発端


【発端】



【一話】



 一人の大柄な男が真白に降り積もった雪をゴム長靴で掻き分けて降りた車からゆっくりと事務所の玄関に向かう。

 凍てついた手で鍵をポケットから取り出してドアノブに差し込むと鍵穴が凍りついて入らず、仕方なしにタバコ用の電子ライターを取り出して鍵を暖めようと着火するものの気温マイナス十五度では着火せず、再び男は石式のライターを取り出し吹雪の中で鍵を炙って鍵穴に差し込んだ。

 鍵穴は音も立てないまま炙られた鍵を自らに飲み込んでようやくドアはガリガリッと言う音を立てて手前に開いた。

 四十センチほどに降り積もった雪がドアに押されて人がようやく入れるくらいに開くと、男はバックを先に入れてから自らもドアの内側へと身を入れた。

 帽子に積もった雪をポリバケツに入れるとパタパタと手で払い、玄関ホウキで自分の全身を叩いて雪を落とすと、落ちた雪を玄関の隅っこに寄せるように掃いた。

 ゴム長靴を両手に片方ずつ持って左右から真ん中でぶつけて雪を落とすと靴底に貼り付いた雪がサラサラと下に落ち再びホウキを手に隅っこに雪を追いやる。

 そして玄関と室内を繋ぐドアを押して開くと男は大きな音を出す背丈ほどある暖房機の前に立ち防寒ジャンパーを手際よく脱いで壁にかけると続けて防寒ズボンを脱いで事務椅子の背凭れにヒョイッとかけた。

 暖房機の噴出し口の前に背中を向けて起つこと数分、男は壁掛け時計で六時を確認すると足早に事務所の奥の二階への階段を目指した。

 タンタンタンと軽やかなリズムで二階へ上がった男は左右に流れる廊下の左側へと移動すると銀色したドアノブに手をかけ中へスルリと入るとポータブルストーブに着火し窓のカーテンを左右に開いた。

 そして黒いレザー張りの背凭れの大きな椅子に腰掛けると部屋が暖まるのを待つ間にタバコを吸い始めた。

 吐く息が真白から徐々に透明がかると男はスッと立ち上がってクローゼットのドアを開いた。

 一段目と二段目の敷板の上に高さ一メートル程の箪笥があってその前で俄かに何かを考え始め一分ほどすると男は一段目の引き出しを手前に引いて数ある丸まった下着類の中から、白いスタンダードのパンティーとブラジャーを取り出すとストーブの前に置いた事務椅子の背凭れにかけて干した。

 そして箪笥の横にある幅六十センチ程の観音扉を開くと中から黒いタイトスカートと白いブラウスを出し、同じくストーブの前で湿気をとるために干した。

 男は着ていた背広とスラックス、そして肌着やトランクスを全て脱ぐと纏めて大きな木目の高級そうな机の上に放り投げた。

 慣れた手つきで湿気の飛んだ白いパンティーに両足を潜らせると、箪笥の別の引出しから出した丸められた黒いパンティーストッキングを手に持って再びストーブの前でスルスルッと起ち履きし股間のシームを真ん中に合わせ身体を捻って尻の辺りを左右から何度も確認した。

 黒いパンティーストッキングの内側にボンヤリと白いパンティーが浮き出て男のシンボルが小高い丘を形成した。

 男は下半身を包んだパンティーストッキングの色具合が均等になっているか何度も神経質に見回しながら乾いた白いブラジャーで胸を覆うと、箪笥の別の引出しから取り出した黒いスリップをストーブの前に晒して海苔でも焼くように裏表を満遍なく乾かすと、再びスルスルと上半身に潜らせた。

 ヒラヒラと黒いスリップの裾が男が動く度に黒いストッキングに包まれた両足の周りで揺らめく。

 そして机の上に置いた背広とスラックス、そして下着類を丁寧にクローゼットの中に仕舞うと手早く白いブラウスを着衣し黒いタイトスカートで下半身を覆い、足に履いていた男性用のサンダルから女性用へと替えると男物のサンダルをクローゼットの中に両足を揃えて前屈みして入れ終えた男は、クローゼットの隣りにある別のクローゼットの観音扉を開くとドアの内側に付いている大きな鏡で身支度を整え、引出しから取り出した化粧道具で薄化粧を施した。

 ショートヘアのカツラを丸長の箱から取り出し頭にセットすると顔を左右に小さく振って化粧とのバランスを注意深くチェックし、黒い大きな椅子を重そうにストーブの前から引き離しと一仕事終えたように両足を揃えて腰を下ろした。

 窓に掛かった白いレースのカーテンは外の雪の白さと交わって部屋全体を白い光で包み、まるで窓など無いかのように男に思わせ温まっていない部屋の中で全身を震わせる男は両手を口元に寄せハアァッと吐息で温めるとストーブを切って部屋から出て一階に移動した。

 そして一階の給湯室へ移動しポットに水入れをしていると、ノソノソっと玄関ドアを開けて入ったスーツ姿の男が寒さに身を震わせながら朝の挨拶を室内に向けた。

 その声に一瞬チラリと後に視線を回した女装姿の男はさのままポットをコンセントに差し込んで、慌てて給湯室の中から事務所へと移動した。

 そして事務椅子に腰掛けた男は出迎えた女装子の顔を見上げると違和感を感じないままに、視線を下に下ろして足の爪先まで眺めると、その視線をブクブクと音を上げる給湯室のポットへと向け、その視線を目で追いかける女装子は慌てて給湯室へと走り出した。

 
「おはようございます社長……」

 給湯室のポットからコーヒーカップに湯を移す女装子に後からスーツ姿の男が声をかけると、女装子は小さく頷きながらインスタントコーヒーを二人分作り始めた。

 女装子の後に立つスーツ姿の男は女装子の尻を俄かに凝視するとそのまま静かに斜がんで女装子の腰に両手を回してスカートの上から尻に顔を埋め大きな深呼吸を鼻で繰り返すと、女装子は一瞬全身をビクつかせ驚いた表情のまま動きを止めた。

 
「だめぇ………」

 女装子は尻に埋められた男の顔を払おうと腰を左右に数回振ると、男はそのまま振り払われたように女装子の腰から両手をスカート伝いに滑らせ顔と両手をスカートの中に潜らせた。

 その瞬間、男の両手がストッキング越しに膝から上へと滑りながら移動し更に男の顔はスリップの中に押し入るとそのまま両足の付け根と尻の中間に押し付けられた。

 女装子はストッキング越しに滑る男の手に膝をガクガクさせ首を仰け反らせて断続的に吐息を放った。

 男の鼻は黒いパンティーストッキングのシームに合わせるように縦に押し付けられ男の鼻に吸い込まれるようにパンティーの中から女装子の体温が奪われ、男の両手は女装子の腹辺りで親指以外の全ての指が怪しくうごめいていた。

 女装子は腹でうごめく八本の指の動きに耐え切れず両手をポットの置いてある台で支え身体をビクつかせながらガグカクする膝を必死に立たせていた。


「濡れちゃう!」

 女装子は耐え切れずに小声をスカートの中の男に発したが女装子の匂いを楽しむ男の指の動きは止まることを嫌うようにうごめき続け、女装子のパンティーは内側にヌメリのある湿り気を増加させた。

 更に男の両手は腹から左右の横へ移動しストッキングの上から八本の指がくすぐるように肌をうごめき、男が鼻先で開かせた右側の内モモに唇が滑りストッキング越しに男の熱い吐息が吹き付けられた。

 男の両手は女装子の太もも前側と横側を何度も往復しながら上へ下へと忙しく滑りうごめき忘れた頃を身測るように女装子の腹辺りを行き来した。

 女装子はその度にガクンッガクンッと今にも崩れそうになりながら入れたコーヒーに波紋を繰り返させた。

 
「お願い! 許して!」

 男は両手を使ってスカートを捲くりあげると女装子をポット台から引き離して台側に背を向け自らを入り込むと慌しくスカートを目いっぱい捲くり上げ女装子の盛り上がった部分に鼻と口を押し付け中の匂いを吸い込んだ。

 パンティーから染み出たヌルヌルする液体はパンティーストッキングをすり抜け男の押し付けられた鼻と口にヌメリを伝え、それに気付いた男の右手の親指の腹がヌメリを数回滑るように楽しんだ。

 女装子は膝を曲げ前屈みになって男の頭を引き離そうするもののポットが置かれた台に男の身体が当たって揺れて落ちそうなコーヒーの入ったカップが気になって無理に引き離せない状態だった。

 そのうち男の両手は女装子から黒いパンテイーストッキングをスルリスルリと降ろし始めると、両足を内股にする女装子のヌメリの滲んだ部分にムシャブリついてチュパチュパと音を立てて吸いついた。

 吸い付かれる刺激はパンティー越しに女装子のペニスの先っぽへと震動しながら伝わり女装子は顔を顰めて男の頭に両手を乗せた。

 女装子の尻肉に男の両手がムニュッと食い込むとプルプルと女装子の太ももが男の目の前で揺れた。

 そして男の口が震るえる女装子のパンティーを噛むと下へグイッと引き下げ陰毛が見え始めた瞬間、玄関に威勢の良い職人風の男の声が響き渡った。


「おはよおーっす!」

 女装子の恥かしい毛を目の前に男はポット台と女装子の間からすり抜けると女装子に二階へ行くように耳打ちし、女装子は慌ててパンティーをそしてパンティーストッキングを元に戻すと給湯室から階段へと通じる通路に足早に移動した。

 そしてスーツ姿の男は乱れが無いか自分を見回してから玄関にいる職人風の男に爽やかな声をかけながら内扉を開いた。


「おっ! こりゃ田口さん! おはようさんです。」

 防寒具に身を包んだ男は玄関の中に居てドアを開けたスーツの男にニッコリと会釈を始めた。

 田口は何事も無かったかのように事務室で防寒具に身を包むと玄関の中に居た男と二人で会社の駐車場の雪かきにその身を移動させた。

 そしてその光景を二階の一室からレースのカーテン越しに覗きみる設備会社社長の木村が居た。

 駐車場は吹き付ける強風に白い粉雪が舞い上げ時折鮮やかな赤い雪かきスコップを淡いピンク色に変え、雪かきをする二人の男を濃い白で覆い隠した。

 すると駐車場の入口の車道に車が次々に停車し、乗っている防寒具に身を包んだ男達が現れ手に雪かきスコップを持って次々と濃い白の中に身を投じた。

 車が十数台置ける駐車場は二十人近い男達で埋め尽くされ四十センチの積雪は次第に奥の方へと追いやられられていった。

 その頃、二階の社長室に居た社長の木村はストーブを横に椅子に腰掛けて大きな図面を広げ見入っていたが駐車場から雪かきの音が止む頃、倉庫のシャッターが冬の寒波で凍り付いてガラガラ大きな音を立てトラックのエンジン音が窓ガラスに震動を与える。

 そしておよそ五分間の空ぶかしの後、数台のトラックが発進すると入れ違いに駐車場に次々と職人達の車が駐車されていきいつのまにか駐車場からは人の姿が消えていた。

 いつものように図面の最終チェックを終えた木村は引出しから取り出した手鏡で化粧を軽く直すと愛液で汚れたパンティーを替えていないことに気付くも一仕事を終えた田口を暖かい物で労おうと急いで二階から一階へとその身を移した。

 額から汗を流す田口は暖を取ろうと暖房機の前に立って温風に当たっていたが、木村は田口のところへは行かず給湯室横にあるボイラー室へ入るとボイラーに電源を入れその足で風呂場へと向かった。

 風呂場へ入った木村はその寒さに身を震わせながらシャワーから湯を出して浴室の壁や床を洗い流すように暖めると、浴室は真っ白い湯気がアッというまに立ち込めた。

 そして湯船の蛇口を全開に開いた木村は風呂場のヒーターのスイッチを入れるとその場を立ち去った。


「お疲れ様ー♪ 今、コーヒー入れるからね♪」

 サンダルを履いて身長、百八十五センチの木村は暖房機の前に立つ田口に微笑みを見せると給湯室に移動してコーヒーを入れた。

 田口は事務椅子に腰掛、事務机に向かうと出勤して来た職人達の名前を立ち上げてあったパソコンに打ち込む作業を慣れた手つきで打ち込み、横目でチラチラと木村の後姿、黒いストッキングに包まれた脚を見ていた。

 何も知らぬ木村はコーヒーを入れると盆に載せて田口の机と自分の机に置いて田口の様子を覗いながらタバコに火を点けると、風呂場からタイマーのお知らせ音が鳴り響き驚いたように席を立とうとした木村をチラッと見た田口が急ぎ足で風呂場へと向かった。

 
「遠慮なく頂くよ。」

 風呂場から戻った田口は木村に少し隣れたところから声を掛けるとそのまま脱衣場に消え、木村は一階奥のロッカールームから田口の着替えの下着を持って脱衣場へ近付いた。

 ジャバジャバと湯の音が通路に漏れる中で木村は田口の替えの下着と靴下を脱衣場の棚に置くとそのまま事務室の自分の席に着席して脚を組んでタバコに火を点け、灰皿の中にある口紅の付いた吸殻をチラッと見てコーヒーを一口喉に流した。

 



【二話】




 木村の経営する設備工事の会社に七月ごろにアルバイト作業員として入ってきた木村は明るく爽やかな好青年だったことから、アルバイトの人間など特別に興味も無かった木村の耳にも現場管理のスタッフの口から都度名前が出ていたことで田口を知るようになった。

 身長百六十五センチあるか無いかの田口と木村の出会いは何処の会社にでもよくあることで、社員も従業員も出払っている十一月頃の昼間に丁度非番だった田口が会社事務室を訪れ給料を取りに来たことだった。

 夏場だけ十数年勤務している二人の女性事務員の一人は銀行へそしてもう一人は役所へ書類を届けに行っていた間の出来事だったが応対に出た木村は淡々と支払い業務をこなした。

 木村は支払いの受け取りにサインする清潔感ある田口を一目で気に入り親しみを込めて雑談を申し入れると田口は爽やかにそれに応じた。

 そんな田口と木村の距離が縮まったのは雑談の中で肩凝りの酷い木村が自らの身体のことを話し始めた時、学生時代に空手をしていたという田口が木村の肩を試しに揉んだことだった。

 以来、木村は肩凝りが酷くなると現場作業員である田口を指名し事務所に待機させるようになった。



「悪いな田口くん。」

 事務員の女性二人を一階に置いたまま社長室の床にマットレスを敷いた木村は座布団を枕代りにうつ伏せになって田口に背中を指圧されていた。

 田口は石のように固くなった木村の背中のツボを丁寧に力強く的確に押し続けること一時間、鍛えられた田口も流石に額に汗を浮だ出すころ一階の事務員から冷たい飲み物のを差し入れられ白い歯を見せた。

 こうやって田口は一ヶ月に二度だったマッサージを三回から四回へと増やし最後には週三回と定期的に頼まれるようになっていった。

 そうしている内に田口は木村にある提案を申し出た。


「本当は上半身は裸の方がいいんですよね。」

 的確にツボを見つけることと力の加減を調節できるという田口の提案は速攻で受け入れられこの日、木村は田口の前に上半身を晒した。

 体毛の殆ど生えていない木村のスベスベした肌を見た時、田口は思わずその肌に見入ってしまった。

 
「女性みたいでしょ♪ 社長の足なんかキュッと引き締まってて私より細いかもよ♪」

 お茶を持って来た女性事務員はマットレスにうつ伏せの木村の背中を見てニッコリ微笑むと社長室を出て行き、田口もまた木村の背中を見て静かに喉を鳴らした。

 田口は枕を抱きかかえるようにうつ伏せになっている木村の尻の上に自らの腰を降ろすとプリプリした木村の尻肉の揺れが心地よいのか笑みを浮かべて両手の平で指圧する箇所を撫で回した。

 ツルツルしていてスベスベ感のある木村の肌に田口は違和感を隠せず背中を撫でる田口の表情は締りのない顔に豹変したが、うつ伏になっている木村はその撫で方にウットリしていた。

 三十分、一時間と木村の背中に吸い付いたように田口は時間を忘れて指圧とマッサージを延々と繰り返しそのうち心地よくなってしまった木村はイビキをかいて熟睡してしまっていたことに田口は気付いた。

 田口は熟睡している木村を起こしては申し訳ないと木村をそのままに自分は壁に背をもたれて時間を過ごしたが、木村は一向に目を覚ます気配はなく仕方なく田口はタバコを吸うために一階へ行こうと立ち上がってドアへと歩くと、突然木村が寝返りを打って身体を真横にした瞬間、田口は木村の薄っすらと膨らむ胸の中心に違和感を覚えた。

 
「!………」


 田口は真横になって寝ている木村の近くに忍び足で近付いて乳首を見た瞬間、田口はその大きな乳首を見て喉をゴクリと鳴らした。

 女よりも小さいが確実に男よりも大きい木村の乳首を見た瞬間の田口の目の輝きは「同性愛者」が獲物を見付けた瞬間の目だったに違いなかった。

 一見普通の男とは差ほど違いのない木村の乳房は見る「者」が見れば、良く揉み解されたバランスの取れた乳房だったことに田口は覗きこむように凝視した。

 
「よし! 試してやれ!」


 田口は木村の身体を静かに仰向けにすると、マッサージするフリをして木村の腹を跨ぐと胸に両手を添えて俄かに優しく回し始めた。

 その瞬間、木村の口から小さな喘ぎ声が漏れ、田口は手の平で木村の乳首を擦るように回すと木村の乳首は突然ピンッと勃起して田口の目に衝撃を与えた。

 木村の勃起した乳首は紛れもなく男の乳首ではなくどちらかと言えば女に近い大きさに達し、乳首と乳輪はほぼ一体となって男の乳首とは比べ物にならない強度を田口り手に伝えた。

 田口は口元を俄かに緩め木村から降りると木村が向いている方向で胡坐をして木村の乳首と胸を見詰めた。

 この日以降、田口は木村の表側のマッサージをも提案し木村への密かなセクハラを続けるようになりその行為は次第にエスカレートしていった。

 そして木村が田口に指圧を頼むようになってから数ヶ月が経過した頃、田口はマッサージの日を事務員たちが休みの土曜日へと木村に変更させ更に木村にズボンを脱がせることに成功した。

 全身をリラックスさせることでマッサージの効果が大きく変わると言う田口の言葉を信じてのことだった。

 そしてトランクス一枚でマットレスにうつ伏せになった木村が熟睡するまで指圧とマッサージを繰り返し、木村がイビキをかいて熟睡するとうつ伏せにした木村の胸をマッサージとは到底思えない手付きでセクハラするようになって行ったが木村は気付くことなく眠りの中で心地よさに浸っていた。

 
「女みたいな足だ……」


 長年の社長業のせいか木村の下半身は筋肉が落ち外に出ることも少なかったことから足は色白で薄い体毛の所為で下半身の女っぷりは見事な物だった。

 身長、百八十五の体格にしては足のサイズも小さくスラリと伸びた足に田口は息を飲んだ。

 田口のセクハラマッサージは延々と続きその嫌らしい手は木村の胸から二の腕にまで達し半ば触手に近い動きだった。

 眠っている木村からは時折深い吐息に交じって喘ぎ声が漏れ木村の滑らかな肌を滑る田口の指はフィギアスケートのように舞った。

 そんなある日のこと、いつものようにトランクス一枚になってうつ伏せになった木村の腰に田口が跨らろうとした時、木村の背中に田口は違和感を覚えた。


「何だこれ……」


 うつ伏せになった木村の背中に残った何かで締め付けたような横に走る形跡を凝視した田口は首を捻りながら木村の腰に跨ろうとした瞬間、腰の辺りにも何かで締め付けたようなゴムの形跡を見付けた。

 ダイエット器具でも使っているのかと思いながら木村の腰に跨りいつものように木村の肩に両手を伸ばした時、田口は木村の両肩から縦に下へ伸びる締め付けの形跡に瞬きを繰り返した。

 田口は木村の肩と背中に残った形跡を目で結んで腰に残った形跡を再び見た瞬間ハッと息を飲んだ。

 
「社長は…」
 

 田口は何も知らずに枕代りの座布団を抱き寄せてうつ伏せになっている木村の背中を薄笑みして見詰めた。

 木村は毎回マッサージを受ける時、風呂で身体を温めて身体に残った形跡を消していたが、この日は待ちきれない田口の出勤がいつもより早かったことでマッサージの時間が若干早くなった。

 木村の背中と腰に残っている形跡を笑みを浮かべて指圧する田口は木村が睡魔に襲われるのを待ち続けていた。

 そして三十分ほどして木村が熟睡すると田口は静かに木村の身体を仰向けにさせた瞬間、田口は自らの推理が正しかったことに満足しながら木村の胸を凝視した。

 木村の胸に残っているブラジャーの形跡は消えかかっていたもののハッキリとその形跡を田口に見せつけ、腰に残っていたパンティーストッキングの形跡も消えることなく残っていた。

 更に田口は駄目確認するように何気なく木村のトランクスを撒くりあげた時、紛れも無いパンティーの締め付けた形跡を発見した。

 

 そして日曜日、会社は定休日だったが木村は朝早くに出社して会社に篭っていた。

 早朝五時に出社した木村は一年、三百六十五日を会社で過ごす猛烈経営者であり日曜日は翌週の工事のスケジュール管理に追われていたが服装だけが変わっていた。

 そんな木村が会社に到着して着替える前にスケジュール表を持って会社横の倉庫に入るといつものように材料のチェックを入念に行っていたが、この日はいつもと違った。

 いつも人と会うことの無かったこの時間、会社では取っていない新聞配達が声を掛けてきた。

 聞けば新聞が一部余ったのだという新聞配達員は木村に見本誌だといって朝刊をタダでくれたことで、いつもと違う日曜日が発生してしまった。

 普段なら会社に入って真っ先にかけていた鍵を掛け忘れて中に入った木村は何も気付かずに電気ポットに水をいれ沸かし始めた。

 そして御湯が沸くころ二階の社長室へと移動した木村はいつものように着替えを始め十五分後、木村は一階でコーヒーを飲みながら足を組み新聞を読み始めた。

 室内全体が温まっていない中でゴオゴオと大型ファンヒーターの温風がショートヘアーのカツラを靡かせ、寒さ故にストッキングに包まれただけの足先がヒーターの方に無意識に向く。

 仕事熱心で一年中会社に篭る木村は日曜日だけは自分の本来の姿に戻っていた。

 そしていつも通り新聞を読み終えるとパソコンを立ち上げ図面の確認と修復に時間を費やしながら再び翌週のスケジュールを微調整した。

 朝八時過ぎ木村は一仕事を終え席を立ち上がると用具室から掃除機を持ち出して一階事務室と各部屋の掃除を始め終える頃には九時近くなっていて、小腹のすいた木村はレンジで暖めたコンビニ弁当を一人黙々と腹に詰め込むとその足を二階に移動させた。

 いつもと同じ全てが同じ、違うことと言えば服装だけが違う日曜日だった。

 二階へ上がった木村は大きな木目の机を前に椅子に腰掛けると手鏡でヘアーの乱れはないかチェックしノートパソコンを立ち上げインターネットのチェックの後、お気に入りの音楽をユーチューブでかけて暫しの休息に身体を休めた。



 そこへ招かれざる客が突然やってきた……
 

 
 バタンッと玄関の音がしたと思った瞬間、バタバタと足音を立てて階段を上る誰かが真っ直ぐに二階社長室に近付いた。

 木村は頭の中が一瞬、真白になりながらも慌てて身を隠す場所を探したが隠れるところはどこにもなく、ただただうろたえた。

 その瞬間、社長室のドアが勢い良く開かれた。
 

 

「おはようございまーす♪」

 内鍵を掛け忘れたままの社屋と社長室に突然入って来た招かれざる客である田口に木村は形相を一変させ田口もまた木村の姿を見て息を飲んで唖然としその場に立ち尽くした。

 デニムの膝丈スカートの下に見えるグレーのストッキングに目を奪われる田口を見て木村は咄嗟にタートルネックのノースリーブから突き出た両肩を隠すように両手で抱いてクルリと身体を喉側に向けその場に斜がみこんだ。

 斜がみこんだ木村は顔を床に向け震え田口に姿が見えぬように必死で隠していたが田口は木村を見据えたまま後ろのドアを閉じて鍵をかけた。

 その鍵のかかる音に驚いて木村は一瞬チラッと田口の方を見ようとしたが直ぐにその身を小さくして頭を低くした。


「出て行け! 直ぐにここからよ出ていけ!!」

 木村は身を小さくしたままの姿勢でドアの前にいる田口に大声で命令したが、木村の女姿に動揺を隠せない田口は木村から視線を外せないまま立ち尽くした。


 
「何をグスグスしているんだ! 早く出て行けぇーー!!」

 木村の怒声が室内に響くと田口はハッとした表情でジーンズの後ポケットに入れていたモノを左手で触り確認すると田口は斜がんで震える木村に一歩近付いて小声を発した。



「知ってたよ… 社長が女装しているのは…… 下着の後が身体に付いてたこと何度か見たから…… 心配しないで…… 秘密にするから……」

 青白い顔をした田口は言葉を発するたびに一歩、また一歩と木村に静かに近付きその足音に木村は身体の震えを激しくさせた。



 そして木村まで一メートルほどのところまで田口が近付いた瞬間、田口は壁に寄り添って斜がむ木村の左太ももを見てゴクリと喉を鳴らした。



「な! 何をする!! キャァー!!」

 突然木村の両肩に手をかけた田口は斜がんでいた木村を後へ引っ張り倒すと木村の両腕を掴んで部屋の中央へと引き摺った。

 その弾みで木村の頭を覆っていたカツラが取れかかり木村は必死に頭を押えて女声で小さな悲鳴を上げた。

 
「田口! よせ! 離れろ! ここから出て行け!!」

 床に仰向けにされた木村の腹の上に馬乗りになった田口は暴れてバタ付かせる木村の両手を交わしながら木村の両手を床に強く押し付けた。


「首だあー!! 今すぐここから出て行けえー!!」

 木村は両手を床に押し付けられながら田口から視線を外して怒声を浴びせさせたると、一瞬田口は押さえつけた木村の両手から力を抜いたが押し戻されそうになって再び木村の両手を床に押し付けた。
 
 顔を顰める木村はイライラし何とか抜け出そうと両足をバタ付かせ首を左右に振って必死に暴れた。


 その瞬間だった……


 再びショートヘアーのカツラが木村の頭から外れかかるのを見た田口は驚いて押さえつける両手の力を緩めると木村は馬乗りになっている田口の頬を目掛けて拳骨を繰り出した!

 だが田口は間一髪、木村のパンチを交したが木村は外れた拳骨の手で頭から外れかかったカツラをグッと押さえつけた。

 そして次の瞬間、田口は木村の着ていたタートルネックのノースリーブを片手でムンズと掴むと裾から首へと一気に巻くりあげ木村の着けていた黒いスリップを晒させた。

 

「うぐうぅ!!」

 木村は顔を覆ったノースリーブを自由になっている片手で何とか払おうとしたが払い切れずに喉に溜まった唸り声を田口に聞かせ、田口は木村の顔を覆ったノースリーブを払わせまいと自由になっている片手で押さえつけながら木村の左肩からスリップとブラジャーの肩紐を強引に下へと引き摺り降ろした。

 

「いやあぁー!!」

 咄嗟に木村は叫ぶように女言葉を放つと田口はその言葉に驚きながら夢中になって右肩紐をも外しに掛かった。

 木村はパニックになって田口の手に応戦したが木村はいつのまにか顔をノースリーブで覆われたままうつ伏せにされ再び田口に馬乗りされた。

 田口は自分の下で暴れる田口を黙らせようと辺りを見回し木村の机の上からネクタイを引っ張り出すとそれで木村の両手を後手に縛り上げた。



「ちきしょうお! 解けえぇ! 何でこんなこと! ちきしょおう!!」

 再び仰向けに戻された木村は腹に馬乗りになった田口を縛られたままで下から見上げると激しく睨みつけ怒声を浴びせた。

 田口は下から睨み付ける木村から視線をそらすと無言のまま木村の右肩からスリップとブラジャーの肩紐を払うように外し木村に乳房を晒させた。

 その瞬間、木村は悔しさを顔に滲ませ首を横に倒すと奥歯をギリギリと噛み締めたが、田口は思い詰めた表情をしてそんな木村に自らの身体を重ねると木村は顔色を真っ青にして仰天した。

 
「お! おいまさか! 田口よせ! やめろ! 田口! やめるんだあ!! 俺はホモじゃない!!」

 自分に身体を重ねてきた田口に木村は恐怖を抱きながら咄嗟にこれから自分に起きることを想像し声を荒げて田口を制止した。

 だが田口の耳には木村の声は全く届どかず身体を重ねた田口の唇が木村の乳首を覆い尽くした。

 
「ビクンッ! アンッ! ァァァァァンッ!」

 室内に微かにコダマした女の鳴き声は辺りに広がり空気に溶けて消えた。

 吸われ舐められる乳首は胸の奥を熱くして機敏で激しい快感(しげき)を木村の体内を通じて股間のペニスの奥へと一気に駆け抜けさせた。

 生まれて初めての他人からの執拗な愛撫に木村は瞼を閉じて首を大きく揺さぶり田口の口の中で舌で転がされる乳首は瞬時に勃起してそのコノコノ感を田口に伝えた。

 田口は勃起した乳首を甘噛みしては自らの首を数回まわした後でチュパチュパと音を立てて吸い、更に舌を使ってコロコロと舐め回しながら木村の胸に左手を這わして回し右手で太ももをストッキングの上から触手し回した。

 木村は回される胸と触手される太ももからの心地よさにウットリしながらも吸われる乳首からの機敏な刺激に何をどうしたらいいか解からないいわんばかりに喘ぎ声とヨガリ声を同時に奏でて身悶えを繰り返していたが、田口の吐息は次第に荒くなって木村の乳首を貪りながら乳房全体を舐めるに至った。

 そんな中で木村は捲くり上げられるスカートと晒される太ももに滑る触手に恥を感じながらもその恥が快楽に繋がっていることを閉じた瞼の奥で感じとっていた。

 力ずくで操を奪われ辱めを受ける苦痛の中にも快楽があることを身を持って知り始めていた。

 そんな田口の手はデニムのスカートを思い切り捲くり上げ下半身を覆ったグレーのパンティーストッキング越しに嫌らしい手付きで木村の肌を吸い取るように滑り回る。

 その手は太ももから横に移動し僅かに晒された横尻をも手中に収めパンテストッキングの中で木村に貼り付いた白いパンティーにも触手されているという震動を伝えた。

 木村の両足の爪先は筋肉が硬直したようにギュッと閉じて、そして再びパッと開いてはまた閉じるを繰り返し縛られた両手もまたギュッと握り締められたままだった。

 田口はそんな木村にお構いなしに再びブラジャーとスリップの肩紐をグッと下へ押し下げると晒された木村の肌に唾液に塗れた舌を滑らせ時折それを飲み込んだ。

 そしてチュパチュパと吸い付いては木村の肌を味わいながら左手で自身を支え木村の左太ももを触手し続けると今度は木村の履いているデニムのスカートを脱がそうとスカートのファスナーを手際よく下げてそのスカートを掴んで下へと引き摺り下ろした。

 木村は成す術もなくアッサリとスカートを脱がされたが木村自身、スカートを脱がされたことにほとんど気付かない状態だった。

 そんな木村をチラッと見た田口は木村に重ねている自分の身体をスッと横に移動させると血走った目でパンティーストッキングを内側からコンモリと浮き上がらせる木村の股間を乳首を弄りながら凝視し、グッショリと勃起しないまま濡れている白いパンティーに視線を奪われると、田口は素早く木村の乳房から味見する箇所を下半身へと移動させパンティーストッキングに包まれた木村の左太ももにムシャブリついた。

 横目でグッショリと濡れているコンモリした部分をチラチラ気にしながら田口はストッキングの上に吸い付いた。

 外ももから内モモとへと交互にムシャブリつかせる口を下へ下へと移動させるとやがて田口はストッキングに包まれた爪先を口の中に入れ凄まじい半濁音を響かせながらムシャブリついた。

 ストッキングは見る見る間に田口の唾液に塗れ変色していくも爪先をムシャブリつかれた木村はその感触に仰け反って瞼を震わせていた。

 パンストフェチの田口の異常な性欲は何もかもが生まれて初めての木村を女の喜びにドップリと浸らせた。

 そんな田口は爪先をムシャブリながら自らもジーンズを脱ぎ捨てそのポケットからコンドームとゼリーのようなモノを取り出して床に並べて置いた。

 処女をこれからうばれるであろう木村は左足の爪先をムシャブられながらビリビリと音を立てて破られるパンティーストッキングから肌に伝わる恥辱のと軽い痛みにパンティーの内側を更に濡らした。

 その木村からパンティーが剥ぎ取られた瞬間、木村は両目を見開いて首を仰け反らせた。

 熱い肉質の中に吸い込まれたペニスに男のザラついた舌が纏わり付いた。

 
「やめろ!! やめてくれえぇ! やめろおぉー! いやあぁー! やめてぇー やめてえぇー!!」

 木村は自分のペニスが田口に味見されたと知るや大声を上げて左右に全身を揺すって田口を拒絶したが田口は木村から離れることはなくそれどころか抵抗する木村を見てニヤニヤしてペニスへの刺激を益々強めてきた。

 田口はパニックになって暴れる木村の両太ももをガッシリと両手で押さえ逃がすまいと必死な形相で銜えた木村のペニスを半濁音を立てて味わっていた。

 そのうち木村の顔は怒り露から徐々に悲しみに満ちた女の顔のように変化しペニスからの激しい快感(しげき)に全身の筋肉を硬直させながらも声を断続的に発した。
 

「やめてえぇ! お… お願い… 許してえぇ! お願いだからから許してえぇ!」

 切なげな表情を田口に向ける木村は女のように涙ぐみ頭部を小刻みに震わせ快感に耐えながら田口に訴えるように声を細めた。

 そんな木村の顔を見た田口は、ドキッとしながらもここでやめたら取り返しがつかなくなると哀願する木村から視線を外して夢中になってペニスを貪った。

 木村は延々と続く田口からの恥辱に喉の奥に快感(しげき)を押し溜めて息も絶え絶えになりながらヨガリ声と身悶えを必死に耐えた。

 そんな木村の様子を見ながら田口は一向に勃起しない木村のペニスに違和感をもちながらも味も匂いも無くなるまで味わい尽くした。

 だがそれでも木村のペニスは溢れる愛液を田口の口中に流しながらもピクりともせずに時間だけが過ぎていき、田口の口はペニスから玉へと移動した。

 


【三話】



「ああんっ!」

 田口の唾液に満ちた舌肉が玉袋の下から上へと滑った瞬間、木村は目を閉じ顔を顰めて首が折れるほど後へ仰け反り両足の爪先はギュゥーっと閉じてそしてパアッと花咲くように広がった。

 そんなことを何度も繰り返していると田口の目の前にグッタリと横たわっていたペニスの先からキラキラした無色透明の粘度を帯びた液体が溢れ出てタラーっと陰毛の中へ消えていき、やがてそれが玉袋と左側のVラインの間をゆっくりと下って来るのが田口に見えると田口はその量の多さにハッとした表情を浮かべた。

 柔らかかった木村の尻の筋肉はギユッと引き締まり尻側にヘバリ付く破れたパンティーストッキングの残骸に透明な液体が滲むように広がった。

 ペロリペロリと玉袋を下から上へ舐め続ける田口の舌肉はその流れ落ちる愛液を受け止めるように横にそれては猫のように舐め取った。

 
「はぁはぁはぁ… お前が! 女装子(おんな)だってことは… はぁはぁはぁ… 気付いていたんだがまさかこんなに早く味見できる日が来るとは思ってなかったんだ! はぁはぁはぁ…… 今日はタップリ男を教えてやるからな!」

 田口は男(ケモノ)丸出しで木村の玉袋とV字ラインに忙しく舌肉を滑らせ味わい続けると、木村は残された力を振り絞るように右側に全身をヨジって移動したが田口はヒョイッと身体を移動させてそれを阻むと突然木村の両尻をグイッと持ち上げ木村の下半身をデングリ返しさせニヤリと笑みを浮かべた。

 木村は呼吸を荒くしてそれでも逃げようと試みたが両足の裏モモを上から押さえつけられ身動きが全く取れなくなった瞬間、田口は舌肉をベロリと出して木村の尻肉の間にその卑猥な塊を押し付けた上下に滑らせた。

 その瞬間、木村の表情は一瞬大きく緩んで直ぐに別人のごとくイソギンチャクのように萎み腹を突き上げ凄まじい仰け反りを田口に見せた。

 生まれて初めて肛門を舐められた木村は赤ん坊のようにその場で失禁して自らの身体にそれを放ち床をビチャビチャにさせたが、田口はそれを知りながらも尚も肛門を舐め続け嫌らしい半濁音を室内に響かせ続けた。

 そして田口の舌肉が木村の肛門から離れた時、田口はグッタリして微動だにしない木村を見て落ち着いた表情を浮かべると木村から両手を離し自らの下半身を木村の前に晒した。

 硬く聳えた田口の若い肉棒はその年齢に見合わぬほどに黒光りを放ち、こんなものが人間の肛門に入るのかと思えるほどに逞しかったが、もはや何も考えられないとばかりにトロトロに溶けた木村は冷め遣らぬ肛門からの官能にドップリと浸っていた。

 田口はそんな木村の前でコンドームを手際よく装着するとゼリーのような物をゴムの上から満遍なく塗りつけ力の抜けた木村の両太ももを再びグイッと持ち上げた。



 いぎいいぃぃぃー!!



 社長室の中から木村の処女喪失の呻き声がドアの外に漏れたが一階から流れ込む温風がその呻き声をドアを挟む壁に張り付かせた。

 十分、二十分と時間が経過する中、木村の悲痛な叫びと呻き声は延々と社長室のドアの外に漏れ続け温風がそれを延々と掻き消した。

 

 三十分後、田口によって大人の女になった木村は縛られていた両腕に自由を取り戻し左足を伸ばしたまま右足を屈折させ上両腕で上半身を庇うように倒れていた。

 その木村の頬は涙で濡れ虫の羽音ほどの咽び泣きを壁に凭れてタバコを吸う田口に聞かせ、田口は横目に咽び泣く木村の左足の内モモを無言で見据えていた。

 そして十五分ほどして上半身を支えていた木村の両腕が震えながら身体を持ち上げ首を田口に向けた瞬間、木村は噛みしめていた唇を開くと「人で無し…」と、小さな声を田口に放って再び床に倒れかけると田口から逃げるように下半身を庇いながら一メートルほど離れて再びうつ伏せに倒れこんで咽び泣いた。

 それでも田口は表情ピクリとも変えずに冷たい視線で木村を見据えながらタバコを一吸いすると灰皿に押し付けタバコの火を消した。

 その田口はうつ伏せになっている木村に落ち着いた口調で囁くように声を放った。



 お前の名前は真之だから俺はこれからお前を真子と呼ぶことにするよ……



 田口は咽び泣く木村にそういうとシャワー使わせて貰うと言い残して社長室を出て行ってしまったが、木村は床に散乱したパンティーストッキングの残骸と剥ぎ取られたパンティーを掻き集めると失禁で汚れた床をポタポタと大粒の涙を零しながら四つん這いで拭き始めた。

 そして田口の精液の入った結んであるコンドームを見つけると四つん這いのまま両手に拳を握ってギリギリと歯軋りしてコンドームを投げ付けるようにクズ籠に叩きつけると、自分の姿を見回してブラジャーとスリップを元に戻しノーパンでデニムのスカートを慌てて履いた。

 

 ちきしょおぉーうーーー!!
 

 
 木村は四つん這いになって床を両手で叩いて号泣し、その頃、田口はシャワーの下に身体を置いて熱い湯で打たれていた。

 風呂場の天井に木村の床を叩く音が聞こえても尚、田口は何事もなかったような顔をして熱い湯の心地よさに目を閉じた。

 二十分ほどして田口がシャワーを終え着衣して二階の社長室に行くと内鍵が掛けられドアには「首」という張り紙がしてあってそれを見た田口はドア越しに「元気でな!」と、一声かけて木村の会社を出て行った。

 木村は二階の窓から憎い田口が帰るのをレースのカーテンの内側に隠れ見守ると慌てて一階へ降りて掛け忘れた玄関に鍵をかけその足で田口の唾液に塗れた身体を洗おうと風呂場へ移動した。

 
 ちきしょうー! ちきしょう! ちきしょうおう!


 木村は田口の匂いのついた風呂場を徹底的に洗うこと二時間、ようやく自らのレイプされた汚れを洗い流したがシャワーの湯を止めたが木村の目からは涙が止まらなかった。

 鏡に映った身体に残る田口の強い愛撫の形跡が木村を泣きやませなかったが木村真之、五十歳にして二十六歳の男にレイプされ処女を失ったことを自覚した。
 
 木村はズキズキする肛門を右手で押さえながら全裸でバケツと雑巾をもって社長室に移動すると一時間かけて失禁の形跡を消し去った後、再びクローゼットの前にたって着衣して化粧を直したが泣き続けて浮腫んだ顔は余りにも惨めだった。

 

 昼過ぎ、食欲も無いまま木村は社長室の中で疲れた身体を癒すべく女姿のままマットレスの上に横になっていると木村の携帯が鳴った。

 ダルそうに手を伸ばして携帯を見るとそれは憎い田口からのメールだった。



「俺はお前を女として抱いた… お前の言う通り俺はホモだよ。 だが俺はお前を女と意識して抱いたことは間違いないしお前自身、確かに女だった。 俺は女を抱いたしお前は女として男に抱かれた。 処女を奪ったことは悪いことをしたと思ってるけど俺はお前を一人前の大人の女にしてやったと思うことにした。 それだけだ。」

 木村は目を血走らせて内容を読み終えると携帯を壁際に放り投げて両手両足を放り出してうつ伏せに顔を座布団に埋めた。

 そして手前勝手なことをいう田口のメールに苛立ちを覚えた木村だったが身体を少しずらした時、中に着ていたスリップに胸が擦れた瞬間、木村は田口から無理矢理された胸への愛撫を思い出した。

 

 もし処女を喪失してなかったら……



 木村は田口に恥辱され続けていたときのことを思い出していた。

 全てが生まれて初めてのことで混乱しつつも田口に舐められた全身の肌がその感触を記憶していて、田口を拒絶しながらも田口に味見される女の喜びに確かに浸っていた自分を振り返った。

 もし痛い思いをしてなかったら自分は田口を許していたかも知れないと思った瞬間、木村は手前勝手なのは自分かも知れないと思い始めた。

 男が女を味見して舐めるだけ舐めたら男なら当然、女の中に入りたいと思うものだしそれが自然の流れだと解かりつつも緊博して自由を奪っての強姦は許される行為じゃないと再び田口を否定した木村はマットレスの上でうつ伏せから仰向けに寝返りをうった。

 するとパンティーの中でクチュッと微かな微音を肌が捉えた。


 まさか!

 
 そう思いながら上半身を起こしワンピースのスカート部分を撒くりあげ股間を覗き込んだ木村は衝撃を受けた。

 ライトブラウンのパンティーストッキングの下で下半身に張り付いているグレーのパンティーから滲んだ大量の愛液がパンティーストッキングに滲み出ていた。

 
 そんな?!


 木村は田口に犯されたことを思い出しながらも自分の身体が田口という名前に反応していたことを悟った。

 バサッと起き上がった木村はクローゼットの中に仕舞ってあるオリモノシートを立ったままパンティーの中に忍ばせると再びゴロンとマットレスの上に寝転んだ。

 犯されたことへの悔しさを思い出せば思い出すほどパンティーの中のオリモノシートが透明な粘液を吸っているのではないかと木村は複雑な思いに顔を曇らせた。

 翌日、田口が姿を現さないことに従業員たちが不審に思ったが木村はバイトならよくあることと笑みを浮かべて見せたものの心の中ではあの時、許すと一言いえばよかったのだろうかと何度も自問自答を繰り返した。

 

 そんな折、二人いるうちの一人の女性事務員が顧客のところへ書類を届けに行っている間の社長室、マットレスに座布団の枕を抱いて木村がうつ伏せになっていた。

 その木村の腰に跨るスーツスカートの女性事務員の咲子のストッキングに包まれた両脚が木村の身体にスリスリと擦れる音を発していた。

 木村の背中を慣れた手つきで指圧する咲子は指圧されて唸る木村の様子を見ながら手付きと力の加減を微妙に変えていた。



「でっ、どうだったの真之… 私の言った通りあの子、ホモだったでしょ。 で、抱いて貰えたの?」

 木村の背中を指圧する咲子は唸る木村に尋ねると木村は枕の上に倒した首を軽く頷かせ、それを見た咲子はスリスリと木村の腰から背中の方へ少し移動して再び木村の背中を指圧し始めると、木村は床に倒していた両腕のうち右腕を伸ばして咲子の右尻をスカートの上からスリスリと触り始め、その触手に咲子は時折身体をビクつかせ指圧する腕の力を弱めた。

 
「抱いて貰えたというより縛られてレイプされたよ……」

 捨て台詞のように言葉を放った木村の横顔を驚いたように両目を大きく見開いた咲子は指圧する手を無意識に止めた。

 すると木村は咲子に処女を奪われたことを目を閉じたまま伝え、咲子はチラッと木村の尻を振り返った。


「愛撫されてる時は夢のようだったが挿入された瞬間からアイツが終るまでは地獄だった……」

 木村は指圧の手をとめた咲子に淡々と目を閉じたまま話して聞かせると、咲子は突然木村の背中に抱きついて木村の右耳たぶを優しく唇で挟んだ。


「ごめん… 私が余計なことを真之に言ったばかりに…… ごめんなさい。」

 木村の耳たぶに唇を寄せた咲子は涙目になって木村に詫びたが、木村はスーッと右腕を伸ばして咲子をマットレスに仰向けにするとその上に自分の身体を重ねて濃厚な口づけをした。

 咲子は瞼を閉じて木村からの口付けを受け止め、二人の唇は一つになって内側で舌を絡める半濁音を放った。

 木村の手が咲子の太ももをパンティーストッキングの上から触手し咲子はその触手の動きに全身をビク付かせた。

 そして木村の手が咲子のスカートの中に入ると咲子は一際大きなビクつきを自らに覆い被さる木村の身体に伝えた。

 木村の指が咲子の股間を垂直に伸びるパンティーストッキングのシームの上を下から真っ直ぐ上に伝いながらチリチリと往復していた。

 咲子は木村の指の動きに直ぐにパンティーの内側をグッショリと濡らしたが木村は直ぐには咲子の陰部を晒すことはせずにパンティーストッキングの上からジックリと咲子を追い詰めて行った。

 ただ、咲子はいつもの木村の触手ではない別の誰かに触手されているような錯覚に陥っていた。

 それは知らず知らずのうちに木村は田口から受けた触手を咲子にしていたようだった。

 そして片手で咲子の下半身を触手しながら片方の手でブラウスのボタンを外した木村は、咲子に胸を晒させ指を引っ掛けるように咲子からブラジャーとスリップの肩紐を外し咲子のCカップの乳房はその柔らかく揺れる女性の弾力で木村の目を楽しませた。

 ピンと起ったピンク色の乳首は仄かに甘い女の匂いを放ち、木村は吸い込まれるように咲子の乳首を口に含んだ。

 咲子は着衣を乱れさせながら木村の愛撫に酔いしれ三十分ほどしてから木村の硬くなった肉棒を身体の内側に迎え、男女の営みを終えた時、咲子はグッタリと眠りに入りその横で木村は咲子の恥かしい部分を覆っていたパンティーの内側の香りと味にウットリ酔いしれた。

 そして木村は咲子をそのままにクローゼットからパンティーと同色のパンティーストッキングを取り出すと眠っている彼女の傍に置いて一階の風呂場へと身を移した。

 

 

【四話】



 木村がシハャワーを浴び終え着衣しているころ出先から戻った早苗は咲子がいない事に気付き社長室で抱かれ疲れて寝ているのだろうと、そう思った。

 早苗は机の上に弁当屋で買って来た三人分の弁当をおくとポットに御湯を沸かし風呂場の方からの物音で木村が入浴し終えたことを悟った。

 三人分のお茶と湯飲みを机に並べ木村が出てくるのを待ちながらテレビのスイッチを入れて自分が帰社したことを音で知らせてから早苗は風呂場へと足を向けた。



「あらっ? ロングにしての? お弁当買って来たんだけど食べずらいんじゃな~い♪」

 木村のロングヘアーのカツラを見て近付いた早苗が木村の化粧具合をチェックすると身体を覆っている胸元V字の黒いノースリーブのワンピースをグルリ見回してポンと木村の尻を軽く叩き事務室へ移動した。

 その後をゆっくりとついていく木村は「真子」に変身していたが、事務室に入るなり玄関に視線を移しそれを安心させるように早苗は木村をに鍵のかかっていることを伝えた。

 木村が椅子に座って足組すると蛍光灯の光に下半身を覆っている黒いネットストッキングが僅かに反射した。

 

 早苗が留守の間、木村と男女の営みを二階でしたのは、そろそろ起きて来るであろう咲子だが、咲子は木村を男として愛する女性であるのに対し早苗は元々あった木村の中のあった「女」に、逸早く気付いて木村を「真子」に仕立てた張本人だった。

 

「アッハハハハハ♪ ええぇ♪ 真子って呼ばれたのおぅ~♪ キャハ♪ 凄い偶然ねー♪ ………」

 木村が田口に真子と呼ばれたことを早苗に伝えると早苗は手を叩いて爆笑して腹を押えたが、縛られてレイプされ処女を喪失したことを木村が伝えると突然、早苗は神妙な顔して本当なら自分が真子の処女を欲しかったとシンミリしてしまった。

 そして早苗は黙ったままになり木村もそんな早苗につられて無言のまま二人は昼食を終える頃、二階から咲子の足音がしてそれに二人が気付くと、その足音は風呂場へと向かっていった。


「お前もあとで一汗流してこいよ。 替えの下着やストッキングは二階のクローゼットにあるから使っていいよ。」

 木村はボソボソっと早苗にそういうと一人二階の社長室へと移動し、早苗は昼食の片付けを急いでやり終えると木村を追うように二階へと足を急がせた。

 そして早苗が社長室に入ると木村はワンピースからデニムのショートパンツに履き替え上はボタンシャツ姿になって普段使っている物とは別のマットレスを敷いて横になっていた。

 
「ショック受けてるの? レイプされたこと……」

 マットレスの上に横になって腕組する木村の後から抱きつくように横になった早苗。

 目を閉じて微動だにしない木村の頭から早苗は黙ってカツラを取って傍にあった椅子の上に置くと木村は目を閉じたまま腕組をし直した。

 そして再び早苗が木村の背中に抱き付いて数分が経過すると木村は小さく喋った。


「俺は縛られて胸元を晒されたとき抵抗しながらドキドキしてたんだ…… そして乳首を吸われた時、パンティーの中を濡らしてた…… 嫌だ嫌だって抵抗してるくせして身体はアイツの愛撫に反応してたし俺自体、官能して蕩けてたよ…… 五十過ぎてさっ…… そのくせ勃起してなくてさ…… アイツに身体中を舐めまわされてるとき俺は自分が自分じゃないみたいになって無意識に身悶えして喘ぎ声だしてたんだ…… 五十過ぎの俺が二十代の若造に味見されて官能してたんたぜ! 失神寸前まで追い詰められたよ。 それなのに俺は涙流して咽び泣きしてたんだぜ……」

 木村の言葉に早苗は木村の左頬に自らの右頬をスリ寄せて頭を撫でながら黙って聞き入ると、早苗の左足がスカート幅いっぱいに開いて木村の両足に絡み付くと木村は早苗の足に自らの足をスリスリさせた。

 
「真子はさあ~ そんなの女の子なんだもん当たり前じゃん… 女の子の身体はさ、男の子に味見されると蕩けちゃうように出来てるんだし、その代わり処女喪失の時は人にもよるけどさ、蕩けた代償を払うことになるんだよ… 真子だけじゃないし嫌だ嫌だって泣きながら抵抗しても辱めうけて辛いはずなのに身体は心といつも一緒じゃないこともあるよ…… それに年齢なんか関係ないしね、女は何歳になっても女だよ。」

 早苗は真子を慰めるように耳元で優しく囁いた。

 

 チュッ…



 早苗は木村の耳たぶに小さなキスをするとギュッと木村を後から抱き締め仰向けにして目を閉じたままの木村のボタンを外した。

 木村は目を閉じたまま早苗にキャミソールの紐を両肩から外されるとそのまま乳房に早苗を受け入れ室内には小さな愛撫の音だけが響いた。

 その頃、一階では風呂から出た咲子が事務室の机に置かれた自分の弁当を見て二階で早苗と木村が営んでいることを知り一人黙々と遅い昼食を摂りはじめた。

 
 今頃二人は……


 そんなことを考えながら陰部の肉奥に残る木村の肉棒の面影に無意識に箸を止めスカートの中に右手を入れた咲子はパンティーストッキングのシーム伝いに中指を上から下へと滑らせた。

 そして少しの間、スリスリしていたものの替えて間もないパンティーを愛液で汚したくないと手を止めてスカートから出したものの、木村に抱かれた記憶が蘇りそれを打ち消そうと夢中で弁当をたいらげた。

 咲子は隣室に移動すると火照り始めた身体を元に戻そうと長椅子に横たわったが、木村に舐めまわされた感触が身体中に蘇り我慢出来ずにパンティーストッキングとパンティーを同時に膝まで降ろすと右手の中指を割目の間に滑り込ませた。

 洗いたての肉割にクチュクチユと恥かしい反濁音が肉肌に響き、それを指で感じ取りながらその指はやがて肉穴に吸い込まれ、田口に泣き叫びながらレイプされる木村の愛らしい姿を咲子は想像していた。

 そのころ二階でレズプレイに没頭していた木村と早苗は全裸で互いの性器を夢中になって味わっていたが、女になっている木村はペニスを硬くすることなく柔らかいままだった。

 そして下になっている木村の顔には早苗の恥かしい液体が飛び散り口元には無数の陰毛が付着し化粧は崩れかっかていたが木村の両腕は田口にされたようにしっかりと後手に縛られていた。

 

「ホラ! もって舐めるのよ! そうそうその調子よぉ! あんっ! ああーんっ!」

 早苗は気丈な女王のように木村に命令口調で指示すると自らも口の中に含んだ木村の柔らかいペニスを夢中になって貪っていたが縛られた木村が異様なほど燃えていることに違和感を感じていた。

 

 そして夕方、顧客からの電話が仕切りナシに掛かってくる中、早苗と咲子そして女装姿の木村の三人はその対応に追われた。

 いつもの見慣れた光景の中で三人の女たちは手にペンを持って注文をとっていた。

 帰社した従業員達の前では女性二人と男性の木村の三人だが、それ以外は女性三人というワークスタイルが定着していた。

 

「真子! そろそろ着替えないと……」

 電話の対応も一区切りついたあたり咲子の声に木村は時計をチラッと見て慌てて事務室から二階の社長室へと移動し、椅子に座って女から男へと変身した木村はネクタイを締めながら脱いだ黒いネット柄のパンストを見て片付け始めた。

 そして背広姿に戻り一階の事務室に降りた木村を見て咲子はニッコリ笑みを浮かべ反対に早苗は肩を落として見せた。

 
 夕方の六時、授業員達の乗ったトラックやワゴン車が次々に戻る中で、木村はパソコンに入っている図面を手際よく出力しそれを班ごとに早苗が纏めて手渡す準備をする。

 そして咲子は従業員やアルバイトの若者達に用意しておいた暖かいコーヒーを差し出し雑談に華を咲かせ緊張を解す。

 背広姿の木村からは微塵も女らしさは無く両腕を縛られて身悶えし喘ぎ声を奏でた同一人物とは到底思えないほど男らしかった。

 そんな木村でも仕事を終え会社から帰宅すれば三歳の娘を持つ普通の一家の主として自宅では妻と三人で団欒を過ごす。

 ただ、妻の前では無駄毛の処理をしている全裸は到底見せられるものではなく大きくなった乳首は絶対にみられてはならない危険なものだった。

 帰宅する前に会社で熱い湯に入ってブラとパンティーとパンストの形跡を消しながらも帰宅して再び熱い湯に入って二度消しを試みる木村は、風呂場に着替えの下着を持って来る妻の恵子に内心ビクビクしていた。

 いくら体毛が薄いとは言いながらも生えるところには少ないながらも生える男の身体。

 股間に生える陰毛は半分近くが逆V字に剃毛され玉袋と肛門の毛や太ももにスネは全て剃毛されていたから明るいところで一目見ればツルツルなのは誰でも解かることだった。

 それを妻に知られぬように入浴の後は必ず寝巻きをきて肌の露出を極力少なくするのが日課になっていたが、一旦帰宅すると仕事のことは一切口にしない木村だったが会社でまさか女装して事務の女に抱かれ、別の事務の女性を男として抱いているなどと妻は夢にも思っていなかった。

 そして帰宅する前に会社で汗を流してくることが木村の習慣だったことから木村に石鹸の匂いがしても全くといっていいほど妻は気にしていなかった。

 

 木村は翌朝もいつものように四時に自宅寝室のベッドから出ると寝巻きのまま書斎に入り朝のコーヒーを飲みながら背広に着替え、玄関で見送る妻に手を振って会社へと向かった。

 会社に到着して四時四十五分、新しい朝とともに新聞受けから新聞を取り出した木村はドアに鍵をかけポットに湯を沸かし昨日の打ち合わせを再確認し始める。

 静まり返った事務室にポットの湯がボコボコと沸く音が漏れると木村は机の上に新聞を広げ再びコーヒーをいれ新聞を読み始めた。

 そして朝の六時になると木村は時計の確認後に玄関のカギを外しカーテンを全開にして従業員の来るのを待ちながら新聞を再び読み始めた。

 時間はアッというまに過ぎ一人、また一人と集まり出して駐車場も倉庫も従業員とアルバイトで人集りになった。

 木村はその間に事務室で班ごとの長と図面を前に打ち合わせに夢中になっていた。

 そして打ち合わせを終えた班はトラックやワゴン車に分乗して会社を後にし最後の班が出て行ったのは七時を過ぎたころだった。

 木村は最後のトラックを出した後、再び事務所に入ると事務室で出勤簿をパソコンに打ち込んでいつものように玄関に鍵をかけて二階の社長室へと移動した。

 そしていつものように大きな椅子を机から引き出すとクローゼットの前に立って男から女へと椅子の上で変身して彼女達の来るまでの時間を室内で過ごしていた。

 そんな木村がタバコを忘れたのを思い出して一階の事務室へ取りに行こうとドアを開けた瞬間、突然目の前に作業服姿の田口が現れた。


 キヤァー!!


 木村は悲鳴を上げて後に飛び跳ねるとその弾みで床に尻餅をつき、田口はジッと木村の目を見ながら押し入ってきて木村の前に立ってスカートの中を覗き込んだ。



「女になったら咄嗟に出す声も無意識にキャーって言うんだな~~♪ ふっ♪」

 尻餅を付いた木村はスカートの中が丸見えになっていることに気付いて慌てて斜め座りにして田口を下から見上げた。

 
「どうやって入ったのお!! 警察を呼ぶわよ!!」

 斜め座りしながら後退りをする木村は田口を見上げながら強気なところを見せると、田口はニヤニヤして木村の前に両膝に手を置いて腰を屈めて再び木村の顔を覗き込み木村は嫌がるように首を左斜めしたに捻った。

 
「警察~? 自分の彼氏を警察に通報するのかよ! 第一、警察が来て恥じを書くのはお前の方じゃないのか?」

 田口はアーモンドブラウン色ののパンティーストッキングに包まれた木村の両脚を凝視して声を凄ませ、木村はハッとした顔をして両脚をを両手で隠しながら再び後退りをした。

 そんな木村を追い詰めるように傍に近付いた田口は木村の両脚をチラチラと嫌らしい目で見据えた瞬間、木村を脅かすように「ガオォ!!」っと両手を爪立たせて脅かすとニヤニヤした顔を木村に見せ木村は無意識に胸を左手でガードし右手でスカートを押さえ首を左に回し田口の視線から逃れた。

 田口はそんな木村の前でズボンのポケットからロープを出して見せそのロープを右手に持って木村に揺らして見せた。


「可愛がってやるよ! 俺が恋しかったろう~♪」

 田口は身体をガートする木村に襲い掛かると木村の頭からカツラを奪って床に投げ付けた。



 キャァー!!



 木村は驚いて悲鳴をあげると床に投げられたカツラを拾おうと身体を動かした瞬間、うつ伏せにさせた木村の上に馬乗りになってロープで腕を縛ろうとしたその時! 木村は身体を捻って仰向けになって叫んだ。



「いい加減にしろお!! 糞ガキイィー!! バシィーンッ!!」

 力任せの木村の平手打ちが田口の左頬を直撃、田口はその威力に負けて木村の上から向こう側の壁に吹き飛んだ。

 木村はヨロけながらも立ち上がると、大きな木目の机の引出しから取り出した大きなスタンガンを取り出して火花を出して見せた。

 すると田口は両目を大きく見開いて驚きの表情をすると立ち上がって後退りを始めた。

 木村は追い詰めるように田口に一歩ずつ近付くと田口は「寄せ! やめるんだ!!」と、手の平を出して木村を止めようとしたが、木村は田口の振る舞いに切れたように田口の目を一点に見詰めてにじり寄った。

 その瞬間、田口はドアの方へ素早く移動すると木村の目を見て田口は。



「お前の秘密を従業員達にバラしてやる!! 俺はバイトだからな! ホモと言われようと二度と会うことのない連中だ!」

 木村の動きはこの一言にビクッとして止まった。

 すると田口は木村にガンを机に置くように鋭い口調で命令した。

 木村は悔しそうに表情を堅くすると溜め込んでいた息を大きく吐いてから歩いてスタンガンを机に置いた。

 その瞬間、田口は木村の後に回っが木村は抵抗せずに田口に後手に縛られた。

 
「手間を掛けさせやがって! どうせ俺の腕の中で鳴き声を上げるんだろうに…」

 田口は全身から力の抜けたようになった木村を引き寄せると壁に背凭れして立ち膝し木村を自分の前に座らせ、右側の首付け根辺りに口付けして舌を震動させるように滑らせた。

 木村は首に感じた唾液に塗れた田口の舌先に一瞬ビクッンとしながら首を左に捻って悔しそうに目を閉じ手唇を噛み締めた。

 田口はそんな木村の白いブラウスを背後から左右に引き裂くとブチブチとボタンが弾け飛んで胸元を覆う白いスリップが晒された。

 田口は晒された白いスリップのレース部分に右手の中指を滑らせるとニヤニヤして首を捻ったまま屈辱に耐える木村に小声をかけた。



「今日はブラはしてないのか♪ まあ、スリップ越しに弄られるのも女ならではだ♪」

 田口はそういうと後ろから両腕を回しスリップのレースに覆われた木村の胸に中指を滑らせスリスリと乳首の辺りで指の腹を回し始めると、木村は突然全身をビクンッと何度もビクつかせ身体を硬直させた。

 その木村の様子を後から観察しながら田口は指に強弱つけながら木村のウナジを舐め回すと、木村の喉の奥に喘ぎ声が溜められ声を出すものかと必死に耐えた。

 
「フッ♪ 敏感だな~ 真子は♪ もう乳首が勃起してる♪ もう少し楽しんだらタップリと味見してやるからな~♪」

 田口はそう呟くと無言になって木村のボッキした乳首を弄りながら両肩に舌を滑らせ唾液を飲み込んでは喉を鳴らしていた。

 そして三十分ほどしたころ田口は床にマットレスを敷いて木村を仰向けにすると突然両肩から肩紐を外し勃起した木村の乳首に貪りついた。

 木村は激しく悶えながらも喘ぎ声を喉の奥に溜めこんで口を開こうとはしなかったが、その切なそうな表情が田口には堪らなかったようだ。

 そして田口の唇が木村の乳首を吸いながらも右手はタイトスカートの中に入りストッキング越しに五本の指をクモのに滑らせれば木村はビクンッと大きくビクついてストッキング越しに感じる快感に首を左に右に振って出そうになる喘ぎ声を必死に絶えた。

 田口の嫌らしい手は外モモと内モモを五本の指が蜘蛛のように行き来しながら徐々に下へとくだって膝と膝裏に中指が滑るころ、木村は身体を仰け反らせて耐えるように顔を顰めそれを嬉しそうにチラチラ見る田口はズボンの中に肉棒をたぎらせ木村は犯される嫌悪感と同時に求められる女の喜びにパンティーをグッショリと濡らしていた。

 そして数分後、体位を下へとずらした田口は木村のストッキングに包まれた足首を両手で持ち上げるとゴクリと喉を鳴らしそのまま口の中に爪先を入れムシャブリついた。

 木村の足に舌と音と生暖かい田口の唾液が絡まりストッキング越しに爪先に伝わる心地よさに木村は右肩をグイッと持ち上げてシャブラレている足を痙攣させ、漏れそうな喘ぎ声を押し殺したが田口の口は大きく開き爪先をムシャブリながら舌先ずレロレロと動きまわった。

 男が女を味わうといわんばかりの田口の醜態はオゾマシイかったが味見されている木村にはえも言われぬ官能だった。

 更に数十分も経過するころには別の足の爪先をも田口の餌食となり田口の欲望は足のフクラハギから内モモにまで達して木村の履いていたタイトスカートは上へ上へと押し上げられ下半身を覆っていたパンティーストッキングは田口の唾液でベトベトになってしまった。

 それでも喘ぎ声を喉に溜めたまま鳴き声を上げようとしない木村からスカートを奪った田口は突然、パンティーストッキングを両手でこれでもか! と、言わんばかりにビピリと破り始め、木村は破られるパンティーストッキングから伝わる衝撃と振動に言葉にならない刺激に包まれ更にパンティーの内側にヌメリを溢れさせた。

 そしてチリチリになって木村に張り付いているパンティーストッキングを木村の足元に膝立ちしてゴクリと喉を鳴らして見入る田口は、グイッと木村の右脚を持ち上げ肩に担ぐとチリチリになって貼り付いたパンティーストッキングの上から思い切り内モモに平手打ちをし始めた。

 バシンッバシンッと平手打ちされた木村の内モモはチリチリのパンティーストッキングが貼り付いたまま柔肌をブリプリと揺らし快感に浸っていた木村を地獄に突き落とした。

 

 痛い! 痛い! やめてぇー! 痛あぁーい! やめてえぇぇー!



 夢見心地だった木村は上半身を起こして内モモを引っ叩く田口に大声を発したが田口は木村をモノともせずに内モモが赤くなるまで引っ叩き続けると、今度は手の平で優しく丁寧に内モモを撫で回した。

 木村は突然の激しい痛みからの解放と安心感からグッタリとマットレスに身体を横たえると再び右脚から左脚に持ち替えた田口はその内モモを激しく引っ叩き始めた。

 左脚の内モモも右脚同様に田口は容赦なく引っ叩き続け同じように木村が上半身を起こして叫んでも田口は聞く耳持たずに目を血走らせて薄笑みを浮かべていた。

 そして再び田口の引っ叩きが終った時、田口は優しく丁寧に左脚を両手で撫でると安堵感からか木村はマットレスの上にグッタリと身を横たえ、田口は引っ叩いた左脚を下ろすと右手の中指の腹をスゥーっと右脚の太ももに滑らせた。

 

 アアァァーーーンッ!!



 突然、木村は我を忘れたように上半身を起こし恥かしい声を部屋に響かせるとユラユラと左右に揺れながら身体を横たえた。

 田口はそれを見てニコリと口元を緩めると両手の中指の腹を使って木村の太ももに滑らせた。

 木村は激しい身悶えと仰け反りをしながら首を左右に振って今まで溜めていた鳴き声を一気に田口の耳へと放出した。

 すると木村の陰部を覆っていたパンティーに傍から見ても解かるほどの愛液が滲みでて破れたパンティーストッキングの間に恥かしい陰を見せ付けたが、木村は激しい悶えと喘ぎ声の中に身を置いて全ての理性は消し飛んだようになっていた。

 そして田口はもういいだろうと頷くと木村の下半身からゆっくりとチリチリになったパンティーストッキング破り去ると右太ももに抱き付くようにムシャブリついて舌を滑らせた。

 ブラウスは肌蹴られスリップが腹に丸められ下半身をひ弱なパンティーだけが張り付いて辛うじて木村の貞操を守っていたが、田口はグッショリとヌルヌルした液体が表面に滲むパンティーを見て太ももを舐め回しながらズボンとトランクスを脱ぎ逞しい肉棒を室内に晒して準備していた。

 そんなことは何も知らない木村は半狂乱のごとく女の喜びの中に身を置いていた。




【五話】



「いやああぁー! それだけは許してえぇ! お願い許してえぇー!!」

 木村は首を左右に激しく振ってケタタマシイ叫びを発すると後手に縛られたまま上半身を右に左にと激しく揺れ動かした。

 
「おおうら!! 口を開け! 男をシャブルのが女の務めだろおう!! さっさと口を開け!!」

 口を閉じたまま首と上半身を降ってフェラチオを拒絶する木村の胸に馬乗りになった田口は生臭い肉棒を木村の口元に押し付け怒声を上げると、木村の鼻を抓んで息を出来なくさせた。

 木村は口を閉じたまま鼻を抓まれ苦しそうに顔を顰め我慢も限界とばかりに口を開いた瞬間、田口の汚れて生臭い肉棒が木村の口の中に無理矢理挿入された。


「うげえぇ! おえぇー! ゲホゲホゲホッ! うげえぇー!」

 無理矢理口の中に入れられた臭い肉棒に木村は涙を流して嘔吐を繰り返したが、田口は両手で木村の頭を押さえつけ逃げられないようにした。

 木村は口を開いたまま込み上げる嘔吐物を吐き捨てることが出来ずに口の中に溢れさせそれが唇から溢れて田口の肉棒に絡みながら枕を汚した。

 すると田口はゲロ塗れの肉棒を見て慌てて木村の口から抜いて傍にあったチリジリに破れたパンティーストッキングでン御を顰め目を丸くして拭いた。

 ゲホゲホゲホと木村は縛られたままで上半身を半分起こして横向きになると、口の中に溜まった嘔吐物を苦しそうに床に吐き出して肩を揺らした。

 
「このアマああぁ!!」

 肉棒を拭き終えた田口は真っ赤な顔して木村を引き摺り寄せると嘔吐物から引き離し床に胡坐をかいてその上に後手に縛ったままの木村をうつ伏せにした。

 そして両膝を立たせて木村の両脚のフクラハギに自分の右脚を乗せるように座りなおすと、机の横に立てかけてあったの掃除用具のハタキを取り寄せ尻を覆う白いパンティー目掛けてハタキの枝を打ち付けた。



 ヒイイィィー!! 痛ああぁぁーーーい!!



 田口は左手で木村が逃げられないように背中を押さえつけながら容赦なく木村の尻をハタキの枝で何度も打ち付けた。

 木村は焼けるような痛みを尻にうけ、打たれる度に目を見開いて首を前後左右に振って両脚をバタバタさせて悲鳴を上げ続けた。

 そして十数回の尻叩きが終ると今度は太ももの裏側、柔らかい部分を容赦なく打ちつけた。

 何も身に着けていない木村の太ももの裏側は見る見る間にミミズ腫れしてブリンブリンと揺れて赤く鬱血し、木村は狂ったように大声で叫んで痛みに耐え続けた。

 

 もうー! もうやめてえぇー! お願い! 何でも言う通りにするからあぁー!!!


 
 この言葉に田口はドキッとして左側で叫ぶ木村を見て手を止めると、両肩で荒い吐息を吐き出しながらハタキを持った方の腕で額の汗を拭った。

 木村は腹の下に堅く逞しくなっている田口の肉棒を感じながら頬に伝わる涙を首を振って払うと声を震わせて何でもするからもう許してと田口に哀願した。
 
 田口はニヤリと口元を緩ませると木村の髪の毛をムンズと掴み床に膝立ちさせ、自らは椅子に腰掛け両足をグイッと開いて股間の肉棒を木村に突き出した。

 木村は震える唇を噛んで拒否するように首を数回左右に振ったが、田口がハタキを手に持って見せ付けると吐息を震わせて涙を零しながら口を開いた。

 田口は口を開いた木村の口の中に汗ばんだ臭い肉棒を押し付けるとムシャブルように命令して、木村の髪の毛を掴んで肉棒を口の奥へと銜えさせた。

 木村は泣きながら生臭い肉棒に舌を絡ませ田口は木村の頭を無理矢理、前後させたがフェラチオなど一度もしたことのない木村は喉に肉棒の先が当たって何度も咽ては口を開いて溜まった唾液を唇から溢れさせたが、田口は容赦なく木村の口の奥へと肉棒を前後させた。

 そして木村が徐々にフェラに慣れてくると首を前後に振る速度を早くしろと声を荒げて命令し、木村はハタキで打ち付けられる恐怖から我を忘れて夢中で首を前後させた。

 木村の額から汗がポタポタと床に落ち両肩で息をするほどに不慣れなフェラに木村は疲労を隠せない表情をしている時に田口は込み上げて来る射精感を躊躇することなく木村の頭を両手で逃げられないように固定した瞬間、木村は両目を大きく見開いて信じられない出来事に口を田口から引き離そうと必死になった。

 口の中に勢い良く飛び出したドロリとして生暖かいヌルヌルした液体に木村は激しい唸り声を発せさせ何度も口を田口から引き離そうとしたが田口の力は強く、木村の口の中には田口が射精した苦味の強い生臭い精液と自らの唾液とが絡み合って行き場の無い精液を木村は飲み込んでしまった。

 そして飲み込んだという事実を前に木村は余りのショックで田口の肉棒を銜えたまま大粒の涙をボロボロと落として激しい嘔吐の中、力任せにガブリと肉棒を思い切り噛みしめた。



 ウギャアアアアアァァァァーーーーー!!!!!



 力任せに肉棒を噛まれた田口は想像を絶する強烈な痛みに全身を震撼させ木村の頭を肉棒から引き離したが、田口の肉棒から勢い良く血が辺りに噴出し田口は大出血する肉棒を両手で覆ったまま床の上で転げ回った。

 木村は口の中から白い精液と唾液と血液の混ざった異様な液体を込み上げる嘔吐で吐き出すとボタっという音とともに血だらけの肉塊が床に落ちいていて、それを見た瞬間、木村は絶叫して腰が抜けかかったようにフラフラと立ち上がると口から血を滴らせてその場を狂乱して離れた。

 ソコへ早苗と咲子が爽やかな笑顔で出勤してきたが両手を後に縛られた木村(マコ)を見るや否や悲鳴を上げて立ち尽くしてしまった。

 口から血を流して全身を震撼させブルブルと大きく震える木村(マコ)は田口が、田口がと狂乱して叫びハッとしたように咲子と早苗は給湯室からタオルを持ってきて木村(マコ)の両手を自由にしながら口元をタオルで押えると、ドタバタと二階から大きな足音を立てて降りて来た田口と玄関で鉢合わせになった。

 田口は真っ青な顔して血に染まったズボンを履いて股間を両手で押さえながら下を向いたまま無言で三人の前から姿を消し、咲子と早苗は心身喪失状態になった木村(マコ)の後姿を見て目を丸くした。

 何かで打ち付けられたようなオビタダシイ数のミミズ腫れが木村(マコ)の裏モモにビッシリと刻まれ痛々しく腫れていて、咲子は木村(マコ)の肩を抱いて事務室のソファーに寄り添って座り早苗は風呂場へ行って湯を温めに確認すると咲子と木村(マコ)の傍に来て、訳は後でと二人は木村(マコ)からパンティーを脱がせ両脇を抱え風呂場に木村(マコ)を移動させスーツを脱いで、共に下着姿のまま咲子と早苗はシャワーを浴びさせた。

 下着姿の二人は両脇から木村(マコ)を抱えるように一緒にシャワーに打たれ木村(マコ)を優しく丁寧に洗い流した。

 そして風呂を出た木村(マコ)の傷の手当をして男物の下着とスウェット上下を着せた早苗と咲子は砂糖のタップリ入ったコーヒーを木村に飲ませながら何が起きたのか落ち着いて聞き出すと、咲子は早苗に木村(マコ)を頼み自分は血の付着した階段を二階へと向かい血だらけの社長室を見て絶句した。

 床とマットレスは血だらけでソコには木村(マコ)が破り脱がされたであろうズタボロのパンティーストッキングとタイトスカートがあって、木村(マコ)が噛み切ったであろう肉塊は何処にも無かったが、元看護師の咲子はその流血の量を見て間違いなく田口のベニスは切断されたのだと確信した。

 

 

 
【六話】
 


 
  

 咲子と早苗そして木村の三人は警察へ届けるかどうかを考えたが、木村が普段から女として過ごしている事実を公にしないために警察へは被害届を出さないことを決めたが、一日経っても二日経っても田口からは何も言ってこずその間、木村も会社内で女になるのを自粛していたが三日目は女に戻っていた。

 田口のことで警察が尋ねてくるかも知れないからと木村はカツラもつけず化粧もせずにショートパンツの下に黒いパンティーストッキングを履き上にはトレーナーという軽装だったが三日を過ぎても警察も田口も会社には姿を現さんかった。

 そして一週間が過ぎたころ木村宛に差出人不明の小包が届き咲子と早苗そして木村の三人は息を飲んで小箱を開梱すると、中から冷凍された長さ五センチほどの肉塊が出てきて三人を青ざめさせた。

 元看護師の咲子によると恐らく噛み切られたベニスの部分が縫合不可能で縫合可能な部分まで切り取って余った部分がコレではないかと推測をした。

 黒々と血に染まった肉塊は元に戻して箱に入れ倉庫にある薬品保管のための冷凍庫の奥に仕舞われたが、何故にこんなものを田口が送りつけてきたのか三人は身の危険を感じながら戦々恐々としていた。

 
「元々アイツが悪いんだから気にすることないって! 勝手に会社に入り込んで木村(マコ)のこと緊博してオモチャにしたんだから!」

 早苗の豪語に咲子と木村はお互いを見詰め相槌を打って数回頷くと仕事に三人は戻った。

 だが二階の社長室の血を拭き取った形跡を見るたび木村はあの時のことが頭に蘇って田口の安否に不安を覚えずにはいられなかった。

 そんな木村を気遣ってか咲子は社長室へ来ると、昔の看護師仲間から聞いたと言う献血豊胸という短時間で難しい手術を伴わないプチ豊胸の話題を持って来た。

 献血豊胸は女は勿論のこと男でも簡単に出来て数週間から数ヶ月で元に戻るという話題に木村は両手で胸を押えて目を輝かせた。

 Aカップなら帰宅しても何とか妻子に誤魔化せると久々に笑みを浮かべる木村はさっそく料金やシステムの詳細を調べるように咲子に頼むと椅子から立ち上がって胸を押えてクルクルと部屋中で楽しげに回った。

 

 夢にまでみた乳房が手に入る………



 木村は久々の幸福感に胸を踊らせ更に数日後、木村は咲子に連れられて、とあるクリニックを訪れていた。

 木村の希望である一週間くらいで元に戻りたいと言う願いに医師は、ニッコリ微笑んで長く持たせろと言うよりかは遙かに簡単と太鼓判を押してくれたことで、木村は早速、献血豊胸の手続きを済ませた。

 そして更に数日後、木村は再び咲子に付き添われクリニックに身を預け二時間もしないうちに満面の笑みを待っていた咲子に見せた。

 五十才の男がAカップの乳房を手に入れクリニックの待合室で両手を広げて踊り始め、楽しげな雰囲気に医師や看護師、他の患者達を愉快な気分にさせた。

 場合によっては数日の誤差が前後するかも知れないという医師の言葉だったが確かに眼下にある乳房の揺れに木村は御満悦だった。

 木村は咲子と帰社すると待ち侘びていた早苗は木村の前に走り寄り早く見せろといわんばかりにせっついた。

 そして事務室の奥の部屋でうえに着ていた服を脱いだ瞬間、予め着けておいたAカップのブラジャーに包まれたプルプル揺れる乳房に早苗は感極まって立ち尽くし更に木村がブラを取った瞬間、プリンプリンと揺れる乳房を見た早苗は喉をゴクリと鳴らし絶句した。

 木村は立ち尽くす早苗の前でピョンピョン飛び跳ねて乳房の揺れを早苗にみせると早苗の顔も跳ねるように乳房に合わせて上下を繰り返した。

 

 その晩、会社で風呂に入った木村はサラシで胸を隠すように覆うといつものように帰宅したが風呂には入らずに普段の寝巻きに着替えたが、Aカップ程度では妻も気付く様子なく夕食を済ませると早々にベットに入った。

 そして妻は木村がベットに入って五分ほどしてからリビングの灯りを落として寝室に入ってきたが普段と同じように隣りに入るとそのまま寝入ったようだった。

 だが翌朝、玄関で木村を見送った妻の一言は木村を一瞬だけ凍りつかせた。


「あなた太った?」

 妻の視線は明らかに木村の胸辺りに突き刺さり、笑って誤魔化す木村は妻の視線から逃げるように自宅を後にした。

 木村は心臓が止まりそうなほど凍り付いていた。



 そんな木村も会社に到着するや否や鍵を二重に掛け普段の習慣など忘れて一目散に社長室へ移動すると上半身裸になって締め付けていた乳房を解放する喜びと確かな揺れに御満悦になった。

 眼下に広がるAカップの乳房は木村が動く度にプルプルとコンニャクのように揺れ木村は我を忘れて手鏡を持って様々な体位をして乳房の感覚を楽しんだ。

 そして乳房にフィットする男以上女以下の乳首に目をウルウルさせて両手で乳房を持ち上げては鏡に映して喉の奥に笑いを溜め続けると、肌寒さを感じたのか早い時間にも関らず木村はブラを着けるとズボンを脱いでパンティーとパンティーストッキングで下半身を覆い、ブラの上からスリップを纏うと伸縮性のある膝下十センチほどのハウスドレスで全身を包みその形で一階へ降りてポットに湯を沸かした。

 久々のウカレ気分は木村に無意識に腰を左右に振らせる陽気な軽いダンスをさせ御湯が沸くまで時間を費やさせた。

 そしてコーヒーを手に事務椅子に腰掛けた木村は辺りをグルリと見回し足組して再び眼下の乳房を確認するように上半身を揺らせ安堵の表情を浮かべた。

 

 早く早苗に抱かれたい……

 
 
 木村はレズの早苗に乳房を揉まれる自分を想像すると居ても起っても居られず日課で読んでいる新聞すらも頭に入らず、タバコの灰を足組した右の膝に落としてパンティーストッキングをチリヂリに伝線させる勿体無いことに。

 やっちまったと顔を顰めて悔しがるも余りの熱さに手でパタパタ叩いて灰を吹き飛ばしフゥーフゥーと息を吹きかけ大きな溜息を漏らした。

 下半身を覆うパンティーストッキンクは右膝だけがポツポツと穴が開いてそれが手を叩いたことでチジヂリに伝線し膝下と太ももまで広がった。

 お気に入りだったミディアムサポートタイプのマチと切り替え付きアーモンドブラウンはこうしてその生涯を終えたが、履き替えに行かずに木村は伝線したままで新聞に視線を移した。

 そしてようやく落ち着いて新聞を見れるようになった頃、電話がかかってきた。

 

 あぁ、社長っすか? すいません三班の鈴木ですが……



 突然の従業員の病欠に時計を見れば六時、木村は慌てて給料の高いのを承知で臨時要員に電話を掛け始めたが電話に出ない者もいて連絡もつかずそれでも諦めずにリストから電話をかけ続けた。

 木村は自分が女になっているのも忘れて電話を掛け続けると玄関のドアを叩く音にハッとして時計を見れば従業員達が集まる時間だったことに仰天した。

 ハウスドレス姿の木村はドアの内側で外にいる従業員に待つように言うと慌てて二階へ戻りスラックスを履いてワイシャツを着たが、ブラジャーが透けて見えることを知った木村はギョッとして再びワイシャツの上にジャンパーを着てファスナーを首まで上げて一階へと慌てて移動した。

 そして慌ててカーテンを開いて玄関を開けた木村に従業員はズボンのチャックが開いていると指摘し、再び木村はギョッとして社会の窓を閉めようと従業員に後ろ向きになると社会の窓の中に黒いスリップの裾レースが見えていたことに顔色を変えた。

 だが従業員は気付かずに木村は事なきを得たがこの時、木村は二度と女になる時間を早めるような真似はしないと心に誓い、木村は生きた心地がしないまま事務室で従業員たちが集合するのを待っているとさっき掛けた臨時アルバイトから電話が来て会社に向かっているという報告を受けて一安心と胸を撫で下ろした。
 
 そして時間通りに従業員達を送り出した木村は数時間で相応の疲労感に見舞われた。



【七話】




 一階の事務室に咲子を残し二階では木村(マコ)と早苗の愛欲が始まっていた。

 乳房を室内に晒された下着姿の木村(マコ)に下着姿で身体を重ねる早苗は木村(マコ)の願った通りに両手で乳房を揉み回し時折、勃起した木村(マコ)の乳首に引っ掛けるように触指を繰り返すと木村(マコ)は仰け反って豊胸で跳ね上がった感度に身悶えと恥かしい声を奏で続けた。

 そして早苗の唇が木村(マコ)の乳首を覆って中で舌先を擦らせれば木村(マコ)はビクンッビクンッと何度も全身の筋肉を硬直させながらビク付いた。

 夢にまで見た乳房を弄られていると思うだけで木村(マコ)は普段の何十倍もの感度にドップリと身を沈めた。

 
 そのストッキング履いてなさい……


 愛欲の前に伝線したストッキングを早苗は木村(マコ)に履かせたままのレズプレイはドンドン進行していき、早苗の唇と両手が木村(マコ)の下半身に迫っていたが、木村(マコ)のパンティーは既に外側に滲むほどにグッショリとヌメリを滲ませていたことで、早苗は木村(マコ)の官能がどれほどなのかを思い知った。

 そしてスリップの裾をフワリと撒くりあげタバコの火で伝線したパンティーストッキングを見た瞬間、早苗は不思議な気分に突入した。

 早苗はいつものように顔つきを女王様のように変貌させていたがそれに輪をかけたように目を吊り上げ突然、木村(マコ)の両手を頭の上で大きな木目の机の足に縛りつけた。

 官能の中に浸っている木村(マコ)はグッタリして自分が何をされているのか解からないままに伝線している方とは別の左の太ももに火の点いたタバコの灰を落とされた。

 灰が落ちた瞬間、チリチリジリジリとストッキングは溶けてポツポツと穴が開きその熱さに木村(マコ)は瞼を閉じたまま顔を顰めて左右に全身を揺らせ左脚をバタ付かせた。

 早苗はバタつかせる木村(マコ)の左脚と右脚の上に馬乗りになって押さえつけると再びタバコの灰をストッキングの上に落とした。

 ストッキングが焼けて溶けてチリチリジリジリと音を出して伝線し熱さに身悶えして乳房を揺らす木村(マコ)を見る早苗の顔は妖気に満ちた表情を浮かべた。

 鋭い視線を放つ早苗は熱さに苦しむ木村(マコ)の悶える様をニヤニヤしてタバコの灰を落とす高さを工夫していた。

 木村(マコ)の下半身を覆うパンティーストッキングはポツポツと虫食いのように穴が無数に開いて火責めの形跡は早苗を歓喜に導いた。

 そして一本目のタバコを終え二本目、三本目になるころには木村(マコ)の履いているパンティーストッキングはその殆どを虫食い状態になって、早苗のパンティーは大汗をかいたようにグショグショに濡れ、木村(マコ)のパンティーもその前面を恥かしいほどに濡らした。

 木村(マコ)は早苗にされるタバコプレイにパンストいじょうにトロトロに溶けていた。



 その頃、木村にペニスを噛み切られた田口は自宅アパートの一室で一人傷が癒えるのを待って居た。

 ペニスは知り合いの個人病院で縫合し入院を勧められたがソレを断り自宅療養していたが先っぽと根っこ以外の殆どを消失した田口は自慢を失い途方に暮れていた。

 自業自得と自分に言い聞かせるものの僅かに残った根っこに亀頭部分が直付けしたような包帯に巻かれたペニスを見るたびに込み上げる木村(マコ)への逆恨みに握った拳を布団に打ちつけていた。

 

 一応つなげましたが勃起不全を起こす恐れがあるのと海綿体の殆どを消失しているため、仮に勃起しても亀頭が大きくなるだけでしょうね……



 医師からの男としての死刑宣告を何度も脳裏に蘇らせる田口だったが痛みで立つこもままならない田口は万年床に横になったまま味見し足りない木村(マコ)への執着に握り拳を振るわせた。

 もう近付くのは止めようと思いながらも脳裏の片隅で木村(マコ)の愛欲に染まる表情を思い出すと直ぐに決意は崩れ、再び木村(マコ)を想いながらも木村(マコ)を逆恨む気持ちがそれを覆い隠した。

 そんなこととは知らない木村(マコ)は早苗との股間合わせに肩で荒い息をしながら没頭していた。

 女になっている時には勃起することのない木村(マコ)のフニャチンは早苗の割目に挟まれるように亀頭部分を早苗の内肉に擦り合わせられヌルヌルした粘液を先っぽから溢れさせるとそれを包むように早苗からも大量のヌメル体液が滲み出す。

 一階に咲子がいるというのに、クッチャクッチュネッチャニィッチャと恥かしくなるような半濁音を部屋に響かせる二人は互いの片足を両手で支えながら早苗のリードで腰を振り床に敷いたマットレスは流れ落ちた愛液で女同士の匂いを放っていた。

 その頃、一階でデカクワークしている咲子もまた、乳房を持った木村の体に触れたい欲求が消しても消しても脳裏に湧いていた。

 二階からの物音がする度に咲子は下半身の割目の奥をキュンッとさせ俄かにパンティーの内布に湿り気を帯びさせながらも二人の愛欲から自身を遠ざけようとモガイていた。

 
 早く終ってくれないかな……


 咲子の右手はパソコンのマウスから離れスカートの中に無意識に進入しその手を軽く開いた両足の真ん中で指を擦らせた。

 自分の中に入る木村の揺れる乳房が目の前にある有り得ない感覚を咲子は頭の中で構築しようとしたが、木村は男? 木村は女? という自問自答は結果の出ないままパンティーの内布はドンドン濡れていった。

 そして二階から再び物音がすると、咲子は突然立ち上がって慌ててトイレに行くと便座に座って割目から溢れた汁をペーパーで拭き取るとその量に顔を顰めた。

 更に膝の辺りまで降ろしたパンティーの内側を開いて覗き込み内布をペーパーで拭き取りながら悔しいそうな表情を浮かべた。

 

 昼過ぎ二階から早苗が降りて来ると事務室には咲子の姿はなく首を傾げながら風呂場へ向かった早苗は木村から貰った替えの下着を脱衣場に奥と汗と汁に塗れた身体にシャワーの湯を強く当て、少し遅れて降りて来た木村(マコ)は咲子を探すように一階を歩き回った。

 そして奥の物置のドアの前に立った木村(マコ)は中から聞こえた女の荒い吐息に耳を澄ませた。

 狂おしい切ない想いが伝わって来る咲子の喘ぎ声と息使いに木村(マコ)は引き戸をそっと左に横引きして中を覗き込んだ。

 上半身は棚で隠れていて顔は見えないが間違いなく咲子でスカートを上まで巻くり上げた素足と下半身を包んでいたパンティーストッキングとパンティーが足元に丸まって置かれていた。

 

 はぁはぁはぁ… ぁんっ! ぅあんっ! 

 

 木村(マコ)は両足を微妙に閉じたり開いたりする咲子を見てからその視線を閉じたり開いたりすね爪先に向け、咲子の官能の度合いを喉をゴクリと鳴らして見守った。

 咲子の我慢し切れずに出る細い悶え声に木村(マコ)はパンティーの中のペニスを硬くして行き場のない力でパンティーストッキングにテントを張り肉棒化した亀頭を締め付けるパンティーに前屈みになって耐えた。

 だがパンティーに無理矢理納めている玉と玉袋は肉棒化したペニスに下へと追いやられ行き場を失った玉は悲鳴を上げ出した。

 
 
 痛えぇー!!
 
 
 
 余りの痛みに無意識に上げた木村(マコ)の声に慌ててオナニーを止める咲子は、ハッとして起き上がってスカートにテントを張った木村(マコ)を見てギョッとして床に放置したパンティーを手繰り寄たが、脱ぐときに同時に脱いだパンティーとパンティーストッキングは中々ヨリを戻さず、慌てるばかりのところへ木村(マコ)は我慢出来ないと飛び込んで来た。

 パンティーを履こうとした咲子の目の前に立った木村(マコ)はスカートにテントを張ったまま両手を伸ばして咲子に抱きつこうとしたが、レズではない咲子は逃げるように後退りを始めた。

 そして後退りを始めた咲子のスカートの中が見えた瞬間、木村(マコ)は自分が女になっていることも忘れて床で後退りする咲子を床に押し倒した。

 

 キヤァー!!



 咲子は目の前に現れた木村(マコ)を見て仰天し声を詰まらせるような悲鳴を上げたが木村(マコ)は咲子の膝に手をかけ両足を開くと咲子の陰部に舌を押し付けムシャブリ始めた。

 日中の汚れとオナニーの粘液でグチャグチャになった割目はクサヤの干物状態の臭気を発していたが、男に戻った木村にはソレが何よりの御馳走とばかりに押し付けた舌で味わい唇を密着させて舐め取った。

 思いもよらない木村(マコ)の登場で慌てふためいた咲子だったが割目の内肉から脳裏を劈く激快感に目を閉じて身体を木村(マコ)に預けた。

 

 

【八話】



「ゲッ!! 何だあぁ!? こいつオッパイが付いてるじゃねえぇかあー!! 話しが違うぜ! 俺たちゃ女装ゲイだって言うから来たんだ! オッパイのついた性障害者(おんな)じゃ話しにならねえ! おいみんな! 引き揚げるぜ! 銭も返すぜ!」

 土曜日の朝方、木村(マコ)の会社に窓を破って侵入した田口とその仲間四人は女になっていた木村(マコ)を社長室で大勢で口を塞ぎ床に仰向けにすると、押さえつけてブラウスを引き裂き胸を晒させた。

 すると木村(マコ)に馬乗りなって木村(マコ)の胸を見た男の一人は後ろでニヤニヤしている田口を振り向いて突然、木村(マコ)から降りると怪訝に声を荒げた。

 そして木村(マコ)の両手を押さえつけていた男は手を放し両脚を押えていた男はその脚を自由にして床に立ち上がるとドアに近付いてた田口を睨み付けた。


「おい! 待て! 待ってくれ! ゼニは倍、いや! 三倍払うから残ってくれ!!」

 田口はドアから出かけた四人の男達に土下座して激しく引き止めたが誰一人として言うことを聞く者はおらず男達は社長室から出ると破った一階の窓から出て行ってしまった。

 慌ててブラジャーとスリップを元に戻して破られたブラウスを両手で押える木村(マコ)は、その様子を恐怖に身体を大きく震わせながら見ていたが、男達が部屋から出て行った瞬間、呆然とする田口を目を吊り上げて睨みつけていた。

 
「もう許さない!! 警察に突き出してやる!! 私のことはバレたって構わない!! アンタには刑務所に行ってもらうわ!!」

 敗れたブラウスを押えながら捲り上げられたタイトスカートを元に戻し黒いパンティーストッキングに付いたホコリを片手で振り払う木村(マコ)は立ち上がりながら田口に強い口調で言い放った。

 田口は土下座のままの姿勢で床を見たままピクリとも動かず、木村(マコ)はブラウスを押えながら田口の前に立つと田口の肩を蹴り上げた。

 すると田口はボロボロと大きな涙を頬に伝えた顔を木村(マコ)に一瞬見せそのまま再び床を見て床に蹲って号泣した。

 
「でてけえぇ!! 二度と来るな!! 女一人を大勢でレイプしに来るなんて最低!! 警察に電話する前にここから出てけえぇ!!」

 木村(マコ)は床に転がったショートヘアのカツラを床から拾い上げるとクローゼットから金属バットを出して部屋の隅に身を寄せ携帯電話を握り締めた。

 すると蹲って号泣していた田口はガバッと座ったまま上半身を起こして涙を流したまま部屋の隅にいる木村(マコ)を見て、声を震わせて大声で怒鳴った。



 ちきしよおおぉぉぉーーーー!!


 その怒声に木村(マコ)は驚いたように両目を見開いて金属バットを握り締めると突然、田口は立ち上がってスウェットのスボンと下着を下ろすと木村(マコ)に見せるように向いた。

 そしてその光景に木村(マコ)が目を細めると、田口のペニスは何処にもなく再び目を細めると魚肉ソーセージのような色をした亀頭部分は黒い陰毛に覆われているのが解かった。

 ペニスの竿の部分がなくなっていてまるで陰毛の下側の地肌にピタリとくっついているような不思議な光景だった。

 田口は口を半開きにして血走った目をギョロギョロさせて大粒の涙を零しながら木村(マコ)を無言で見詰めていた。

 木村(マコ)はその光景に息を飲んで言葉に豪気を強めた。



 勝手に人の会社に忍び込んで抵抗する私に無理矢理あんなことさせるからじゃないのぉー!!



 木村(マコ)の豪気に田口はダレるようにガックリと肩を落とし数回、その通りだと言わんばかりに首を振って後に少しよろけて今度は木村(マコ)の方を見て恨めしそうに泣きながら笑った。

 そして木村(マコ)はそんな田口に声を細めて警察沙汰にならなかっただけマシだろうと呟くと、再び田口は首を数回小さく振ってドアの方をチラッと見て、フラフラと身構える木村(マコ)に近付くと腰を前に押し出して肌に直付けの亀頭を見せて恨めしそうに小さい笑みを見せた。


 
 もう起たねえよ… 起つべき竿がねえんだ…… 精々亀頭が大きくなるだけで二度とお前の穴に入ることは出来ねぇ……



 田口はボソっと言うとフラフラと後退りすると部屋のドアから身体を半分乗り出して木村(マコ)を振り返った。

 そしてドアを支えている柱に背中を凭れてズボンを元に戻すと、ギロリと木村(マコ)を見て悔しそうに呟いた。



 お前こそ、竿は要らねぇだろうに…… 女なんだから竿なんて必要ないだろうに………



 田口の呟きに木村(マコ)はスカートの上から自らのモノをチラッと見て再び田口に視線を戻すと、田口はフラフラと二階の階段からゆっくり降りて行く音を耳にした。

 するとそんな田口が何故か哀れに思えた木村(マコ)は階段ののぼり口で降りて行く田口の背中を見送ると部屋に戻ると、田口は壊れた窓からではなく玄関の鍵を内側から開けて一人フラフラと出て行った。

 そのあと木村(マコ)は罪悪感のようなものに襲われ椅子に腰掛、机の上に置いた両腕を組んで枕にするとその上に顔を真横において目を閉じた。

 数分、ホンの数分の間、木村(マコ)は身体から魂が抜けたように喪失状態になっただけだったのに突然、木村(マコ)は何者かに再び襲われた。

 

 キヤァー! ヤメテ! ヤメテェー! イヤァァァーー!!



 背後から首を絞めて木村(マコ)を襲ったのは木村(マコ)を集団でレイプしようとして進入してきた男達の一人だった。

 木村(マコ)は床の上に押し倒され両手を頭の上で縛られ机の足に固定されると、ボタンの飛んだブラウスを左右に開かれ黒いスリップの肩紐と白いブラジャーの肩紐をグイッと降ろされると有無を言う間もなく、プルンと揺れる乳房の中央、ピンク色の乳首に貪り付かれ揉みまわされた。

 悲鳴を上げたのは最初だけで後は口を粘着テープで塞がれ生す術もなく木村(マコ)は名も知らない金髪の男に乳房を味見されスカートを捲り上げられ黒いパンティーストッキングに包まれた太ももを嫌らしい手付きで触手された。

 そして木村(マコ)は生まれて初めて他人からの触手にオゾマシさを感じた。

 見知らぬ男からの激しい愛撫と触手に木村(マコ)は必死に夢中になって身体を左右に揺すって抵抗したが、男は木村(マコ)の両頬を数回平手打ちして声を凄ませた。



 俺はなあ!! アイツらと違うんだ! 俺は性障害者(おんな)も好きなんだよ~~♪ タップリ味見させてもらう!


 
 金髪に頭部を染めた二十代後半の男は木村(マコ)を平手打ちした後で木村(マコ)のアゴをギュッと強く掴んで恐怖の中の木村(マコ)を睨みつけてニヤニヤと笑うと、再び乳房に貪りついて強く吸い付いて内モモを嫌らしい手付きで触りまくりスカートはホックとファスナーが壊れるほどの力で下半身から抜き取られ、その弾みで黒いパンティーストッキングは尻側から著しい伝線を木村(マコ)に伝えた。

 そして吸われる乳首は絶叫しそうなほど痛く乳房を揉む力は乱暴そのもので木村(マコ)は恥辱される悲しみに暮れる間もなく痛みに耐えていたが、その口が脇の下を襲った瞬間、本来なら蕩ける部位にも関らずその鈍い痛みは全身を駆け巡り脳へと伝わった。

 更に後から伝線した黒いパンティーストッキングが包む尻側を手探りでビリビリと破り木村(マコ)から剥がし取った男はそのまま大きく両脚を強引に開かせると内モモに噛み付くようにムシャブリついた。

 

 うごおおおおおー!! うぐううううーー!!



 内モモが噛み千切れんほどの壮絶な痛みは口を粘着テープで塞がれている木村(マコ)から剥がれ落ちんばかりで、両脚を激しくバタつかせる木村(マコ)に金髪の男は噛み付いてムシャブリついている脚に両手の爪を立てた。

 金髪男が噛み付いてムシャブリついた内モモは数分間の間に無数の噛み跡をアチコチ両方に残しそれは無残にも生々しく痛々しいモノだった。

 そして力任せに木村(マコ)から剥ぎ取った白いパンティーの内側の匂いを物凄い吸引力で嗅いだ金髪男は宙に舞うように天井目掛けて放り投げると恐怖と壮絶な痛みで縮みあがった木村(マコ)のペニスをグイッと左手で根元を押さえ握り締めると舌舐擦りしてから一気に自らの口の中に吸い込んだ。

 

 うごおおおおおー!! うぐううううーー!!



 金髪男の口に吸い込まれたペニスは噛み千切れんばかりの強い力で吸い舐められ男の口の中をグニュグニュと激しく回され味見され続けた。

 ペニスからは焼けるような激しい痛みが木村(マコ)の脳に直撃し続け木村(マコ)はその痛みに鼻水を垂らして涙を床に零した。

 そして金髪男の性欲はとどまることを知らずに玉袋を直撃し袋の肉に滲み込んだ木村(マコ)の汚れ(あじ)をチュパチュパ美味そうに音を立ててムシャブリ続けられ十五分後、木村(マコ)は顔以外の全身の殆どを金髪男に味見され尽くした。



 やっと終わった……



 木村(マコ)が心の中で小さく思った瞬間、頭の上で縛られ机の足に固定されたままで金髪男の手に依って木村(マコ)の身体は仰向けからうつ伏せにされると、腹の下に追い手ったコピー用紙の入ったダンボール箱を入れられ両脚を膝立てさせられた。

 あれよあれよの間の出来事で金髪男は手際よく木村(マコ)に挿入体位を整わせた。

 木村(マコ)はグッタリしていたが腹の下の箱を軸にして両脚をピンッと伸ばして抵抗したが金髪男は木村(マコ)が両脚を伸ばせないように膝立てさせた両足の間接の上辺りをロープで縛るとそのロープの先端を両手が固定されている机の足に結びつけた。

 するとどんなにモガイテも木村(マコ)の両脚は伸ばすことが出来なくなり、木村(マコ)は唇を噛んで田口から処女を奪われて以来二度目の挿入を待つしかなかった。

 そんな木村(マコ)のことなどお構いナシに金髪男は木村(マコ)の尻を両手でグイッと左右に開くと唾液の滴った舌を肛門に押し付けソレを上下に滑らせた。

 その舌の動きは嫌らしさの極めと言わんばかりに木村(マコ)を辱め涙を零させた。

 舌は上下にヌメりながら動くと時折、舌先がクルクルと円を描くように肛門の中心を無造作に回り、否応なく反応する木村(マコ)の全身の硬直を見た金髪男は、バシッっと木村(マコ)の尻を平手打ちし、ダラリとぶら下がった木村(マコ)のペニスをキュッと軽く握ると前後させて扱いた。

 後から肛門を舐められながらペニスを扱かれるという行為は木村(マコ)にとっては余れて初めての経験だったが木村(マコ)は女としての喜びに両脚の爪先を硬直させた。

 金髪男のテクニックは次第に木村(マコ)を蕩けさせ噛み付かれた痛みを忘れさせるほどで、我を忘れて立ち膝がグラつくと金髪男の平手打ちが尻に痛みを与えていることに気付いた。

 そしてゴソゴソと後ろの方でコンドームのパッケージを破る音がするとヌルヌルしたローションが硬いゴツゴツした肉棒に押されるように木村(マコ)の肛門を上下に滑った。



 観念しろ…… 優しくしてやっからよ! 息を吐いて穴から力を抜いて楽にしろ! その方が痛くない……



 金髪男は味見の時はうって変ったように木村(マコ)に優しい言葉を投げるとゴムの被った硬い肉棒を肛門の真ん中に軽く押し付けながら肛門の筋肉をヌルヌルしたローションで和らげた。

 木村(マコ)もまた金髪男が言うように観念して腹の力を抜いて肛門がひらくようにすると、金髪男の肉棒はゆっくりと肛門の穴を広げるように挿入してきた。

 

 少しばかり痛くても力むんじゃねえぞ! 何倍も痛くなるからよ……



 金髪男は木村(マコ)の尻肉を左右から優しく平手で撫でると木村(マコ)は首を仰け反らせてその触手に目を瞑って挿入されるのを待った。

 そして金髪男の硬い肉棒が肛門に入ってきた瞬間、木村(マコ)は顔を顰め肛門に無意識に力を入れると金髪男は尻肉をパシッと叩いて腹から力を抜けと声を強め木村(マコ)はその声に驚いて肛門から力を抜くと肉棒はヌプヌプと中に入ってきた。

 木村(マコ)は田口との時とは全く違う金髪男からのエスコートに、痛みをそれほど感じないまま便意だけを我慢するセックスに幾分負担を軽減させた。

 

 いいぞ~ その調子だ…… 力を抜いて、そうだそうだそれでいい……



 金髪男は肉棒を前後させる度に木村(マコ)に抱かれるコツを教え木村(マコ)もまたそれに従った。

 そして気付けばいつしか木村(マコ)のペニスはフニャフニャから硬い肉棒へ変化していて先っぽからヌルヌルした体液を滴らせ、金髪男の扱く手は木村(マコ)の先っぽから溢れた体液を手の平に帯びさせクチュクチュと恥かしい音を奏でていた。

 木村(マコ)はバックスタイルで金髪男に肉棒を挿入されながら自らの肉棒もシャッシュッと扱かれ続ける姿を専門雑誌に重ねて痴情に頬を紅く染めた。

 


【九話】



 
「おねがい…… もう一度…… もう一度してぇ………」

 無意識に出た一言に木村(マコ)は顔を真っ赤にして恥らった。

 両手脚からロープを解かれ箱の上にグッタリと体重をかける木村(マコ)は肛門に肉棒を入れたまま徐々にその硬さを失っていく金髪男に女としての哀れな胸のうちを晒した。

 自分の言葉に恥かしさで頭の中を真白にしながらも木村(マコ)は背中の上に肌を寄り添う若い男に想いを告げた。

 金髪男はそんな木村(マコ)の両肩に手を添えると立てと即し自らも床に立ち上がると、普段木村が使っている大きな黒い椅子に木村(マコ)を座らせリクライニングさせ仰向けにするとコンドームを付け替えて、木村(マコ)の両脚を大きく開かせそして後転姿勢にさせ今度は正常位で木村(マコ)の中に硬くなった肉棒を挿れてきた。

 痩せ型で色白の金髪男の顔を見ていたが木村(マコ)は肛門に亀頭が入った瞬間、咄嗟に瞼を閉じて口を大きく開いて息を吐いた。

 金髪男の肉棒がヌプヌプと中に入ってきて木村(マコ)の大腸の中の便を掻き分けて奥へ突き進むと、今度はゆっくり中から出て行きその空間に便が戻っていくような感覚を木村(マコ)は感じた。

 そしてそのスピードが徐々に増すと椅子はギシギシと軋んで音を出し木村(マコ)の乳房はプルプルと揺れそこへポタポタと金髪男の汗が乳房を濡らし、時折大きな唸り声を喉から漏れさせ処女に近い状態の木村(マコ)の穴の締り具合に何度も顔を顰め、年の割りに愛らしい表情を見せ耐える木村(マコ)を見て金髪男は肉棒とコンドームの間の隙間にカウパー支線液を溢れさせた。

 腰を前後させて数分が経過すると金髪男は木村(マコ)の股間で無造作に揺れるフニャチンをヒョイっと右手で掴むとそのまま扱き始め、木村(マコ)は握られた感覚に薄目を開けたが直ぐに瞼を閉じ、フニャチンの先から流れ落ちる愛液を金髪男の手に絡めた。

 フニャチンを扱く金髪男の手は見る見る間にヌルヌルした液体に右手をテカらせクチュクチュと嫌らしい音を二人に聞かせた。

 パンパンパンパンと言う音とギシギシギシギシと言う音に重なるクチュクチュクチュの半濁音が木村(マコ)を包むとフニャチンは徐々に大きく硬くなって木村(マコ)の肉棒の先を紫色に変色させた。

 木村(マコ)を打ち付けるパンパンと言う音が激しさを増すと金髪男の木村(マコ)の肉棒を扱く手もその速度を上げ二人の息は次第に荒いものに変化していった。

 そして五分後、金髪男の額から大粒の汗がボタボタと乳房に落ちると突然、金髪男の腰は小刻みに激しさを増し肉棒を扱く手も速度を増大させた。



 イクッ! イクぞ! お前はどうだ!! まだか!!

 
 
 金髪男は苦しそうに腰を小刻みに振りながら全身の揺れる木村(マコ)に声を強張らせると、木村(マコ)は無言のまま首を大きく振って合図を送った。

 そしてその合図から一分ほどすると金髪男の腰は木村(マコ)に打ち付けたままピタリと止まってグイグイと押し付けると、続けて木村(マコ)の肉棒からもビユウゥッっと白い液体が木村(マコ)自身の顔に飛び散った。

 ピチャピチャと白い液体は木村(マコ)自身の顔に当たって鼻の上辺りと口元を張り付いてドゥルドゥルと首に滑り落ち、それを見た金髪男は突然身体を木村(マコ)に押し付け、木村(マコ)の発射した精液を貪るように舐め啜って飲み込んだ。

 金髪男は殆どの精液を舐め取って飲干すとグッタリと木村(マコ)の身体に自らを重ね木村(マコ)の頭を優しく撫でると額にキスをして木村(マコ)から離れた。

 
 
 俺の名は兵頭 純だ…… 抱かれたくなったらメールしろ、気が向けば抱きにきてやる……



 金髪男はそういうと椅子の上でリクライニングする木村(マコ)を両手で抱き起こし、再び木村(マコ)の頬にキスをすると木村(マコ)を前に床に立ち上がって身支度を整えるとメアドの書かれたメモを木村(マコ)に渡して立ち去ろうとした。

 すると木村(マコ)は突然立ち上がって全裸のまま兵頭に後から抱き付いて背中に頬を寄せ兵頭は立ち尽くした。

 

 おいおい♪ 勘弁してくれないか♪ 三度目は無理だ、あっはははは♪



 兵頭は後ろから抱きついた木村(マコ)に微笑むと木村(マコ)は兵頭の真横で顔を突き出して瞼を閉じ、兵頭は帰すを求める木村(マコ)をギュッと抱き寄せ濃厚なディープキスをした。

 木村(マコ)は生まれて初めての男性からのディープキスに全身を強張らせ震えさせた。

 そして兵頭は、また来ると言い残して木村(マコ)の前から立ち去った。

 木村(マコ)は無意識にキスを求めた自分に驚いてその場に崩れた。

 どうしてあんなことをしたんだろうと、床に蹲って身体を震わせ自問自答したが頭の中はパニックになって何も考え付かなかった。

 木村(マコ)は兵頭がくれたメモを両手で乳房の谷間に押し付けた。

 

 時計は午前八時半、風呂から出た木村(マコ)は手に取ったパンティーを見て、急に女になることが怖くなって男装して社長室の椅子に腰掛けていた。

 木村(マコ)は考えていた。

 何で強姦魔に心を引かれたのか、そして何でキスを求めたのか。

 木村は兵頭のことで頭が一杯だった。

 

 その頃、とある場所の一室では、カーテンを閉め切った部屋の中で田口と話す兵頭がいた。

 田口は心痛な面持ちで兵頭に財布から取り出した数万円の現金を渡し兵頭は当たり前のようにそれを受け取った。



 『田口』
 お前だけでも約束を守ってくれて良かったよ…… まあ、胸が出来てたのは俺も驚いたがダラシナイのはアイツらだ…… お前だけでも逃げないでよくやってくれたよ♪

 『兵頭』
 おいおい、礼を言うのはまだ早いぜ。 ゼニは貰ったが約束のモノをまだ貰っちゃいねえぜ……

 『田口』
 解かってる、そう急かすな。

 『兵頭』
 まあ、俺にしてみりゃ処女の性障害者(おんな)を抱けた上にゼニまで貰って、お前の処女まで貰えるんだから文句は何もないが、お前の酔狂にも困ったもんだな♪ 自分の処女まで俺に捧げてまであの性障害者(おんな)に女の喜びを教えてやれってんだから恐れ入る♪ 起ち専門のお前がネコになってくれるなんて俺にしちゃ夢みたいだせ♪ さてと約束どおり女物の下着はつけてあるんだろうな~? 恥かしがってんいで早く脱げよ。 可愛がってやる♪ 

 『田口』 
 ……………

  

 田口は椅子から立ち上がるとトレーナーをバサッと脱ぎ捨てズボンを脱ぐと顔を真っ赤にして兵頭をチラッと見て再び俯くと、キャミソールに覆われた上半身を左手で隠しその下に履いているグレーのパンティーストッキングの下に履いているピンクのパンティーを右手で隠した。

 

 『兵頭』
 堪らなねえ…… お前なら似合うと思ってたが、ソレもコレもあの木村(マコ)とかいう性障害者(おんな)のお陰だな~♪ あの女がお前の身体を変えてくれなかったら、お前も降りの申し出を受け入れなかったはずだ~♪ 
 
 『田口』
 あの娘(こ)は性障害者(おんな)じゃない…… なんで乳房があったのんは疑問だがあの娘はただの女装子だ。

 『兵頭』
 どうでもいい! 早いとこ味見させろや~♪

 『兵頭』
 途中で逃げられちゃ適わねえから縛らせてもらうぜ!


 
 兵頭はベッドに仰向けになった田口の両手を後手に縛り上げると再び田口をベッドに押し倒し、自らもトランクス一枚になると目を血走らせて田口の身体の上に自身を重ねた。

 
 
 『兵頭』
 俺はお前とは違って紳士だからな~ ちゃんと優しく可愛がってやるから安心しな♪
 
 
 兵頭は恐々と目を瞑る田口に言い聞かせると田口の左脚を膝立ちさせてパンティーストッキングの上から太ももを触り始め、田口は太ももを嫌らしい手付きで触られることに凄まじいオゾマシさを感じていた。

 田口は兵頭の触手に全身を小刻みに振るえさせ兵頭は子羊のように震える田口の肩からキャミソールの肩紐を外すと喉をゴクリと鳴らしてピンク色した男の乳首に吸いついた。

 ピチャピチャレロレロと動く兵頭の舌に田口の小さな乳首はピンと勃起しトランクスに包まれた兵頭のペニスは直ぐに勃起してペニスを肉棒化させた。

 
 
 『兵頭』
 いい味だぜ♪ 夢にまで見た田口(おまえ)の乳首だ…♪ タップリと俺の想いを受けて貰うからな~♪

 
 田口は鳴き声など上げるものかと歯を食いしばって兵頭からの愛撫に耐え、俺は男だ俺は男だと何度も自分に言い聞かせ続けたが、そんなことはお見通しの兵頭は両手を広げて、田口の下半身を包んでいるグレーのパンティーストッキングの上から優しく軽やかに撫で始めた。

 直の触手と違うパンティーストッキング一枚隔てた触手は女を癒す効果を存分にもたらし田口はいつしか兵頭の策に溺れるように身悶えし始めた。

 両手でフワリフワリと舞う様に兵頭の手付きは、くすぐったいようで心地良い味見される側だからこそ解かる初歩的なテクニックだったが、田口は身悶えし徐々に喘ぎ声をも口から吐き出しそうになった。

 フワリフワリした手付きで時折、予期せぬ場所(ひざうら)に一本の指が滑り回り、そして予期せぬ場所(へそ)辺りに一本の指が踊りだした。

 普段自分が相手に使っている初歩的なテクニックでさえ味見された経験の無い田口には新鮮な物だった。

 田口は兵頭からの触手にピンク色のパンティーをグッショリと内側から濡らしそのシミはグレーのパンティーストッキング越しにもハッキリと見えるほどだった。

 

 感じてるな~ 俺がお前に女物(したぎ)を着けさせたのは辱める目的と辱められる官能に浸ってもらうためだ…… タップリ官能して自分を曝け出して貰おうか~♪ これでお前は俺から離れられなくなる………



 兵頭は心の中で感じている田口をみながら笑みを浮かべた。

 田口はそれが兵頭の策だと承知しながらも味わったことのない重圧な官能に溺れずにはすられず自らが愛液を溢れさせていることすら気付かなかった。

 そして兵頭は持って来たパンティーストッキングの切れ端を田口の乳首の上にフワリと被せるとその上から勃起したままの田口の乳首に右指を滑らせ同時に左太ももを滑りまわった。

 すると田口は予期せぬ乳首のキリキリした快感(しげき)に首を左右に激しく振り両脚をピィーンと伸ばして全身を硬直させ縛られた手でベットシーツを掻き毟った。

 兵頭はそれを見てニヤリと嬉しそうに口元を緩めると乳首と太ももの二点攻めに加えて腹を舐める三点攻めに打って出た。



 アウウウーッ! アンッ!!



 突然部屋の中に田口のヨガリ声が響きパンティーの中でペニスがグイッと勃起してパンティーストッキングを持ち上げた!

 田口は首を左右に振り腰を仰け反らせて喘ぎ声をあげ両脚の爪先をギュッと閉じたまま全身を痺れさせ空かさず兵頭は田口からパンティーストッキングとパンティーを肉棒が見える位置まで一度に引き降ろし愛液に塗れた肉棒にムシャブリついた。

 仰け反ったまま全身をヒクヒクと痙攣させベットシーツに引き裂かんばかりの力を加えた田口は両目を見開いたまま瞬きを停止し喘ぎ声を喉に詰まらせた。

 兵頭はそんな田口に肉棒を貪りながら両手で太ももを触手し続け田口は太ももから来る重圧的な官能と肉棒からくるキビキビした快感(しげき)に頭の中を真白にし燃え盛る火の海を一人彷徨った。

 そんな田口の身体を兵頭は性欲のおもむくままに何度も体位を変えては鼻息を荒くして味わい堪能し続け我慢の限界に達した時、田口は正常位で処女を失った。



 痛えええぇぇぇーー!!!



 天国から地獄に突き落とされた田口は処女を喪失する女の痛みを生まれて初めて知らせれた。




【十話】



「お前、似合うじゃねえか♪ おいおいマジか!」

 兵頭に処女を捧げた田口は晒し者のように仲間たちに兵頭のパートナーとして改めて女装姿で紹介され、兵頭の呼びかけに集まった同性愛者たちは口々に化粧をさせられ床に立ち尽くす田口を見て嫌らしい笑みを浮かべ黒いパンティーストッキングに包まれた田口の両脚を舐めるよう見上げると、マイクロショートパンツに包まれた尻を見てゴクリと喉を鳴らした。

 ショートヘアーのカツラをかぶり半袖シャツを着せられた田口は俯いて周囲から見られる恥辱に耐えながら唇を震わせた。


 
 そして何も知らない木村(マコ)は兵頭に「会いたい」とメールするようになり、兵頭はそれを田口に突きつけた。

 木村(マコ)を愛してやまない田口は出来ることなら自分で抱いてやりたいと思いながらも亀頭しかなくなった自分の身体を振り返り、仕方なく「可愛がってやって欲しい」と、兵頭に頭を下げた。

 兵頭はかねてから思いを寄せていた田口に「俺のパートナー」になるなら木村(マコ)をこれからも抱いてやってもいいと田口に迫った。

 田口に選択の余地はなかった。

 

 一年間、俺のパートナーになれ! そしたらその間は木村(かのじょ)を抱いてやる……



 田口はムシズが走るほど嫌いだった兵頭の申し出を受けることで、木村(マコ)への愛の証にしようとパートナーになることを承諾したが、兵頭は予てから田口に女装をさせたがっていたことを田口本人は知っていた。

 そして囲むように床に胡坐する八人の同性愛者たちは太ももを右手で隠し左手で尻を隠す田口を見てニヤニヤしては兵藤をチラチラ見た。

 兵頭は得意げに田口が自分のモノになったのをアピールするかのように田口の横に立ち、恥かしさに隠す田口の右手を避けさせスリスリと太ももを触手して見せると、八人の同性愛者たちは兵頭のアピールに激を飛ばした。

 すると一人の同性愛者が田口の前に膝立ちし両太ももの間に首を伸ばしニヤリと笑って立っている田口を下から見上げた。



 これが噂の男女(おとこおんな)になっちまったって代物かい♪ 是非一目拝ませて欲しいもんだ♪ あっひゃひゃひゃひゃ♪



 田口はその言葉にギクリと身を震わせ兵頭を一瞬チラリと見そうになって直ぐに俯いた。

 すると兵頭は笑い口調で仲間達に声を響かせた。



 見るだけなら見てもいいぜー♪ 見るだけならなあぁ!!



 兵頭の言葉に田口を囲む男達は喉をゴクリと鳴らして個々に顔を見合わせると一斉に田口に飛び掛った。

 田口は慌てて身を守ろうと構えたが八人の男達に敵うはずもなく暴れながら床に張り付けのように押さえつけられてしまった。

 そしてリーダー格の男が田口の両脚を挟んで膝立ちすると両手で田口からショーパンを脱がせ、田口を押さえつける男達は目を血走らせて一点を見詰めた。


 『田口』
 寄せ! やめろおおぉー! 寄せえぇー! 放せえぇー! 放せえぇー!!


 田口は首を左右に振って身体を上下に弾ませて抵抗したが八人の男達に押さえつけられた田口は顔を真っ赤に息を切らせるだけに終った。

 そしてリーダの男の両手が黒いパンティーストッキングをニヤニヤしながらゆっくり降ろすと玉でコンモリと盛り上がった白いパンティーが周囲に晒された。

 八人の男達は声を立てずに息を飲んでその行方を見守っていたがそれでも田口は逃げようと必死にモガイテいるとも突然白いパンティーは八人の男達の目の前に晒された。


 
 畜生! 畜生!! ちきしょおううぅぅぅーーーー!!



 静まり返った室内に田口の悔しげな叫びだけが響き渡った。

 男達の視線は陰毛の中で亀頭部分だけが露出するモノを見た瞬間、首を伸ばしてその恥かしい姿を無言で見入り、田口からパンティーを剥ぎとった男は両目をギョロッと見開いて目の前のモノに釘付けになった。

 田口は瞼を閉じて悔しさに唇を噛み締めて大粒の涙を流し身体を震わせていた。

 陰毛に隠れるように肌に直接くっついた亀頭は田口を押さえつける男達の背筋を凍らせた。

 すると田口からパンティーを剥ぎ取った男はポツリと呟いた。



 コレ勃起したらどうなるんだ…?



 田口の亀頭を見入っていた男はヒョイと首を横上に捻り兵頭を見据えると、兵頭は親指を上に立ててニヤリと笑うと、男もニヤリと笑い返して田口の亀頭を口に入れてコロコロと転がししゃぶった。

 突然の亀頭からの刺激に田口は狂ったように泣き叫び抵抗を試みたがガッシリと押さえつけられた田口は微動だにすることなく、男の口の中で舐められる亀頭は大きく硬くなって行った。

 そして男がようやく亀頭から離れると紫色に充血し亀頭だけが勃起したように大きくなっている様を男達に凝視され田口は荒れ狂った獣のように暴れた。

 死ぬほど恥かしい部分を見られた田口は泣き叫んだがレイプ慣れている男達は動じることはなく兵頭の了承の下、田口は八人の男達に次々にレイプされ悲しみに暮れた。

 
 
 その頃、兵頭からの返信メールを今か今かと待ち侘びている木村(マコ)は、デスクワークに励む二人の女性を前に机の内側で足組した膝を包む黒いガーターストッキングの上から何度も指をスリスリさせていた。

 ソワソワする木村(マコ)の異変に気付かないはずはない二人の女性だったが互いのプライバシーには立ち入らない暗黙の了承のもと二人は気付かないフリして木村(マコ)を見守っていた。

 そんなこととは知らない木村(マコ)は何度も脚を組み替えては携帯をパチパチと閉じたり開いたり口紅を直したりと時間を潰していた。

 
 
 宅配便でーーす♪



 玄関に威勢のいい元気な声が奥に届くと玄関に近い咲子はニコッと笑み浮かべて二人を見ると玄関へと急いだ。

 そして荷物を受け取って室内に戻ると新しい制服(スーツ)が来たことを目の前の木村(マコ)に伝えたが木村(マコ)は上の空で、喜ぶ早苗の声する耳に入っていない様子だった。

 そんな時、玄関に入って来た男の声に木村(マコ)は一瞬眉毛をビクリとさせた。


 誰だろう…? 制服を机に置いた早苗は椅子から立ち上がって玄関へと移動すると見覚えのない髪を金色に染めた長身の男をカウンター越しに見詰めた。


 『兵頭』
 初めまして♪ 木村社長は居られますでしょうか? 先日、お電話で御案内しました兵頭と申しますが社長にお取次ぎ願えますか?

 『早苗』
 少々お待ち頂けますか?


 早苗は何の説明だろうと首を傾げながら壁に貼ってある出入業者一覧表を見ながら木村(マコ)のもとへと近付くと、木村(マコ)は突然晴れやかな表情を見せ二階へ上げて頂戴と立ち上がりそのまま二階社長室へと移動し、咲子が追いかけて着替えなくていいのかと聞くと木村(マコ)は無言で一度頷いて、お茶は要らないからと階段を上がっていってしまった。

 咲子は首を傾げながら早苗にその旨伝えると早苗は兵頭を迎え入れ二階へと案内し、階段を上る早苗のスカートの中を兵頭は顔の表情一つ変えないでチラチラと覗き込んでいたことに早苗は気付いていなかった。

 
 『社長、お連れしました…』
 早苗はドアをノックし中へ入ってお辞儀した後、社長室を後にしたが木村(マコ)は女のままの姿だったことに早苗は仰天し慌てて咲子へ伝えようと下へ向かった。

 

 会いたかったか…?


 木村(マコ)の前に立った兵頭が両手を軽く開くと木村(マコ)は兵頭の胸の中に抱き付いて頬ほ寄せた。

 そんな木村(マコ)を抱き締めて顔を上げて目を瞑る木村(マコ)に兵頭は口付けして舌をその中に入れ舌と舌を絡み付けグチュグチュと半濁音が部屋の中に響いた。

 そしてスルスルと木村(マコ)の衣服の上を滑る兵頭の左手はやがてスカートを撒くりあげガーターストッキングに包まれた太ももを触手すると、木村(マコ)は閉じた瞼の下を忙しく揺らして小さな喘ぎ声を立てた。

 その兵頭の手はストッキングから外れ上がると木村(マコ)の素肌に五本の指を立て掠るように優しく滑り回りやがて陰部を覆うスキャンティーの上からグニュグニュした恥かしい部分を撫で回した。

 木村(マコ)は兵頭の触手にウットリして膝をガクガクさせて乳房の上に感じる兵頭の肩に両手を添えた。

 やがて兵頭は床に立ち膝をするとスカートを両手で捲くり上げ左太ももを両手で挟みこみながらストッキングの上から頬でスリスリした。

 
 いい匂いだ…… ステキだよ♪


 兵頭は木村(マコ)の陰部の匂いをスキャンティーの上から思い切り嗅ぐと小声を発した後、木村(マコ)の太ももに口付けしてから舌を滑らせた。

 木村(マコ)は切なげな表情を浮かべ身体をビク付かせて兵頭の頭に両手を重ねて置くと、兵頭は木村(マコ)のスキャカティーの紐を口で解いて床に落とした。

 そしてブラりと垂れ下がった体温を帯びた肉塊に吸い付くように口中に吸い込むと、上下の歯で軽く噛んで皮を押し下げ捲りながら塩気の強いペニスに舌を絡ませ唇でフタをして貪り始め、ガクンッガクンッと両膝を伸縮させ腰を後に引きながら我慢していた喘ぎ声を一気に吐き出した。



 ああんっ! もう! だめぇ! 立ってられない!



 木村(マコ)は膝をガクガクさせながら状態を少しずつ床へ下げていくと、兵頭はスカートの上から木村(マコ)の尻をバシッと叩いてそれをやめさせ再びペニスを貪った。

 崩れそうになる度に木村(マコ)の尻は競馬のように鞭(て)で兵頭に叩かれ続け、木村(マコ)の肉棒は尻を叩かれる度にゴリゴリと兵頭の口の中で揺れ動き兵頭の場慣れした両手は木村(マコ)のブラウスのボタンをプチプチと外し、刺激で木村(マコ)が腰を屈めた瞬間、両肩からブラウスをそしてブラとスリップの肩紐をひき降ろした。

 プルーンっと木村(マコ)の乳房が露になると兵頭は手探りでその両手を木村(マコ)の乳房に這わせ、木村(マコ)は腰を引いたまま肉棒と乳房を兵頭に占拠された。

 そして兵頭の両手は木村(マコ)の両乳首を手の平で回しながらスカートの裾を額の上に置いて所狭しと首を前後に振って木村(マコ)の肉棒を刺激し続けた。

 中腰のまま乳首を弄られ肉棒を貪られる木村(マコ)は何度も崩れそうになりながらも全身の刺激から離れられず、もうダメっとふらついた瞬間、兵頭は木村(マコ)から離れその背後に回ると空かさず木村(マコ)の上半身を大きな机に平伏させ履いていたスカートを脱がせた。

 ガーター紐に吊るされたガーターストッキングに包まれた両脚がプルンとその揺れを兵頭に伝えると、兵頭は背後に膝立てしてガターストッキングのレース部分に鼻と唇を押し付け滲み込んだ匂いを堪能しながら木村(マコ)に少しだけ両脚を開かせると、プルプルと揺れる木村(マコ)の白い尻肉に口付けしてクイッと尻肉を両手で左右に開かせた。



 ニュルッ… ニュチャニュチャ…… レロレロレロ……



 木村(マコ)の開かれた尻の真ん中に兵頭に押し付けられた舌先が上下に滑りウゴメクと木村(マコ)は上半身を机に這い蹲って首を後に仰け反らせた。

 激しい快感が木村(マコ)の脳裏を背骨の中を通り直撃すると、木村(マコ)の全身の筋肉は瞬時にして硬直し鋼(はがね)のようになったが、兵頭が舌先を滑らせながらもパシンッと右手で木村(マコ)の右尻を平手打ちすると直ぐにそれは解されるに柔らかな肉肌に戻った。

 木村(マコ)はその激しく重圧的な肛門への刺激に机に頬を置いたまま口からヨダレを流して深い官能に浸っていた。

 そして背後では木村(マコ)の肛門を舐め回す兵頭は片手でコンドームを自らの肉棒に被せ木村(マコ)の中に入るべく準備をしていたが、既に木村(マコ)の肉棒の下の床にはオビタダシイ量の透明な液体が落ちていた。

 兵頭はその液体の量に驚きつつも木村(マコ)のスリップを腰まで巻くりあげローションを塗り付けた肉棒を肛門にヌリュヌリュと押し付け滑らせた。

 木村(マコ)は肛門に当たる硬い肉棒の感触に自ら肛門の力を抜いて兵頭を受け入れるべく準備をすると、兵頭は硬く聳えた肉棒を右手に持ち、木村(マコ)の左腰を左手で支えると一気に亀頭部分を肛門の中へと推し進めた。

 

 その頃、一階では二人の女たちは淡々と日常の業務をこなしていた。



【十一話】




 社長、お呼びしましたがお返事が無いもので…… 


 キヤァー!


 得意先から現場の図面変更を急に伝えられた咲子は社長室のドアを数回ノックしたが応答なくやむ得ず社長室のドアを開いてしまった。

 そこには大きな机に上半身を投げ出し尻を突き出す木村(マコ)と、下半身裸で両手で木村(マコ)の腰を支えながら自らの腰を前後させる金髪頭の兵頭がいた。

 打ち付けられる度に木村(マコ)のガーターストッキングに包まれた左脚がプルプルと揺れ同時に兵頭の尻肉もプルプルと大きく揺れていた。

 咲子は顔を手で覆い指の隙間から両目を大きく見開いて後退りしようと腰を引いた瞬間、咲子に信じられない言葉が放たれた。



 お姉ちゃん! 逃げなくてもいいぜ♪ 木村(コイツ)も見られたがってるからコッチへ来て木村(コイツ)の恥かしい姿を見てやってくれや~♪



 咲子は目の前の信じられない出来事とその言葉に石地蔵のように固まって動けずにいると木村(マコ)は突然、喘ぎ声を連発し投げ出していた両手で机にキリキリと爪を立てた。

 パンパンパンと腰振る兵頭はニヤニヤしながら身悶えして喘ぐ木村(マコ)を見てチラチラと地蔵になった咲子を見た。

 その瞬間、木村(マコ)から信じられない言葉が咲子に放たれた。



 来てぇ~ ここに来て私を見てえぇ~ お願いよぉ~ 私を見てえぇ~~~



 机に上半身を投げだしていた木村(マコ)の首は斜め後ろにいる咲子に向けられその目は恐ろしい程に官能に浸っているのを咲子は感じたが、咲子は固まっていた足をドアへと後退りさせた。
 
 そして社長室のドアは咲子によって閉められたが咲子は閉めたドアの前で腰が抜けたようにその場に崩れ、降りてこない咲子を心配した早苗に一階へと連れ戻された。

 咲子は早苗に信じられない光景を喉を詰まらせながら震える声で呟き聞かせ早苗もまた顔色を変えて言葉を失った。

 
 そしてその二階では、木村(マコ)の肉棒をシュッシュと扱き自らも腰を前後させる兵頭と扱かれる肉棒に狂おしい表情と肛門を前後する快感に歯をキリキリさせる木村(マコ)がいた。

 木村(マコ)は兵頭からの愛欲に腕立て伏せのような動きを何度も繰り返しては首を後に仰け反らせ歯をキリキリ鳴らし瞑った瞼の下で眼球を揺れ動かした。

 

 堪らねえ! 何て女だコイツ!! 肉棒(モノ)が吸い込まれやがる!!

 

 兵頭は半分開いた口を震わせて肛門の締め付けに背筋をゾクゾクさせ、木村(マコ)の肉棒を扱く手を愛液でデロデロにしていた。

 すると兵頭は耐え切れなくなって木村(マコ)を諭すように小声を放った。



 いいか木村(マコ)! あと一分で俺はイク! お前も一緒にイクんだぞ!!



 木村(マコ)はその声に、あぅあぅと数回首を振って上半身を両腕で持ち上げると兵頭は木村(マコ)の肉棒を扱く速度を上げ木村(マコ)の勃起した左乳首に左手を絡めた。

 そして一分後、兵頭の腰はパンパンパンパンと打ち付ける早さを増し全身を大きく震わせると木村(マコ)は震動を両手で一心に受け止めながら自らの右手の指で右乳首をコリコリと弄り回し部屋の中は肉肌が肉肌を打ち付ける音と木村(マコ)のヨガリ声と兵頭の荒い息遣いで溢れた。

 その部屋のドアの向こう側にドアに耳を付けて聞き入る咲子と早苗の二人がいて何れも恥かしさから頬を桜色に染めていた。

 そして部屋の中で木村(マコ)と兵頭がエクスタシーに達したのを感じた咲子と早苗は無言のままその場から一階へと立ち去った。

 木村(マコ)は兵頭の右手の平にヌルヌルした精液を撃ち放ち兵頭は木村(マコ)の中、コンドームに信じられない量の精液を射精して果てた。

 だが木村(マコ)の背中に身体を重ね休む兵頭は、俺が射精するなんて! と、射精した自分を疑い、女をイカせても自分はイカないと自負していた兵頭にとって木村(マコ)は女神のような存在になってしまった。

 そんな中で木村(マコ)もまた、一つの身体で男女二つのエクスタシーに達したことが信じられなかった。

 

『もう田口(アイツ)なんて要らない… 俺は木村(コイツ)がいい……』



 兵頭は木村(マコ)の背中に身体を重ねながら、精液を受け止めた手を傍にあった屑篭にブラりと下げヌルヌルした精液をポタポタと垂れ落とし肛門の中で縮んできた肉棒を木村(マコ)から引き抜こうとすると木村(マコ)は兵頭に、もう一度して欲しいと強請ったものの、出し切った感の強い兵頭は木村(マコ)から引き抜いてコンドームを処理すると、両手を膝の上に中腰で机から上半身を起こした木村(マコ)に今日はもう無理だと息を切らせて伝えたが、その言葉に木村(マコ)は恥かしいそうに頬を紅くして俯いて椅子に腰掛けた。

 

 悪いな…… 珍しくハッスルしたから体力残ってねえんだ、ハハ… ハハハ…… その代わりに……



 兵頭はお強請りする木村(マコ)を前に格好悪そうに床に膝立ちすると、椅子に座っている木村(マコ)のペニスに顔を近づけヒョイッとソレを口の中に吸い寄せクチャピチャと音を立ててシャブリ始めた。

 木村(マコ)はグッタリと背中を凭れてリクライニングすると、兵頭に両脚を広げさせられペニスから伝わる刺激に爪先を硬直させた。

 そんな木村(マコ)を満足させるため兵頭は口だけでペニスを銜え両手で黒いガーターストッキングに包まれた両太ももを手の平でスリスリと優しく撫で回したが兵頭は既にグロッキー状態だった。

 だが救いの神が突然現れた。

 睡魔と言う神は猛威を奮って木村(マコ)に襲いかかりペニスをシャブる兵頭は九死に一生を得た。

 
 
 「助かった………」



 兵頭は熟睡してしまった木村(マコ)から離れてその寝顔を見ながら本心からそう思うと、フラフラと立ち上がって着衣すると社長室を後にした。

 そしてボサボサ頭のまま一階に降りて来ると、木村(マコ)が眠ってしまったことを咲子と早苗に伝えフラフラと会社を出て行ってしまった。

 すると咲子と早苗は目の色変えて二階へ急ぎドアを開いた瞬間、部屋の中から男臭さがモワッと漂い机の手前には両脚開いてペニスをブラリと晒した黒いガーターストッキング姿の木村(マコ)がイビキをかいて寝ていた。

 咲子はソッと忍び寄り男臭さの元が屑篭にあると知ると部屋の外に運びし、早苗は木村(マコ)の前に立って表情をイラつかせながらもクローゼットから出したタオルでゴロンとしたペニスを隠してやった。

 
 

 お前とのパートナーの約束は解消してやるよ……



 携帯電話で兵頭は田口に物静かな口調で切り出した。

 どういうことだと言い放つ田口に兵頭は素直に木村(マコ)に惚れたと伝えると田口は驚きの声を上げた。

 どの道、木村(マコ)に女の喜びを教えるのは同じことだと釘を刺した上で兵頭は田口との疎遠を提案した。

 

 フザけるな! 木村(マコ)は俺の女だ! 横から奪う気か! 第一、俺はお前の所為でヤツらに回されたんだぞ!!


 
 田口は傍に入れば掴み掛からんばかりの勢いで兵頭を責めたが、兵頭はそんな田口に選ぶの彼女であってお前じゃないと突き放した。

 それでも田口は納得行かないと兵藤に喰ってかかると、兵頭は一言呟いた。



 お前には彼女を喜ばせることが出来ないだろ……… お前もこの際スタイルを変えて女にでもなれば楽なんじゃないのか………



 田口は兵頭にそれ以上は何も言えなくなって携帯電話を切るとソファーに叩きつけた。

 兵頭は大きな溜息をついてドッシリと床に座りテレビを点けようとすると携帯にメールの着信が入った。



「また会ってくれるかな……」



 兵頭は木村(マコ)からのメールに、俺だけの彼女になるなら何度でも会えると返信すると、携帯を床に置いて木村(マコ)からの返信を待った。

 五分、十分と時間が経過したが木村(マコ)からの返信はなく兵頭が半ば諦めかけた時、貴方も私だけの彼氏になってくれるならと返信が来たことで兵頭は拳を握ってガッツポーズをとって歓喜した。

 ただその頃、田口は当り場の無念さに一人部屋にいて存在感のないペニスを恨めしく思いながらヤツらにレイプされ回された記憶を蘇らせていた。

 



 

【十二話】



「アンタ、木村(マコ)の女(モノ)だろ…… いい女だ。 思わずスカートの中の匂い嗅ぎたくなるぜ♪」

 給湯室でポットから湯を注ぐ咲子の斜め後ろに立ち右耳の匂いを嗅ぐ兵頭に悪寒を走らせる咲子だった。

 咲子はそんな兵頭から逃げるように身体を交すが兵頭は執拗に咲子の耳の匂いを嗅ぐべく身体を密着させた。



 

 突然、我が物顔で会社にやってきた兵頭に咲子と早苗は呆然とした。 そして無断で入ってきた兵頭は二人を見渡すと社長の椅子にドンと腰掛再び二人を見渡して口を開いた。



 木村(マコ)の彼氏になった兵頭だ。 ヨロシクな。 咲子と早苗だよな。

 
 
 驚いた様子を見せる二人の胸元をジロジロ見る兵頭は足組して身体を左右に揺らしたところへ二階から降りて来た木村(マコ)がやってきた。
 
 二人はホッとして顔を見合わせたが社長の椅子に座る兵頭は動じることなく傍に立った木村(マコ)の尻をスカートの上からポンポンと軽く叩いて立ち上がった。 そして二人の見ている前で俯く木村(マコ)の肩を抱くと二階へと移動したが、木村(マコ)はその間に一度も口を開くことなく兵頭を叱ることもしなかったことで二人は苛立ちを覚え目を吊り上げた。

 そして暫くして喉が渇いたと言う咲子が給湯室に立つと二階から降りて来た兵頭は事務室にいる早苗に木村(マコ)にコーヒーを入れるからと無断で給湯室に入っていった。

 早苗は咲子が中にいることを知って素早く立ち上がって移動すると給湯室にいる咲子の後ろに立つ兵頭を見つけた。

 兵頭は咲子の右耳に鼻先を近付けクンクンと匂いを嗅いではニヤニヤして何かをボソボソと咲子に語っているのが解かった。



 ちょっと! 何してるのお! ここは職場なのよ!! 木村(しゃちょう)に用なら二階へ行ってちょうだい!!



 早苗は付き纏われて困っている咲子を救うべく声を張り上げると、咲子は入れた紅茶を手に早苗に目で合図して給湯室から出ようとした瞬間、突然早苗は小さな悲鳴を上げた。

 紅茶を手にしながら咲子が振り向くとスカートを抑える早苗が目を吊り上げて兵頭を睨みつけていた。

 早苗が兵頭にスカートを捲くられたことを知った咲子は早苗の手を引いて給湯室から事務室へと移ると、兵藤はニヤニヤして早苗の尻をチラリと見てかにコーヒーを入れ二階へと別の出口から移動した。



『早苗』
 アイツ、イラつくう!! 何あの態度! 副社長にでもなったつもりでいるのよ!

『咲子』
 さっきの木村(マコ)を見たでしょ。 兵頭(アイツ)にメロメロなのよ… 

『早苗』
 このままじゃあたし達まで兵頭(アイツ)に何されるかわからないわ! レイプなんか絶対に嫌!!

『咲子』
 何か考えないと…… そうだ! でも駄目だわ…… 木村(マコ)のことを知ってる人じゃないと……


 咲子は会社の人間を木村が普段やっている材料整理や点検の仕事に就かせようと考えた。 その名目で会社に臨時的にでも男性が一人居ればと思った。

 兵頭が来てから殆ど手付かずの倉庫の管理を従業員に任せようとしたが木村(マコ)の秘密を知っている人など世の中には自分達いがいに居なかったことで諦めかけていた。

 そんな時、咲子の頭に浮かんだのは「田口」の存在だった。 何とかならないかなと咲子は頭を捻っていた。



 その頃、二階の社長室ではマットレスの上で兵頭に後手に縛られ着衣のまま味見される木村(マコ)がいた。

 木村(マコ)は目を閉じて晒した乳房を揉まれながら乳首を吸われ太ももを撫で回され喘ぎ声を喉の奥に溜め続けた。



 お前、緊博プレイにはまったようだな♪ 頭の中でレイプされている卑猥な自分を想像してんだろう~♪



 兵頭は語りかけても返事も出来ないほどに官能に浸っている木村(マコ)をチラチラみながら乳首を舌で転がし膝立てさせて木村(マコ)の尻に手を滑らせ、木村(マコ)の下半身を包むライトブラウンのパンティーストッキングは悶える木村(マコ)に合わせて時折窓から入る陽の光に煌いた。

 肩まで開かれたブラウスの下、下着の肩紐を下まで引き降ろされての緊博プレイに木村(マコ)は我を忘れて辱めめを受ける女としてパンティーを濡らし続けていた。

 そんな木村(マコ)の左脚を五本の指でくすぐるように指を滑らせる兵頭は頭の中で自分に恥辱される咲子と早苗を想像していた。

 すると兵頭は木村(マコ)の下半身からパンストとパンティーを太ももまで降ろし、そのままの状態で木村(マコ)を犯してやろうと思った矢先、木村(マコ)は突然、兵頭に細く弱弱しい声を奏でた。



 お願い… 破って… 私をボロボロにしてぇ…… お願い……… メチャメチャにしてぇ……



 兵頭は突然の木村(マコ)からのリクエストに、えっ! と、驚きの表情を浮かべニヤリとマコの太ももをゆっくりと見回すと、両手を使って少しずつ木村(マコ)を包むパンティーストッキングをビリ、ビリと破り始めた。

 その瞬間、木村(マコ)は突然、首を左右に振って身体を小さく暴れさせ、破るのを邪魔するように伸ばしていた両脚をくの字に曲げ、逃げようとモガイて見せせた。 すると兵藤はその演技に笑みを浮かべて木村(マコ)の右足首を逃がす物かとグイッと掴んで引き止めた。

 木村(マコ)は恥辱されたがっていると思った兵頭はそれならばと、机の上にあった粘着テープで木村(マコ)の口を塞ぎアイマスクで目を覆った。

 


 ええ、はい。 こちらとしては倉庫係り兼のその他モロモロの雑務ということで考えているのですが…… 



 咲子は騒ぎを起こした田口を兵頭から我が身を守るためのボディーガードの役目をさせようと電話をしていたが田口と兵頭が知り間と言うことを知らなかった。

 だが、田口は思ってもない咲子からの提案に飛び跳ねんばかりの歓喜を押し殺して冷静を装いながら待遇について聞き入っていた。

 そして咲子の提案を受け入れることにした。



『これで木村(マコ)の傍にいられる……』



 田口は嬉しさを噛み締め、電話を置いた咲子は社長である木村に雑用係りを雇用することを提案しようと、引き止める早苗を振り切って二階の社長室へ向かった。

 咲子は社長室で何が始まっているか承知の上でドアをノックして入室すると、顔を上へ上げずに咲子に気付いた兵頭を通して木村に進言した。

 
 
 社長、お取り込み中でしょうが倉庫に資材や部材が山積みになってます。 つきましてはアルバイトを一人雇用したいのですが良ろしいでしょうか。



 咲子の言葉に恥辱プレイ中だった木村はアイマスクしたまま兵頭に粘着テープを剥がされると、不機嫌な口調で仰向けのまま「誰でもリストから適当なの選んで雇えばいいだろう! 雇用契約書はいつものトコにあるから使えばいい。」と、言い放つとそのままプイっと首を捻って黙り咲子は木村に「解かりました」とだけ答えるとお辞儀して部屋を後にした。

 そして二階から戻った咲子は慌てて田口に来社するように連絡すると事の詳細を早苗に話して聞かせ雇用契約書を準備させた。

 

 雇用契約書さえ作ってしまえば何とかなる………



 咲子と早苗は机の上に用意した社長の代表印の押された労働雇用契約書を前に田口を今か今かと待ち続けた。

 そして三十分が経過した頃、スーツ姿で来社した田口に咲子は玄関にあるカウンター越しに労働雇用契約書を見せ雇用期間に六ヶ月と明記した上で、待遇欄に会社都合で解雇する場合は三ヶ月分の基本給与を支払うと明記した部分を指差して田口に確認させた。

 田口はその契約書を見て信じられない高待遇に目を輝かせた。

 

 その頃、何も知らない木村は兵頭との愛欲に燃えに燃えていた。
 

 
 


【十三話】



「キヤァー! 何するの! ちょっ! 嫌ぁー!! 嫌だ放してえぇー!」

 机に向かう早苗の背後から伸びた二本の手は前屈みになって嫌がる早苗の胸元に入ろうとし早苗は両手で胸元を必死に押えていた。

 

 この日、社長である木村は施工主である顧客に呼ばれ急遽現場へ出向いていて八時四十五分に事務所に来た早苗を兵頭が待ちうけていた。

 普段なら同じ頃に来る咲子はまだ来ておらず早苗は待ち受けていた兵頭を気にしないようにしていたが兵頭は早苗を気にしていた。

 

『俺は知ってるんだぜ~♪ お前、木村(マコ)のパートナーでレズらしいな~♪ そのことをお前の家に行って両親に話して聞かせてもいいんだぜ~♪ お前の家の場所は木村(マコ)から聞いて知ってる。 お前がレズで木村(マコ)と深い仲だって話してもいいんだぜ♪ まあ、お前次第なんだが~♪』

 両手を襟元でクロスさせ背後からの両手を拒む早苗に耳元で呟く兵頭。

 早苗は兵頭の言葉に顔色を変え抵抗の言葉を失った。

 そんな早苗の襟元を守る両手から力が抜けると兵頭は無言で早苗の両手を一つずつ外した。

 襟元から外した早苗の両手を片方ずつ机の上に置く兵頭は鋭い視線を早苗の襟元に向けた。


 
『それでいい… 俺はお前と木村(マコ)の仲なんてどうでもいいんだ。』

 早苗は目に涙を溜めて背後から胸元に入ってきた嫌らしい兵頭の手に唇を噛んだ。

 兵頭の手は早苗の白いスリップの左肩紐を外すとそのままブラジャーの肩紐をも外した。



『美味そうなオッパイしてるじゃねえか~♪ 甘い匂いが漂ってきそうだ♪ 俺は男でも女装子でも純女でも選ばないんでな♪』

 首をガックリさせる早苗の左乳房をムニュッと掴んだ兵頭はそのまま数回揉むとその中央部にあるピンク色した乳首に指を絡めた。

 その瞬間、早苗は俯きながらハッとした表情を浮かべ顔を顰めた。 そして兵頭の指は早苗の乳首を親指と人差指で軽く抓むとムニュムニュと半転がしさせ続け早苗は涙をポタポタと机に落としながら下半身をモジモジさせた。

 
『堪らなねぇ♪ この柔らかさは純女じゃねえと有り得ねえな♪ ふっ♪ 嫌だ嫌だといいながら勃起して来やがった♪』

 兵頭は早苗の乳首が勃起したのを知ると顔を歪めて歓喜し早苗の腰辺りに視線を移した。

 早苗は勃起した乳首をコリコリと弄られ耐え切れずに下半身をモジモジさせ時折、喉の奥に息を溜め始めた。

 すると兵頭はもう一方の手で早苗のブラウスのボタンを腹まで開かせ右肩からもスリップとブラジャーの肩紐を外した。

 早苗は背後に立つ兵頭の前で両乳房をベロッと晒された。

 プリンプリンして張りのある早苗の両乳房が晒された時、兵頭は早苗の座る事務椅子をグイッと自分側に引くと驚いて顔を引き攣らせる早苗をチラッと見てから、早苗の正面に立って揺れる乳房を凝視した。

 そして白い肌に浮かぶ二つのピンク色の乳首を見た兵藤はゴクリと早苗の前で喉を鳴らすと、早苗の下半身を包むアーモンドブラウンのパンティーストッキングの膝にスーッと右手の指を滑らせた。

 その瞬間、早苗はドキッとした顔して両目を見開くと首を左に回しポタポタと大粒の涙で頬を濡らした。

 そんな早苗を前に兵頭は肩膝を床に付いてストッキングの上から早苗の膝辺りの匂いを嗅ぐとニンマリした顔を早苗に見せた。

 
『スカートの奥はいい匂いがしそうだな~ 堪らねぇ… 顔を入れて思い切り嗅いで見てぇ~ぜ♪』

 兵頭は涙を零す早苗をヨソに床に膝立ちするとプリンプリンした両乳房に顔を近づけて行くと、左右の乳首に鼻先を近付けて匂いを嗅いだ。

 すると突然、玄関の方で戸が開く音がした。



 おはようございまーーす!! 今日から御厄介になる田口です!!



 突然玄関から発した田口の声に兵頭はギョッとして床から立ち上がり早苗は慌てて胸を両手で覆い隠すと奥の部屋へと走り逃げた。

 そしてもう一人、田口の後ろから咲子が居るであろう早苗に声を発して入って来た。

 兵頭は咲子に続いて入室してきた田口を見るやギョッとした顔してその場に立ち尽くした。



 あれ! 早苗は? 貴方、マサかー! 早苗ー! 早苗ーー!!



 辺りを見回す咲子の目に兵頭が入った瞬間、咲子は大声を放って慌てて早苗を一階で探し回った。 すると早苗は奥の納戸で両手てせ顔を覆い号泣していた。

 咲子は早苗が兵頭にされたことを知ると目を吊り上げて激怒し廊下を事務室へと急がせた。

 その時、事務室に居た兵頭と中に入ってきた田口が鉢合わせになっていた。



 お前! 何でここに居るんだ!! 



 兵頭のこの言葉に田口は一瞬怯んだが直ぐに、お前こそ何でここに居るんだと聞き返した。

 ソコへ咲子が戻ると兵藤の背中に大声を張り上げた。

 その内容に田口の顔が見る見る間に変わって行くのに兵頭は若干の恐怖を覚えた。

 兵頭は悪びれた様子を見せず同意の上の行為だったと田口と咲子を見回したが、咲子は受話器を持って警察に電話すると兵頭を威嚇した。

 すると田口は兵頭の後ろにいる咲子に指差して「コイツは事件を起こして執行猶予中の身だ、今何か起こせば刑務所行きだ!」と、真実を暴露した。

 兵頭は顔色を見る見る間に変え、田口を睨みながら後退りするように田口を右に咲子を左に見れる位置に立つとそのまま裏口わ走り出し会社から逃げ出した。


 
 咲子は兵頭の素性を田口から聞いている間、早苗についた兵頭の汚れを落とすべくシャワーを使わせていた。

 そして落ち着きを取り戻した早苗が着替えて出て来た辺り、社長である木村が会社に戻って来たことで再び揉めることになった。

 木村は事務室にいる田口を見て仰天し頭から湯気を出して咲子を叱責したが咲子も負けてはいなかった。

 誰でも適当に雇用しろという木村の言葉を縦に話しを進める咲子に木村は顔を顰め怒り心頭で手を上げようとしたところへ早苗が掴みかかって、兵頭に脅迫されて何をされたかを大声で泣き叫んだ。

 木村は信じられないと三人を見回して後退りして二階の社長室へ移動した。



【十四話】




「木村(アナタ)が誰と何をしても自由だし私たちは何も言わないけどね、私たちに危害が及ぶのは避けて欲しいの! 何か起きたら貴方の家族にも全てが知られてしまうわ! 貴方が年中私たちの傍に居てくれるならいいけど無理でしょ! 田口(あのひと)は私たちを守るための人。 もしそれがダメなら私も早苗もここには居られないから! とにかく兵頭(かれ)がここに来るなら田口くんには来てもらうわ。 それと暫くは女にはならない方がいいと思う。 最近、仕事も手に付かないようだし……」


 咲子の言葉に木村(マコ)のガックリ肩を落として頷いた。

 そんな木村(マコ)を残したまま咲子が部屋を出て行くと、木村(マコ)は着替えようとした下着と衣類を投げるようにクローゼットに戻し机の上で頭を抱えた。


「田口くん! 社長からOKでたから早速、倉庫の方を宜しくね♪」



 咲子は不安になっていた田口に微笑みながら仕事を頼むと田口はガッツポーズを取って足取り軽やかに事務室を出て行き、早苗は咲子を見て「本当に大丈夫」かと、首を傾げて見詰めた。

 だが田口は釈然としなかった。

 何故雇われたはずの自分が来たのに木村は憮然とした表情をしたのか。

 そして何故、今更社長のOKを貰わなければならないのか。

 だがその日は兵頭は現れることも無かったが、木村(マコ)もまた田口と顔を会わせたくないのか社長室に篭ったままだった。

 そんな夕方のこと。

 

「よお! 田口じゃないかあー♪ 久々だなあ~♪」

 現場で田口の面倒を見ていた班長が現場から戻って倉庫で仕事していた田口を見つけた。


「あっ! お疲れさんです♪ お久し振りです♪」

 田口は久々に会う班長と世間話しに華を咲かせ仕事の手を休めた。

 
 すると班長が資材の入った箱の上に腰を下ろしタバコを吸い始めると田口にも一本勧め田口は喜んでタバコを吹かし始めた。


「お前、何処へ行ってたんだ? 他にいいバイトでも見つかったかと思ってたんだ♪」

 タバコを吸いながら田口に笑みを見せる班長。


「いやぁ、何か最近色々あって、でも期間契約なんすけどこの倉庫の管理って名目で新しく雇われたんすよ♪」

 笑みを見せながらタバコを吸い班長に話す田口。


「おお! 上手いことやりやがったなぁ~ ここなら気楽だし雨風も関係ねえからラッキーじゃねえか♪ わっはははは♪」

 足組してユラユラと揺らす班長。


「ところで、あれ? お前、いい靴下履いてるな~♪ サラリーマン見てえじゃねえか♪ 薄くて蒸れねえだろう♪」

 作業スボンの裾からはみ出ていた田口の足を見てチラチラ見て褒める班長。



 田口は班長の言葉と視線に内心ギクリと顔色を一瞬変えた。

 ソコへわいわいと入ってきた他の班長や職人、バイトの面々に立ち上がって挨拶して難を逃れた田口は今日からの新しい勤務を周囲に報告し皆から羨ましがられた。

 そして倉庫から出て事務室へ田口が行くと現場から帰った班長たちが社長の木村と打ち合わせをしていて、行き場の無い田口は我慢していたトイレに移動した。

 すると男子トイレが現場から戻った班長たちで満員で仕方なく田口は職員と来客用を兼ねたトイレに駆け込んだ。

 職員と来客用を兼ねたトイレはガランとしていて田口は班長たちに申し訳ない気持ちになりながらも、用足しをしようと男子用を見ると掃除し掛けだったことで思わず個室へ駆け込んだ。

 どちらが女子用でどちらが男子用かわからないまま駆け込んだのは女子用だったことに田口は気付かなかった。

 そして鍵をかけズボンを降ろして便座に座った瞬間、鍵をかけたはずのドアが突然、ガバッと開いた。



 キャァッ! 田、田口くん。 ご、ごめん! 



 開いたドアの前に居たのは用足しに来た咲子だった。

 田口は慌てて事情説明と謝罪をしながらズボンを上げたが咲子は驚いて口元を隠して横にズレた。

 

「す、すいません! とんだとこを見せてしまって……」

 田口はズボンを上げて咲子に頭を下げた。


「ちょ、田口くんは使っていいから♪ あと、男子用は隣りだからね。 あっ! ああ、それと! 田口くん見えてるか! チャック…」

 田口は咲子に指摘されて股間を見ると顔を真っ赤にしてアタフタとチャックを上げた。


「すいません。 また変なとこ見せてしまって……」

 田口は白いパンティーとその上に履いていた黒いパンティーストッキングを咲子に諸に見られた。

 
  
 パンティーとパンティーストッキングを咲子に見られたことで田口は相応のショックを受けたようだった。


 
「咲子さん実は俺……」

 田口は咲子に男子用では思うように用足し出来ない身体になっていることを告白し、咲子は驚きながらも今後は個室で用足しすることを勧めた。

 

 そして田口が用足しを終えて出たところへ木村が入って来た。

 木村は「何でお前がここに居るんだという怪訝な表情」を見せた瞬間、隣りのトイレから咲子が出て来た。

 田口は木村の顔を見るや否や逃げ出すようにトイレを出て行き、咲子は木村にことの事情を話してきかせると、怪訝な表情を見せていた木村は「アイツも哀れなヤツだな…」と、田口のトイレの使用に理解を示した。

 そして咲子が事務室へ戻ると早苗が帰り支度をして咲子を待ちその横のパイプ椅子に田口は居心地悪そうに座っていた。

 
「田口! そんなトコに座ってないで仕事が終ったら何を直したとか報告書上げて帰ればいいんだ。 いつまでもここに居る必要はない」

 木村は田口の顔を見ずに早苗に報告書を出させるとそのまま二階へと上がって行ってしまった。


「取敢えず明日の朝にでも書いてもらうわ♪ さあ! 終ったから帰るわよ~♪」

 咲子は早苗の顔を見てから田口を見て笑顔で帰宅を田口に即した。

 そんな田口は咲子に木村に侘びを言いたいと申し出たが、咲子は今でなくてもう少し後にしたほうがいいと田口に助言し三人で会社を後にした。


 
 そしてみんなが会社から帰り一人で二階の社長室に居た木村の携帯に兵頭から電話が入った。



 木村は咲子から聞かされた早苗に対する恥辱(ぼうりょく)を叱責し、暫く会社に来ないでくれと冷静な口調で話すと兵頭はガックリと肩を落としたように沈黙した。

 自分も会いたいけどと前打ち、取敢えず暫くの間だからと木村は兵頭をなだめるような物言いをしたことで、兵頭は水を得たカッパのごとく元気を取り戻した。

 だが木村は直ぐにでも会って兵頭に抱いて欲しかった。

 木村は電話切ったあとで兵頭に「私も会いたいのを我慢している」と、メールをすると携帯の電源を落とした。

 そして帰宅する前のいつもの会社での風呂をと移動して脱衣場に入った木村は震撼した。



 なにいぃー! 胸が! 胸が無い!! そんな馬鹿な!



 木村は顔を青ざめて元に戻っている胸を見て落胆した。

 ガックリうな垂れて鏡の左右に両手を伸ばし前屈みに倒れた自分を両手で支えながらクリニックの医師の説明を思い出していた。

 


 木村はその場に崩れ膝を抱いて泣いた。




【十五話】



 

 微かに残る乳房の面影に木村(マコ)は落胆しながら帰宅すると、木村の様子に異変を感じた妻は「何かあったな」と、案じながらも口に出すことはせずにいつもと変わらない態度をとった。

 食事をしていても木村から無意識に出る大きな溜息は一家団欒の一時に陰を落とし、愛娘でさえ木村の異変に心配の様子を浮かべた。

 この日、木村は食事も喉を通らずウイスキーを片手に書斎に篭ってしまい妻は木村を気遣い娘に近付かないように言い聞かせた。

 木村はと言えば書斎に篭りウイスキーグラスを片手に萎んでしまった乳房に別れを惜しむがごとく遠くを見ていた。

 それはまるで初恋に敗れた青年のようだった。

 
『一度使用したら次は半年経たなければ施術出来ませんからね……』

 木村の頭の中に消えては蘇るクリニック医師の声が何度もコダマし甘いはずのウイスキーがとてつもなく苦く感じた一時だった。



 甘いはずの酒にも見放された木村は静かに書斎を出て寝室へと向かった。

 そして寝室へ入るとそのまま奥の壁側を向いてベッドに潜り込むと程なくして妻が静かに入って来て服を脱ぎ始めた。

 いつもなら寝巻き姿だからそのままベッドに入るはずなのにこの日は木村が帰宅した時のままのワンピースを脱ぐ音だった。

 後のファスナーが開く音がしてスルスルと生地の滑る音がした。

 木村はフッと、身体を仰向けに首を妻が居る入口側な回すとワンピースを脱いで間もない妻の身体を覆っている水色のスリップとこれから脱ぐであろうライトブラウンのパンティーストッキングが部屋の小さな灯りに光沢を放っていた。

 何故かその姿にドキッとした木村は、いつのまにか熟している妻の身体にペニスの先をピクリとさせ、Cカップの胸に視線を合わせた。

 すると妻は腰を屈めて起位でパンティーストッキングを脱ごうとした瞬間、その姿に木村は布団の中でペニスが硬くなるのを覚えた。
 
 だが次の瞬間、木村は何かに憑かれたようにベッドから飛び起きると妻に抱き付いてパンストを脱ぐのを止めさせそのままベッドに引きずり込んだ。

 妻は何年ブリかの木村の男としての豹変に驚き、お風呂に入っていないことを必死に木村に語りかけたが木村の耳に聞こえている様子なく、木村は真横になっている妻の両手をワンピースり袖部分で縛り上げた。

 その瞬間、妻は自分を縛る木村の異様な行動に心地良い恐怖と新鮮さを覚えながらも何度も風呂に入っていないと語りかけたが、突然自分を仰向けにした木村を見ると黙って瞼を閉じた。

 木村は獣のように妻の肩紐を両手で外すと熟した両乳房を両手で掴み揉みしながら乳首を口に含んでパンティーストッキングに包まれた太ももを乳房から離した片手で撫でまわした。

 妻はスリスリとストッキング越しに撫でる木村の手の平に久々の官能を覚え全身の筋肉を硬直させ乳首を吸う木村の唇と舌に両脚の爪先をピンッと伸ばした。

 木村は夢中になってCカップの乳房を味わいながら忙しく妻の太ももに手を滑らせ。 妻は生まれて初めて緊博されての愛撫に胸の内側を熱くさせそれはパンティーにクッキリと形として現れていた。

 両手の自由を奪われて身悶えも禁じられた妻はしきりに首を仰け反らせ枕に後頭部をめり込ませた。

 そして乳首を吸われながら木村に両手で両脚を触手される喜びに浸りながらも隣室で眠る子供に気付かれてはと必死に喘ぎ声を喉に溜めて熱いタギリに絶えていたが、木村の両手が妻の下半身を包むパンティーストッキングをビリビリと破き始めた瞬間、妻は閉じていた両目を見開き込み上げる何かに激しく身悶えし耐えられんばかりの喘ぎ声を部屋の隅々にまで響かせた。
 
 妻は着衣しているモノを破り取られ肌を晒されるという経験したことのない戯れに我を忘れた。

 ピリッ、ビリッと聞こえたかと思うとビリビリビリっと続けざまに破く音が肌に通じその手が太ももから徐々に爪先に向かい裏も表も容赦なく破られそして再び太ももへ戻ると身体を横にされ尻と尻の横、再び仰向けにされ腹部へと木村の手は妻を辱め続けた。

 妻は恥辱という言葉を知らないまでもその意味を身体で感じ取っていた。

 そして木村の舌は破れたパンティーストッキングの裂け目から露出した妻の肌を味わい舐めながら吸い付くものの、妻は肌を舐める舌が時折ストッキングの上から肌を掠めることに直接肌を舐められるのとは別の快感をも覚えていた。

 久々というのもあったのだろうが妻の受けた官能の度合いは彼女の女としての人生の中で計り知れないものだった。 その証拠に妻の乳首はその勃起力を延々と持続させつつパンティーは絞れそうなほどの愛液に濡れていた。

 妻の身体は張りがあるだけの若い女とは違い豊満でムチムチしシットリとした柔肌が木村を夢中にさせ妻の身体を飾る水色のスリップはウエストに纏まるように溜まりその匂いを濃厚な甘い香りを放っていて、破れたパンスト越しに内モモを舐める木村を強烈に誘った。

 木村は我慢出来んとばかりに内モモを味わうのをやめスリップに滲み込んだ熟した女の香りに顔を埋めしばしウットリ感を楽しむと妻の下半身を包んでいたパンティストッキングを一気に引き剥がすと後手に縛っていた妻を自由にした。

 妻はグッタリして官能の中にドップリと身も心も浸っていたが木村はベッドの頭上の木目のヘッドをグルリ床に置かれていた電気コードで一巻きするとそれをギュッと結んだ。

 更に一旦は自由にした妻の両手をこんどは頭の上で妻から引き剥がした破れたパンティーストッキングで縛り上げると木目のヘッドを回した電気コードにキツく縛り上げた。

 妻は腹部に水色のスリップを溜め残したまま再び両手の自由を木村に奪われ風呂に入っていないという酸味を放つ脇の下を晒した。

 両脚を揃える妻の身体の上に両足を広げて身体を重ねた木村は迷うことなく酸味の利いた妻の脇の下へと舌を滑らせた。



 アアアアアアァーーーーーン!! 駄目えぇー! 汚れ、汚れてるのおぉー!



 妻の甲高いヨガリ声と汚れていると恥らう妻に木村は目を血走らせて夢中になって酸っぱい脇の下をムシャブリ始めた。

 そして木村の下にいる妻は全身を左に右に激しく揺れ動かし伸ばした二本の両脚をモジモジさせてクネクネと絡みつかせた木村を乗せたまま全身を仰け反らせ汚れている部分を味みされる恥かしさに頬を紅色に染めた。

 木村のザラつく男の舌は妻の汚れた酸味の利いた脇の下から女の汚れを削ぎ取り木村はそれを笑みを浮かべて飲干したが自らの身体と妻の身体に挟まれた肉棒からきオビタダシイ量のカウパー支線液が溢れ妻の身体を下半身へと滑り流れた。

 更にヌルヌルするカウパー支線液は妻の陰毛の中に浸透しながらそのヌメリを妻のグショグショに濡れたパンティーに繋がるように辿り着いた時、木村は妻からパンティーを剥ぎ取った。

 そして少し開いた妻の陰部、剥ぎ取られたパンティーの下に現れたのは陰毛に絡みついて薄灯りにキラキラと光を妻から溢れた愛液だった。

 木村はソレを見た瞬間、喉をゴクリと大きく鳴らし妻の両脚を開こうとした瞬間、妻は首を左右に振り両脚をジタバタさせて抵抗した。



 嫌ああぁぁーーーーん!!! ダメエェ! 汚れてるのおぉ! ソコは許してえぇ! お願い許してえぇー!!



 妻の甲高い声は脚を広げようとした木村を一瞬躊躇させたが妻の太ももをグイッと押し上げるように大きく開いた木村は妻の膝を肩で担いで両手の親指で妻の陰部を左右にムニュッと開いた。

 次の瞬間、近づけた木村の顔を激しい女の臭気が覆い突くした。

 その咽るような臭気こそ女が一日かけて汚れさせた恥かしい匂いだった。

 木村は顔を覆った妻の咽るようなその恥かしい匂いの元を薄暗い灯りの下で目を凝らすと山芋を摩り下ろしたようなモノが内肉にビッシリと張り付いていることが覗えた。

 そして内肉に張り付いた白いトロロ目掛けて舌先を伸ばすと、ピリピリと痺れるような濃度の高い甘臭い塩気に木村は歓喜した瞬間、木村の舌はトロロ芋にベトッと押し付けられ内肉から削ぎとって口の中に運ばれた。

 その瞬間、妻は女としての死ぬほど恥かしい瞬間に薄っすらと目に涙を浮かべたが敏感すぎる程に敏感な割目の内肉は妻の涙を頬に伝えさせるべく悶絶の刺激を妻に与えた。

 割目の内肉に押し付けられた木村の舌は妻の割目の内肉をピチャピチャと音を立ててトロロ芋を削ぎ取り、それを忙しく自らの口に運ぶ木村は満足げな表情で顔をニヤケさせた。

 妻は恥かしさのあまり泣き叫びたいはずなのに割目からビンッビンッとと脳裏をつんざく激しい快感(しげき)に困惑しながらも無意識に出る悶絶を止められなかった。

 木村はそんな妻に容赦なく舌を押し付けては残り少なくなった白いトロロを追い求め割目の内肉のペロリと伸ばした舌全体を押し付け、舌が動く度に妻は窒息するかのように経験したことの無い悶絶を喉の奥に溜め込んだ。

 妻の両脚の爪先は骨折せんばかりの力で閉じられ割目から舌が離れた瞬間だけパッと向日葵のように広がってそれを何度も何度も繰り返すと、割目を舐める木村の舌唇にオビタダシイ量の愛液が重なって口の中に滑り込んだ。

 木村は口の中に滑り込んできたオビタダシイ量の愛液を舌で掬い上げるとソレを再び割目の内肉に塗りつけ微かに残る小便の臭気に混ぜて舐めとっては飲み込み、鼻先にはビンッと硬くコリコリ感を伝える妻のクリトリスは魚の干物のような匂いを木村に伝え木村の視線はヨリ目になってクリトリスを直視していた。

 そしてムッチリとした妻の内モモで顔を挟み込みたい衝動に駆られた木村は味のなくなった割目から両手を指を離し、再び太ももを外側から抱きかかえると自らの顔をムチムチした内モモで挟み込み舌だけを割目に押し付けて上下に忙しく動かした。

 悶絶……

 妻は声も身悶えも失って悶絶の中に身を置き真白な霧のなかを彷徨っていた。

 感じすぎるほど感じると女は失神の狭間を彷徨うと言う。

 そして我慢も限界に近付いたであろう木村はカウパー支線液の滴る肉棒を握ると妻に挿入し、妻は悶絶のまま逞しい木村の肉棒に酔いしれた。

 妻は様々な意味で女としての喜びを様々な形で経験したが、妻の中に射精した木村はそれだけでは満足せずに既にエクスシーに達して失神した妻の身体を貪り続け、失神している最中に木村の手によって様々な体位をさせられ木村に恥辱され続けた。



 そして翌日、熟睡する妻をそのままに木村はソッと家を抜け出して会社へと向かった。



【十六話】



 一夜明けて朝になったと言うのに妻の身体は熱く火照ったままだった。

 そして気付けば主である木村の姿のない事に唖然とし慌ててベッドを飛び起きた妻は時計を見て再びベッドに横になると、罪悪感に駆られながらもボーッとする意識の中で乳房を左手で揉み回し布団の中で起てた両脚の間に右手を忍ばせた。

 右手を忍ばせて直ぐにクチュクチュと恥かしい半濁音の音を布団の中に漂わせ閉じられた妻の両瞼の下で眼球が震え、妻の乳首はコリコリと勃起した乳首を抓んで弄った瞬間、妻の顔に緊張感が走った。

 そしてヌプリと微かな音を立てて体内に入った右手の指は付け根まで吸い込まれ指の付け根にヌルヌルした愛液を付着させながら動き続けた。



 そんな妻の脳裏にあるのは木村にされた後手への緊博と下半身を包むパンティーストッキングが破られた時のことだった。

 

 男性がパンティーストッキングをプレイとして破る行為は知っていても自分がされるとは夢にも思っていなかった妻にとって前夜の木村との営みは生涯忘れられない出来事になったようだ。

 布団の中で起てた両脚を徐々に開いて身体を起こし気味にする妻はその身体を真横に倒し体内に指を入れたままうつ伏せになと頬で身体を支えながら指を動かし続けた。

 静まり返った部屋の中に漂う自らの荒い吐息に重なるクチュクチュと言う音が耳にベッタリと貼り付いた。

 主の居る身でありながら我慢出来ずに及んだ自慰に妻は罪悪感の中にいて尚も指を止めることが出来なかった。

 それでもモノ足りなさを感じてベッドから降りた妻は捨てようと思っていた伝線したパンティーストッキングを手に取ると慌ててそれを着衣しベッドに戻った。

 前夜、木村にされたのを想像しながら両膝立ててベッドにうずくまると自らの両手を下半身に伸ばしてビリッ! ビリッ! と、パンティーストッキングを外側から破り始めた妻は重々しい吐息を吐いて尻と両太ももを揺らした。

 そして四つん這いになると右手で右側、左手で左側の順を何度か繰り返した後、愛液でヌメル股間を破き開くと左手で身体を支えながら右手の中指を体内に挿入して動かした。

 妻は自分が何をしているかなど考える余裕すらなく只管に火照る身体を慰め続けた。


 

 その頃、会社にいた木村は前夜の暫くぶりでの夫婦での燃え盛る営みを後悔していた。

 妻を相手に狂ったように自分の性(サガ)をぶつけたことへの後悔の念だった、この日もまた木村は女装子(おんな)になる気にはなれず一階で新聞を見ながら時間を費やした。

 すると玄関からコンコンと入口を叩く音がして立ち上がって木村は玄関のカーテンをスーッと開くと、そこにはボサボサ頭の兵頭が立っていた。

 兵頭の顔を見た瞬間、木村は慌てて玄関のカギを外して戸を開き辺りの様子を見回して兵頭を中に入れた。

 


 どうしたの! 私が呼ぶまで来ないでって言ったのに!


 兵頭は木村の顔を見るとそのまま中へと移動しソファーに腰を掛けタバコに火を点け、そんな兵頭に腹を立てた木村は兵頭の前に立ち目を合わせようとしない兵頭に「もう来ないで欲しい」と、囁いた。

 予期せぬ木村の言葉に兵頭は驚いた様子を浮かべると目の前に立つ木村の手を掴んで隣りに強引に座らせた。


 ちょっ! ちょっとヤダアァ! 嫌ぁー!! こんな姿でそんなことしないでえ! ヤァダァー!!


 隣りに座らせた木村の身体を引き寄せた兵頭は木村の両手を下へ押さえつけ口付けしようとし、木村は必死に抵抗して見せた。

 すると兵頭はソファーに木村を強引に押し倒し木村の首に舌を滑らせたが、暴れて抵抗する木村は首を左右に振って抵抗した。

 

 こんな姿で女の扱いなんかされたくないの!! 解かってるでしょう!!



 木村の怒鳴り声にひるんで顔を離した兵頭の目を見てから背広姿の自分を見回す木村は下唇を噛み締め目を横にずらした。

 そんな木村を見た兵頭もまた悔しそうな顔をしたが「なに糞!」と、木村のワイシャツを左右に力任せら引き裂き肌着の襟首を引き裂かんばかりの力で広げた瞬間、木村は「うわあぁん!!」と、突然悲鳴を上げた。

 木村の叫びに何事かと木村の胸元に視線を当てた兵頭は両目をコレでもかとばかりに見開いて凝視した。

 

 見られたくなかった…… 見られたくなかったのにいいぃ!! ぅぅぅぅうううう……



 胸元を凝視する兵頭に木村は両手で顔を覆い大粒の涙を頬に伝えて、兵頭はペッタンコになっている木村の胸に両手を張り合わせ乳房を捜すように口を半開きにして慌てた。

 木村は子供のように咽び泣き兵頭は探しても見つからない乳房に驚愕した。

 兵頭は顔を引き攣らせて顔を両手で押さえて泣く木村の上から降りて床の上に立ち尽くした。

 

 くそおおぉーー!!



 突然、兵頭は大声を上げ木村のスラックスのベルトを外すと、ズボンとトランクスを剥ぎ取りブラりとブラ下がった木村のペニスにムシャブリついた! 木村は突然の出来事に顔を覆っていた両手で兵頭の頭を引き離そうと必死に押し付けた。

 だが木村の嫌がる声とは裏腹にペニスは兵頭の口の中でグングン勃起して硬い肉棒へと変化を遂げた。

 木村は引き裂かれたワイシャの下、肌着の襟元をベロンと伸ばし無くなった乳房を晒したまま下半身裸で嫌がりながらもペニスを肉棒化させ兵頭に味見された。

 唯一、木村の両足を覆う二枚のソックスだけが辱められる木村をヒッソリと守っていた。

 兵頭は久し振り味わう木村の肉棒の味と匂いに我を忘れて貪り付き、木村の縮んだ乳房の真ん中で乳首は兵頭からの味見を待つかのように勃起したままだった。

 木村は男姿で兵頭(おとこ)に味見されたショックを隠しきれなかった。


 俺はなあ! はぁはぁ… 両刀だったが、はぁはぁはぁ… お前と出会ってから女装子(おまえ)一本に絞ったんだ! 胸なんざ無くても構やしねえぇんだよ!


 木村とアナルセックスを終えた兵頭はタバコを吸いながらハンカチで涙を拭う木村に呟くと足組して銜えタバコして木村の頭を数回撫でた。

 そして引きし切れたワイシャツで胸元を隠そうとする木村の両手を胸からどけさせると、木村を斜め後から自分に抱き寄せ木村の乳首を両手で弄った。

 木村は「アンッ!」と、困惑しながら喘ぎ声を奏で首をダラリと左下に下げると、兵頭は直ぐに勃起した木村の乳首をコリコリと親指と中指で転がした。

 すると木村のダラリとブラ下がったペニスから透明な液体が滲み出し糸引くように床に流れ落ちた。

 


 お前は俺の女装子(モノ)だ! 誰にも渡しはしねえ……



 

 兵頭は伸びきった木村の肌着を更に引き伸ばし両手の指で木村がトロトロに溶けるまで乳首を弄り続けると、再びソファーに横にして木村の乳首をピチャピチャと味わい始め二度目のセックスに突入した。

 この時、木村は兵頭と別れられないと思いながら兵頭を体内(なか)に受け入れた。

 

 
 どうしたの! これ!!



 二度目のセックスを終えた兵頭が帰ったあと、一番乗りで出社してきた咲子はゴミ袋に入れられたワイシャツと肌着を見つけ木村を問い詰めた。

 木村は「何でもないよ」と、シラを切ったが咲子の顔は見る見る間に怒りの顔に変化し兵頭が来て木村を犯したことを思った。

 そして早苗が出勤するとワイシャツと肌着の入ったゴミ袋を物置に片付けさせ、三番目に出社した田口に「明日から早出してもらうから」と、木村の前で呟くと田口は咲子の目を見て「解かりました」と、だけ答えて早苗が出したコーヒーで喉を潤した。

 木村は咲子の言葉に困惑しながら二階へ移動すると、後から追いかけてきた咲子は階段で立ち止まった木村に後から「しっかりして頂戴!!」と、声かけて1階へと戻って行った。

 咲子の厳しい口調に木村は元気なく肩を落として社長室に入るとクローゼットを開いた。

 そして三十分後、喪服姿になっていた木村は代表印を借りに部屋に来た咲子に見られた。

 咲子は喪服姿に驚きながらも平静を装った。

 化粧を薄くしロングのカツラをかぶった木村は咲子と視線を合わせず用向きだけを聞くとカバンの中から印鑑を咲子に差し出すと、黒いパンティーストッキングに包まれた両脚を組んでクルリと机の方に無言で向いた。

 咲子はそんな木村に苛立ちを覚えたが、木村は兵頭に言われた『お前と出会ってから女装子(おまえ)一本に絞ったんだ!』と言う言葉を思い出していた。

 そんな中、田口は倉庫の中で木村を兵頭から守らねばと考えながら仕事に精をだしていたが、木村に兵頭を近づけたのは自分だと自分を責め続けてもいたが木村は昼休みになっても二階から降りてこようとせず、弁当を届けただけで咲子も早苗も放置していた。

 そして夕方、従業員達が現場から帰社した時だけ男姿で顔を出した木村は全員が会社から帰った後、再び女装子(おんな)に戻ると厚化粧して自宅に遅くなると電話すると時間を気にして二階の明かりをそのままに一階へ降り立った。

 すると椅子に腰掛けた木村の携帯がなった。



 今、会社の玄関の真横に車をつけたから見られる心配なないよ……



 木村は携帯を切ると玄関へ行きサンダルから黒いパンプスに履き替えて会社の玄関から静かに辺りの様子を覗い、横付けされた車に逃げ込むように飛び乗った。

 運転席にいる兵頭は木村のスーツスカート姿を見てニヤリと笑みを浮かべた。




【十七話】

 


 
 大丈夫だってぇ♪ 街灯もねえし俺も一緒だから♪ 初めてなんだろ? 女になって外を歩くのは♪



 兵頭は俯いて不安な顔する木村に住んでいるマンションを指差してナダメながら下車を即し、肩をすぼめる木村は俯いたまま身体を強張らせた。

 すると兵頭はハンドルから左手を離し木村の肩を引き寄せると真っ赤な口紅の木村に口付けをした。

 木村は目を閉じて舌と舌を絡ませる兵頭に唇を預け口付けのあと、無言で車を降りて兵頭の駐車を待った。

 そして駐車を終えた兵頭は足取り軽やかに木村の肩を抱き寄せながら歩き始めた。

 駐車場から歩き始めて数十メートル来た辺り、そのままドアへ向かうのかと思っていた木村を兵頭は建物と建物の間に引き入れた。

 

 我慢出来ない! ここでお前を味見したい……



 建物の間に引きずり込まれた木村は薄暗さの中で突然欲情した兵頭に仰天して兵頭を突き放した。

 生まれて初めて女装子(おんな)として外に出ている木村は声も出せず戦々恐々とし、欲情してスカートの中に手を入れ抱きつく兵頭を再び突き放すと、兵頭は「声を立てたら人が来るぞ! いいのか!」と、不安でいっぱいの木村に声を潜めた。

 木村は兵頭の強引な言葉に少しでも通りから身を隠そうと暗闇に後退りし建物の壁に寄りかかった。

 すると兵頭は木村の前に斜屈んでスカートを上へ捲り上げるとパンティーストッキングに包まれた木村の両太ももに顔をスリスリさせ匂いを嗅ぎはじめた。

 そんな兵頭に木村は声を潜め「やめてぇお願い!」と、何度も哀願を繰り返したが、兵頭の耳に届かず木村は膝までパンティーストッキングとパンティーを降ろされそのまま恥かしいペニスをシャブられた。

 兵頭は口の中で大きくなっていく木村の肉棒を貪りながら尻と裏モモを両手でさすり続け、木村は喘ぎ声を喉の奥に溜めながら人が来ないか目を閉じることも禁じられた。

 チュパチュパレロレロと肉棒を貪る兵頭の口から恥かしい音が時折漏れると木村は、ハッとして通りに人が居ないか喘ぎ声を我慢して凝視した。

 兵頭は夢中になって木村の肉棒をシャブリそして抱きかかえるように木村の尻の穴に指を滑らせながらシュッシュッと肉棒を口で前後させた。

 木村は激しい快感を覚えながらも時折顔を強張らせ泣きそうになりながら力の抜ける両脚を踏ん張り続けた。

 誰かが通るのではないか誰かに見られるのではないかと木村は不安の中に居て尚も肉棒を貪られる快感の中に身を置き口から飛び出しそうになる強い快感(しげき)に目を潤ませた。

 そして数分が経過した直後、木村は兵頭にスカートを無理矢理上へと捲り上げられると壁に両手をつけさせられそうになった。

 

 だめえぇ! こんなとこでダメよ! ダメだってばぁ!!



 通りをみながら声を潜める木村を無視し強引に壁に両手を付けさせた兵頭は自らのズボンと下着を膝まで下ろすと、予め用意していたのかコンドームに包まれた肉棒をベロンと晒しそれに自らの唾液を塗りつけ強引に木村の中に入ってきた。

 木村はその痛みに両目を見開いて首を仰け反らせると、逃げ惑うように壁伝いに左へ右へと両脚をふらつかせ、兵頭は次の瞬間ガッシリと木村の腰を両手で掴んだ。

 

 ズブリユユュュューーー!! ヌプヌプヌプッ…… アンッ!!



 一気に自分の中に入ってきた兵頭の肉棒に木村は困惑しながらも逃げることが出来ずに誰かに見られるのではと恐怖(スリル)に顔を引き攣らせた。

 そして兵頭が前後をゆっくり始めると木村を掴んでいた兵頭の右手が外れその手は木村の肉棒をシュッシュッとゆっくりと扱き始めた。

 木村の肉棒からは愛液が溢れ、その液は兵頭の右手に潤滑油として伝わると兵頭は左手も木村の腰から放し、その手で木村のブラウスのボタンを下側から外しスリップの上から乳首を弄り始めた。

 ビクンッと、全身をビクつかせた暗がりの中で木村は弄られた乳首を勃起させ肉棒と乳首とアナルセックスの三点責めに最大限に困惑した。

 扱かれる肉棒と乳首から快感(しげき)に女装子(おんな)の喜びを感じながらも痛みの伴うアナルセックスがそれを半減させるという妙な感覚に襲われていた。

 だが次第にアナルからの痛みが薄れていった時、木村の身体は快感(しげき)だけになって再び喘ぎ声に絶える悶絶へと導かれた。

 木村は前夜、妻に与えた「悶絶」を我が身に替えて味わっていた。

 


 いいから車に乗れ♪


 先に車に乗り込んだ兵頭は目の前にある兵頭のマンションを何度も首を捻って見る木村の手を引いて車に乗せると「どうだった♪ スリルあったろ♪」と、引き寄せた木村に口付けをして、マンションを指差して「アレは俺の家じゃねえよ♪」と、木村をからかったことを暴露した。

 その言葉に木村は頬を紅くして恥じらい両手で顔を覆うと俯いて「もおぅ!」と、小さな声を発した。

 兵頭は恥らって俯く木村を乗せ本当の自宅へと向かった。

 そして大きな高級マンションの駐車場へ車を止め兵頭は木村の肩を抱いてマンションへと入った。

 他人に見られたくない木村は俯いたままで高層マンションのエレベーターに乗ると兵頭は気遣って木村の前に立った。

 そして部屋に到着しドアを閉めた途端、兵頭はドアの前に立つ木村を抱き締め口付けをした。

 


 適当に座れ♪ あとで会社までちゃんと送るから酒はダメだぜ♪


 木村は通された殺風景な部屋の中の長椅子に腰掛ると兵頭は台所からノンアルコールビールを持って来た。

 これなら安心だろうと笑みを浮かべる兵頭はテーブルを挟んで座っている木村を見て嬉しそうにニコニコしていた。

 兵頭の部屋にある物と言えば長椅子が二つとテーブルが一つと小さなテレビの他には何もなくノートパソコンが棚の隅に置いてあるだけだった。

 そしてそれを見渡す木村に兵頭は「何もなくて驚いたろ♪」と、ニコニコして話すと、木村に「今夜泊まれないかな~」と、照れたが木村は兵頭の目を見て首を小さく振ると兵頭は「そっか…」と、深呼吸した。

 二人はノンアルコールビールで乾杯すると喉が渇いていたのか兵頭は一気に飲干し再び台所から数本を持って来たてテーブルに置くと、そのまま寝室のドアを開けて木村に中を見せた。

 木村は兵頭の寝室に興味が湧いてノンアルコールビールを飲干すと俯いたまま無言で立ち上がって寝室へと向かい後ろから来た兵頭は部屋の灯りを点けた。

 パッと点いた明かりに照らされた寝室にはダブルベッドが一つと棚の上に無数の玩具が置かれているのに木村は驚いた。



 ああ、それはお前と出会う前に使ってた遊び道具だよ♪ 



 棚の上に置かれたSM用の蝋燭や鞭や荒縄の他にアナルバイブが数十本、色々なタイプ別に分けてあって壁には金属や皮の手錠がぶら下がっていたことに木村は恥かしくなって頬を紅くしてベッドの上に想像をかきたてた。

 ロープは荒縄タイプの物からナイロン製の物まで色や種類が分かれていて床に積み重ねられていて、木村はそのロープを見て緊博されている自分を想像して下腹部をヒクヒクさせた瞬間、突然兵頭にベッドに押し倒された。



 キャァ!



 木村は小さな悲鳴を上げてベッドに倒れると押さえつけるように兵頭が圧し掛かった。

 兵頭は倒れて驚いている木村を仰向けにすると左手を木村の首に回して抱きかかえるとスカートの中に右手を滑らせ口付けをしてきた。



 待って! お願い! その前にシャワーを使わせて! ねぇ! アンッ!



 木村は咄嗟にアナルセックスの後の尻の汚れに気付き恥じらいながら兵頭の求めを制止しようと口付けをやめて小さく叫んだが、兵頭の勢いはおさまらず兵頭の右手はスカートの中を忙しく彷徨い、何とか逃げようととした下半身に気を取られていた木村が意識を上に戻すと上半身はスリップを晒していた。

 慌ててスリップを隠すように肌蹴られた胸を両手で覆うと今度はスカートを上へと捲くり上げられ木村は下半身を兵頭の前に晒された。

 下半身を包むパンティーストッキングの上を忙しく滑る兵頭の手がスリスリと音を立て俄かに木村を包むパンティーに愛欲される女装子(おんな)の濡れる形跡が現れ始めた。

 嫌だ嫌だといいながらも太ももに滑る兵頭の手の感触に心と身体は別物と言わんばかりに湿り気を内側から帯びさせる木村は、尻の汚れなどどうでもいいとさえ思い始めていた。

 それでも汚れた尻を見られたくないと必死に兵頭をいさめる木村だったが、とうとう乳房を晒され両手を押さえつけられ乳首を吸われる事態に陥った。

 乳首を吸われた木村は全身から抵抗する力を奪われ急速に兵頭を受け入れる女装子(おんな)の受身へと変化していった。

 

 アンッ! ァアンッ! ァァァアアアア……



 乳首を吸われパンティーストッキング越しに尻モモを撫でられた木村は女装子(おんな)の鳴き声を連発し徐々に身悶えを兵頭に見せ付けた。

 兵頭は何故、木村が頑なに自分の愛欲を拒むのか知りながらも木村の恥かしく汚れた尻を見たいと男心を前面に出し興奮していた。

 そして木村は乳首を吸われ弄られ肌を舐められトロトロに溶け始めると、兵頭は手を伸ばして荒縄を引き寄せるとベッドのヘッドの透かし彫り部分に木村の両手を縛りつけた。

 木村は両手の自由を簡単に奪われるほどトロトロに溶けていて自分が縛られたことにさえ気付いていなかった。

 

 
 

 
 

【十八話】



 顔に出してえぇー! アアァーンッ! お願い! お願い! 私の、私の顔に出してえぇー!


 両手を頭の上でベッドに緊博されている木村は目を閉じて口を半開きにすると全身を小さく震わせた。

 兵頭は自分がイク寸前に木村から発した言葉に「えっ!」という表情を見せ、そしてイク瞬間を見送りつつも再びイク準備に入ると腰を前後に振り続け自分の耳を疑うかのように悶える木村を見詰めた。

 兵頭は木村が口を半開きで待っているのを見た瞬間、木村の肛門(なか)から肉棒を抜いてコンドームを右手で取り外すと、木村の顔の上へと移動しひざまずいて肉棒を顔に向けて扱き始めた。

 スリップ一枚を腹に巻いた木村の両脚は真っ直ぐ伸ばされ半開きの口の中から舌が出ていて、兵頭はその舌に肉棒の先を向けた。

 シュッシュッと、顔の上で扱かれる肉棒からゴムの匂いが混ざった生臭い臭気が木村の鼻に吸い込まれたが、木村は感極まっているのか顔を赤らめ「はぁはぁはぁ」と、口で呼吸し始めその熱い息が兵頭の亀頭に注がれるとその手は早さを増した。

 そして発射間近に気付いた兵藤は左手で自分を支えながら身体を前に屈めると「うぅぅ!」と、唸り声を発して木村の顔を凝視した。

 肉棒から放たれたトロリとした白い液体は勢い良く木村の口の中に発射され兵頭は腰を回して白い精液を木村の口の周り滴らせたがその瞬間、木村は喉の奥に着液したことで咽咳(せき)込んだが口の中で舌を回してその全てを飲み込んだ。

 木村は口の周りに滴った精液を舌で掻き集め舐め取ると突然、首を持ち上げて兵頭の肉棒にムシャブリついた。


 はうぅー!!


 兵頭は両手で自分を支えながら肉棒を木村に委ね木村は目を閉じたまま精液の滴る肉棒を口の中で舐め回した。

 射精したばかりの兵頭は超敏感になった亀頭を舐め回され「ぃひ! ぃひ!」と、女のように喘ぎ声を奏で両膝の筋肉を硬直させ、両手を縛られていた木村は首を上下に動かし口の中でコレでもかと舌を滑らせ続けると、肉棒の中に残っていた精液と愛液がドゥルドゥルと舌に溢れて絡みついた。

 兵頭は首を前後に振る木村を見て縛り付けている荒縄を外そうとした瞬間、木村が大声が発した。


 だめええぇー!! 外さないでえぇ! お願い!!



 
 兵頭は縛られたまま首を振って舌を使う木村の口の中に再び射精し木村は放たれた精液を全て飲干した。

 汗だくの木村は苦しそうに肩で息していたが兵頭のペニスを口から出そうとはせず再び小さくなったペニスに舌を絡ませ貪り始めた。

 

 木村(マコ)! もう… もう勘弁してくれぇ… もう無理だ!



 兵頭は銜えて放そうとしない木村に四つん這いのままで声を掠れさせたが木村は目を閉じたまま首を前後させて兵頭を刺激し続けた。

 すると兵頭は眉間にシワを寄せてペニスを木村に銜えさせたままクルリと回って木村の上で体位を逆に変えた。

 木村にとって始めてのシックスナインの姿勢になったが夢中でペニスをシャブル木村は何も解からぬま兵頭に愛液に塗れた自身のペニスをシャブラレ驚愕した。

 だがそのシックスナインは木村に呼吸困難を強いさせた。

 フェラチオに不慣れな木村はただでさえ両手を縛られている上に真逆の体位になった兵頭の玉袋が鼻の穴を塞いだ。

 顔を左右に振って玉袋を何度も何度も振り落としたが兵頭の玉袋は木村の鼻の穴の上にドッシリと構えしつこく付き纏った。

 


 ああああんっぷ! く、苦しいぃ! うっぷぅ!



 既に射精を三度もしている兵頭の玉袋は伸びに伸びきっていて木村の鼻全体を柔らかい袋肉(にく)が覆いかぶさっていて息を吸い込むと鼻の穴ら袋肉(にく)が吸い込まれて塞いだ。

 更に勃起していれば口から吸える空気も兵頭のフニャチンの所為で殆ど塞がれていたことで木村はドンドン酸素を奪われていった。

 だがそれに気付かない兵藤はフニャチンでされるフェラチオの心地よさにウットリし逆に木村の口にフニャチンを押し付けてきた。


 苦しい!! 苦しいぃぃー!!


 そして木村がジタバタして息が出来ない事を訴えるものの兵頭は目を虚ろにして木村に全体重を掛け始めた時、木村はもうダメだと両膝を思い切り内側に挟み込んだ。

 パシッっと強い音がした瞬間、木村の両足は兵頭の頭を左右から直撃し兵頭は「何事だ!」と、状態を上に持ち上げた。

 その瞬間、木村は泣き叫んで息が出来ないことを訴えて初めて兵頭は気付いて木村から離れた。

 木村の喉が呼吸で切れんばかりの音を出しそれを聞いた兵頭は慌てて木村の縄を解くと木村は両手で顔を覆い「死ぬかと思ったあぁー!」と、咽び泣いた。

 兵頭は木村に口の中の自分のペニスを噛んで知らせればよかったのにと木村を抱きしめたが、木村は口元を両手で覆い「それだけは嫌だった」と、涙を頬に滑らせた。

 

 夜十時、兵頭に車で送られて会社へ到着した木村は再びドア越しに辺りを気にして下車すると慌てて玄関のカギを開けて中に入った。

 そして事務室に入ると台所に駆け込んで冷たい水で喉を癒しそのまま自分の席に腰を降ろしタバコに火を点けた。

 木村はタバコを深く吸い込むと一時の安堵感に浸った。

 だがその瞬間、カタッと玄関の方から音がして誰かが中に入った音に耳を澄ました木村は「彼?」と、口元に笑み浮かべて玄関へ通じるドアを開けた瞬間、仰天した。



 何でこんな時間にお前がここに来んだよ!!



 木村は玄関の内側に立つ田口を見た瞬間、女装(おんな)になっていることも忘れて男言葉で田口を恫喝した。

 すると田口は不機嫌な顔をした木村を見上げて「俺はお前の初めての男としてここに来たんだ… アルバイトの俺じゃない…」と、声を低くして木村に視線を合わせるとそのまま中に入ろうとして、木村に立ちはだかれたものの強引に中へと入ってきた。

 

 何言ってんだ! お前! 今度こそ警察沙汰にするからな! いいんだな!!



 木村は強引に中へ入った田口に後から脅しながら事務室に入った。

 田口は無言で長椅子に座ると傍に立ち尽くす木村をストッキングに包まれた足の爪先からカツラで覆われた頭の天辺まで見上げた。



 警察に通報するならすればいい…… 但し! 木村(おまえ)の家族も従業員も取引先の全てが木村(おまえ)の秘密を知ることになる! それと引き換えるなら警察でも何でも呼べばいい………



 田口は見上げた木村に視線を合わせ低い声を発すると木村は一瞬、ハッとした顔して口元を右手で覆い隠し半歩だけ後退りし困惑した表情を見せた。

 それを見た田口は両手を膝の上で組んで話し始めた。



 兵頭(アイツ)は木村(おまえ)の思ってるような男じゃないんだ! 兵頭(ヤツ)はチマタじゃキラーと呼ばれ一度張り付いたら骨までムシャブる極悪人で女装子(おんな)から銭金絞り取る卑劣な野郎なんだ! 兵頭(ヤツ)と別れるんだ! 兵頭(ヤツ)に泣かされた女装子(おんな)はごまんといるし、自殺した女装子(おんな)やゲイも何人もいるんだ! 解かってくれ! 頼むから兵頭(ヤツ)とだけは付き合わないでくれ! それに……



 田口は知っている兵頭の情報を木村に延々と語り聞かせたが木村は「バカバカしい♪」と、鼻で笑ってみせた。

 それでも田口は兵頭の女装子(おんな)癖の悪さを語り聞かせたが木村き呆れたと言わんばかりの表情を田口に見せた。

 すると田口は木村に視線を合わせると「相当可愛がられて毒されたようだな…」と、足組して大きな溜息を漏らすと、木村は目を吊り上げ「そうよ! 彼は私にとても優しいわ! それに女の喜びを教えてくれるわ!」と、長椅子に座る田口を睨み付けた。

 

 とにかく! 俺が言ったことは忘れるな!



 田口はスッと立ちう上がると木村に視線を合わせたまま帰ろうとした時、木村の首にキスマークを見つけた。

 そして玄関に向けた身体を木村に向けると「お前に優しい男が何でお前に愛欲の証を残すんだ! そんなの奥さんに見せるつもりなのか!?」と、首のキスマーマを指差して事務机の上にあった鏡を取って木村に放り投げた。

 木村はハッとした顔して渡された鏡で首に付いた数箇所のキスマークを見た瞬間、口を半開きにして呆然とし、キスマークを右手で一瞬隠すと何かを思い立ったように田口の前でブラウスを脱いで机に放り投げ再び鏡でスリップに包まれた上半身を映し出した。

 すると左肩紐のところに一箇所のキスマークを見つけた木村は田口の見ている前でスリップの肩紐を両側外した。

 スルッと滑り落ちたスリップの下、乳首周辺に無数のキスマークが見つかりその瞬間、木村は「キヤァー!」と、悲鳴を上げて両乳房を両手で隠して田口の前で斜屈んで見せた。

 木村は無数のキスマークに震撼し全身を震わせた。

 


 ヤツはそうやって女装子(おんな)の家庭を破壊して逃げ場を無くさせてからジックリと女装子(おんな)を絡めて行くんだ! 大勢居るよ、何なら合わせてやろうか! 今夜はここに泊まるんだな……


 田口は目の前で斜屈んで震える木村に苦い表情を見せそのまま帰ろうと玄関へ移動すると、バタバタと追いかけてきた木村は「独りにしないで! お願い……」と、田口の背中に抱きついた。

 すると田口は木村に抱きつかれたままで「ああ…」とだけ返事をした。




【十九話】



 

 熱い湯に入れば少しは早く消えるのも早まるだろ……


 

 会社に泊るからと自宅に電話した木村は、田口の勧めで風呂に入り大きな鏡に映った自らの太もも・背中・腹・尻に意図的とも取れるほどについた無数のキスマークにギョッとした。

 目を見開いて鏡を覗く木村は唖然としていた。

 その頃、田口は木村を会社に残し酒とツマミと牛丼を買いに会社の軽トラで外にいたが、頭に蘇る木村の『独りにしないで! お願い……』の言葉に胸の奥をムラムラさせたが、無くなった竿を思い出し車窓を全開にして風に当った。

 

 くそ! 竿さえあれば! 木村(マコ)と…… ちくしょぅ!



 ハンドルを何度も叩いて木村(マコ)との交わりが出来ない事に田口は絶望感を苛立たせた。

 田口は考えないようにしようと車窓を締め切って帰路についた。

 その頃、風呂を出た木村は社長室の鏡の前で身体についた無数のキスマークに再びショックに陥いりながらも「もしかしたら田口に味見されるかも知れない…」と、白いパンティーを両側から挟む太ももに付いたキスマークを恨めしそうに眺め、乳首の周りについたキスマークを見たくないとばかりに白いスリップで上半身を覆い隠した。

 

 こんな汚れた身体(わたし)なんか田口(かれ)だって抱くはずないよ……



 木村は田口にも相手にされるはずはないと、グレーのパンティーストッキングを消沈しながら履くとデニムの膝丈スカートで下半身を覆い上をトレーナーで包んだ。

 そして首のキスマークを隠すようにテーピングすると鏡を前で薄化粧をした。

 もしかしたら田口に求められるかも知れないと思っていた。

 

 田口が酒と食料を買い込んで会社に到着した頃、木村(マコ)は二階の右奥の端っこの仮眠室で左右の壁に寄せられている二つのベッドにシーツと枕と毛布を用意していた。

 まさかこんなことで使うことになろうなどとは夢にも思っていなかった木村(マコ)だったが、真新しいシーツと新品の毛布の手触りに一時の安堵感を味わっていた。

 窓から軽トラックのドアが閉る音が聞こえた時、木村(マコ)はドキッとして一瞬、手を止めた。

 

 もしかしたらここで田口(カレ)に……



 唇を軽く噛んだ木村(マコ)は数秒間ジッとしてベッドで身体を求められる自分を想像した。

 ソコには兵頭につけられた無数のキスマークの汚れた身体の自分とキスマークを避けるように唇を滑らせる田口が見えた気がした。

 すると一階から木村(マコ)を呼ぶ声がして木村(マコ)は我に返った。

 木村(マコ)は開いたドアの前に立つと深呼吸をして息を整えると階段を下りた。

 そして木村(マコ)が行くと田口は机に牛丼を置いて缶ビールを袋から出していた。

 

 これ、つり銭と領収証……



 つり銭を受け取って時計を見れば既に十二時を回っていたことに木村(マコ)は驚いた。

 長椅子に挟んだテーブルを前に黙々と牛丼を食う田口をチラチラ見てゆっくりと箸を進める木村(マコ)は息苦しさを感じていた。

 缶ビールのセンを抜いてゴクゴクと喉を鳴らす田口は木村(マコ)を見ることはなかつたが、木村(マコ)は何か言わなきゃと思いながらも言葉を思いつかないまま時間を経過させた。

 そして田口が二つ目の牛丼に差し掛かった時、チラッと見た木村(マコ)と視線が重なり、木村(マコ)は田口から視線を横にずらしたが田口はジーッと木村(マコ)を見続けた。

 

 俺は今夜帰るから…… 恋人でもないのに女装子(おんな)一人のところに泊まれないだろ………



 木村(マコ)は田口の言葉に「えっ!?」っと目を見開いて箸をとめて見入ると田口は木村(マコ)から視線を外して再び牛丼を黙々と食い始めた。

 朝まで傍に居てもらえるものだと思っていた木村(マコ)は顔を強張らせ泣きそうな表情を田口の前に晒したが、田口はそれを知りながら喰い終えた容器と空き缶をゴミ箱に捨てるとチラッと木村(マコ)を見てジャンパーを着て帰り支度を始めた。

 

 私! もう何がなんだかわかんないよおおーー! どうすればいいのさあー!!



 玄関へ移動した田口の背中に抱きついて泣き声を発した木村(マコ)は田口の背中に頬をピタリと寄せたが、田口は木村(マコ)のを振り解こうとした。

 田口にすれば役に立たない身体で木村(マコ)と過ごす一晩は男として地獄に違いなかったが執拗に引き止める木村(マコ)があまりに可愛くそして可哀想で仕方のない田口は無言で身体の向きをクルリと替えた。

 一階の明かりを消して二階に田口を連れ立った木村(マコ)は暖房の温度設定をするのに前屈みになると、後に居た田口の視線に否応なくスカートの中の裏モモが入った。

 ゴクリと喉を小さく鳴らした田口はこのままスカートの中に入って木村(マコ)の下半身を愛欲したい衝動に駆られていたが、暖房の設定を終えた木村(マコ)は黙って右側のベッドに腰を降ろすと小さな声で「こんな汚れた私で良かったら好きにしていいから……」と、俯いたまま田口に聞かせた。

 すると田口は突然俯く木村(マコ)の前でズボンと下着を脱ぎ下半身をソックスのみにすると「見てくれ…… 今の俺はこんなんだから無理なんだ、ゴメンな…」と、小さく語り木村(マコ)は恐怖に顔を引き攣らせながら呼吸を整えてゆっくりと顔を上げると咄嗟に右手で口元を押えた。

 木村(マコ)の視線の先にあったのは陰毛の中にポツンと付いた大きなクリトリスのような存在だった。

 陰毛の中に若干の皮に包まれた魚肉ソーセージのような亀頭が見え竿は完全になくなっていて勃起しても挿入は不可能だろうと直ぐに解かるほどだった。

 田口のモノを見て絶句した木村(マコ)に田口は呼吸を整え「解かったろ? 勃起しても亀頭しかないから何の役にもたちゃしないんだ…」と、田口は悲しそうに語った瞬間、木村(マコ)は突然涙ぐんで「ごめんなさい!!」と、声を発すると田口の下半身に抱き付いて陰毛の中に見える皮に包まれた亀頭にムシャブリ付いた。

 その瞬間、田口は「はぅっ!」っと唸り声を発し木村(マコ)の口の中にイカ臭さが充満した。

 木村(マコ)の舌は田口の皮と亀頭の間の溝に押し付けられグリュグリュと時計回りにネチャネチャと動き田口は途端に木村(マコ)の頭に両手を置いて引き離そうとしたが、久し振りの快感に両膝がガクガクと震え両手に力が入らなかった。



 よせ… ぅぐぅ!! 木村(マコ)! 俺を… 俺を惨めにさせる気か!! ぁうっ!



 木村(マコ)は田口の勃起した亀頭に必死にムシャブリつき離れようとしないまま田口からは離れろの声が消え、ヌルヌルしたカウパー支線液が田口の亀頭の先から溢れ始めそれを木村(マコ)は舐めとりながら飲干すと、田口から片手を放し慌しく脱衣し下着だけになった。

 そして再び田口の腰に両手を巻きつけるとベッドへと導き自分の身体を上に田口を下にすると亀頭から顔を離した。



 こんな! こんな汚れた私で! こんな私でもいいなら!


 
 田口は木村(マコ)の荒い吐息交じりの声に突然胸の奥のツカエが取れた。 そして白いスリップ姿の木村(マコ)を下から見上げると両手を伸ばしてシッカリと抱き締めると今度は木村(マコ)をゆっくりと下にした。

 木村(マコ)は涙を零しそれでも尚も田口に視線を合わせ、田口もまたそんな木村(マコ)が可愛くて意地らしくて込み上げる言葉をそのまま木村(マコ)にぶつけた。



 俺の! 俺だけの木村(マコ)で居て欲しいんだ! 駄目かあ!! 俺だけの木村(マコ)で居てくれるかあ!!



 木村(マコ)の目を真剣に見詰める田口は両手で木村(マコ)の両頬を優しく包むと、木村(マコ)は泣きながら小さく何度も何度も頷いた。

 そして田口の両手は木村(マコ)の肩からスリップの紐を外すとゆっくりと平らになった乳首へと唇は進も木村(マコ)に対する田口の愛撫は時間に溶け込んだ。

 だがドンドン熱を帯びる木村(マコ)は次第にトロケて行ったが中に入りたいと願う田口は心は満たされても身体が満たされることはなかった。

 なんとか木村(マコ)の肛門に硬くなった亀頭を密着させようと試みたものの届くはずもなく田口は苛立ちを見せ「クソッ!」と、諦めかけた瞬間、田口の硬くなった亀頭が「ヌルリ」と、木村(マコ)の右尻にヌメリながら滑った瞬間、田口の全身に「高電圧」が流れた。

 田口は大きくビクついた身体に何が起きたのか解からないまま再びカウパー支線液の溢れ出した亀頭を木村(マコ)の右尻に擦った瞬間、田口は口を半開きにして両目を大きく見開いた。



 これだあぁー!! これなら木村(マコ)を感じることが出来る!!



 田口は木村(マコ)を四つん這いにさせて愛液を溢れさせた亀頭を尻モモに無造作に擦りつけた瞬間、木村は大きな喘ぎ声と共に首を仰け反らせ田口もまた「あああぅっ!」と、身体をビクつかせて大きな唸り声を上げた。

 木村(マコ)は指とも舌とも違うヌルヌルした丸いゴムを滑らされるような新しい官能に目覚め、田口もまた挿入とは全く違う快感(シゲキ)に驚愕し、田口は擦れば擦るほどに亀頭の先からヌメル液体を出して官能にトロケる木村(マコ)の全身の隅々まで亀頭で触手した。

 そして仰向けの木村(マコ)の胸の辺りに亀頭を擦っていた辺りで田口はオーガズムに達しようとし、それを木村(マコ)に伝えた瞬間、木村(マコ)は舌を出して射精をうながした。

 ヌッチャヌッチャと木村(マコ)の胸に亀頭を擦り続ける田口は初めての木村(マコ)への顔射に感動の中にいて数秒後、白いドロドロした水分を失ったゼリーのような液体を木村(マコ)の口の中に放った。

 


 ズキッ! ドクドクドク……



 水分を使い果たした田口の体内から発射された精液は精道を通る瞬間、田口を内側から一瞬痛めつけたがドックンドックンと射精の快感を田口に与え、口の中にドロッと落ちた精液を舌で受け止めた木村(マコ)はピチャピチャと味わいながら飲み込んで自ら顔を動かして田口の精液を受け止めた。

 すると木村(マコ)の顔は見る見る間に黄色みががった精液に塗れ、その光景は田口の目に焼きついていった。

 

 木村(マコ)…… お前も出して楽になれよ……



 顔射を終えた田口は木村(マコ)に囁くと身体の位置を木村(マコ)の下へ移動させると右手で握って舌を動かし首を上下に振った。

 精液に塗れた木村(マコ)の顔は見る見る間に官能する女の顔に変化し狂おしいほどに悶絶を繰り返すとやがて濃厚な精液を田口の口の中に発射し田口は一滴残らず自分の体内に取り込んだ。

 


【二十話】

 

 
 

 二階の社長室、水色のワンピースに包まれた木村は椅子に座り顧客と打ち合わせの電話をしていた。

 そのワンピースの裾は大きく捲れ上がっていて木村の下半身を包んでいたブラウンのパンティーストッキングと黒いパンティーは膝下まで降ろされ足元には早苗がひざまずいていている。

 硬く撓った肉棒に夢中でムシャブリつく早苗は美味しそうに銜えた肉棒を両手で持って顔を左に右にと向きを変え木村を喜ばせるというよりは自分が楽しむという表情をしていた。

 木村は目を細め唸ることなく喘ぐ訳にもいかず困惑しながらも重要な打ち合わせにメモを取りながら資料を手に部材の話しを進めた。

 早苗はといえばギンギンに硬く撓った肉棒を味わいながらも木村の両足の筋肉や爪先の力の入り加減で木村の射精欲を察知し射精をさせずにイク手前で止めるという高度なテクニックを駆使し何度も何度もそれを繰り返した。

 イク寸前で口を止めては射精欲を減退させ再び射精欲へと導くものの再びイク寸前で射精をさせない。 木村は次第に腹の周りに何とも言えない男ならではの異快感を蓄積していった。

 それを繰り返すことで早苗の口の中に溢れる木村の愛液は増し続けた。

 そして電話での打ち合わせを終えた木村はメモをみながら内容を小声で復唱しながら胸元に発した熱を逃がそうと胸ボタンを外した。

 静まり返った部屋にピチャピチャと早苗(おんな)の口音が広まる中で早苗は片手を肉棒から外すと自らのスカートの中に手を入れそれをパンティーストッキングに包まれたパンティーの中へと忍ばせると早苗は肉棒をシャブリながらクチュクチュと恥かしい部分に指を滑らせた。

 早苗が女装子の肉棒をシャブリながら着衣のまま自慰をする光景はこの部屋では普通にある光景だったが、肉棒を銜えられながら早苗の自慰を見るのも木村のお気に入りの光景と同時に、見られながらする自慰もまたプレイ中は女王様である早苗の恥辱を煽るお気に入りだった。

 そして木村の射精欲を止めては導くを数十回繰り返した辺りで早苗の顔も自らのエクスタシーへのまい進の所為で表情が変わってくる。

 早苗の顔はエクスタシーに近づくにつれドンドン険しくなって息遣いも荒く肩で息するようになると、突然木村の肉棒をシャブルのをやめ椅子から木村を引き摺り降ろし、慌ててスカートを脱ぎ捨てパンティーとパンティーストッキングを丸めて脱ぎ捨てる。

 木村は床に仰向けに寝かされその顔の上に早苗は跨って尻を木村の下半身に向ける。



 さあ! お舐め! 私の熟した生肉を舐めなさい!!



 演技とは到底思えない凄まじい形相に変化した早苗の顔は瞬きをも忘れたかのように全神経を割目に集中させる。

 木村は柔らかく白い早苗の尻を眺めると舌を限界まで出して愛液でジュクジュクした割目の中に押し付けて前後させた。

 ポタポタと木村の顔に流れ滴る透明な液体からは女の咽るような匂いが充満する。

 陰毛に覆われた大陰唇に液体が付着してそれが木村の口の両側に軽く擦れヌルヌルした液体を擦り付ける。

 肉棒を勃起させたままの木村の顔は見る見る間に女の液体に覆われる。



 さあ! 塗りつけなさい! お前の薄汚いクリトリスに私の聖なる愛液を塗りつけなさい!



 割目の内側に木村によって舌を滑らされる早苗からは普段の大人しさは消えていて強い口調で命令する女王の気質が感じられた。

 木村は早苗の割目から滴り落ちた愛液を右手で絡め取ると自らの肉棒に塗りつけゆっくりと扱き始めると早苗は時折割目を木村の顔にギュッと押し付けては尻を前後させ再び元に戻した。

 喘ぎ声というよりは悶絶に近い早苗は全ての官能を喉の奥に溜め込んで奴隷(きむら)に聞こえないようにするが、木村は早苗から女の鳴き声を引き出そうと舌の動きを増し左手の指に愛液を絡めて早苗の肛門に滑らせる。

 すると早苗はガクンッと尻の筋肉を突っ張り筋肉を覆う柔らかい肉肌がプルーンと揺らし透明な液体が木村のワンピースの襟元にピチャピチャと飛び散った。

 舌を動かしながら左指で早苗の肛門を撫で右手で肉棒を扱く木村はも射精寸前だった。

 


 その頃、倉庫で仕事をしていた田口は木村を完全に兵頭から取り戻したという安堵感からノリノリ気分で仕事にメリハリをつけていた。

 鼻歌交じりで足取り軽く動き回る田口は汚れてかさばった現場から戻った資材もピカピカにし続け気分爽快だった。

 そして倉庫の中で腰を降ろしてタバコに火をつけた田口はキョロキョロと辺りを見回して「裏口からここに通じてる通路があれば木村(マコ)も一々着替えなくても来れるんだよにぁ~」と、考えた。

 


 裏口に塀を建てて倉庫の裏口まで伸ばせばいいかも知れないな……

 


 思い立った田口はエンピツで簡単な図面を描き倉庫の裏にあった廃材を確認すると早速事務所にいる咲子のもとへと足を急がせた。

 咲子は二階で二人が愛欲しあっていることを知りながらも気にかける様子なく黙々と仕事に打ち込んでいたが、田口の申し出を聞くと「ニッコリ笑って」賛同した。

 田口は咲子を連れて会社の裏側へ来ると手書きの図面を片手に身振り手振りで想像図を咲子に聞かせ、咲子もまた賛同しつつここはどうなるアソコはどうすると熱心に質問した。

 と、その時だった。 

 

 キャッ!



 積んでいた廃材の山の横を通った瞬間、突き出た木材に咲子は右脚を擦ってしまった。

 幸いなことに傷を負わなかったが咲子の履いていたパンティーストッキングが伝線してしまった。

 すると咲子は恥かしそうに伝線した箇所を手で押え田口は伝線した箇所と咲子の恥じる仕草に胸の奥をドキッとさせた。
 
 咲子は笑みを浮かべ照れ笑いしたが田口は女性(さきこ)の恥じらいに胸の鼓動をドキドキさせていた。

 程なく咲子は伝線箇所を隠すように斜め歩きして事務所へ戻って行ったが、田口は興味の無い興味のない純女に胸のトキメキを抑えられないまま倉庫へと戻った。

 だが事務所では咲子は伝線したままのパンティーストッキングを替えることもしなかった。

 木村のところへ行けばあるのは解かっていたが二階にいる木村と早苗の邪魔をしてはと気遣っていた。

 そして一時間ほどするとようやく二階から降りて来た木村は風呂へ行ったが早苗は二階で片付けをしているのだろうと咲子は気にも留めなかった。

 三十分ほどして木村が風呂から出て再び二階へ申し合わせたように上がると今度は早苗が降りてきて風呂場へと入って行った。

 咲子は「もういいだろう」と、パンティーストッキングを事務室でスカートに手を入れて脱ぐと丸めて屑篭に捨て二階の社長室へと上がって行った。

 そして木村から替えのパンティーストッキングを貰うとその場で履いて田口の発案を伝えると、胸を隠すように大きなバスタオルで身体を覆った木村は「そりゃあいい♪」と、ニコっと笑った。

 木村は早速、上下のスウェットに身体を包むと倉庫にいる田口のところへ出向き、黙々と仕事をこなす田口に木村は辺りをキョロキョロ見回しながら近付くと後ろから抱きついた。
 


 咲子から聞いた~~♪ いいアイディアだよ♪ 
 


 田口は木村に後ろから抱きつかれたまま照れ笑いすると身体をクルリと木村に向けそのまま小さな口付けをして木村と額をくっ付けた。

 そして木村の肩を抱きながら数歩ほど奥へ移動すると小さなドアを指差して「ここと繋げれば一々着替えなくてもここに来れるだろ♪」と、喜ぶ木村の頬にキスをして、ドアとは逆の方へと木村を誘導するとそのまま床にひざまずいて木村のスボンと下着を降ろしブラ下がっていたペニスを口に銜えた。

 木村は左側に積んであったセメントに手を伸ばしガクガクする身体を支え田口に下半身を預け、結局早苗に禁じられた射精を田口の口の中に果たした。

 早苗とのプレイで濡れに濡れ水分を失ったドロリとした精液を飲みづらそうにゴクリゴクリと喉を鳴らして田口は飲干した。

 

 早苗さんは出してくれなかったんだろ…… これからは俺が出してやるからな♪ そろそろ行かないと咲子さんに変に思われるから行きな♪



 精液を飲干した田口はヨロける木村の下着とズボンを上げてやると立ち上がって木村の頭を軽く撫でた。

 木村は撫でられる頭にウットリして目を細めると田口はそのまま仕事に取り掛かった。

 夕方六時いつものように慌しく帰社した従業員達を迎え入れた最終業務も終り早苗と咲子は帰宅とたが木村は翌日の最終チェックに追われていた。

 以前なら木村の目を気にして直ぐに帰宅していた田口だったが木村とのあの夜の愛欲以来、木村の目を気にすることもなく早く裏側の塀を完成させたいと廃材から使えそうな材料の選定に追われていた。

 そして陽も落ちて夜に入ろうとした頃、田口はゴミ袋を手に事務所内を歩き回っていた。

 倉庫、玄関、事務室の順に最後は二階の社長室と頭に描きながら屑篭のゴミを袋に入れ歩き事務室に来た田口は屑篭の中に咲子が脱いだパンティーストッキングを見つけた。

 それを手に取った瞬間、胸がドキドキと高鳴って胸全体がムラムラモヤモヤし出した。

 
 
 咲子さんが一日中履いてたヤツだ………



 頭の中にフッと浮かんだ言葉に純女(さきこ)に興味のなかったはずの田口は丸められたパンティーストッキングを解いて両手で顔の前にダラリと垂らした。

 右脚部分に伝線箇所があって咲子の下半身を包んでいた光景が脳裏に蘇った瞬間、田口は両手で垂れ下がったパンティーストッキングを纏め鼻の前に持って来て匂いを嗅ぎ始めた。

 誰も居ない静まり返った事務室にスゥーハァースゥーハァーと漂った。

 

 何ていい匂いなんだ…… 純女(さきこ)さんの香り……



 田口は夢中になって咲子の使用済みパンティーストッキングの匂い嗅ぎ続け最後は酸味の強い爪先部分の匂いを嗅ぐと口の中に入れてクチャクチャ下品とも言える音を立てたが、田口は純女の素晴らしさを生まれて初めて知った気がした。

 すると田口は我慢出来ないとばかりに、そのままトイレに走りズボンを降ろしパンティーストッキングとレモン色のパンティーを慌てて膝まで下ろしベンザに腰掛けた。

 左手で咲子のパンストの爪先をクチャクチャと味見しながに右手の中指で硬くなった自らの亀頭の先っぽを擦ると直ぐにヌルヌルした愛液が溢れてきた。

 自分と同じパンティーストッキングなのに咲子さんのは何故、こんなに切ないほど素敵な匂いなんだろうと胸をトキメかせ、数分後に便座の中に白い精液を放った。

 それでもムラムラ感の治まらない田口は再び亀頭を擦りながら再び咲子の恥かしい部分を覆っていたであろう箇所に鼻を押し付けて匂いを嗅ぎ始め、田口は二度目の射精を便座の中に放った。

 この夜、田口は木村とは愛欲せずに仕事を終えるとポケットを膨らませて帰宅し、自分が履いていたパンティーストッキングの匂いと嗅ぎ比べてみた。

 まるで違う純女の香りと男の匂いに田口は圧倒され強いショックに見舞われた。

 



【二十一話】



 
「ねっ! お願い! 田口くん以外にこんなこと頼める人、居ないのよ~」

 昼休み事務室では居心地が良くないと倉庫の中の休憩室で休んでいた田口のもとを咲子が尋ねていた。

 母親の姉が持って来た縁談を断るための口実を母親に見せる必要に迫られた咲子は田口に恋人の代役を頼んでいた。

 ただ母親に会って恋人を装ってくれればいいという話に田口は気軽に了承したが実際に咲子に連れられて行って見ると流石は咲子の母親に中々恋人だとは信じて貰えず結局、母親の勧めで一晩咲子の部屋に泊まることになった。

 
「恋人同士なら、もう子供じゃないんだし同じ部屋でも問題ないでしょ♪」
 
 鍋を囲む夕飯中、ビールで乾杯した後に突然咲子の母親らの提案は咲子は勿論のこと田口も動揺させた。

 だが土壇場に強いと自負している田口は腹をくくり動揺を平静に変え「はい♪ ありがとうございます♪」と、ニッコリ微笑んで母親と咲子の顔を見回した。


 
 壁を隔てた隣室に居る母親を気にしながら咲子の部屋のベッドの横の床に用意された客間用の布団に、田口は何か仕切るものは無いかと咲子に尋ねたが咲子は「そんなもの見られたらかえって怪しまれる」と困惑した。

 田口はベッドに腰を降ろして困った顔する咲子のヒョコヒョコ動く黒いパンティーストッキングに包まれた咲子の足を気にしながら、デニムの膝丈スカートを履く咲子を床から見上げた。

 

『多分、夜中にコッソリ覗きに来るか壁に聞き耳を立てて本当の彼氏かどうか探るはずよ……』
 布団の上に胡坐する背広姿の田口に咲子は缶ビールを喉に流し込んで声を潜めた。


『ああ、それなら咲子さんパジャマとか無いんですか? 俺、向こう向いてますから着替えて下さい♪』
 咲子に視線を合わせた田口は名案を伝えた。


『あのバカ親、洗濯機に放り込んじゃったのよ! まあ、ここまで独身通して来たからね~ 仕方ないっちゃー仕方ないんだけどさ~ ああーもおう!』
 咲子は田口から視線を反らすと突然、着ていた服を脱ぎ捨てるとベッドの傍の机の上に投げ捨てた。


『あっ!』
 田口は服を脱いで白いスリップ一枚になった咲子から顔を背け手で目を覆った。


『いいよ! 田口君、もういいからさ! 寝よ。 寝ちゃえば問題ないでしょ。 オヤスミ!』
 咲子はベッドに入って布団の中でスカートを脱ぐと続けて黒いパンティーストッキングをも脱いで枕元に置いた。
 

 田口は咄嗟の出来事に息を飲んだまま暫く吐き出せなかった。

 すると咲子は布団から顔を出して「田口君も脱いで」と、急かすように脱衣を促し田口は木村に申し訳ないと思いながら咲子の横下で肌着とトランクスになって布団に包まった。

 だが田口は咲子の枕元に置いてある使用済みの黒いパンティーストッキングが気になって仕方無かった。

 そればかりかトランクスの下で田口の下半身に張り付いていたバンティーが俄かに濡れていると田口は感じていた。

 モンモンと胸の奥にかかる靄(もや)を感じながら田口は横のベッドに無防備で横たわる咲子が気になって仕方なかった。

 そんな中、咲子はというと田口を気にせずに既に寝息を立てていたが寝返りを打つたびに布団から漏れる純女の甘い香りに田口は眠ることも出来なかった。

 そして一時間ほどが経過しようやく田口にも睡魔が訪れた矢先、ドアの向こうに足を忍ばせ近付く音を感じた。

 田口は咄嗟に「確認しに来たな…」と、思ってベッドに眠っている咲子を布団の上から揺り動かして知らせた。

 咲子はその動きに、ハッと目を覚まして上半身起き上がると窓から入るカーテン越しの月明かりに白いスリップ姿を浮かびあがらせた。

 それを見た田口は、ハッとして咲子から顔を背けたものの廊下を歩く足音に咲子は田口に腕を伸ばしベッドに入るように即した。

 田口はその瞬間、胸の奥の鼓動を最大にし咲子のベッドに入ることをためらったが足音がドアの前でピタリと止まった瞬間、田口は我を忘れて咲子のベッドに潜り込んだ。

 女装子とは違う柔らかい咲子の身体を肌に感じた田口はトランクスの下に履いていたパンティーを一気にグッショリと濡らした。

 そして田口が咲子と頭を揃えた瞬間、ドアノブがゆっくりと回ってドアが半開きになると静かに人影が半分中を覗き始めた。

 何て疑り深い母親なんだだろうと、田口は後ろにいる咲子の甘い香りと柔らかさを感じながら薄目を開けて母親の顔を見据えていた。

 そして数十秒が経過したころ咲子の母親は身体をドアの向こうに潜めドアを静かに閉めた。

 すると後にいる咲子が田口に「ゴメン… もういいよ…」と、声を潜めた瞬間、田口は掛け布団の中で身体をクルリと回して咲子の上に身体を重ねた。

 咲子は田口の行動に絶句し慌てて田口の身体を両手で遠ざけようとした瞬間、田口は「咲子さん! 俺! 俺!」と、声を潜めて咲子の両手をベッドに押し付けた。

 咲子は突然の田口の豹変に大声を上げる訳にも抵抗する訳にも行かずの窮地に追い込まれたまま田口の唇と舌を喉元に受けた。

 必死に首を左右に振って逃げる咲子に田口は容赦なく唇と舌を滑らせその度に咲子は全身をビクつかせた。

 田口は咲子に永遠に嫌われる覚悟で甘い香りを放つ咲子の首の付けねにムシャブリついた。

 咲子は田口からの愛撫に瞬きを繰り返し声を潜めて「やめてぇ田口君、お願い許してえぇ」と、何度も哀願したが田口の舌と唇は止まることなくそのまま咲子のスリップの肩紐を歯で噛んで引き降ろした。

 咲子は両肩から肩紐を外された瞬間、ハッとしてリ両目を大きく見開いたが叫ぶことの出来ない咲子はプリンッと揺れた柔らかい白い乳房に舌を滑らされた。



 アゥッ! ァァァアゥッ!



 無意識に出そうになった喘ぎ声を咄嗟に止め喉の奥に溜めた咲子はそのまま乳首に吸い付かれ柔らかかった乳首を勃起させた。

 そんな中で田口は夢中で味わったことのない純女の甘い香りと味とプリンのような柔らかい肌に自分が同性愛者であることを忘れ、咲子の両手がシーツに爪を立てるころ田口は抑えていた咲子の両手を自由にし両手で乳房を揉み回しながら夢中で乳首を吸い舐めまわした。

 女装子しか知らない田口にとって初めての純女は味見している自分がトロトロに溶けてしまいそうなほど官能に浸っていた。

 咲子もまた若い男からの激しいまでの愛欲に出せぬ喘ぎ声と強烈な愛撫の「狭間」に身を置いて悶絶していた。

 狂おしいほどに咲き乱れる咲子は狂おしいほどに官能に浸る田口に下半身を包むパンティーを愛液で濡らした。

 そして田口のプロ級とも言える愛欲テクニックが咲子を襲い包み込んだ瞬間、咲子はこの世の者とは到底思えないほどの快楽に「このまま死んでもいい」とさえ思った。



 アアァァァーンッ!! ァンァンァンアアァァァァーーーンッ!

 

 咲子の激しい喘ぎ声は空き隣室の向うの部屋にいる母親に届くほどの狂おしい愛欲だった。

 母親は実の娘の愛欲に浸る女の鳴き声を目を丸くして聞き畳みの上に敷いた布団の上に仰天して起き上がると大きな溜息をしても尚、連続して耳に届く娘の狂い死ぬほどのヨガリ声に両耳を手で塞いだ。

 

 ナンマン陀仏… ナンマン陀仏… ナンマン陀仏……



 母親はこの世の者とは思えない狂乱の喘ぎ声に思わず布団の上で合掌して念仏を唱えた。

 だが、いくら拝んでも拝んでも耳に飛び込んで来るケタタマシイ女の鳴き声は止むことを嫌ったように聞こえて来た。

 その頃、ベッドの上に居た咲子は仰向け両脚を大きく開き恥かしい部分を広げられ田口に舐められていた。

 田口は生まれて初めて匂いを嗅ぎ舐める割目の味と舌触りと柔らかさにこの世の物とは思えない人間の性の奥深さを感じ咲子と出会えたことを神に感謝した。

 咲子の柔らかい太ももを腕に抱いて内モモの肉肌を顔の両側に感じながら咲子を味わえる喜びを神に感謝し咲子の狂乱するほどの喘ぎ声に人間は「脳」が官能に浸ることを知らされた思いがしていた。

 咲子もまた女に生まれたことを神に感謝せずには居られないほどの感謝を渦巻かせた。
 
 そんな咲子は一時間後には一本の髪の毛の先までもが官能する不思議な感覚に陥っていた。

 そしてシックスナインに突入し男とも女ともつかない田口の不思議な股間を舐めた瞬間、咲子は奇声を発して生まれて初めて潮吹きを田口の顔面に浴びせた。



 ああああああぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーーー!!! ううぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーー!!



 奇妙な咲子の奇声と共に吹き出た潮を田口の顔は上にいてビショビショになりながらも咲子の割目に口を押し付け漏らしてなる物かとそれを飲み込んだ。

 咲子は開いた両脚を大きく痙攣させ全身をヒクヒクさせ暗闇の中で顔を大魔神のように険しくさせると、突然舐めていた田口の亀頭から熱い生臭い精液が顔に飛び散った。

 田口は自分が射精していることにも気付かないまま咲子の潮を飲み咲子の顔は見る見る間にネットリした水分のない精液に塗れ口の周りに滴った精液を舐めながら吸い付く亀頭は紫色に変色していた。

 
 二人の愛欲はまるで獣と魔物のようだった。


 咲子の母親は布団の中に上半身をいれ合掌して念仏を唱えていたが余りの恐ろしい実の娘の壮絶な喘ぎ声に今日、この日の田口との顔合わせを後悔した。

 
 

 
 
【二十二話】
 
 



 

『どうしたの? 最近、してくれないのね……』
 タイトスカートを履きブラウスを纏う木村は社長室に呼んだ田口に後から抱き付いて甘えるような仕草を見せた。

 すると田口は黙って木村(マコ)の手を振り解くと「仕事に戻る」と、だけ言い残して社長室を退室し、ポツンと残された木村(マコ)は困惑した。

 木村(マコ)との愛欲は一週間以上なく、それでも仕事に打ち込んでいる田口を悪くは思えない木村は終業と同時に田口を再び社長室に呼んだ。


『どうしたの! ねぇ何か言ってちょうだい! ねえってばぁー!!』
 無言で木村に視線を合わせず立ち尽くす田口に苛立つ木村(マコ)は木村に抱き付いて田口を揺すった。

 だかこの日も田口は用事があると言って社長室を退室した。



 田口は咲子と関係を持って以来プライベートで咲子と付き合っていたがそれは早苗ですら知らぬことだったことで当然、木村(マコ)も知る由はなかった。

 それから数日して再び田口は木村に社長室へと呼ばれた。


『ねぇ♪ コレ見て♪ 貴方にプレゼントを用意したの♪ 気にいってくれるといいけどな~♪』
 木村(マコ)は外国製の高価な腕時計を見せると不安を隠して田口に渡した。


『こんな高価なもの受け取れないよ…』
 田口は木村(マコ)から差し出された高級腕時計を受け取らなかった。


『……………』
 木村(マコ)は無言で大粒の涙をポタポタと立ったまま床に零した。


『お願いよぉ~ 前みたいに笑って見せて…… 前みたいに私のこと可愛いって言ってちょうだい…… お願い……』
 木村(マコ)は顔を上げて俯く田口に声を細めた。

 
『………』
 田口は一瞬、思い詰めた表情を木村(マコ)に見せたが直ぐに俯いて両腕をダラリとさせて壁に寄りかかった。



 木村(マコ)はこの時、田口との別れを直感した。
 

 
『お願いがあるの。 私から離れたがっている貴方を無理には繋ぎとめたりしないから。 最後に一度だけ、最後にもう一度だけ抱いて頂戴…… お願い……』
 木村(マコ)は寂しげな顔して涙を拭くと黙って田口に抱き付いた。

 田口は無言のまま抱きついた木村(マコ)の頭を軽く撫でると目を閉じて口付けを求める木村(マコ)に応じようと顔を近づけた。

 その瞬間、田口は木村(マコ)を自分から突き放して木村(マコ)に背中を向けると物凄い勢いで嘔吐をした。


 おおおおおええええええぇぇぇぇーーーーー!! うげええぇー!! おおおええええぇぇーー!!


 口付けに応じようとした田口を襲った突然の「オヤジ臭」は田口を斜屈ませるほどの刺激臭でこれを思い切り吸い込んだ田口はその途方もない臭さに床に嘔吐を繰り返した。

 それを見た木村(マコ)は顔を真っ青にして田口の身を案じて寄り添おうとしたが突然の田口の怒号に呆然と後退りした。


 近付くなああ!! 臭えんだよおおおー!!  オゲエエェェー!! ゲロゲロゲォー!!


 田口は近付いた木村(マコ)を拳骨を握って振り払うとチラッと木村(マコ)のアゴヒゲを見てゼェゼェゼェと息を整えた。

 木村(マコ)は何が何だか解からぬまま、ただ自分を目を血走らせて睨み付ける田口に両手で口元を覆い隠して怯えていた。

 すると田口は木村(マコ)に視線を合わせて「お前、オッサン臭えよ……」と、ボソっと呟くと社長室を出て行ってしまった。

 田口の言葉に木村(マコ)は顔を真っ赤にして号泣してその場に崩れ、翌日から田口は出勤して来なかった。

 


 お前オッサン臭えよ……


 木村(マコ)の脳裏に焼きついて離れない田口の言葉は何日も木村(マコ)から生気を失わせた。

 だが木村(マコ)がなぜドンヨリと意気消沈しているのかを田口の恋人である咲子は知っていた。

 木村の元気の無い姿は咲子にも早苗にとっても辛いものだった。

 普段は明るくて陽気な木村(マコ)の荒んでいく様に咲子は何度も正直に本当のことを話そうとしたが、話しても許されるはずもないことは知っていた咲子は複雑な思いのまま耐えていた。

 そんな時、木村を元気付けようと寄り添った咲子に木村は愛欲を求めたが恋人である田口を「男」として認めていた咲子は木村の求めに応じられるはずもなかった。

 

 そっか… お前までもが俺を………



 木村は社長室を後にする咲子の後姿に愕然とし早苗を内線電話で呼ぶと、社長室へ来た早苗に生理を理由に求めを拒絶された。

 そんな木村の中に兵頭の顔が浮かんだのは、時間を掛けてようやく別れたはずの兵頭だが「彼なら優しくしてくれる…」と、携帯電話を握り締めたがあの夜の身体中に付けられた無数のキスマークに携帯電話を放した。

 木村(マコ)は恐ろしいほどの孤独感に見舞われていた。

  
 

 
【二十三話】

 

 
 
 誰もいない日曜日、木村はポツンと女になって一階事務室でコーヒーを飲みながら新聞に目を通していた。

 もう枯葉も落ちて秋も終りを告げようとしていた季節だというのに木村は半袖シャツとマイクロショートパンツという姿だった。

 パンティーの上からパンティーストッキングを履きその上からニーソックス、半袖シャツの下はキャミソールだけだったが、巨大な暖房機が吹き寄せる温風の所為で室内は二十八度近くまで上昇していた。

 田口にオヤジ臭いと言われて以来、朝だけ磨いていた歯もこの頃では一日三度はブラッシングをし全身の体毛にも気遣い、妻にバレることを恐れ脱毛しなかったスネ毛もいつもより多めに手入れをしていたことで、パンティーストッキング越しに見ても無駄毛は殆どないように見えていた。

 木村はいつものように新聞を見終えると女の姿のままで月曜日の仕事の準備を九時までかかってようやく終えると、再びコーヒーを入れて二階へと移動した。

 そして大きな椅子に腰掛けるとリクライニングさせ田口とであった頃から出勤しなくなるまでを目を閉じて思い出していた。

 木村は何故急に田口が冷たくなって来なくなったのかを考え始めたが思い当たるフシは見当たらなかった。

 ただ田口が来なくなったが田口が自分のためにと作ってくれた裏口から倉庫へ着替えずに行ける塀には感謝していた。

 

 そうだ!



 木村はフッと田口が最後の方に整備した部材を見てみたくなって倉庫へ行ってみようと思い立った。

 一階へ降り裏口への廊下を突き進むとドアがあってそれを開くと木村はその寒さに身を震わせたが、高さ二メートル以上の高さの塀が倉庫まで十五メートルほど続いていた。

 倉庫の裏口の鍵を差し込んでドアを開くと真っ暗な室内に入り田口が付けてくれた蛍光シールの付いた照明スイッチをパチッと押した。

 綺麗に生理整頓された内部を見たとき木村は田口が辞めることを決意していたことを知った。

 寒さに全身を震わせながら木村は倉庫の中で部屋へ持って行ける物を探し始めた。

 木村は何か羽織ってくればよかったと後悔したがそのままの格好で三十坪ほどの倉庫の内部を歩き回った。

 以前なら現場から戻った部材やら廃棄材料で溢れていたはずの内部は何処をみてもキチンと整頓され従業員達も流石にこれは汚せないのだと木村は感心した。

 思えば惜しい逸材だったのかも知れないと木村は思いながら斜屈んで田口の仕事をした形跡を目で追い、ポタリポタリとコンクリート製の床に涙を零した。

 涙で前が見えなくなった木村だったが事務所に戻ろうと立ち上がろうとした瞬間、後に尻餅付た。



 キャァッ! 痛あぁーい!



 倉庫の中に木村の小さい悲鳴が響いた。

 ショーパンから突き出た左脚の尻モモをコンクリートのザラ付いた床が伝線させた。

 勿体無いと悔しがりながら木村は再び立ち上がって身体を捻って伝線した部分を見据えた。

 すると田口が置き忘れたのか普段使っている金づちが置いてあるのを見つけた。

 木村はニコっと笑むとそれを拾い上げ両手に持ち替えると胸に押し付けると大事そうに抱えて倉庫を後にした。

 社長室へ戻った木村は暖房の前に陣取ると冷えた身体を温めつつニーソックスを脱ぎ捨てるとショーパ、続いてパンストを脱いだ。

 お気に入りのパンストだっただけに木村はガッカリした表情を浮かべたが、机の上に置いた田口の金づちを見て照れるように微笑した。

 そして再びクローゼットの前に立つと冷えた所為もあって定番の黒いタイトスカートと黒いパンティーストッキングを出して着衣し上もブラウスに着替えると、伝線したパンストを丸めて屑篭に捨てた。

 木村は田口の金づちを身ながら椅子に腰掛て化粧を始めたが、金づちを見詰める目は田口を見詰める目に変わっていた。

 化粧後、木村はロングの栗毛のカツラをかぶるとタバコに火を灯し足組して金づちに見入った。 そして金づちから発する田口の面影を蘇らせ涙ぐんだが直ぐに涙を堪え吸始めて間もないタバコを消した。



 その頃、田口は遊びに来て履き忘れて帰った咲子の使用済みのパンストと自分の履いたパンストの匂い比べをしていた。

 咲子の使用済みパンストを鼻に押し付け思いっきり鼻で吸い込むと濃厚な甘い香りが田口を酔わせたが、続けて自分が履いたパンストを嗅いだとき田口は吸い込んだ匂いを吐き出すように咳き込んだ。

 田口はことごとく咲子に隠れて咲子の匂いに幸福感を味わっていた。

 スリップにブラジャーにパンティーに至るまで田口は女装子(おんな)とは違う純女の濃厚な香りに酔いしれた。

 田口は今まで自分が愛した女装子(おんな)達のことを思い出し継続する嘔吐感に苛まれた。

 そしてこれを機会に田口は女物であるパンティーを全て捨て去り男物のビキニタイプの下着に買い替えていた。

 

 今までなんであんな女装子(モノ)が可愛く見えたりしてたなんて……… オェッ!


 
 田口は五十過ぎのオッサンである木村の身体を舐め回し味わっていたことに激しい嫌悪感に見舞われ、それを浄化するように咲子の愛らしくて柔らかい身体を思い浮かべた。

 生まれてから女装子しか視野になかった田口に男としての春が訪れていたが、咲子は失ったペニスの再手術の出きる病院を密かに探し回っていた。

 亀頭と根元だけが存在する田口の手術は容易なことでないことは咲子も知っているがワラをも掴む思いだった。

 それは田口の体温を身体の内側で感じたいという咲子の女としての願いだった。

 そんな願いの最中、田口は咲子の使用済みパンストの匂いに蹲って歓喜していた。



 その頃、木村は社長室で胸から消えた乳房が原因ではないかと考えていた。

 乳房さえあれば田口は戻ってきてくれると真剣に悩んだ末に「今度は本物を入れるぞ!」と、インターネットで豊胸手術のホムペを閲覧していた。

 木村は田口に愛欲されている自分を思い浮かべながら豊胸してくれそうなクリニックを探し続け、俄かにスリップの下に汗をかき始めた。

 ベタベタと肌に張り付いて気持ち悪い木村はブラウスのボタンを外して指で抓むとパタパタと煽ぎ始めた。

 その瞬間、木村は今までに感じたことのない妙な匂いがしていることに違和感を覚えた。

 

 何だ? この匂い……



 自分の身体から発した湿った花火の火薬のような妙な匂いに木村は気分を害しブラウスを脱ぎ捨てた。

 そしてスカートを脱いでスリップを身体から剥ぎ取ると乾いたタオルで上半身をゴシゴシと拭き始めた。

 

 アレ? 匂わなくなった……



 木村はこの時、これが噂の加齢臭だとは全く気付かなかった。

 そしてこの日いらい木村は自分から発している妙な匂いが気になり始めた。

 

 あらっ、アナタどうしたの?



 自宅リビングでテレビを横目にソファーの上で襟元をパフパフやって匂いを確かめる木村を見た妻は首を傾げた。


『いや… 何か最近微かに妙な匂いが偶にするんだよ。 毎日じゃないんだが…』
 白いワンピース姿の妻は台所仕事で濡れた手をタオルで拭きながら木村に近付くと、顔を近づけて木村の匂いを嗅いだ。


『加齢臭でしょ? そろそろ年だしね~』
 木村の妻はウフフと笑みを浮かべながら木村の隣りに腰掛けるとスリッパーから足を出して床に置いた。


 木村は妻の足を包むブラウン色のパンティーストッキングをチラッと見た。


『えぇ! 加齢臭!? おいおい六十過ぎのジイサンじゃあるまいし! あっはははは♪』
 木村は妻の言葉にドキッとしてバカバカしいと大笑いした。


『加齢臭はね! 三十歳過ぎてから既に出ているモノなのよ♪ 全く~ そんなことも知らないのおぅ~ キャハハ♪』
 妻は手を叩いて木村を笑った。


 木村は熟した妻の笑みが愛らしく思えた。

 
『キャッ♪ ちょっとダメよ♪ あんっ♪ ダメだってばぁ~♪』
 木村は妻をソファーに押し倒すとワンピースの裾を捲くりあげ両腕で両太もも担ぐようにその間に顔を埋めて陰部の匂いを嗅ごうとした。


『ちょっ♪ ダメだってばぁ♪ 汚れてるからー♪ ヤァーダァ~♪』
 妻は照れて赤面して陰部の匂いを嗅ごうとする木村に笑いながら抵抗し、木村はパンティーストッキングに包まれた太ももに両頬をスリスリさせた。


 柔らかくムッチリしてプリプリした妻の太ももが心地よく木村の頬を刺激し木村はボッキして肉棒をギンギンにしていた。

 そして木村はパンティーストッキングに覆われた水色のナイロンパンティーの上から物凄い吸引力で鼻から匂いを吸い込んだ。

 両太ももにあるパンティーストッキングの切り替え部分を横目でチラチラ見ながら押し付けた鼻から入った女性独特の甘臭い香りが木村を包むと木村は我慢ならんと真昼間のリビングでスウェットズボンを降ろそうとした。



 お母さんただいまぁー!!



 木村は帰宅した娘の声にガバッと起き上がってズボンを調えると妻の手を引いて乱れを整えさせた。

 妻は「だからヤダッって言ったでしょ!」と、ばかりな顔で木村に口を尖らせ立ち上がると玄関へ子供を迎えに移動した。

 木村は両頬に残る自分とは違う妻の内モモのプリプリ感の心地よさに浸っていた。

 妻の身体を貪る男でありながら時折心は女になって男に抱かれ、レズ相手の女王様から女として扱われることに喜びの声を上げる。

 男でありながら一時でも出来た乳房に涙を流し男に揉まれ吸われることに歓喜しながら愛人女性の乳房に顔を埋め肉棒を肉穴で擦って射精する。

 女装すれば心は女に、男装すれば心は男に変化する自称「心は女性」の木村は「私は変態なんかじゃないわ! MTFよ!」と、ムシのいいことを自分に言い聞かせつつ女装して射精をする。

 そして帰宅すれば子供の良き父親。 良き夫として幸福な家庭に身を沈めるが、木村は妻に緊博プレイを教えてしまっていたことに気付いてはいなかった。

 第一部は発端の前置き。 第二部はいよいよ発端の本筋へと突入する。

 
【発端・第一部完結】

発端

発端

  • 小説
  • 長編
  • 恋愛
  • サスペンス
  • ミステリー
  • 成人向け
更新日
登録日
2012-12-26

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