マイコプラズマ肝炎
ニュースで見ました
知り合いの知り合いに舞子という子がいる。
「なんか舞子、プラズマになったんだって」
その日、登校した学校の教室内。朝の会が始まる前の時間、私が自分の席で一人、整えていると、あ、これは、今日も一日始まります。学校学事が。よろです。終わるまでよろです。という事に対しての整え。気持ち的な面の。サウナで整えるっていうのとは違うやつ。個人的な、個人的なやつ。目を閉じたりして意識を整える的なやつ。五時間目体育かあ、昼終わってすぐ体育かあ。みたいな。で、そんな中で、その教室内の知り合いと知り合いが、そういう話を耳にして、内心でええーってなった。
「舞子が?」
って。
最初に言った通り舞子とは知り合いの知り合いの関係。直接的には知らない感じ。知り合いと放課後に例えばまあ、そうだなあ。イオンに行くとする。イオンに。イオンに行ってその後にその近くにあるカラオケに行くとする。そのカラオケで合流する感じ。知り合いの知り合い。イオンで調整するんだ。時間的なものを。舞子は違う学校だから。でも、知り合いの中に舞子と知り合いの人がいて、
「舞子達も呼んでいい?」
ってなって。おけまる。ってなる。カラってそういうもんだから。
「舞子がなあ」
で、私がなんとなくこの舞子を覚えているのは多分あれだ。
「すげーうまかったらなあ、カラ」
舞子。
「舞子、ずとまよとかすげーうまかったからなあ」
舞子の歌うずとまよ。すげーうまかったから。何この人って思った。誰かと一緒にカラに行って、そんな誰かの歌う歌を聞いたりしない。聞いたりしないよ。でも舞子のずとまよは聞いてた。何この人、ACAね?って思った。こいつがACAねなんじゃね?って。こいつ、舞子とか言ってっけどACAねじゃねえか?って。だから私は知り合いの知り合いだけども、舞子の事を覚えていた。
「カラ無双の舞子」
って勝手に二つ名つけて覚えていた。もしもずとまよが、将来もしも、もしも将来的に宇多田のファーストラブみたいな感じになって、なんかの曲のタイトルがネトフリでドラマかなんかになって、それがもしも恋愛的な要素を含んでいるんだとしたら、
「もう女子の側は舞子しかいねえ」
って思った。カラの帰り。そう思った。誰にも言ってないけども。ただまあ、今の舞子じゃないとな。今の。今のあの舞子じゃないとなあ。ってそれはちょっとこう、ジレンマというか。なんというか。
その舞子が、教室に居た知り合いの話してる内容によると、プラズマになったそうだ。
「プラズマに」
へえー。
なんとかプラズマ肝炎になったそうだ。腹だして寝てたんだろどうせ。カラの時も飛んだり跳ねたりして腹出てたし。
「プラズマになあ」
で、その際すぐに思いついたというか、思い出したのは、星のカービィ。星のカービィスーパーデラックス。スパデラ。スパデラです。スーファミの。ニンテンドークラシックミニにあるんだ。スパデラ。
「あれのコピーの能力にあったよな」
プラズマ。
プラズマカービィいたよな。
十字キーをガチャガチャして、静電気を溜めるみたいにエネルギーを貯めて、で、ボタン押すとばしゅーんで出るんだよな。貯めないとカスみたいな線が一本出るだけだけど、貯めるとばしゅーんって出るんだよな。あれ。あれを、
「あれになあ」
思い出した。
「あれになったのか」
舞子。って思った。
「……」
いいなあ。ちょっといいなあ。良くない?プラズマ。星のカービィの夢の泉の物語のレーザーくらい、いいんだよな。ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータにあるでしょ。夢の泉の物語。
あれの、レーザーくらい、いい。
舞子いいなあ。
その日の国語の授業の時、ノートとは別にルーズリーフを一枚出して、それにプラズマ能力をコピーした舞子の絵を描いた。勿論誰にも見せてない。見せるか。見せてたまるか。
家に帰ってからそれを清書して父が持ってるラミネートマシンに入れてラミして、そんで100円均一で買って持ってたファイルに入れて保管した。
マイコプラズマ肝炎