ショート・ショート 変換ミス(予言者の作品)

ショート・ショート 変換ミス(予言者の作品)

安部氏の事件。

 パソコンの変換がおかしい。
パソコンがおかしいのではなく、マイクロソフトのプログラムがおかしいのではないかと思い、連絡してみたら、相談は全て有償だから金を払えと言う。
 此の国の会社では無いから此の国の言葉、特に古い慣用句などを知らないのは今の世代と同じく時代のせいか?
 とんでもない変換をする事がある辺りは如何にも粗雑なUSAのお国柄と言える。
英語への変換は容易く請け負うと思ったが、そうでない事もある。
 何か自分勝手なプログラムだと思ったりもするがそうとも言えない事に気が付く。
 例えば、数十年前には政治学の専門用語として記憶していた英語が検索できない。
 其れが日常会話程度なら構わず、或る時、台北に立ち寄った際台湾人の若者に道を聞いた。
 此方が使った英語は先程の単語よりも更に五年も前の中学の時に覚えたものだった。
 日常の生活における会話用の英語などは、その程度で何とか通用する・・だから、英語などというものは学校で学んだ事をしっかり記憶しておけば良いだけだと言える。
 その手の言語は時代と共に積極的に変化していく事が多い。
 其れの例とし、滅多に見ないTVのキャスターや気象担当者などが話している此の国の言葉でさえ、完全に自らがつくり出した、所謂「造語」である。
 戦後でも暫くその様な現象は見られなかったのだが、此処のところそういう場面が放映されれば、使用された造語が勝手に独り歩きをしてしまう。
 最近非常に目立つのだが、此れをご丁寧にTV局に注意してあげても意に介さない姿勢が見られる。
 此れが、専門の用語、例えば政治学に関する用語であれば一例とし、「存在理由=ウォラント」・「現状維持=status quo」などという言葉は今は見つける事が難しいと言える。
 翻訳アプリ程度では先ず無理のようだ。
 其れと同じ様な事が、今度は言語に限らず世代が変わり頭脳の容量が少なくなる事に繋がってしまったようだ。
 この作品を書くにあたり、故意に書いたのでもないのに、書かれた事柄が一年二カ月の時を経て現実のものと成ってしまい、其れが該当する人類の悲劇に繋がったという事としか考えられない。
 増してや、その主が元一国の総理大臣であったにも拘らず自らの知識が伴わず知恵足らずであった事が、結果として第三者から狙撃されたという事になったという事実。
 更に自ら産んだ宿命により朽ち果てたにも拘らず、政府は国民の~特に高齢者の反対にも拘わらず強行した。
 正に予言の意味を全く無視している行動を、しかも国民からの血税を使用し行ったのは遺憾としか言えず。
 さすれば、更なる予言が新たな悲劇を示すのは道理とも言えるだろう。
 では、作品を・・。



 仕事柄小型のパソコンは常時携帯している。訪問先を回り一段落ついたところで、カフェで一息ついて行こうかと思う。
 今月はスクープも上げたし、一応、気楽にと考えている。仕事の事は考えないようにした。
 上月康太は社内の女性の事を考えている、それにしても、とんでもない美人が入って来たものだ。
 是非、夕食にでも誘いたいものだが何かきっかけが欲しいと考えている。
 蒲田美紀は康太と同じ大学を卒業して入社したと社員の間で話されていると聞いている。
 学生時代はキャンパスで会った事は無かったのだが、まさか、学歴詐称・・?
 一学年に全学部で千五百人もいれば気が付かない事もあるのかと思う。
 其の美紀の電話番号は、社員のリストに載っているから分かる。
 何の様でも無しにいきなり電話するのもおかしいし、仕事での繋がりは無い。
 彼女は警視庁の記者クラブでの取材担当者となっている。
 康太は芸能業界担当で、二人が顔を会わせるのは朝出掛ける前と社に帰った時くらいだが、先輩記者が付きっ切りで指導をしており近寄る隙は無いのは少し残念。
 どう考えてもすぐには連絡できそうもないが、このまま徒(いたずら)に時間ばかりが経っていくのを待つのも案外もどかしいものと感じる。
 思い切ってこうして暇な時に警視庁に近付いてみようかとも思うが、理由は何にしようかと考える。
 芸能業界の追っかけと警視庁の記者クラブでは関連性が無さ過ぎる。
 スマフォが振動した。
 同僚からで、ある男性タレントが駐車違反で職務質問中に姿をくらましたままだと言う。
 現在所属事務所の方に問い合わせ中だが解答は貰えないという事のようだ。
 カフェの道路側に面した大きなガラス窓越しには多くの人々の行き交う姿が見える。
 視線が止まる・・。偶然にしてはラッキー?
 先程の情報のタレントが人混みの中を移動している。マスクをしているから誰からも気が付かれないようだ。 康太は何度か、virus対策用にとマスクをつけているタレントを見ているから人間違いではない。
 考えてみれば、違反をした現場とカフェのある通りとは電車で一駅くらいで歩いて来れない事もない。
 早速、レジで素早く勘定を済ませると自動ドア―の動きももどかしく感じるが通りに飛び出す。
 人混みを掻き分けながらタレントの後を追ううちに、彼の目指しているのはこの先の警察署ではないかと。
 おそらく事務所から連絡が入り、自首をしないと騒動がますます大きくなるからと促されたのかも知れない。
 其処で気が付いた。この先の警察と言えば警視庁。真っ直ぐ内堀に向かっているから間違いは無さそうだ。
 一瞬、記者クラブに誰がいるかが目に浮かんだ。丁度良いチャンスなのだが、誰か他の記者が詰めている筈。 其れではどうするのかと考え、足は既に其方に向かっている。兎に角行くだけでもと思う。
 折角拾ったチャンスだ。其れに、業界情報としてのタレントの記事も取材が出来る。一石二鳥。




 警視庁の手前から気が付いた。警察官の姿が見えるが、その人数が多いような気がする。
 何か事件があったのか、それとも誰かの警護でもあるのかとも思う。
 手前にあった小さな公園?のベンチの上で、パソコンを拡げニュースを見てみる。
 特に此れといった記事は見つからないから、どうしてなのか?安倍総理の警護の景色では無いだろうか?
 やはりその様で、安倍総理を乗せた車のようなものが白バイに前後を守られ列をつくり此方にやってくる。
「うん?安倍総理の案件で特別な?何かあるのかな?此の警備陣からし・・」
 などと考えていた時に、その列に近付いて行く男の姿が見えた。
 特段どうという気配は感じられない。単に自分と同じように・・。
 突然景色が変わった。一瞬緊張が周囲を包むように・・。男は列の手前で警備の警察官に確保される。
「お、こりゃ、スクープだ・・」
 と思い、チャンスは独断で充分。
 カメラ・・続けざまにシャッターを切る。写真を撮った後、素早く上司の安倍デスクに電話をする。
 事の次第を要点だけを話す。管轄外ですがスクープだからいいですね・・パソコンを取り出し記事を簡単に作成しようと・・。
 突然、背後から人の気配がし、
「もしもし、こんなところで何をやっているんですか?」
 振り返れば警察官。
「いや、ちょっとスクープ記事を・・」
「記事?どうして此処で何か記事・・どうしたの?何かおかしいな・・」
 康太は取り敢えず記事を少しでも打ち込んでおこうと思いキーを叩き始める。
「ちょっと、記者?身分証かなんか持っている?・・あら?其れ何?その文章・・怪しいな・・」
 康太は、慌てて打ち込んだ画面を見、
「あれ?また変換ミスか・・?どうしようもないな。こんな急ぎの時に・・此れじゃ無くて・・こう・・」
「やっぱり、貴方、ちょっと署迄来て貰える・・?」
 画面には。
「安倍死にそうだ、ん、ほうほうについては・・なにげなく、狙撃が・・」
「此れ変換ミスとうちミスで・・安倍氏に相談、ほうほうについてはな・・にげられなく、そう、劇画が・・」
 此れが、正しい・・ちょっと・・おかしい・・焦らせると・・余計に・・。
 警察官に同行を命じられ身分証を見せたが・・。
「あなた・・兎に角・・すぐ其処だから、署で詳しい事は・・」



 警視庁で、いろいろ聴取された結果問題無いと判断された。
 解放された後記者クラブに寄り、憧れの美紀に会う事が出来た。
「あら?・・先輩・・どうしたんですか今日は?・・臨時?」
 康太は、澄まし顔の筈が・・。
「いや、君が、其の・・素晴らしく・・美しい・・いや・・学歴詐称・・あれ・・俺も変換ミスみたい・・?」
 其れで・・何とかきっかけが掴め、今度は変換ミスなく夕食の約束が取れた・・。
 

 
 
 小説などを書いていると、実際にとんでもない変換ミスが起きる事がある・・まあ・・技術的なミスもあるのだろうが?



 そして、此処から先は後で付け加えたもの。 
 
 あの事件の前日か前々日だったか、彼がTV画面に映っていた。
 既に只の議員となっているのに、持論を言いたくて・・少し活舌が悪く・・顔がいやに紅潮しているのだが・・アベノミクスなどもう関係も無いのに・・まだ叫んでいる様にしか見えない。
 明らかに・・死相が窺えた。
 おかしいのは誰にも分からないのだろうが、其れがもどかしく感じられる。
 一体・・?


 あの日。
 彼は瞬間・・後ろを振り返った画像が流されているが・・死に顔に苦痛の表情は見えなく・・何かを確認したかのように落ち着いていた。
 その点では、せめてもの救いだったのかも知れず・・何よりも被疑者が確実に彼の心臓を射止めたからだろう。
 人類は亡くなる時にどうなるのかだが、拷問などをされていない時には・・先ずとても眠くなる。
 倒れた時には地面などの冷たさが寧ろ心地良く感じられるもの。
 其のまま意識を失えば、後は生死の違いだけになる。
 同じ青い惑星の住民でも昆虫などの生命体は完全に潰されるまで動いている事がある。
 其れに比較すれば人類は・・電気ショックなどで息を吹き返した例・・目の前で見た事があるが此れも一時的なもので、肺炎になり亡くなる。
 一番肝心なのは、死に際に苦痛を感じるかどうかだけと言える。
 死相は消える事もあるが・・残念だが其のままなら・・結果は先に窺がえる事になる・・。


 此れだけで終わらしたのでは・・警告にならないが・・占いと予言は全く異なり、占いは「当たるも八卦当たらぬも八卦」と言われるように確率は低いが、予言は先ず当たる。死相は消える事もある。
 実は脅かすつもりは全く無いのだが、此の国の民(たみ)や世界中の・・青い惑星の住民には現在非常に多くの死相が窺える。
 更に付け加えれば、作者には「死」に対する恐れは全く無い。
 変わっているとは思わない。そういうものなのだが・・死に際に苦痛を感じる様な死に方は出来れば避けたいとの願望はある。
 其処が所謂(いわゆる)人類とは異なるところで、或る意味思い通りならとても素直な生命と言えない事も無い・・。

ショート・ショート 変換ミス(予言者の作品)

予言の存在。

ショート・ショート 変換ミス(予言者の作品)

二年以上前に書いた作品が其の後の現実と同一。書いた時点では予見であるかも分からない。二年後、事件の前日から一週間程度以前に死相が窺えたのは事実。偶々見たTVの画面に映っていた彼に明らかな死相。活舌が悪く顔が紅潮していて身体が斜めになっていた。すでに過去のものであるアベノミクスばかり強調していた。当日、彼は後ろを確認するような仕種を見せた。唯一、被疑者の狙いが正確で、心臓を貫いたのは、苦しみを感じさせなかったと言える。現在此の国に限らず青い惑星至る所に死相が窺え、一つだけ。海外での名前・first・middleは関係無く、Lastnameに「B」が含まれ、其れに先頭なら非常に多い。死相は消える事もある。原因は解明されないが、あれもこれもと、あやふやな判断等が重なる時には起こりやすいと言えそうだ。自ら導く事もあり過剰防衛・あらゆる差別等は危険。

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-12-22

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