明け方の凧揚げ
2023.01
1.14
隈裏でライブペインティング。ざわざわしてた。
緑の灯火が水たまりに落ちてた
1.17
1.19
midnight
あまりにも退職が続きその別れの度に耐え難い気持ちになる。大好きになってしまう。相手は私がこんなに悲しんでるなんて思いもしないだろうから、わざとその瞬間に立ち会わないようにしている。
Sさんが、「調理さんと都庁の展望台行った時にピアノを演奏してるのを聞いてたら、その人YouTuberで動画に映り込んでたの、ふふふ」と笑う。
Sさんはマックのポテトは、持ち帰り、再びトースターで加熱、昼下がりに甘ったるいサワー缶を片手に食べるとのこと。(粋...)
夜お風呂でスマホを持ち、検索してみる。
流行りのラブソングのピアノの旋律と差し込む夕焼けと、小さくうつる、⚪︎⚪︎さんと⚪︎⚪︎さん。あ、いた、と笑う。
秘密ばかりのこの場所に就職して、出会って確かに時間を過ごしたという証拠はこの映像ひとつな気がした。いつか西陽の降る街中で偶然この曲聴いたら、こっそり下を向いて思い出す。
1.20
紺色のコートと、雑なまとめた髪の毛、土色のニット。土色のズボン。
今日みたもので一番輝いてる瞳、大久保の駅近くのケバブ屋のお兄さんは、わたしの事を可愛いこちゃん!と呼ぶ。元気がないと、元気出して!良い?と大盛りサービスしてくれる。弟子入りしたい。人がいる中、少し照れくさいけど出来るだけ可愛い顔をして、どっしりしたそれを受け取る。マッサージ店やネパール料理店のネオンがぼやけてる。
家に帰って2時間かけて家事をする。お風呂で10代の頃、春の海辺で友人と口ずさんだ真夏の果実を流す。チャラい歌詞と、湿った生ぬるい空気に混じってブクブク泡が立つ。私たちの小さく高い声のカバーは、オルゴールのようだった。変な色のチューリップがコンクリートの割れ目で逞しく揺れていた。
中野からポレポレ東中野に向かう、カントリーロードもよかった。
1.21
昼休み シャボン玉ふたつ、くっつきそうで、くっつかないまま太陽に向かって昇っていって、眩しいから下を向く
1.22
有楽町の魔術師
心がずっとどくどくしている
いまが浮き彫りになって、輪郭がもう墨汁で描いたように濃くなってく ヒタヒタと侵食してくる
1.23
デカメロン
彫刻を前にするときに、そのポーズを真似してみたら、そっちは動き出して、0時の寒い寒い歌舞伎町を踊っているの? アイラブ、ユーラブ、ウィーラブの文字パズルのピースが、バラバラになってはチグハグに埋め込まれ、硬くて狭い窓になってる街
1.24
猫が脇の間にきて、ギュルギュル言って眠っている
1.25
いろいろな手続き
毎週水曜日はどうしてもヘトヘトになってる。
昨日までの夢心地のような気分の良さも今日は発揮されない
心が猫になる
1.26
薔薇の花 昼も夜も迷う
彼女は磨きあげた黒い宝石のコマのようだった
1.27
葉っぱに 雪が
ちと
ちと
うまく言葉にできないからクッキーを大量に焼いた
1.28
半年前だったら、唇が血の味になるような言葉にも、いつのまにかすり減らなくなってた。
みらいを思い描くと、ふつふつと神経が怯えている
でもここはここ それはへいき だいじょうぶ、だいじょうぶと言い聞かせている 大丈夫という声の方が怯えに少なくとも1%は勝ってる
たよりないもののために 聴いてたら昔書いてたのあるかな?とネットで星空文庫を探し出した
タイムカプセルみたい 読み返すとかなり恥ずかしい 振り返っても正気じゃないけど正気だ
1.29
昨日は平気だと思った言葉が矢のように突き刺さって、痛い。すり減ったり自己嫌悪には陥ってないけど、ダメージは大きいようで、HPがキューゥンと音を立てて著しく低下している。からだの動きが鈍くなり、歩く速度が遅い。
落ち込んでいたけど、職場の瞳がきれいで面白い、隠れファンをしてる調理さんと世間話をする。「知ってます??コメダのコーヒーって、工場でおとして、店舗で温めてるんですよ?」
「どうりで香りがしないと、、!」「ずるいですよね?わたし言いふらしてるんです。」と嬉しそうに笑「ずるいです、、笑」
という会話で、なんだか吹っ切れる。
明け方の凧揚げ