Fate/key's memory 後編 下
前編→http://slib.net/5119
中編→http://slib.net/5809
後編 上→http://slib.net/7022
後編 中→http://slib.net/8836
露出男です。いやぁ~年内に終わってよかったですよ。ほんとに忙しくなっちゃうのでね。危ない危ない。(というか手をつけてなかっただけである)
ちなみに今回で最後になります。結構急ぎ足になってるのは気のせいです(多分)
注意書き
・あくまでこれは私の妄想です。参戦作品についてはオリジナルも含んだりしています。その中で本編の設定を勝手に変えちゃったりしてます。
「あれ?こここんな設定だっけかなぁ」と思うこともあるとは思いますがご了承ください。その作品のファンの方は大変不快な思いをされることもあるとは思いますが
分かっていただけると助かります
ではお楽しみください。
瑚太郎はガイア本部に侵入しようとした。
「・・・・・・」
一歩踏み出すその寸前、後ろから声がした
「待て!」
声の主は今宮。その隣には一人の女性。彼女の名前は西九条。瑚太郎と今宮と、チームを組んでいた一人だ。
「天王寺、お前どうするつもりだ。」
「歌を止める。」
「・・・この歌は一体なんなんだ?」
「気付いていたか?今宮。この災害は歌が始まってから起こったことなんだ。なんていうかな。共鳴してるってことさ。だから、それを止める。」
「お前一人でか?」
「そのつもりだ。」
「そんな水臭いこと言うな。俺たちはチームだ。お前が裏切ったことは許しはしない。だが目的が同じ以上は、協力するってのが筋だろ?」
「ありがとう、今宮。じゃぁ、俺と勝負して勝ったら、着いてきてくれ。」
「勝負?」
「あぁ、ナイフ戦だ。ルールがいつもと同じ。・・・俺はお前にこれで勝ったことは無かったんだよな・・・・構えろ、今宮。」
「・・・・・・」
両者が態勢に入る。
「3,2,1」
「0」
勝負は一瞬だった。瑚太郎のナイフは今宮の首筋に触れていた。
「・・・・降参だ。お前、いつのまにこんな。」
「いつからだろうな・・・」
自分の能力を、2人は知らない。普通で言うならイカサマである。
「じゃぁ、俺は行くよ。」
「・・・なぁ、どうして、こんなことになったんだろうな。」
今宮が瑚太郎の背中を見て言う。
「さぁな、でも、後でしっかりとわかることだと思う。すごく、無責任な発言だけど。そうだ、西九条。頼みがある。」
「なに?」
「この場所に行って欲しいんだ。」
瑚太郎は地図を渡した。
「この場所は普通の家・・・まあ剣道を教えてる道場だ。そこにたくさんの子供達が避難してる。多分、そこには魔物を近寄ってはいないはずだ。お前はそこに行って、避難場所に誘導してやってくれ。あの人のことだ。確実に動いてない。」
「それって・・・」
「細かいことは気にするな。そこにいる子どもたちは・・・すごく活発な子達ばっかりだ。将来、お前が先生になった時に担当するかもな。よろしく頼むよ。」
「・・・どうしてそんな最後みたいな言い方するの?」
「なんで、だろうな。・・・・じゃぁな。」
瑚太郎はそのまま本部へと突っ込んで行った。動き出した瞬間、2人の眼では瑚太郎を捉える事が出来なかった。
先へ進み神殿へと侵入する。魔物もいなければ人の姿も無い。
「(不気味過ぎんだろ・・・)」
そのまま内部へ進む。
「歌を歌ってる人たちは屋上にいるはずだ。壁から登ってもいいがそれだと魔物の的になってしまう・・・。だが中からなら・・・」
一瞬で飛んで行ける。その自信が、瑚太郎にはあった。
「たった一人で、よくここまで来たものだ。」
低い声が館内に響く。
「マジかよ・・・」
ホールの中央に浮かんだ魔方陣。そこから大型の魔物が召還された。しかも自らの知恵、自我がはっきりしている。
「(こいつは・・・今までと違う・・・)」
汗ばむのを感じる。だがこいつを消さない限りは、目的の成就はない。
「やるしかない、か」
自らの能力を上書きするのも限界が近い。だが迷うことはゆるされなかった。
「(こいつだけは、ここで完全に消滅させないといけない・・・)」
能力の上書き。命が削られていくのがよくわかる。限界が近いという証拠だ。
「余の力を、貴様ごときが超えられるか?」
うるさい。おしゃべりな魔物のようだ。
「その力の源泉は、お前自身のものじゃないだろう?」
「ふん、余との対話に応じる、か。珍しいものがいるものだ。その通り、この力は我が子のものだ。ガイアの人間どもは、子に等しい。」
「・・・・・」
上書きはまだ終わらない。会話で引き延ばす
「お前は、その子供の命を吸って生きているというわけか。子供が大事なら、今すぐ消えてみたらどうだ?」
「クククククク・・・いつ、余が子供が大事と言った?奴らは余に命を与えた。それはお互いの同意の上での行為。余が命を捨てるまでもない。そちらも、戦の準備が終わったようだな。では、命の削り合いと行こうか。」
バレている。そりゃそうだ。右手から出てきているものは血ではない。オーロラ。天王寺瑚太郎の武器。命そのものである。それはツタのように何本も何本も腕に絡まり、一つの個体を形成する。その個体は右腕の代わりに自在に動く。
「グオオオオオオオオオオオオオオオ!」
魔物が尾を奮う。挨拶代わりの一撃。それを瑚太郎は回避し、そのまま右腕を魔物にふるった。
両者の雄たけびが周囲に木霊する。2人の戦いを止めるものは誰もいなかった。周りに転がっているのは人間の死体のみ。かろうじて生きている人間は全て避難場所へと到着している状態であった。建物は倒壊し、火災が起こっている。そんな状況の中、聖杯を求めて戦う2人の男。
「流石だなセイバー。その剣の使い方、歴史に名前を残していることはある。」
「ふん。素人がぬかしてんじゃねぇ。」
「そうだな。自分でも驚いてるよ。剣術とか体術とか全く無縁で生きてきたからな。縁があるのは・・・病のみだよ。」
「なら、すぐに楽にしてやる。」
「そうしてくれるんなら嬉しいんだがね、そういうわけにもいかないんだ。俺には、やることがある。」
ライダーはカードを出す。ライダーの周りが炎に包まれた。
「そしてもう、俺には時間が無い。」
炎が消えた時、ライダーの姿は変わっていた。その姿を、セイバーは初めて目にする。
「そうかい。それじゃぁ、決着をつけようぜ。ライダー。」
威圧。ライダーが感じたのは自らの精神が圧されていく感覚。逃げたい。俺はあいつには勝てない。そんなネガティブな考えが脳をよぎる。ライダー自身、この人生の中で人間なのに人間ではないものは見たことが無い。この戦いではゲームによく出てきそうなモンスターは出た。だがアレはなんだ。ヒトか?いや、ヒトの形をした何かだ。ヒトであることには変わりは無いのだ。じゃぁなんで
「なんでお前は・・・鬼の姿をしているんだ・・・」
「・・・・・・」
セイバーは何も答えない。むしろこいつ何を言ってるんだ?という感じだ。
ライダーの目の前にいるのはヒトだ。どこからどうみてもヒトだ。だが、その恐怖心から、ヒトではない何かにしか見えないのである。
「小僧、恐れるな・・・。そのまま行くと、確実にやられるぞ。」
「あ、あぁ・・・だがあれは・・・・・・・ッ!」
セイバーが消えたと思ったら懐にセイバーが踏み込んでいた。ガードしようとするが、間に合わない。セイバーの一振りは、ライダーの左肩から右の腰にかけて一本の線を描く。斬られながら、ライダーはセイバーの顔面にパンチを当てた。
「―――――」
声にもならない痛みがライダーを襲う。セイバーが倒れている隙にライダーは周囲を見渡す。鏡の有無を確かめたのだ。急いで、鏡の中へと避難した。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「小僧、大丈夫か。」
「珍しく・・・俺の心配をしてるね・・・大丈夫だ。この傷なら自然治癒で大丈夫だと思う。でも、ちょっと・・・苦しいかな・・・。」
「心臓か・・・。」
「どうして・・・こんな時にくるかな・・・。」
「・・・・・・」
「まぁいいさ。ちょっとここで休もう。ドラグ、しばらく時間を稼いでくれ。」
セイバーが起きる。普通に殴られただけでも相当な威力だった。だが、セイバーも羅刹の状態となっているので自然治癒の力で傷が戻る。
「どこへ消えた・・・」
当たり周辺を見渡すが、ライダーの気配はない。
アドベント
「!?」
声がした方向を見ると眼前には龍が迫っていた。防御の姿勢を取るが間に合わない。ドラグはセイバーを牙で挟みながら壁へと激突した。
「ゴフ・・・」
その衝撃は凄まじく、セイバーを内部から破壊する。意識が一瞬で飛びそうになったがなんとか持ちこたえた。
「行け」
遠くで声がする。その声に従い、ドラグは零距離で火の玉を放出した。
セイバーの意識は途絶えた。体からは黒煙が上がっている。無事ですむ攻撃ではないが、消えていないところを見るとまだ生きているのだろう。ライダーは鏡から出た。
「もういいのか・・・?」
「あぁ、少しは、落ちついた。それじゃぁ、行こうか。聖杯が待ってるぜ。」
「おぉ・・・待ちに待った聖杯・・・ついに我の手に渡るのか・・・」
感慨深くドラグが言葉を出す。だがその後ろでまた殺気を感じた。
「待てコラ・・・」
「マジかよ・・・」
ライダーがその治癒力に驚く。やはり敵う相手ではないと悟る。このまま行けば勝つのはセイバーだ。自らが持ってる手段は時間稼ぎにしかならない。だがその時間稼ぎこそが、聖杯への近道なのである。苦笑いをしながら、ライダーはカードを取りだした。
屋上に天王寺瑚太郎が到着した。さっきの魔物との戦闘により右足は消えた。魔物に食いちぎられたのである。だが意識のある魔物相手に生きていることがラッキーだと思えるくらいだ。歩くことに関して不備は無い。無数のブレードを蜘蛛の糸のように操れば簡単に歩けるのである。行動を取りながら、自分自身がもう人間ではないということを再認識させられた。
「さて・・・」
屋上に到着する頃には、さっきまで耳に届いていた歌は止まっていた。
「歌が止まっている?」
そこにあったのは、白衣をまとった人間の死体。それも100人以上の規模である。この衣装には見覚えがあった。
「(聖歌隊か・・・)」
ガイアの表の姿であるマーテルの聖歌隊。いろんなイベントで歌を歌っている。そのような人間がなぜここにいるかなんて、すぐ理解はできる。
「(歌って力が尽きる・・・?)」
その疑問だけが浮かんだ。その中央には椅子があった。人が座っている。
「加島か?」
だが反応は無い。その人間は確実に加島桜だった。かろうじて息をしていた。ある言葉が脳裏に浮かぶ。
「(魔物は契約者と命のやりとりをしている。魔物の力が強ければ強いほど、契約者の負担が大きいわけだ。)」
「そうか・・・さっきの意識のある魔物の供給源は・・・」
「来たかい・・・」
加島が瑚太郎に気付いた。
「あぁ。どうやら、俺が手を加えるまでもなさそうだよ。」
「そうかい。でも、この世界はもう終わりだよ。」
「どういうことだ?」
「これが何かわかるかい?」
横を見ろと言う。
「・・・・・・篝か・・・。」
「あんたはね、失敗したんだよ。あれはもう、今に動き出す。残りの2つの命を注ぐことはならずとも、聖杯としての機能は完全なはず。そのために、聖歌隊は死んでいった。」
「どういうことだ。じゃぁさっきの魔物は・・・まさか!?」
「全て、私の魔物だよ。」
篝だったものが光に包まれる。光に包まれて、闇と化した。
「・・・・・これが、聖杯・・・・なんて、醜い。」
「加島・・・?」
「この世界は終わる。終わらせたくなければ、あなたがなんとかすることね。私はそれを見ることは出来ないけど、せいぜい頑張りなさい。」
加島はそう言って息を引き取った。すぐにソレに眼をやる。それはもう聖杯を呼べるものではない。見ているだけで心が腐って行くかのような怨念の塊。
「これが篝・・・なのか?」
ブレードを出すも意味が無いと悟る。
「あれじゃぁ、太刀打ちできない。」
天王寺瑚太郎は、その場に座り込んだ。
聖杯が真の姿を現した瞬間を、2人のサーヴァントはしっかりと見ていた。
「なんだよ、あれ・・・」
2人ともその言葉しか出なかった。聖杯、それは手にした物の願いを叶える万能器。それが今では辺りを闇に包むモノでしかなくなっていた。
「・・・・セイバー。」
「なんだライダー。」
「休戦だ。」
「なっ!?何を考えている小僧!聖杯だぞ!あのような醜い姿と化していても我等の願いを叶える万能器だぞ!なぜ戦わぬ!」
「令呪を以て命じる。ドラグ、俺の指示に従え。」
「なっ・・・。小僧!貴様ァ!」
「休戦には同意だ。で、どうするつもりだ。貴様は。」
セイバーが2人のやり取りを無視して問いかける。
「・・・・・・・・(今手に持ってるカード。どの道使うことになるか。)」
「おい聞いてるのかライダー。」
トリックベント
「!?」
ライダーがカードを使用した。ライダーの周りには4人の分身が現れる。
「行け。」
その2文字の言葉を発しただけで、ライダーの分身はセイバーへと突進した。
ライダーはドラグを召還し聖杯の方角へと飛んだ。セイバーの怒号が聞こえる。それを聞き流して、飛んでいく。
「おぉ小僧、その気になったか。」
ドラグが安堵している。聖杯まですぐの距離に来た。来ただけでわかる。この空気は尋常じゃない。頭の中がおかしくなりそうだ。阿東優という男の心の中に入ってくる。
「なんで俺だけがなんで俺だけがなんで俺だけがなんで俺だけがなんで俺だけがどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい」
そんな邪気を振り払うように、力強く、右手に念を込め、命じた。
「令呪を持って命じる。ライダー、聖杯を破壊しろ。」
沈黙が流れる。
「この糞ガキがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ドラグの怒号が聞こえる。眼前に現れたドラグは今にも優を殺しそうな勢いである。
「俺を殺すな。」
1回目に命じた令呪で、ドラグは優を殺すことは出来なかった。
ファイナルベント
ライダーが聖杯に向かって突っ込んでいく。
「糞ガキィ!我は貴様を死んでも呪い続ける!今にも噛み砕いて殺したい気分だがそれが出来ないのが残念でならないッ!ふざけるなふざけるなふざけるなァ!!!!」
聖杯に突撃する寸前。ライダーを光が包む。死の寸前。優はそれを感じていた。
「悪いな、ドラグ。こうするしかなかったんだよ。恐らく、これで戦いが終わっても待っているのは破滅だ。こうしなくちゃ未来なんてないんだ。俺はこの破壊に自分の命を賭ける。どの道もう先は長くないんだ。それくらい、冒険させてくれ。」
「・・・・・・」
ドラグの怒号が止む。
「本気で言っているのか。」
「本気だよ。本気じゃなかったら令呪なんて使わない。それこそ、お前に食われて終わりだ。賭けるために、令呪を使ったんだ。」
「・・・・・・・」
その瞬間、変身が解けた。
「なっ!?」
「貴様は先が短くないのだろう?だからこそ、貴様はこの先を見届けるべきなのではないか?賭けに負けたら、自害でもなんでもするがいい。だが賭けに勝った場合、貴様はその先を最後まで見届けろ!そして我に報告しろ。選択は間違っていなかったとな。間違っていると言った場合、我が貴様を噛み殺す。我に任せい。聖杯は、破壊してやる。」
「おいっ!」
その言葉はドラグには届かない。ドラグ、ライダーは聖杯へと突っ込んだ。優の体は真っ逆さまに落ちる。それに屋上に座り込んでいた瑚太郎が気付き優をキャッチした。聖杯は爆発音と共に砕けた。そして聖杯は溶け、黒の炎と化す。黒の炎は街を包み、焼け野原となった。そして零れる聖杯の溶解液。それは街中に流れ込んだ。その中に見た一筋の光。瑚太郎は比較的安全な場所に優を寝かせ、走り出した。セイバーはライダーの分身が消えたのを確認し行動を開始するも、聖杯の溶解液に流された。
「ああああああああああああああ!」
突然神戸小鳥は叫んだ。聖杯により辺り一面が暗くなり、聖杯だったものが消えた瞬間に小鳥はうずくまって倒れた。
「小鳥ちゃん!?」
雪村千春が駆け寄る。小鳥の体を抱き起こすと、小鳥がものすごい熱を出していることに気がついた。
「熱っ・・・・」
その暑さは異常とも感じれるほどだ。小鳥のようなまだ小さな子供がこんな熱を出せばどうなるか。千春はまっさきに思い浮かぶ。すぐに水を汲もうとするが水道はもう止まっている。ストックしている水はぬるくなっており、使えるような状況では無かった。小鳥の命が消えるのを、見ているしかできないのである。
「小鳥ちゃん・・・ッ!死なないで・・・ッ!」
小鳥を抱きながら千春は言う。その時、千春の心に声が響いた。
「お前のせいだ。お前がドルイドと名乗りながらも篝を守らなかったからこうなるんだ。そうだ。呪ってやる。約束を守れない小鳥は呪ってやる。死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。」
脳裏に響く声。千春も悶絶した。だがそれは声に出すことは無い。
「篝ちゃん・・・なの・・・?」
精一杯の声で問いかける。
「貴様が私を守らないからこうなったんだ。お前が責任を取れお前せいだ。」
ひたすら小鳥の心を破壊している。千春は必死に問いかける。
「もうやめて・・・。小鳥ちゃんは・・・あなたのことをずっと心配していたのよ・・・・。」
「心配しても私は死ぬことになった。誰のせいだ。約束を守らない小鳥のせいではないのか。」
「そうね・・・・でも、友達だと思ってたはずよ?あなたは・・・友達だと思ってなかったの・・・?」
「・・・・・・・それでも、私を守ると言った。友達でも約束を破るのは良いことなのか。」
「それは・・・悪いことね・・・でも、あなたがしてることも友達のしてることじゃないですよ・・・?」
「人の子が偉そうに。貴様はわかるのか?自分だけが取り残されるこの気持ちが!」
「ええ・・・私には、家族がいませんから・・・」
「・・・・!」
「ずっと一人で生きてきました。今は子供たちに剣術を教えていますが・・・楽しい毎日なんですよ。そして今も・・・こんな状況ではありますが・・・子供たちはこの状況を必死に生きるために頑張ってます・・・。小鳥ちゃんだって・・・その一人なんですよ・・・あと、私から言わせてもらいますと・・・あなたが小鳥ちゃんにかけた死ねって言葉は、友達に投げかける言葉ではありませんよ・・・・もう、いじめの類になってしまいます。誰かに対して苛立ちを覚えたのなら・・・本人に言うのが一番です・・・。でも常識を超えることだけは許されません・・・。」
「じゃぁ、誰に言えばいい。この呪いは神戸小鳥にこそふさわしい呪いだ!」
「それなら、私が全て受け止めます。あなたの呪いも復讐も全部全部受け入れます。」
「バカか貴様!そうすれば貴様は死ぬぞ!短くて今!長くて10年で死ぬぞ!呪いは続く!不老にプラスして、常に自分というものが意地できなくなり錯乱状態に陥る!いつ人を殺してもおかしくはないんだぞ!バカだ!バカがいるぞ!アハハハハハハハハハ。」
「不老というのは実に良いことですね。でも子供たちの為なら、私はなんだってします。それが、私の覚悟です。」
「・・・・・・」
2人を静寂が包む。
「いいんだな?」
「はい。」
「じゃぁ、神戸小鳥に代わり、貴様が、死ね。」
天王寺に道場に行くように頼まれた西九条が到着した頃、雪村千春と神戸小鳥は意識を失ったままだった。西九条が見たのは道場で大人しくしている子供たちの姿だった。みんな倒れている2人を囲んでいる。眼帯をした子や髪飾りをつけた子供もいる。幸い、溶解液はここまで来ることは無かった。来たところで結界がそれを阻むわけではあるのだが。
その時、玄関に気配を感じた。一人の子供が魔物を連れて来ていた。
「ガイアの聖女がなんでこんなところにッ!?」
西九条が臨戦態勢に入る。だが、その子供は驚いた顔をしてある紙を西九条に渡した。その紙は瑚太郎からの手紙であった。
「この子を頼む。言葉をうまく話すことはできないがすごく頭の良い子だ。悪いことは絶対にしない。俺が保証する。」
「・・・・・おいで。怖かったでしょう?ごめんね。」
西九条はその子供を抱きしめた。
瑚太郎は阿東優を安全な場所へと置いた後、最後の上書きをした。
「(今から一瞬で聖杯破壊跡まで行くのは無理だ。だが恐らく篝がそこにいる。俺は行かなくちゃいけない。最後の仕事だ。どうせもう俺の先なんてない。なら・・・)」
上書きをした時、声が聞こえた。
「いいんですか?」
誰?
「先駆者、と言ったほうがいいですかね。ですが、そこから先は地獄ですよ。あなたに耐えることが出来ますか?あなたが私と同じ存在になるということは、あなたは次が現れるまで、上書きされることはありません。それは、とても辛いことですよ。」
なんで、辛いの?
「未来永劫の孤独に耐えることは出来ますか?今ならまだ、引き返すことも出来ますよ?」
俺は篝に会わなくちゃいけないんだ。どうしても、だ。
それがなぜか自分でも考える。なぜだろうか。誰かがそうなることを願っていたのを感じた。俺はこの世界を見たことがある?そしてそれは成功し次へと移行しようとしている。そのゴールは天王寺瑚太郎の死なのだろう。懐かしい気持ちでもあった。何度も何度も失敗して、何度も何度も殺されて、その度に篝を求めた。失敗しても失敗しても篝を求めたんだ。それに気付いて目の前の男に問いかける。
あんたはそう言う人がいなかったのかい?
「いましたよ?でも、これ以上は言いません。あなたの行動も止めやしません。これで私も、消えることが出来る。」
2人は言葉を交わさず、ハイタッチをする。するとすれ違いざまに男が、
「あなたは将来、私の大切な人に出会うでしょう。あなたはその人たちを守る者として、戦います。その覚悟だけはしておいてください。」
―――――言ってらっしゃいませ、瑚太郎君
瑚太郎は右手を上げて応える。
まぁ見とけよ。やってやるから。ちはやも守って見せるよ。だからゆっくり休んでろよ、咲夜。
名前を知らないはずの男女の名を口にして、瑚太郎は意識を戻す。体は空を飛んでいた。ものすごい勢いで、篝のいる場所へと飛んでいた。
「(もう人間じゃねぇよ、俺)」
そんな事を思いながら、その場所へと向かった。俺は俺のやるべきことをやればいい。後は、後の世代がどうにかしてくれるはずだ。なぜだか、そう言い切れた。
篝のいる場所はいつもの丘だった。聖杯破壊跡にいると思っていたが、衝撃で吹っ飛んだらしい。いつもの丘を歩く。足取りはもう重かった。
「(どこだ)」
「(どこにいる)」
瑚太郎は今まで篝火によって導かれてきた。それが今では見えない。ひたすら歩く。意識が朦朧とする。
「(結局ダメだったか・・・)」
全てが消えていく。今までの思い出も、戦いの記憶も、仲間の記憶も大切な人の名前も・・・
だがそんな瑚太郎の心に小さな小さな篝火が宿る。
思えばいつもこの火に導かれていた。それこそが、今現在で瑚太郎が求めている物でもあったのだ。この火はなんだったか。
「篝・・・篝!」
声に出す。思い出したその名前。それを口にした瞬間、景色は変わった。彼女はそこにいた。ただただ、見失っていただけなのだった。
「ありがとう。」
篝が口にする。
「あなたが私に見せた記憶は、よい記憶でした。でも、たくさんの人が傷つき、死にました。ちょっと、遅かったです。悪いほうの篝が、まだ残る結果となってしまいました。でもあなたはよくやりました。一人で闘い、人々を守った。守り切れなかった人はその運命を全うしましたが、人類の次への段階への糧となったのには変わりはありません。」
「そうだ。俺は守り切れなかった。たくさんの人を殺してしまった。」
「はい。それが理解出来ているなら、あなたは恥じることなんてありません。胸を張って、最後の仕事を果たしなさい。さぁ。」
篝が両腕を開く。彼女自身、これからどうなるのかを悟っている。
瑚太郎がブレードを出した状態のまま、篝は瑚太郎を抱きしめた。ブレードは篝を貫く。
篝を殺す。
それが天王寺瑚太郎の、最後の仕事であるのだ。だがそれは瑚太郎の考えではない。
篝が、自らの行動で自分を殺させた。
「お見事」
笑顔で応える。
「なんで・・・」
「これは祝福です。呪いは・・・悪いほうの篝がそれだけを持ってどこかに行ってしまいました。それだけが気がかりですが、今はあなたを祝福することが最優先事項です。」
「俺は・・・祝福を受けるような人間じゃない。何人殺したと思ってるんだ・・・。」
「でも、そうすることで、あなたを次へと送ることが出来る。」
その表情は子を送る母親のような表情だった。
「あなたは頑張りました。思い残すことなんてありませんよ。」
「でもこんなのは・・・俺は・・・篝の事が好きだったのに・・・」
「・・・気付きませんでした。」
「お前鈍感だからな。」
「ふふっ。でもその好きを、次へと生かしてください。あなたを必要としてくれる人たちが必ず現れます。大切にしてあげてくださいね。」
さようなら
戦いは終わった。結果として最後まで生き残ったのはセイバーだった、セイバーは溶解液に流され意識を失っていたものの、目が覚めた時には自分の存在に違和感を覚えていた。なぜ現界しているのか。答えは一つだけだった。
聖杯による受肉
あの溶解液がその源だったのだろう。セイバーはとりあえず帰るべき場所に変えることにした。セイバーが見た光景は意識を失ったままの千春の姿だった。小鳥は目を覚ましているが、千春に関しては覚ます気配は一向に無い。セイバーはしばらくその場に鎮座していたが、数ヵ月後、道場から完全に姿を消すことになる。小鳥たちはセイバーの姿を探したがすぐ諦めてしまった。セイバーは去る間際、千春の両手に手袋をはめ、絶対にはずすなと聞こえるはずのない彼女に対し話しかけた。
あれから1カ月が経った
街は復興へと向かっていった。人口は激減し、災害のあった地域は隔離され、街は隣町との合併を余儀なくされた。災害のあった個所は壁によって立ち入り禁止区域となる。噂では、予定では5年後には完全に刑務所になるとの噂だ。前倒しで既にもう犯罪者がいるという噂もある。あの災害から、怪奇現象が多々起こり始めた。怪奇現象と言っても凶悪犯罪が増えたと言ってもいいだろう。その犯罪者達が、その中に放り込まれているらしいのだ。5年後に完全に完成の施設ではあるのだが、もうドーム型の建物と化している。技術の進歩はすごい。後は携帯電話の普及。更に5年後には携帯電話に面白い機能が付くとも噂されている。つまり10年で、街は完全に復興を遂げるわけだ。良い話もあれば悪い話もあるのである。
とある病院
阿東優は意識を取り戻し、極普通の生活を取り戻した。変わった点と言えば、街並みがすっかり変わってしまったということだろう。幸い、住宅街に属していた病院には被害は少なかった。ナース達の話では、皆死を覚悟したと言う。でも生きているだけで紙に感謝しているとのことだった。優はそうは思わない。戦いの中で死んでいく人たちを何人も見た。セイバーがどうなったのかも知らないし、セイバーのマスターがどうなったのかも知らない。知りたいと思っても、7Fにいる時点でそれは不可能に等しい。何より、優には「前科」がある。体を起していつものように院内を歩く。7Fに戻ったところでナース達が振り向く。戦いが終わって目が覚めたら病院だった。誰が優を病院に届けたなんてことは知らないが、目を覚ますといつもの天井。戦いが終わったということを自覚する。右手を見る。
「(令呪は・・・・消えてるか・・・)」
のこり1つとなっていたはずの令呪は消えていた。結局、ライダーは死んだ。聖杯の破壊、街の大災害という悪夢を残して。目を覚ますとまずは説教。生きていた両親と医師達による説教が続いた。これも生きているからこそのことである。談話室でいつも通り、面白いのか面白くないのかよくわからないテレビを見ていると
「こんにちは」
「ん?」
振り返ると見知らぬ女性がいた。
「君は?」
「新しく7F担当になったヘルパーです。よろしくお願いします。」
律儀におじぎまでしてきた。それに応えるように
「あぁ、どうも。」
挨拶をする。明るい様子の彼女だが、どうやらまだ阿東優という男を探っているようだ。今までのことについてを。一部の人間しか知らない話であるが、院内では噂と言うものが全域に広がっていた。セツミの一件。一番流れている噂だ。興味本位がほとんどなのか、それを聞くためにいろんな人が来た。正直、ノリ気ではない。
「君も、知っているのか?」
「はい。聞きましたよ。」
「そっか・・・」
「セツミさん、最後は笑っていましたか・・・?」
「え?」
「もしそうなら、私は嬉しいです。」
「君は、セツミの知り合いだったんだね。」
また新しい日常が始まる。この先は短いけど、どう変化して行くのか、見極めるべきなのだろう。ライダーが、そう命じたように・・・
街は更に変わって行く。それに比例して、阿東優という人間が壊れていく。その様子は、優自身が感じていた。
コンコン
ノックがなる。
「失礼します。阿東さん、具合のほうはどうですか?」
「あぁ・・今日は良い方だ。これなら、続きの話が出来るぞ・・・」
「そうですか。それじゃぁ、お願いします。」
彼女はニッコリと笑う。彼女はセツミの知り合いというわけではなかった。大学生の時にもヘルパーをやっていたようで、その時に少しだけ絡みがあったようだ。今は優の「赤い龍の話」に夢中になってくれている。自分の担当もいるはずなのだが、それを聞くためだけに、ここに来てくれていた。それだけでも、優にとっては心強かった。話し相手がいるだけでも、助かるものなのだ。
「どこまで話したっけ?」
「えっと・・・確かアーチャーの話ですね。自分がマスターだと思ってたのに、実際はその逆で、自分がサーヴァントだった。サーヴァントであるはずのマスターが殺されて、心臓を移植されて全てを思い出した。ってところまでですね。」
「よく覚えてるね。」
「だって阿東さんのお話、面白いですから・・・」
「そっか。ありがとう。じゃぁ・・・」
そんな様子で続きを語る。自分が見て来たものにいろいろとプラスして物語を作った。意外と「センスあるんじゃね?」と思ってしまう。優がこの話を語り終わるころには、もう街は変貌を遂げていた。また建設中の建物が多い中、いっそう目立つドーム型の建物。実際は建物ではなくて、災害のあった地域を隔離するための壁らしい。ちなみにその中は刑務所となったようだ。予定の5年から随分と前倒しされた。戦いが終わってから、2年が経過していた。彼女は、物語を終えても病室に来てくれた。
「こんにちは・・・」
気力で応える。
「やぁ・・・」
「ん?その花・・・」
「あぁ・・・水仙だ。別名、学名ではナルキッソスと言うらしい。」
「ナルキッソス・・・」
「あぁ・・・花言葉は・・・自己愛。だそうだ。」
「詳しいんですねー。もっとそういうの教えてください。」
こうやって彼女は会話のネタを作ってくれる。また、知識をひねり出さないといけないようだ。
「ごほっごほっ・・・」
「大丈夫ですか!?」
「あぁ、大丈夫だ。・・・・そういえば、7Fに人が来なくなったな・・・」
「なんでも、新規の人はしばらく受け入れないみたい、ですよ。」
「(俺らのせいだろうな・・・)」
心の中で笑う。それじゃぁ、あの伝統と言うのは・・・・7Fの伝統。セツミから教わった事。伝えてもいいだろう。
「じゃぁ、これは言っても大丈夫だな・・・。君を信用してこれを教えるよ。いずれ来る7Fの人に教えてやってくれ・・・。あと、ナースには聞かれちゃダメだからな・・・?」
「それって、阿東さんがしたことに関係ありますか?」
「・・・・・・・・そうだな。そうなるな・・・」
「ふふっ。興味があります。教えてください。あ、そしたら私も共犯者になっちゃいますね・・・どうしよう・・・」
「どうする?」
「教えてください。」
彼女は笑って応える。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
それから1年後の夏、水仙の花に囲まれながら、阿東優は息を引き取った。戦いが終わって、3年後の事だった。
戦いが終わってから10年後。
街は完全に復興を遂げ、更に都市化が進んだ。というのも隣町と合併したことによる相乗効果というのが一番大きい理由だろう。そんな中、昔ながらの風景を醸し出す森があった。
「ほんとにここで大丈夫なのー?」
先を言う少女に問いかける。
「大丈夫よ。きっと」
「根拠は?」
眼帯をした少女が口にする。
「女の勘ってやつ?」
「・・・・・・・・」
一同は黙った。
「でも、ここで合ってることには間違いは無いわ。あなた達も夢で見たんでしょう?というか、条件に見合うのはこの木しかもう無いわ。」
「うん。ここで間違いは無いと思うけど・・・こんなところに・・・・あったわ????」
一同が同じ目標に眼をやる。その目標と言うのは街で一番大きいとされる木であった。都市化が進むにあたって森を失くす話も出たのだが、環境破壊は良くないと言う世論が爆発し、計画は中止となった。なにより、その木がでかすぎるというのも問題であった。
「これだね。それじゃぁみんな、周りを囲んで!」
「これだけ大きい木が何かに変わるものなんですかねー」
髪飾りをした少女も言う。
「つべこべ言わずに早くやろう。千春さんが待ってる。下手したら西九条先生にまで伝わってしまう。」
眼帯の少女が恐ろしげに言う。残りの4人も一気に顔が青くなった。
「怒った西九条先生・・・」
どうやらトラウマがあるようだ。
「ま、まずそれは置いといて・・・小鳥、お願い。」
「ほいさ!それじゃぁ、私達をこれから守ってくれる人を呼ぶよ!」
右手をかざす。その右手には、赤い模様が印されていた。
「せーの!」
「おいでませー!」
一同が声を出した。
5人を光が包む。
視界がはっきりして、人数は6人に増えていた。
「・・・・・・・」
5人の目の前には、一人の少年の姿をした人間がいる。
「うわ、成功しちゃったよ・・・。」
「やべぇよやべぇよ・・・」
5人が少しだけ焦る。
「聞こえて?お前が私達の使い魔よ。」
いかにも一番偉そうな少女が少年に言う。
「あぁ・・・・」
少年は返事をしたがそれだけだった。
するとポニーテールの少女が
「執事のように、奴隷のようにこき使われるのが仕事だ。」
「あぁ・・・」
「言葉は理解出来てますか?」
「あぁ・・・」
「それしか言えないのだろうか・・・」
「まぁ生まれたばかりだからこんなものじゃない?」
「名前の希望とか、ある?私達はあなたを常に消せる状況ではないから普段通りの生活でも困らないように名前をつけておきたいんだけど・・・」
「・・・・・凡人」
「は?」
5人が唖然とする。
「なんで?」
「・・・・わからない・・・なんだか、愛着があるんだ・・・」
「いや、ポチだ。」
一人が言う。
「OK」
「いいんだ・・・」
「それよりも、あなた自分の事は把握出来てる?」
「あぁ・・・俺は、サーヴァントだ。バーサーカーとして召還されて、5人と並列に契約することによって行動が出来るようになっている・・・」
「そういうこと。で、令呪を使えるのは私だけ。」
と、一人の少女が前に出る。
「神戸小鳥です。よろしくね。ポチ。」
2人はお互いを見る。少年、ポチはその少女に見覚えがあるように思えた。だが思い出せない。すぐにいずれ思い出すだろうということで、それを考えるのをやめた。
「で、召還に成功したのはいいけど・・・どうする?」
「大丈夫!千春さんにはホームステイだって言ってあるから。」
「それで通じるのか・・・でもあんまり無理させちゃいけないぞ。千春さんはまだ・・・」
「大丈夫だよ。今度からはポチもいるし、執事ならいろいろなことしてくれるでしょ。ね、ポチ。さ、行こ!」
小鳥がポチの手を取って走り出す。4人もそれに着いて行った。
「さて、バーサーカーが召還されたようだな。」
「いよいよか・・・・」
「そうなるな。だがまだあと少しだ。キャスターの召還が行われていない。とりあえず今は、イグラの準備が先決だ。契約者を集め、ドームに入れないと開催できないからな。今夜も頼むぞ。アサシン。」
「毎度のようにお前俺に命令しているが・・・・自分が誰かわかってるんだよなぁ・・・貴様。」
「・・・・・・・」
「まぁいいさ。俺も退屈していたところだ。ちょいと出てくるよ。あぁそうだ。別に、殺してしまっても構わんのだろう?」
「・・・好きにしろ。」
男はニヤリと笑ってその場から消えた。
「ククク・・・もうすぐ始まるぞ。新たな、聖杯戦争が・・・ククク・・・・フハハハハハハハハハハハハハハ!」
平和な日常が壊れ、血の雨が降り注ぎ、星が流れようとしていた
Fate/key's memory 後編 下
正直、これは自己満足に過ぎません。書いててすごく大変でした。小説家とかすごいね。本当にね。
あ^~篝^~
というわけで、私のモチベ次第ですが、またお会いできたらと思います。ではでは