ショートショートの世界
文学の中でも大事なショートショート。
このサイトには小説で大事なウエイトを占めている、「ショートショート」というジャンルがありません。
又、文字が小さすぎるので、アメーバブログなどでは文字のサイズを自由に変えられ大きく出来ます。
ただ、ブログは行を飛ばすので、此れは本来文学には無縁のもので、海外ではその様なものは見られない。
此の国の言語では構造上行飛ばしが出来ても、世界の言語で同じ事をやると、意味が異なってしまう事もあるので見られないのかもしれません。
例えば、Englishで文字の位置を変えたりすれば、異なる意味になったりします。
意味合いは異なりますが、europian union という英語がありますね。
此の国では「EU」と表示されますが、形容詞を後に持って来るフランス語などでは「UE」となります。
さて、今日のテーマである、ショートショートですが 私の作では、殆どが恐怖seriesで「I will wait for you」を初め「Inferno」「DownPo」などが其れにあたります。
作家ではSF系の「星新一」やホラーやエロティックにシニカルものの「阿刀田高」などが有名ですが。前者は好きではありません。
後者の方は二大大賞の審査員も務めた経験があり、巧妙なショートショートで面白い。
多分、今でも小さなサイトで懸賞などやっているかも知れません。
阿刀田高の「TO-BE小説工房」で検索をすれば自分で書いたショートショートで応募できると思います。
彼の場合には文字数1800以内くらいだったと思いますが、私は文字数に拘らず書いています。
彼は、直木賞作家であり、夏目漱石の「夢十夜」の事を評し、「あれだけの全くテーマが異なる短編作品を多く書けるのは、長編を書くより難しくやはり天才だ」と。
本では「ナポレオン狂」が人気があるようですが、今日は「夢判断」という本から一話。
『ししゃもと未亡人』(ししゃもとみぼうじん) は、現代恐怖サスペンスシリーズの一作として、1987年7月6日に関西テレビ制作・フジテレビ系で放送されたテレビドラマ。原作名は阿刀田高『干魚と漏電』。
では、そのお手並みを拝見しようと粗筋を載せて見ます。機会があれば是非「TO-BE小説工房」に応募し腕を磨いて下さい。有償の添削は申し込んでも申し込まなくとも自由ですから。)
杉田未亡人は中古住宅に引っ越し、一人暮らしをはじめた。
或る時、電力会社の集金人が持ってきた請求書を見て、前の家より電気代が高すぎると不審に思う。
其処で、試しに全ての家電などのswitchを切ってみたのだが、其れでも電気メーターは廻っている。
杉田は其処から此の謎を突き止めようとし始めた。
電力会社の集金人が持ってきた請求書を見て、前の家より電気代が高すぎると不審に思う。
未亡人は集金人や電力会社にしつこくクレームをつけ、うとましがられる。
そして気が付いた事。
電化製品のコードを全て抜いても、電灯を全て消した状態でも電気メーターが回っていることに気付く。
魚屋のおかみから隣家の夫婦の悪い噂を聞いていた。
電力会社に隣家から盗電されていると訴え、ついに重機を入れた調査がはじまる。
それ以前に杉田夫人が仕入れていた情報とは。その家に過去住んでいた人達の状況だった。
何組かの夫婦などの住んでいた時の状況や立ち退いた時の状況を聞いた。
こういうところに時間を掛けるのもクライマックスに近づくまで話を充実させる(ふくらませる)為の大事な所。
(宮部みゆきや松本清張など殺人事件を多く書いてる作家は長編作品を構成する重要な要素として厚みを付け乍ら筋書きに幅を持たせ、読者は如何にも殺人事件に至るまでの何でも無いようなストーリーを味わいながら、ゆっくりと結末までの状況を読む事になる。
一方、書く方から言えば、ああで、こうで、と伏線を敷きながら、例えば事の始まりは全く関係の無い辺りから始まり、状況・動機・犯人と被害者との関係~法律的には、因果関係というのだが、何某かの殺人に至るまでの線が敷かれていなくてはならない事になる。
更に法廷なので行われるように、因果関係の存在が確定されれば、次は其れを裏付ける証拠が必要になり、其れが書証・・は、法廷での話だが・・人証と言い、法廷では証人尋問の事を意味するが、話では刑事の聞き込みの結果だとか思い掛けなく発見できた事柄などを巧妙に絡ませていき、文字数6万字から十数万字以上まで書いて行かなければならないのが現実。一冊の本にするにはそれくらいの文字数が必要とされる。
プロであれば、本や新聞などの連載が本になったりするのだが、そういうものを本として購入して貰わなければ、お金が入って来ない事になり生活に関わって来るから。長編が多い事になる。二大大賞なども長編だけでなく、やれ、本になったかどうかの審査や何かの賞を取ったかなどが応募の条件になる。)
次々に住んでは引っ越していく人達の人間模様が描かれるのだが、其れが無いと薄っぺらな詰まらない作品になってしまう。
其の中である夫婦に関わる話を何となく気にしたのだが、確か夫婦の仲が悪く、奥さんの方は何時の間にか姿が見られなくなったという様な事だった。
私も、読んだのはかなり昔の事で筋書きをはっきりとは覚えていないので、多少は異なるかも知れない。
さて、伏線は其処までで、いよいよ話は展開を始める。
作業員は天井裏で分岐したコードを発見。コードに沿って壁を壊し、床をはがすとコードは床下の土の中に埋まっていた。
今度は土の中に入り込んでいるコードの跡を辿って行く事になる。
この辺りでちょっと早いが、結末になる。
床下から冷蔵庫が掘り出される。
其れで、電気メーターが廻っていた理由が分かる。
冷蔵庫をこじあけるところで、このお話を終わらせている。
その先を説明してしまえば、詰まらない日記や児童書の類になってしまい、ショートショート作家の書いた作品とは思えなくなってしまうから。
ある読者が書いたと思われる粗筋には次のように記載がしてあるが、其れは原作には全く書いてない事で、その辺りの余韻を残させるのがプロ作家の作品と言える事になる。
(中にあったのは・・?)これは駄目な見本。
其処から先は読者が頭で結論を出す事で作品の価値が決まる。
つまり、ドアを開けた作業員から、杉田夫人の感覚に変わる。
最初の方で、杉田夫人がシシャモの匂いを嗅いでいるsceneが不可欠。
そして、其の嗅いだ匂いに結末を落とす。
「・・シシャモの匂いが蘇って来た」は一例で、その様な文章で締めくくる。
後は、杉田夫人が如何にも事件には無頓着で、他人の事には関係無く、自らの電気料金の方が関心を引くという人物であるという事を強調する事でこの話の価値を上げ、余韻を残す事になる。
私が未だに此の話が思い出されるのは、正に余韻が残されていて、其れが頭の中に残っていたからと言える。
翌日、未亡人は着飾って荷物をまとめたトランクを引き、隣人に海外旅行に行くといって笑顔満面で出かけて行く。
要は、杉田夫人にとってはシシャモの結論よりは、電力会社との戦いに勝ったという事の方が・・と言う方向に持って行く事で、よりさり気ないもう一つの伏線を敷き幅を持たせていることになる。
このように主に職業作家のものには、そういう工夫が施されているという例である。
素人でも、数多くの本を読み、小説を書き慣れてくれば、次第にそういう事が理解でき、容易に筆を走らせることが出来るようになると言って良いだろう。
おそらく原作とは少し異なっているであろう・・と言うのはたいていそうだから・・TVドラマの出演者を挙げてみる。
小川眞由美:主人公。中古住宅に引っ越してきた未亡人
平田満:日本電力の料金徴収係
三谷昇:隣家の夫婦(夫)
白石奈緒美:隣家の夫婦(妻)
小坂一也:日本電力の社員
菅井きん:近所の八百屋
中原早苗
河合絃司
森川正太
松田洋治
野口貴史:日本電力の作業員
益岡徹:日本電力の作業員
こうすれば、俺でも私でもドラマを作れるんだという気分になってくるでしょう?
此の「夢判断」には別に幾つかの作品が載っている。
其れを。
『ベターハーフ』『柳の下のジンクス』『蜜の味』『勝ち馬情報』『紅白梅』など14作品。
これ以上書いてしまうと阿刀田氏に申し訳ないので、興味がある方は是非読んで頂きたい。通販もあるようです。
また、このサイトに「ショートショート」のジャンルが無いのは大きなミスと言えるでしょう。
短編でも、私は好きではないが、「星新一」の賞があったが、USA在住の理科系の学者が絶賛していた。
確か、賞金は百万位では無かったかな?
このショートショートであれば、現実の社会を知らない今の世代の若者でも、自分の生活の中にヒントを見つける事が出来るでしょう。
幾らお金が欲しいからと言い、漫画やanimation類のものを書いていたのでは、文学とは言えなくなってしまう。
実際には今、このサイト以外の小説家になろうや、エブリスタ・その他では、殆ど漫画・animation類のものばかりで、大人には全く興味を感じさせないものばかりになってしまっている。
嘆かわしき現実だと言えるでしょう。
ドラマや映画(アニメ以外の)の原作を書きたいと思いませんか?
先ずは物真似から入る手もあります。文豪達の作品は難しいでしょうが、今の作家のlevelで真似をしたものを書き、次第に自分独自のoriginalを書けるようにとなっていけば素晴らしいと思う。
本日は「ショートショート」とはどういうものなのかに焦点を合わせて見ました。
又、機会があれば他のジャンルにも触れてみたいと思います。
最後に、極端に短い小説は評価されないでしょうから、短いものでしたら詩にした方が良い。
後は、このサイトであるのは、エッセイですが此れは歴史などを調べて見ても良いし、風流なテーマでも良いし、現実世界を掘り下げてみても宜しいのでは・・。
ショートショートの世界
此のサイトのジャンルには見当たらないのは何故でしょう?