Heaven no bride (天国の花嫁)
ある日の、高校生2年生の男の子と女の子の恋愛物語です
Heaven no bride (天国の花嫁)
ある日の、高校生2年生の男の子と女の子の恋愛物語です
登場人物
主人公 高校2年 矢吹 俊介(やぶき しゅんすけ)
中型二輪免許持ち、愛車はゼファー400
ヒロイン 高校2年 愛田 奈々 (あいだ なな)
友人A 高校2年 坂田 南斗 (さかた みなと)
中型二輪免許持ち、愛車はNinja400R
友人B 高校2年 沢田 佳祐 (さわだ けいすけ)
友人C 高校2年 竹内 彩 (たけうち あや)
友人D 高校2年 石川 彩香 (いしかわ さやか)
妹 中学3年 矢吹 未来 (やぶき みく)
不良グループA:勝田雅也
不良グループB:城木武
高校2年に進学する4月8日、俊介は早起きが苦手で、入学式及び始業式に遅れてしまい、走って向かったその途中、
学校に向かって走る女子高生が居た。俊介(おや、うちの制服だなぁ、他にも遅刻者居たんだあ)と思っていた
俊介は途中に自転車を置いているので、その自転車を使い先に走っていった。
学校に着いた頃には、入学式と始業式は終わっておりHRの時間であって遅刻で席に座っていた
南斗が「俊介おせーよ!サボりかと思ったぞ!」と話しかけてきた。「おー、すまんすまん。ついつい寝すぎちゃって」とグダグダ話していた
そんな時に担任が「はーぃ、ここで遅刻してきたんだが、転校生を紹介する。」と言って転校生を連れてきた。
ゼェゼェ言いながら疲れ果てたその女子高生の姿には見覚えがあった。
俊介(あー、この子 さっき走ってた子かぁ)なんて思っていた。
担任「自己紹介をとにかくしてくれ」 奈々「はい。」
「初めまして、愛田奈々と言います。転校してきてまだ間もないのでいろいろ教えてください。」と言って
俊介の方をチラチラ見ていた。
俊介は鈍感なのでそんなことにも気づかずに友達と話をしていた。
鈍感だけど正義感は強く、中途半端は嫌いで、友達と恋人を優先するとても優しい人間である
奈々の手続きも終わったところで、学校は終わった。
佳祐「なぁ俊介と南斗さぁ、これからゲーセンいかね?」
南斗「おっ、いいねぇー俺は行くわぁ、俊介はどうする?」
俊介「あー、俺は今日は遠慮しとくわ、家帰ってやることあんだわww」
佳祐、南斗「そっかぁ、んじゃまた明日なっ」と言って二人はゲームセンターに、俊介は一人で家に向い歩いて居た
奈々はその頃、同級生の子にいろいろと聞かれていて、帰れる状況ではなかったのだ
俊介の家は学校から徒歩で駅まで行きそこから電車に乗って2駅行って降りて徒歩で家に着くという少し長い道のりだ
まだ時間もお昼ちょっと過ぎだったのでゆっくり帰っていた
その頃奈々は同級生からの質問責めから逃れて、帰り道をたどっていた
俊介は電車に乗って2駅行った地元の駅についた
未来「にぃちゃーん」
駅の中で聞いた覚えがある声が聞こえた
改札の先には妹が待ち構えていた
俊介「なんだよ、ていうかなんで未来がここに居るん?」
未来「あー、友達待っててさぁ、ちょっと早くきすぎたんだよねぇ」
俊介「そうなんか、んじゃ俺先帰るから。」
未来「あっ家帰っても誰も居ないからね?お母さんは友達の家に行ってるよー」
俊介「おー、わかったわかった、一人のほうが気楽でいいんだ...。 早く帰るんだぞー」と言って駅を後にした
そして家に帰り、ゲームをしたり、自分の好きなことをいろいろしていた
お母さんとかが帰ってきて夕食、お風呂などを済ませて自分の部屋でゲームをしていた
喉が渇いたので下にジュースを取りに行こうと行ったら
妹がすでに全て飲んでいた。俊介「あっ・・・俺の・・・コーラが・・・」
未来「ん?あっこれ兄ちゃんのだったの?ごめんごめん」
俊介「あー、もういいよ、お母さんちょっとコンビニ行ってくる」と言ってコンビニへ出かけた
コンビニに着いてすぐにジュースを買ってレジへ行った
そこには見覚えのある顔があった。
それはレジの店員も同じであった。思わず俊介はじーっと見てしまった
そこに居たのは奈々であったからだ。奈々もビックリしていて俊介と同じ行為をしていた
俊介は昼間の奈々が転校してきたときは全然見てもいなかったので、名前も知らなかった。
じーっと見ている時に名前を見て、名前を覚えた。
奈々は恥ずかしながら「ぃ..いらっしゃいませ..」と言っていた
俊介もどことなく恥ずかしくなり顔もとくに見れなかった。
無事に買い物を済ませて家に帰る俊介。
俊介はその時脈がなぜかすさまじく早くなっていた。
俊介(どうして俺こんなに早いんだろ...)なんて思いつつ家路についた。
自分の部屋に帰ってからも顔を思い出しては、脈が早くなっていった
無意識に考える事が初めてであったから、わけがわからないのだろう。
そのあと自由に過ごし、就寝についた。
次の朝、未来「おにぃーちゃん、起きて!起きてよ!」とおこしに来た
俊介「なんだよぉ...」未来「なんだよ、じゃないよ昨日遅刻したからお母さんが起こしてこいっていうから起こしてるのにぃ」
俊介「あー、わかった、起きるよ起きる...」
俊介はだるそうな顔をして朝ご飯を食べていた。
ぼーっとして準備をしているとちゃくちゃくと時間が過ぎてゆく。
昨日ほどではないが、遅刻気味であった。
それに気づいた俊介は早々と着替え、早々と学校へ向かって行った
学校のある駅に着いて自転車の置いてある駐輪場へ行き、自転車に乗ったその時。
後ろから声が聞こえた。??「乗せてっ」俊介は(えっ、誰こいつ)なんて思って後ろを振り向いた
そこには奈々の姿があった。俊介の脈が次第に早くなり、緊張していた
俊介「あ、あぁいいよ、乗って」奈々「ありがとう」なんて言葉を交わしながら学校へ向かった
二人とも遅刻にはならずギリギリ登校できたのだ。
奈々「あ、ありがとうね。送ってくれて」俊介「いやいや、同クラスだし気にせんといて」奈々「うん」
クラスに二人で行った。南斗「あれぇー、君たちデキちゃったのー?」俊介「は?冗談やめろよ」なんて会話をしていた
奈々は顔を真っ赤にして早々と自分の席に座った。
始業式から2日目なので今日も終わるのは早かった。
その日も佳祐と南斗からゲーセンに誘われた。
俊介(んー、今日はなんもないし行こっかな)と思い、俊介「んじゃ今日は俺も行くわ」
南斗「んじゃあ俺一回家帰って着替えてくっから、先二人で行っててな」
佳祐「あいよー。んじゃあ先に行くか」
俊介「おう」
そうして俊介と佳祐は二人で先にゲーセンに行っていた
その頃、奈々は同クラスの女友達と話をしていた。
彩「ねぇ、奈々。これからみんなで遊びに行くんだけど奈々も行かない?」
奈々「えっ、私?んーどうしよう。行っていいなら行こうかな」
彩「よし!決まったね。一回帰って着替えてから大宮駅に集合ねっ」
そうして奈々も友達と遊びに行くのだった
奈々は家に戻り、軽く汗を取りたかったのでシャワーに入り、それから着替えて行った
彩「おー、来た来た」奈々「ごめんね、待った?」彩「いやーうちらもそうでもないよー」と言葉を交わしていた
その頃、俊介達はすでにゲーセンに居たが佳祐がボーリングをしたいということなのでボーリングをしていた
佳祐「うーん、イマイチスコア伸びないなぁ」俊介「お前がヘタくそなんだろ?(w」佳祐「うるせーよ(w」そう言葉を交わしてボーリングをしていたのだ
その会場の下の階では奈々と彩達の方がもう来ていた。
奈々「んー、なにするのー?」彩「んーどしよっか」彩香「ボーリングしない?」彩「あー、いいねー」奈々「わ、私、ボーリング苦手かも...」彩「まぁまぁそんなのは気にしない!さぁ行こっ」
そして俊介達が居る上の階に来てカウンターを済ましてシューズを履いて準備をしていた。
俊介達は来ていることには気づいていない。南斗「おっまたせー、待った?」俊介「おせぇよ」佳祐「もうお前の分のレーンも俺の練習台にしてやったぞ(w」南斗「まじか(w」
南斗も合流し、3人でボーリングを楽しんでいた。ここで言うが、佳祐はボーリングが下手くそだ、南斗はまぁまぁ、俊介は自慢ではないがボーリングはうまい方だ。
彩「よぉーし、準備出来たしやろっか」奈々「う、うん」彩香「やろやろー」彩「まずは彩香からだよ」
そうして奈々達も始めていた。彩香「ん、あそこに居る3人組さ、うちのクラスの男子じゃない?」彩「え?そんな偶然あるの?」彩香「ほら、矢吹と沢田と坂田だよあれ」
奈々「えっ、矢吹くんいるんだ...ボソッ」彩「ん?なにか言った?」奈々「ううん、なんも」彩香「まぁ気にしないか...やろやろっ」
奈々達は気づいたが、俊介達は気づいていない。
そうしてやり続け、会計を済ませて、先に俊介達はゲームセンターの方へ向かっていった。
奈々達もその後に、会計を済ませてゲームセンターの方に行っていた
奈々は単独でUFOキャッチャーをグルグル回っていた。
そうすると前に俊介がいるのが見えた。恥ずかしくなってUFOキャッチャーの横に隠れていた
俊介はなんとも可愛らしい人形があるUFOキャッチャーのとこに居た、もちろんそのUFOキャッチャーの横には奈々が隠れていた
俊介には意外と想像出来ない趣味があった、なにかと女物が好きだったりして、可愛い人形があるとついつい目がいってしまうのだ
それを真横で見ていた奈々はもっと恥ずかしくなった。俊介はこういう才能があるのか、2回くらいで取ってしまった
俊介「へへっ、取れた取れた」そしてそこを後にしようとして歩いていくと横に人影があるのが俊介には見えた
俊介は迷わず横を見た。奈々「あっ...」俊介「なんだぁ..愛田かよぉ..ビックリさせんなよ」奈々「ご、ごめん」俊介「いや、気にすんなよ(w」
けど奈々の目線は俊介でなく、俊介が抱えてる人形を見ていた、それに気づいた俊介はすっと手をさし伸ばした
奈々「えっ?」俊介「これが欲しいんだろ?あげるよ」奈々「いいの?ありがとう、大切にするねっ」俊介「お、おう」
奈々は今までで一番明るい笑顔でこっちを見ていた、奈々の笑顔に俊介も少しデレていた。
奈々は俊介の優しさに少し気持ちが揺れていた。
奈々「ね、ねぇ、」俊介「ん?どうした?」奈々「もし、よかったらなんだけどな・・メアドとか交換しない?」俊介「えっ?俺でいいなら//」
そう言って二人はメアドと電話番号を交換していた
奈々は思い切って言ってみた。奈々「ねぇ、私のこと、愛田じゃなくて、奈々って呼んでくれないかな?」俊介「えっ、いきなりでいいなら..」奈々「うん、そっちのほうが嬉しいかな、じゃあ私も俊介って呼ぶね」俊介「おう」
こうして少し俊介と奈々の距離は縮まっていた。
そして、佳祐と南斗も合流して、佳祐「おろっ、愛田じゃん、一人でなにしてん?」奈々「一人じゃないよ、友達と居るんだけど、一人で行動してただけ」
彩と彩香も戻ってきて合流した。彩「奈々ここに居たのー?探したんだから」奈々「ご、ごめんね」彩香「あ、男子まだ居たんだ」南斗「居たっていいじゃねぇかよ、関係ないべ」
彩香と南斗が喧嘩ムードだったので、佳祐が悟って解散しようと俊介達は先に帰った。しかしその後すぐに奈々達も帰っていた。
帰った俊介はお母さんに家の手伝いを頼まれた。俊介は乗る気ではなかったが、仕方なしにやっていた
その頃奈々は大事そうに俊介にもらった人形を抱えながら歩いている。彩「奈々その人形取ったの?」奈々「う、うん」
軽い嘘を奈々はついてしまった。
奈々はふと俊介の顔を思いだしては、頬を真っ赤にしてゆっくり歩いて帰っていた
俊介は家の家事をしていて携帯は部屋に置き去りだ
奈々は彩と別れ、一人で家路を歩いていて急に寂しくなり俊介に電話をかけてしまった
しかし、俊介は家の家事をしているので電話には出られなかった。
電話に出ない俊介を思うと奈々は涙が出てきてその場に立ちすくんでしまった
その後俊介は家事も終わり、お風呂へ行った
お風呂から出て部屋に行き、一息ついたところで携帯が光っていたのが見えた
俊介(おや、誰だろ)携帯をチェックした
奈々からだった。急いで俊介は折り返し電話をした
奈々はすぐに出た。俊介「どうしたの?」奈々「グスッ..あ、ごめんね、なんか声聞きたくなったから...」
俊介はドキッとしながら泣いてるのが分かった。
俊介「な、泣いているの..?」奈々「う、ううん。」俊介「なんかあったの?」奈々「ううん、なんもないよ」
俊介「お、俺でよかったらなんでも聞くよ?」奈々「ば...バカ」俊介「えっ?」奈々「なんでもないって言ってるでしょ!」
そう言って電話は切れた
電話が切れた後に奈々はまた立ちすくみ泣いてしまった
奈々「グスッ...バカ,,,うっ」
俊介は奈々が心配でしょうがなかった。
そんな事があった次の日。
俊介は学校に行き、奈々を探していた。
奈々は早くから学校に居て、眠かったので教室で寝ていた。
俊介はそこに居合わせて奈々を見つけた。
俊介「奈々...?」奈々「スゥー...」俊介「なんだ...寝てるのか」
まだ寒気のある4月なので俊介は自分のセーターをかけておいた。
まだ朝のHRが始まるまで1時間ほどあるので、俊介は奈々の隣の席でウトウトしていて寝てしまった。
20分くらいすぎたところで奈々が目を覚ました。
奈々(ん..寝ちゃった...あれ、セーターかかってる...て、あれ...俊介が寝てる...)
奈々はすぐに俊介のセーターだと分かった。
朝のHRが始まり、俊介も目を覚ました。
南斗「おぃ俊介、いつまで寝てんだよ(w」俊介「あー、ウトウトしちまってな」
奈々「はい..」俊介「ん?あー、セーターね(w」奈々「うん//ありがとうね」俊介「どいたまー(w」
あっという間に日が過ぎていって、少し暑くなってきた5月中旬。
日常生活は今までどおり、奈々とは少しは遊ぶようにもなり距離が少しずつ縮まっていた。
奈々「あ..あのさ」俊介「ん?」奈々「今度の日曜日さ..うちに遊びにこない?」俊介「えっ?まじで?」奈々「う..うん..ダメかな...?」俊介「ぜ..全然いいよ(wいくいく」
そう約束して、あっという間に日曜日が来た。
俊介の家からは奈々の家は少し遠いのだ
俊介の地元駅から2駅先でそこからバスに乗り行くと言う結構時間かかるところだ。
奈々と約束していたのはお昼すぎ(いわゆる13時ごろ)に電車に乗ってバスに乗ってそこの停留所まで来るようにとのことだった。
俊介は遅れないように予定していた時間より30分早く家を出た。
緊張はかなりしていた
予想どおり、停留所にも30分くらい早くついてしまった。
しかし、降りようとした時に白いワンピースを来た女の子が見えた。
そう、すでに奈々は待っていたのだ。
奈々「こ、こんにちわ//」俊介「お..おう」奈々「んじゃ、行こっか」
そう言って奈々は手をさし伸ばした。
俊介「えっ?」奈々「もー、いいから早くっ」俊介「う..うん」
俊介は少しテレながらついていった。
そして奈々の家らしきとこに着いた。
奈々「ほら、こっちだよ」そう言って玄関のとこに連れてきた。
奈々「お母さん、ただいまぁ」「おかえりー、俊介くんはつれてきたの?」奈々「うん、ほらそこに」「あら、どうもー奈々の母です」俊介「初めまして..矢吹俊介と言います」「あらあら、ご丁寧に」
そう会話をしながら奈々とお母さんが家へ招いてくれた。
俊介「お、お邪魔しますー。」母、奈々「どうぞー」
奈々の家は普通の一軒家で俊介の家より少し大きめな家だった。
まずはリビングへ行き、お母さん交えてお菓子食べながら会話をしていた。
「それでー、奈々と俊介君はどんな関係なのかなぁー?」奈々「ちょ、ちょっとお母さん!」俊介「はっはは...」
急に奈々と俊介は恥ずかしくなり照れてしまった。
「そういう関係かぁー。まぁあとは2人で話してなさいね、お母さんお買い物行ってくるから」奈々「う、うん。」「ちゃんとジュースとか出してあげるのよー」奈々「わ、わかってるよ!行ってらっしゃい」
そう言って奈々のお母さんは出掛けたのだ。
奈々「んじゃあ、ここじゃアレだし、あたしの部屋に行こっか。」俊介「う、うん」
俊介はあまり恋愛経験がなく、あまりと言うか、恋愛に近いものをしたことがあるだけだ。
女の子の部屋に行くのに緊張してしまっておとなしかった。
奈々「さぁ、どうぞ」俊介「お邪魔しまーす」
奈々の部屋は物の散らかりも無く、部屋色はピンクと白の二色だった。
奈々「ささ、そこ座っててー」俊介「う、うん」奈々「ジュースとか持ってくるね」
奈々は一階へ降りてジュースを取りに行った。
周りを見渡していた。俊介(うわぁー、これが奈々の部屋かぁ、綺麗だなぁ)なんて考えていた
奈々「はい、どうぞー」俊介「あ、ありがと」
奈々はオレンジジュース片手に片手にはお菓子を持っていた。
落ち着いて、2人座りながらなにげない会話をしていた。
日が強く、窓側に座っていた奈々のワンピースが眩しく見えた。
時間は経つのは早く、もう夕方の5時だった。
奈々「フワァー」俊介「眠いの?」奈々「うーん、まぁまぁ?」俊介「そっかぁ(w」奈々「なにわらってんのぉ」俊介「ごめん、ごめん」
2人はテレビを見ながら会話をしていた
テレビを見ているせいか、自然と静かな空気になる。
そんなときに俊介の肩にトンッとなにかが乗る音がした
俊介が振り向くとそこには奈々の寝顔だった。
俊介(寝てるのか...?)奈々の顔を見てると緊張してきて顔が真っ赤になる
俊介(やばい...可愛い...いかんいかん...テレビ見よテレビ...)奈々「すぅー」
どれだけ時間が経っただろうか、俊介もテレビを見ている途中にウトウトしてしまい、2人して頭をぶつけながら寝ていた。
そんな途中にお母さんが帰宅し、奈々の部屋を覗いてきた。
母(あら...二人して寝ちゃってるわぁ)
2人を起こさないで一階へ降りて夜ご飯の支度をしていた。
奈々が先に起きて、ビックリしていた。
奈々(あ...寝ちゃった。俊介も...寝てる...寝顔可愛いなぁ...)
奈々は面白がって頬をツンツンしてみたり、一人で笑いをこらえながら俊介で遊んでいた。
その遊びに気づいたのか俊介も起きたのだ。
奈々「あっ..起きちゃったぁ」俊介「んー...あれぇ寝ちゃったのか」奈々「うん、二人して寝てたみたい(w、もう少しイジりたかったなぁー」俊介「え?(wなに?」奈々「ううん」
2人も起きて、俊介はテレビを見てて奈々はお母さんの様子を見に一階へ行った。
奈々「おかーさーん?」「なぁに?」奈々「なんで起こしてくれなかったの?」「2人してよく寝てたからほっといたのよー」奈々「もぅ」
二階からでもにおってくる晩御飯の匂い。俊介はお腹が減っていて、匂いがすぐにわかった。
「もう少しでご飯出来るからお父さん帰り遅いらしいから2人で食べちゃいなさいね」奈々「はーい」
奈々「あっ、そうだ!私も俊介に食べてもらいたいものがあるから料理する」と言って一緒に料理をし始めた。
奈々の料理は出来て、終わったのであとはお母さんに任せて
奈々は二階へ行き、ご飯を食べるようにと言いにきた。
奈々「お母さんが夜ご飯食べていきなって言ってるから食べていってよね」俊介「あ、うん、ありがとう」奈々「まだ出来てないみたいだからもう少し待ってね」
そしてまた2人はくつろぎ始めた。
俊介は隣に 奈々がいるのが新鮮でなにか落ち着きが無く、そわそわしていた。
女の子の家に来るのはかなり久しぶりで俊介は尋常じゃないくらい落ち着きがなかった。
奈々「なにしてんのぉ?動いてないと生きていけないの?(w」俊介「そ、そんなわけないだろ!」奈々「だよねぇー」
誰かが二階に登ってくる音が聞こえた。母「ご飯できたわよぉ、俊介君も食べてってね」俊介「あ、ありがとうございます」
奈々のお母さんが作ってくれたご飯は美味しかった。
奈々「あ、」俊介「ん?なに?」奈々「これどうだった?」俊介「ん、ああ美味しいよ」奈々「ほんと?私が作ったの」俊介「まじか!いい腕あるよ!」
時間もかなり経過して、夜の9時を過ぎていた。
俊介は奈々に料理人になりたいという夢を語っていた。
奈々「じゃあ、料理人になったら私が最初のお客さんになるねっ」俊介「わかってるって!」
俊介「おっと、そろそろ帰らなきゃな。」奈々「そっか、またいつでも来てね」俊介「おう!ウチにも来いよな(w」奈々「はーぃ(w」
玄関先まで奈々とお母さんに送ってもらい、自転車で帰宅していった。
帰宅途中、公園の道を通り、そのときに俊介はなにかを見つけた。
俊介(ん、また不良がたまってるのか。)と思いつつ自転車を走らせた。
俊介は不意に不良たちの方を見ていて、顔を見ていた。
そのまま帰宅して、お風呂に入って自分の部屋に行き、奈々にメールを送っていた。
そのままメールを続けていたが眠くなってしまい、片手にケータイを持ちながら寝てしまった。
その次の日、学校へ行くと、奈々がおはようと言ってきた。なんか嬉しそうに笑っていた。
そんな日が何日も続きいつものように遊んだり、話したりを繰り返して
寒気が残る5月を過ぎ7月の熱い時期が訪れた。
炎天下の中、学校もある、学校というのは冬服と夏服で別れているだろうか。
夏服は結構自由でワイシャツに女の子はリボン、男の子はネクタイをつけれていれば問題はなかった。
そんな熱い中、俊介は南斗達と登校していた。
南斗「今日も暑いよなー」佳祐「そうだなー」俊介「もう・・・トロけて死にそう(w」南斗「ははは(wそういや奈々ちゃんとはうまくいってんのか?」俊介「ん、あーまぁまぁだなぁ」
意外と俊介と奈々との関係は皆知っている方であった。
南斗「なんでお前ら仲いいのに付き合わねぇん?」俊介「んー、なんでだろうなw」
なにげない会話をして学校へと向かった。途中で奈々を連れた彩達のグループが居た。
それを俊介は知っていたが友達と一緒に居るなら今は邪魔はしないようにとした。
いつものように学校は始まり、授業に参加していた。俊介は眠気が襲ってきて寝てしまった。
起きたのは2時間目をすぎたあたりで奈々に起こされた。
奈々「いつまで寝てるの?」俊介「んー、あぁー、起きるよーうぅ」
ダダをこねる感じで俊介は起きた。奈々「もぅ可愛いなぁ///」
授業は終わり、お昼の時間が来た。
南斗「おーぃ俊介ー、飯一緒に食おうぜー」俊介「あー、分かった」
そんな俊介を奈々はさみしそうになにか言いたそうにこっちを見ていたのを見て察した
俊介「あー、わりぃ俺ちょっと用あるから先食っててー」南斗「あいよー」
そして俊介はなにか恥ずかしそうに奈々に近寄っていった。
俊介「どうした?」奈々「あ、あのさ、今日お弁当たくさん作りすぎちゃって...一緒に食べてくれない?」俊介「おっ、奈々の手作りか!食べる食べる!」
2人は学校の樹が生い茂る木の下でお昼にすることにした。
奈々「さっどうぞ」俊介「おぉー、うまそっ」奈々「遠慮しないでね!」
そうして2人はお弁当を食べてあっという間に俊介が完食した。
奈々「早いね俊介(w」俊介「お、おう!奈々の手料理はおいしいもんなぁ!」奈々「そ、そんなことないよぉ...//」
奈々は照れながらも嬉しかった。
午後の授業も始まり、全部の授業が終わった。
俊介は特に部活をしているわけでもないのでラウンジで南斗と佳祐とダベっていた。
その一方、奈々は部活に所属していて、バスケ部で結構優秀な部員であった。
いつもは奈々の部活終わるまで待ってはいないが、今日は話も進み、長い事3人で話していたこともあり、部活を終えた奈々が体育館から戻ってきた。
奈々「あっ俊介たちまだ居たんだ」俊介「お、おつかれさん!まぁな(w」
奈々「着替えてくるね」俊介「わかった!」
南斗も佳祐もなにかを察したのか先に帰ると言い出した。
俊介は思った。こいつら気が回る最高のダチだ!と。
そして制服姿で奈々は戻ってきた。
奈々「おまたせ!帰ろっか」俊介「お、おう(w」
2人は夕暮れどきに帰宅した。
「ね、ねぇ」俊介「ん?なに?」「今度の土曜日どっか行かない?」「ん、えーとそれはー・・・?」「あ、ダメだった?」
俊介「いやいや、そうじゃなくてなんか急でビックリしたかなぁーって感じ」「まぁいいじゃん、私と行きたくないなら別にいいよ」俊介「いやいや、大歓迎!」
その日は解散して、メールで土曜日の事を決めたのである。
そして土曜日が来た。約束の時間は朝10時であったが、俊介は朝5時に起きてしまった。
俊介「あー...まだこんな時間かよぉ..けどもう眠くねぇなぁ...」
俊介はパソコンをつけていろいろして時間を潰していた。
朝8時ごろになり、俊介は何か気になったのか、約束の前にシャワー浴びようとお風呂に入ってた。
俊介がシャワー浴びている途中に奈々からメールが来ていた。
奈々「ごめんね、ちょっと遅れるっぽい...お母さんの病院についていくから11時に変更ね」というものであった
俊介はお風呂から出て朝ご飯を食べ居間の時計を見ていた。時間は9時半であった。
俊介「やべ、時間に遅れる!」
急いでいたので奈々からのメールを見ていなかった。
時刻は10時05分。俊介は待ち合わせ場所に来ていた。
俊介「あれー、奈々まだ来てないみたいだな。
待ち合わせ場所の時計台を見た。時刻は10時20分
俊介「遅いなー、なにしてんだろ」
俊介はグチグチ言いながら待っていた。
待っていたところでバイクのうるさい音が聞こえてきた。
待ち合わせ場所の近くで前に公園で見た不良たちが来ていた。
不良たちは俊介の方を見て笑っていた。
俊介「ん、あいつらどっかで見たことあるな、何こっち見てんだあいつら」
そんなたわいもない事を思っていた。
時刻は10時40分
俊介「いつになったら来るんだろ...」
時刻は11時になっていた。
俊介「はぁー...」
遠くの方から走ってくる女の子が見えた。
奈々「お、おまたせー、はぁはぁ」俊介「遅いよー、一時間まったぞ」奈々「えっ?メール見たでしょ?」俊介「え?」
俊介は携帯を出し確認した。
俊介「あ、ごめん急いでて見てなかった」奈々「もう!」俊介「すまんすまん(w」奈々「まぁいこっか」
2人は電車に乗りバスであるとこに来ていた。
きたのは遊園地だった。
俊介「え?遊園地?(w」奈々「う、うん だめ...かな?」俊介「いいんじゃない?(w」
2人は入場券を買って遊園地の中に入ることにした
2人ともこういうところは小学生以来で少し新鮮だった。
俊介「な、なぁ?」奈々「ん?どうしたの?」俊介「まずはお腹減ったしなんか食べるかぁ」
そう言って奈々の手を取りフードコートへ行った。
奈々「あっ!クレープある!、クレープ食べたい!」俊介「おっクレープね、いいね」
俊介はクレープを買って一緒に食べた。
奈々「クスッ」俊介「ん?なんで笑ってんの!」奈々「だって...俊介の顔に(w」
奈々は俊介の顔についた生クリームを手にとって食べた。
俊介「あっ。」奈々「へへっ、こういうのって特権でしょ?」
2人はご飯を食べたので遊園地を堪能した。
時間はあっという間に過ぎていき、午後5時を回っていた。
奈々「楽しかったね!今日は色々とありがとね」俊介「ん、おう!」
遊園地を後にした。
俊介「あのさ、ちょっと買い物したいんだけどいいかな?」奈々「んー?いいよ!」
遊園地を後にした2人はデパートへ来ていた。
そこで俊介は奈々にトイレへ行きたいと言い、奈々を置いていった。
10分くらいして俊介が帰ってきた。
奈々「ずいぶん長いんだねー」俊介「ん、いやー、ちょっと見たいものがあってそれもついでに見てたんだよね」
「買い物は済んだの?」俊介「ん、ああ終わったよ!、付き合ってくれてありがとな、帰ろうぜ」
時間は夜7時を過ぎていた。
俊介は奈々を家まで送り、自分の家へと帰った。
なぜか気持ちが高ぶっていた。
俊介「明日はちゃんとしなきゃ」
そして、夜が過ぎ、朝を迎えた。
涼しい風が吹く、暑さもあまり無く、過ごしやすい日であった
俊介はすかさず奈々に電話をかけた。
「もしもーし」俊介「おはよっ、あのさ今日時間ある?」「んーとねぇ今日は午前中は部活があるから午後なら空いてるよー」俊介「おっけー、部活終わったら連絡して!」「わかったよー」
午前が過ぎ時刻は午後1:00
奈々から連絡があった。待ち合わせ場所を決め準備をしていた。
俊介は珍しく髪をちゃんとセットし、服装にも注意をして準備満タンで待ち合わせ場所に向かった。
俊介の片手には小さな小包を持っていた。
俊介「おまたせー、待った?」「ううん、うちも今きたところだよー」俊介「んじゃいこっか!」
そう言ってショッピングをしたり映画を見たりカラオケをしてデートをしていた。
時間はあっという間に過ぎて時刻は夜7:00を過ぎていた。
2人は海が見えるベイサイドに居た。
そこからは夜景がみえて綺麗だった。
俊介「あ、あのさ」「なに?」俊介「た、誕生日おめでと!」「えっ、知ってたの?」俊介「う、うん、竹内に聞いたんだ」「そうなんだ...ありがとう!」
俊介「こ、これ!プレゼント!」「嘘っ嬉しい!ありがとう俊介」俊介「実は昨日デパート行った時に買ったんだ」「それで、昨日遅かったんだね」
俊介「そうそう」「開けていい?」俊介「お、おう!恥ずかしいけどいいよっ」
奈々はゆっくり小包の封を開けた。
箱からは、星のネックレスが入っていた。
「可愛い、ありがとうすっごい嬉しいよ」俊介「そう言われると照れるからやめろって」「ホントに嬉しいの、ありがとうね」
俊介「全然ええよっ!」
「そんな俊介が好き」と奈々は小さい声で言った。俊介「ん?なんか言った?」「ううん、なんもないよっ」
奈々はすぐにネックレスを身に付けて笑っていた。
俊介も奈々の笑顔に惹かれて少しずつ好きという感情に変わっていた。
いつもどおり奈々を家まで送り自分も帰宅した。
それから一ヶ月というあっという間の時間ががいつものように過ぎていき、夏休みとなり真夏の8月を超えていた。
地元では8月31日には結構大規模な花火大会もあった。
俊介は最初から花火大会に奈々を誘うつもりだった。
そしてあの言葉も伝えようと思っていた。
8月10日に俊介は奈々の家に遊びに行く予定があった。
そして奈々の家に行くと奈々は居てお母さんは居なかった
俊介「あれ?お母さんは?」奈々「今日は親戚の人と出掛けてるの」
まだ2人は付き合っても居ないのにもうすでに恋人みたいになっていた。
2人はお互いの気持ちをわかっていたがなかなかどちらも言えずに居た。
いつものように遊んだり、TVを見たりして時刻は夜の7時
お母さんの居ないので奈々が料理を振舞うことになった
奈々「あっ、醤油がないやー」俊介「まじか、俺が行ってこようか?」奈々「ううん、すぐ近くだから買ってくるから待っててね」
そう言って奈々は買い物に出て行った
しかし、10分たっても、30分たっても、1時間たっても帰っては来なかった。
奈々が出かけてから2時間ほど経過していた
さすがに俊介は心配になっていた。
そんな時に奈々から電話が入った。
俊介「どうしたんだよ、いつになったら戻ってくるの?」奈々「俊介...ごめんね、今日はもう帰って...」
俊介「えっ、なにがあったんだよ」奈々「なんでもないの...後でちゃんと連絡するから今日はもう帰って...」
そして電話は切れた。
俊介の心に緊張が走った。
しかし、俊介は何も出来ずに呆然と立ち尽くしていた。
自分には何もしてあげれないのか、俺には奈々を助ける事は出来ないのか、奈々の苦しみを取り除いてあげられるのは俺じゃなかったのか。
そんな事を思っていた。
今すぐにでも抱きしめて苦しみを少しでも忘れさせてあげたいとおもった。
けれども俊介は奈々に従うしかなかった。
自宅へ戻った。
それから奈々に何度も電話もメールもしたが応答がなかった。
俊介は嫌われたのかな、とかなにがあったのか知りたいと強く思っていた。
あれから2週間が経ち、日付は8月24日になっていた
もうすぐ花火大会もある、そして夏休み最期でもあった。
俊介は南斗に連絡をして奈々の事を相談していた。
俊介「もう奈々に会えない気がするんだ」南斗「そんなのわかんねぇだろ!お前が信じてやらなきゃ誰が信じてやれるんだよ、愛田にはお前しか居ないんだぞ」
俊介「けど...もうあれから2週間も経つんだ、どうみてもおかしいだろ2週間なんて...」南斗「それでも、お前は愛田が好きなんだろ!だったら信じてやれよ」
南斗への相談電話は3時間以上続いた。
そして8月28日の午前1時という真夜中に携帯がなった
奈々からのメールだった。
俊介はすぐにメールを確認した。
そこにはこう書いてあった。
「俊介へ、2週間くらい連絡できなくてごめんね、31日の花火大会一緒に...見に行こうね、きっと行くから」
という文面であった。
俊介は嫌な予感もあったがそれよりメールがきたことにホッとしていた。
そして花火大会当日、2人は元々待ち合わせ場所を指定していて、そこに花火が始まる6時に行くということだった。
そこには南斗も佳祐や彩や彩香も来ていた。
俊介と南斗はバイクで来ていた。
南斗は2人の事をよく知っているからなるべく俊介の近くにいることにした。
南斗「あっ、佳祐達さ、先に屋台の方行っててよ」
そう言って南斗は佳祐と彩と彩香を屋台の方へ向かわせた
南斗「俊介..愛田なら来るって。きっとな」俊介「そう、信じたい」
待ち合わせ時刻の6時をすぎた。
しかし奈々の姿はどこにも無い。
その時、俊介の携帯が鳴った。
奈々からのメールだ。
「ごめんね、約束守れなかったよ...私ってほんとにバカだよね...最期に俊介の顔が見れて良かったよ...ごめんね俊介...」
その一通であった。
俊介「なんだよ、最期って、意味わかんねぇよ!」
それを見た俊介と南斗は焦り、花火大会会場を走り回った。
しかし、奈々は居なかった。
どこにも居なかった。
伝えたいのに伝えられない。
会場周辺は探し歩いたが見つからないので、俊介と南斗はバイクに乗り会場の周辺を探し走っていた。
時刻は午後7:00
奈々はどこにも居なかった。
しかし、その時、俊介の携帯が鳴った。
奈々からだった。
奈々「もしもし...」俊介「なにしてるんだよ!今どこに居るんだよ」奈々「花火がよく見えるとこ」
俊介「なんで来ないんだよ」奈々「へへっ...ごめんね...最期に俊介の声聞きたかったんだ」俊介「最期ってなんだよ、意味分かんねぇよ」
奈々は泣きながら電話をしていた。
奈々「大好きだよ、今までありがとう、ごめんね...」 と言葉をつげて電話をきった
俊介は伝えられずにいた。
(自分から言えなかった...)
俊介「な...なんなんだよ...最期ってなんだよ...今までありがとうってなんだよ...わかんねぇよ...」
「俺バカだからわかんねぇよ...大好きなのは俺もなのによぉ...」
その場に南斗も合流した。
南斗「大丈夫か!俊介」俊介「大丈夫なように見えるか?これで大丈夫で居れるわけねぇだろ...がぁ...」
と俊介は泣きながら怒鳴った。
すると近くからサイレンの音が聞こえた。
俊介はなにも考えずにバイクでサイレンがなってるほうへと走っていった。
南斗は一人にさせてやろうとその場に残った。
俊介が向かった先には、警察が来ていた。
俊介「あ...あれって奈々じゃないのか...」
そこには変わり果てた奈々が横たわっていた。
俊介「嘘だろ...」
俊介はバイクを降りて奈々のもとへと走っていった。
警官「こら、君、入っちゃいけないよ」
俊介「ふざけんな、俺の大事な人なんだ!」
俊介は警察官を振り切り、変わり果てた奈々を抱かえてバイクで走っていった。
南斗が待つ場所へバイクで走っていった。
南斗「おい、後ろにいるのって...」
そこには全身血まみれの奈々の姿があった。
俊介はバイクを降りて奈々を下ろした。
俊介「おい、奈々...目を開けてくれ...お願いだから...」
「まだお前にちゃんと伝えてないんだよ...好きってちゃんと伝えてないのになんでこんなことに...」
南斗は呆然と立ち尽くすしかなかった。
俊介「頼むよ...目を開けてくれ...お願いだから...」
俊介の願いも虚しく奈々は答えてくれなかった。
奈々の手には俊介からもらったネックレスを握っていた。
俊介は涙が止まらなかった。
伝えたくても、伝えられない俊介の思い。
いくら話しかけても応答はない。
近くでサイレンがなっていた。
そして俊介の元に、警官や救急車が来ていた。
しかし、奈々は意識がなかった。
俊介「どうして...どうして俺を置いて先にいっちまうんだよ...」
奈々は救急車に運ばれ病院へと搬送された。
俊介と南斗は涙をこらえ血のついたバイクで救急車の後を追った。
病院に搬送された奈々はすぐに手術室へ運ばれた。
俊介「頑張ってくれ...死なないでくれよ奈々...」
南斗「大丈夫だって。お前を置いて行くわけないよ」
俊介「あれを見て、まだそんなこと言えるのか、ふざけんな!奈々は辛かったんだ、それに気づいてやれなかった俺が悪いんだ...」
奈々の両親も病院へきた。
奈々のお父さんは来てすぐに俊介を殴った。
母「やめてお父さん、俊介君はなにも悪くないのよ」
父「関係あるか!こいつが奈々をこんなことにしたんだ」
俊介はずっと土下座をして謝っていた。
そして手術が終わった。
中から出てきた医師からは
医師「最善を尽くしましたが無理でした」
その言葉に場に居た人は呆然と立ち尽くすしかなかった。
俊介は耐えられず、その場から逃げ出した。
南斗「おい、待てよ俊介」
南斗は俊介を追いかけた。
俊介は病院の屋上にいた。
俊介「俺が全部悪いんだ。殴られて当然なんだよ。奈々を...奈々を死なせてしまったのは俺の責任なんだ。」
南斗「お前がそんな弱音はいてどうすんだ、愛田は落ち込んでるお前なんか見たくないはずだぞ」
俊介「んな、事言ったって俺が早く奈々の苦しみに気づいてあげれたらこんなことにはならなかったんだ...」
南斗「そうかもしれねぇけど、天国へ行った奈々はそんなこと思って欲しくねぇって思ってるはずだ」
俊介「そう簡単に立ち直れるかよ...大好きだった人が死んだんだぞ...」
俊介は立ちすくんでずっと泣いていた。
少し落ち着いた俊介を南斗は奈々の元へと連れて行った。
南斗「お父さん、お母さん、少しだけ俊介を奈々と2人きりにしてあげてもらえませんか?お願いします」と
頭を下げた。
俊介は奈々の元へいき、奈々の顔を見た瞬間に涙が落ちた。
俊介「どうして...どうして先に行っちまうんだよ...まだちゃんと伝えられてないのになんでだよ...」
「奈々が居なきゃ俺どうしていいかわからないよ...どうやって生きていけばいいんだよ...」
そうして一日中奈々の元から離れなかった。
警察からの話を聞くと
スーパーへ買い物へ行った奈々はその帰りに不良たちにさらわれ強姦されていた事が判明した。
不良グループは後日逮捕となった
そして奈々の葬式の日。
俊介や南斗達は葬式に参加していた。
お焼香を上げる際に俊介は白く冷たくなっている奈々に軽くキスをした。
俊介「こんな風にしかキスできなくてごめんな...お前と約束した俺が料理人になる夢叶えるからな...あっちで先に待っててくれよな」
2人の初めてのキスであった。
そして火葬されお墓の中へと奈々は入っていった。
形があったものが骨になるとあまり痛みを感じなかった。
しかし、俊介には痛みと苦しみがずっとあった。
助けられなかった事実、それが彼を傷つけていた。
奈々が死んでから早2年が過ぎ...
俊介は何か悩みがある時はいつも奈々のお墓の前へ行き、奈々に向かって悩みをぶちまけていた。
高校を卒業した俊介は奈々との約束であった料理人への道へ進めた。
調理師専門学校へ合格していた。
そして俊介は奈々のお墓へと向かった。
お墓の前へ行き、
俊介「料理人になる夢、ちゃんと果たすからな、俺の横で見ていてくれよな」
そう言い残し、去っていった。
それから4年の月日が流れ、はれて料理人へとなった。
俊介は自宅で作った自分の料理を奈々のお墓の前に持っていき
俊介「俺、奈々のおかげで料理人になれたよ。言ったよな、最初のお客さんは奈々だって。ちゃんと食べてくれよな」
それから2日後、お皿を回収をしにお墓に行くとお皿の中は空っぽであった。
誰かが食べたのか、捨てられたのかわからなかったが俊介はこう言った
俊介「どうだった?美味しかった?」と投げかけた
その夜、俊介は就寝についた。
寝ている時に夢をみた。
その中には奈々がいた
夢の中で奈々はこう言った。
奈々「美味しかったよ、ありがとう、美味しい料理をみんなに食べさせてあげてね」
と言っていた。
そして翌日、俊介は清々しい気分で起きた。
夢であろうと奈々の気持ちが分かったから嬉しかったのであろう。
それからというもの、俊介はお墓になんども行き、報告など色々していた。
そして本格的に料理の道へと心の中で生きる奈々と一緒に歩むのであった。
おしまい。
Heaven no bride (天国の花嫁)