街灯

名付けられないものにしか
価値はないのか

忘れたくないと願うほど
簡単に忘れてしまう虚しさ

生きるのに理由はいらないのに
生まれたことには理由がある
既に明確な理由があることの虚しさ

生活は等間隔でつづく
街灯のよう

すべてに価値はなかった
あるのは終わりを待つ時間だけ
膨張する虚しさに耐える躰だけ

人生を愛している時ほど僕は
はやく死にたいと願ってしまった

振り向くと街灯は絶えていて
僕は生きていることさえ忘れていた

街灯

街灯

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-12-28

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted