寒い夜
りんごの柄のストールにくるまって。真夜中。きみ。海鳴りに共鳴している。オルカ。宇宙の、どこかの衛星からの交信をまちわびているひとびとと、の、温度差。肺が凍りそうなほどに冷たい空気を吸って、こわいくらいにうつくしいネオンをみて、泣きそうになる。そういう夜だった。
(好きだ、と思うアイドルができて、偶像崇拝的がものがとつじょ現れたことに戸惑いながら、絶えず日々を生きるために行う一連の流れに、ときに退屈さを感じつつも、それでもチョコレートを食べているときの幸福にふつふつと浸りながら暮らしてる)
風が吹く。
きみが、りんご柄のストールにより深く潜る。
雪は降っていないけれど、それでも、気温は氷点下で、あたたかいばしょをもとめて、みんな、足早に歩いてる。
寒い夜