特に理由はないけれど

 オンライン。だれかのヘルプ。なにかあったわけではないけれど、なんとなくつかれたなあって日に食べるアイスクリームは、至福。さいきんはねむってばかりいる、ねおんが、鬱々としたようすで祈っていた、しらないひとの平穏。
 蝕む。
 夜。
 ショッピングモールにある、おおきな水槽のなかで泳ぐ、うつくしい熱帯魚たちの感情を想う。
 思考が、ときどき、ぱりぱりとかんたんに砕ける。
 うすくて甘い、砂糖の板みたいなもの。
 にぎやかなフードコートで、わたしだけが、わたしにだけ与えられた孤独を纏い、みんながラーメンや、ハンバーガーや、かつ丼なんかを注文しているのに、キャラメルナッツアイスクリームを食べながら、興味はないのになぜかそれを薦めてくる、勘違いやろうな動画サイトをおもむろに閉じる。
 となりのテーブルの女子高校生ふたりが、テンプレートすぎるくらい女子高校生って感じで、ちょっと微笑ましかった。

特に理由はないけれど

特に理由はないけれど

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-02-08

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