠りに落ちた
目が覚めるとあたりはすでに明るくなっていた
彼女の姿はどこにもなかった
下ろされたままのジッパーから
ぐったりとしたペニスが出ていた
あの日から
私は週末の真夜中になると
車に乗って高速道路の上で降りる
なぜならそこには
亡霊売春婦がいるからだ
奇想詩『亡霊売春婦の正しい愛し方』