ちいさな懺悔室
あおい はる
ランドリーのかたすみ。何十年前かの漫画雑誌と、置き去られた空き缶。ノイズまじりのラジオから流れてくる懐メロとともに、奥底に沈んでいた記憶が浮上して。午後十時。怪獣たちも、眠る頃。だれかを一瞬でも、憎いと思ったあとの、からだにのこる、いやな感覚。滞留する。あのこがかかえる、さびしさを、わかってあげられないで。プレゼントには、つめたい花を束ねることしかできない。(ごめん)
すべてが、宙ぶらりんのまま、分解されて。
ごおうん、ごおうん、と呻るばかりの、乾燥機。
こんな夜でも、みんな、洗濯ものを乾かしている。
生きるために。
ちいさな懺悔室