アスパラガスと私の仕事

 この町の名前は「あさのゆきほ」といいます。
なんだか人の名前みたいですね?私はそう思います。
町の中央には大きな噴水があります、その真ん中には大きな女神像もたっています。
この女神像の元が何であるのかはわかりません。
私がこの町に生まれる前からありましたので。
この噴水の周りでは、朝市が開かれます。
私はほぼ毎日、朝の食事の材料を買うためにここに通っています。
買うものはいつも一緒で、三本のアスパラガス。
それから切って売ってある食パンを二切れ。
これだけをいつも決まったお店で購入し、家に帰ったらそれを調理して食べます。
調理といっても、炒めたアスパラガスをパンに挟んで食べるだけのシンプルなもの。
もともと朝はあまり食べられないのでこれで十分です。
あとは食後に一杯の紅茶を煎れて、それを少し急ぎめで飲みます。
なぜなら仕事があるからです。
それから寝室にもどり、クローゼットからいつものスーツを取り出し、タンスからはその他のシャツや下着類を取り出します。
それを私はまず上下揃いの下着をつけ、ストッキングを履き、白いシャツを着ます。
スカートをはいて最後に上着を。
あとは黒髪の無駄に長い髪を後ろに束ね・・・ポニーテールという束ね方です。
手首と首元に少しだけ香水をつけます。
香水の容器を鏡台の上に決まった向きでおいたら、
私は寝室をでて、リビングをでて、トイレとお風呂場を過ぎて玄関へ行き。
高めのヒールを履いたら、家を出ます。
スーツの右ポケットに入っている鍵を取り出し、鍵をかけ、
また元の右ポケットに戻します。
そしてようやく仕事に行きます。
私の仕事は「夢鍵家」です。
今日は天気がよいのであまり依頼は来ないかな?と考えて。
仕事に行きます。

アスパラガスと私の仕事

一人の女性のお仕事に行くまでの事です。
とくに変わったことはない日常を書いたつもりです

アスパラガスと私の仕事

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-12-29

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