Eraser 消しゴム
青い惑星に起きたまさかの出来事。
戦闘機のパイロットが驚いている。其れはそうかも知れない。音速以上で飛んでいた航空機を瞬時に追い抜いて行くんだから半端じゃない。
しかもあっという間に見えなくなった。記録した画像には何も映っていない、見間違いではない事は分かるだろうが、其の正体が掴めないのは問題だ。
此処のところ、こんな事が頻発していた。USAの空軍でもこの事は話題になっている。あいつを捕まえろが標語になっている。
都知事選は余裕の女性候補の圧倒的な勝利に終わり、続く衆議院選挙は自民の圧倒的勝利と、此の国の政治は旧態依然としていた。
自民の不正行為にも拘らず、国民は株の投資家や大企業を中心として自民の支持をし、政治は完全に右派に傾いて来ている。
おまけに日米安保条約の順守に基づき此の国はUSAに逆らう事は出来ない。
基地があるから此の国は他国からの侵略から守られているんだという考えが何時まで経っても、頭から抜けない国民。
USAには用心棒代として基地の費用として巨額の金銭を支払ってきている。其ればかりか憲法九条も改正され、自衛隊は海外の戦闘にも対応できるようになっている。
勿論、自衛隊が使用する航空機その他の兵器もUSAから購入し、一機一億の戦闘機が自衛隊基地に配備されている。その分のしわ寄せは国民の税金を上げる事で賄っている。
朝鮮半島の南北の争いで、USAの航空機が此の国の基地から次々に飛び立っていく。沖縄ではオスプレイが深夜まで飛行して其の騒音が住民を悩ませている。
南朝鮮は徴兵制を導入し兵力を維持している。万が一北から攻撃されても大丈夫だとの自信はあった。
ところが北朝鮮はmissile技術に力を入れ、威嚇を続けていたが、コロナvirusの蔓延や食料不足に加え南に亡命した兵士が北を非難し、其れを南が大々的に宣伝した。
北の我慢も限界に達して、南北の緊張が高まってきた。北が38度線を越えてくるのではないかとの憶測が飛び交っていた。
第二次世界大戦以来の朝鮮戦争が起きるのではと、世界も目を見張り始めた。此の国にも18歳以上の若者を徴兵にしようとの論議がなされていた。
まさかの、戦乱が起きた。北は南を非難するチラシや風船を南領土内に投下していたが、南の高圧的な態度に戦闘態勢が取られている。
南は、此の国にも挑戦的な行為を繰り返し、孤立化していった。USAは中国を警戒視していたが、事態の急転に寄り北を威嚇し始めた。
基地を提供している此の国からUSAの航空機が飛び立ち、港からは空母や艦船が日本海に姿を現した。
世界の各国は、人種差別などの問題を起こしている無責任な自由主義という看板を掲げていたUSAに同調していたが、此の国は明らかな同盟国だと認識を。
各国が見守る中、USAの手先であった此の国だけは国民や識者の反対にも耳を傾けず敵地攻撃を唱えていた。
北の背後には中国の影も見られるようになった。正に、朝鮮戦争の再現が起こるかと誰もが思っていた。
北や中国にとってはUSAだけでなく此の国も敵とみなさざるを得なかった。長い間続いて来た極東の平和にも陰りが見えて来た。
38度線付近での小競り合いから始まり、次第に火は南下しようとしている。戦闘が開始される間際の事だった。
正体不明の超光速移動の物体が太平洋上に現れだしたが、過去の姿だと判定され、其の正体が話題となった。しかも、音速を遥かに超える超光速で移動していると思われる。
現在、アインシュタインの特殊相対性理論を超える理論は出て来ておらず光速を超えて飛行する事は考えられなかった。
いろいろな憶測が飛び交ったが、惑星外からの侵入者ではないかとの推測がされた。だが、監視衛星にも電波望遠鏡にも宇宙空間からの侵入者の姿は映っていない。
其れは、幻を捉えるような話しだった。光速以上で移動の物体を捉える事は特殊相対性理論的に、見えた時点は過去の時点という事になるから、見えた時点は何時なのか?先に攻撃を受けていれば、既に結論が出てしまっていて、此の惑星のものは破壊されている事になる。
と考えれば、見える前は、見える状況で無いのだから見えないという事になる。
他国で、再び侵入者の姿が見られた時には、此の国の基地や国土は既に攻撃されていた。光速を超えて移動してレーザーを発射する。
どうして、此の国なのかという話題で世界中が持ちきりになった。唯一、島国で大した兵器も持っておらず、世界中で「永久に平和な国」と言われていたのに・・政権が勝手に暴走を始めた。
其の謎の一部はその後に嫌でも解明された。USA全土が攻撃されたからだ。つまりは、USAを狙った攻撃だが、最前線である極東基地がある此の国が先に攻撃されたと推測された。
映画のようには、戦闘場面は格好の良いものでは無かった。何時の間にか何らかの兵器が使用されていたから。
結果だけの映画になってしまう。戦闘場面は見えない敵という事で全く対処のしようが無かった。
一瞬で、此の国のUSA基地は勿論の事、東京のほぼ全部が消滅した。壊滅状態になった後に、徴兵制度が取られた。
既に、USA在日極東軍及び防衛予算が十兆円とした政府の宛は外れ、国民の血税は全く無駄に使われた事になる。
陸・海・空自は、消滅していたから、徴兵しか兵隊は存在しない。
消去の模様は瞬間的で全く分からないが、推測では例えば核兵器などでは無く、一瞬で大きな範囲が消滅する事から、仮に言えば、光る球体が衝突したのと同じ様な意味ではないかと思われた。
しかも、其れは爆弾のような個では無く、光線が一定の範囲(例えば東京都全部など。)にあたったかのような消去では無かったかと海外では推測された。
且つて、予言者にだけ見えた多数の死相が現実のものとなった。しかも、其の予言した死相が全世界に窺がわれた。
正にその如くUSA本土も攻撃にあい、ペンタゴンどころではなく、全ての基地など少しでも兵器が存在する・軍事エリアは全て消去された。
全く、抵抗は出来ないどころか、遥かな光速以上で移動し、見えない上に、目標エリア全体を一瞬にして消去してしまう事から、事後になって「イレーザー~消しゴム」の仮称で呼ばれた。
勿論、世界最新の核兵器なども全く出番を待たずに消去された。
結果として、USAの軍事関係エリア全部と此の国の基地や三軍などの全ては消去。兵隊という名であれば徴兵でさえ消去された。
残ったのは、全く兵器や軍・兵隊に関係の無い、一般人だけで、自らの意思なく徴兵制度で兵役につき亡くなった徴兵其の数約三千万人の冥福が祈られた。
不思議な事に巻き添えを食わなかった南朝鮮では、北朝鮮と単独で争うかが検討されていた。
二国を除く海外の各国では、全く見事なほどの軍事関連のみのイレーズだと、感心をする科学者も多かった。
辛うじて、地球儀からアメリカ大陸と島国が消えずに残された。
各国では、USAに迎合しなくて良かったとの感想が述べられるに過ぎなかった。
従来の攻撃と言う文字に新たな概念として、消去の文字が加えられた。
実際、本当に攻撃であったかどうかの判別もできない、消去であった。
遥かに進んだ科学の住民にとって、光速以上で見えずに移動し、消しゴム一つで青い惑星の軍備を消去する事など、全く手数でも何でもない事だ。
今のうちに、遅れた科学の惑星は、領空侵犯などと称する言語は大宇宙には存在しない事を覚えておいた方が良いだろう。
「piano boralento E,pia europe123」
https://youtu.be/N6mykOAclrI
Eraser 消しゴム
光速を超え移動する物体。