自選短歌 2023年1月

なぜだろう揃えてみても揃わないひとりぼっちの靴下がある

君がいて馬鹿って言ってくれたのに普通の人になってしまった

それぞれに事情があって誰ひとり気づかなかった空のひびわれ

痛快にあなたが生きてゆけるのは僕らが道をゆずったおかげ

オチのないわたしが普通少しずつずれる時計はたまに合わせる

ちょうどよく酔ったところじゃ終われずに天国めざす気持ちで進む

傘立てに傘が一本残されて夜と等しい体温になる

自選短歌 2023年1月

自選短歌 2023年1月

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-02-02

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