ギフデッド

超常的な力を持つ怪物、その名もギフデッド。
この世界ではギフデッドによる被害や犯罪が多発していた。
そして今日も、ギフデッドによる被害は起きる。
「キャアアアアアッ!!」
通学路で1人の女の子が怪物から逃げていた。
「ヒャッヒャッヒャ!!随分逃げるねぇお嬢ちゃん!少しでも足を止めたら殺してやるよ!」
「いやぁああっ!!」
「さぁて……この長い鬼ごっこもそろそろ終わりにするかぁ!」
「(だめ…もう走れない…!)」その時だった。
「オラァッ!!」「ガハァッ…!」
1人の青年が怪物を殴り飛ばした。
「な、なんだテメェは!?」「おいお前。子供が泣いてんだろ?」
「お、お兄さん、誰…?」少女が震えた声で話しかける。
「俺か?俺は植田海斗だ。とりあえずこの場から離れてな。」
「いいとこだったのに…邪魔すんなぁあ!!」「悪いな!これ以上お前の好きにはさせないぞ、ギフテッド!」
そう言い放つと、彼はギフテッドに向かって走り出した。
「オラァッ!!」「よっと!」「クソがっ!ちょこまかと動きやがって!」
「(動きが鈍い…こいつはそこまで大した相手でもなさそうだな。)」
こうして2人は激しい攻防を繰り広げた。
「くたばれぇええ!!」「それはお前だ。」彼がそう言うと同時に、彼はギフテッドから姿を消した。
怪物が振り返ると、その背後に彼の姿があった。
「い、いつの間に…!」「これでトドメだ!」
次の瞬間、彼の拳はギフテッドを捉えていた。
「ぐぁあああああああああああっ!!」
怪物は倒れ、そのまま消滅した。
「あ、ありがとう!お兄ちゃ…」「あっ、ちょっと待ってくれ。」
「?」そう言うと植田は携帯を取り出す。「ギフデッドの駆除、終わりましたよ。」
『了解、すぐに回収班を送る。』「分かりました。では後ほど。」
電話を切ると、植田は少女の元へ駆け寄った。「大丈夫か?」「うん……。ありがとうお兄ちゃん。」
「どういたしまして。次から気をつけろよ。」「うん!」彼女は笑顔で去っていった。
「ふぅ……一件落着っと。」

〜〜〜〜〜〜
「ギフデッドの駆除、終わりました。」
俺が上司に報告すると、上司は満足げな顔で俺を見た。
「そうか、よくやった!これでまたお前の評価が上がるぞ!」
「はい。ありがとうございます。」
この人の名前は佐藤信介。組織の支部長であり、俺の直属の上司である。
「俺にかかりゃあこんなの余裕ですよ!」「そんな呑気な事言ってられないだろう。」
「あっ、藍川センパイ。」この人は藍川蓮、俺の先輩に当たる人物だ。
「最近ギフデッドも進化を遂げている…能力持ちのギフデッドも少なくない。何故だかわかるか?」「えー…世の中が暗くなってるから?」
「正解だ。奴らは負の感情を糧としている。つまり、人間の不安や恐怖といった感情が大きくなればなるほど強くなるわけだ。」
「な、なるほど……。」
「まぁお前みたいな能天気野郎はあんまり気にしなくていい。それより早く報告書を書け。」
「は、はい……。」
「それじゃあ俺は家に帰る。また明日な。」
「あ、お疲れ様です!」

ギフデッド

ギフデッド

超常的な力を持つ怪物、その名もギフデッド。 この世界ではギフデッドによる被害や犯罪が多発していた。 そしてそのギフデッドを対処するべく生まれた対抗組織、その名も「向日葵」。 組織に所属する高校1年生の植田海斗(うえだ かいと)は自身の先輩である 藍川蓮(あいかわ れん)や仲間達と共に、今日もギフデッドの殲滅に向かうのであった。

  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-12-13

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