【声劇台本 女2】「はい、ダメー!」 女性サシ版

メイロラ

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『はい、ダメー!』 女性サシ版

◆登場人物
女1 … 彼氏いる人
女2 … 彼氏いない人


◆◆◆本文

(居酒屋のカウンターで飲む女2人)

女2:あーあ。帰りたい。

女1:え? なにそれ?

女2:あ、ごめん、あんたと飲むのが嫌だって話じゃなくて。ただの口癖。

女1:あー……

女2:気が付いたら言ってるんだよねぇ「帰りたい」って。

女1:あー、社畜はつらいねぇ。

女2:もうさ、朝起きたら、一番に思うことが「帰りたい」 家で、スマホいじってても唐突に「帰りたい」

女1:家にいるのに?

女2:家にいるのに。

女1:重症だね。

女2:ごめんね、愚痴って。

女1:いや飲みに来てるんだから、愚痴くらい、いいって。大変だよねぇ、働くって。私も似たようなもんだし、今日も社長がさ……

女2:ちょっと待って。

女1:ん?

女2:あんた、彼氏いるよね?

女1:うん。

女2:はい、ダメー!

女1:は?

女2:ダメ。

女1:ダメってなに?

女2:彼氏とどれくらいの頻度で会ってるの?

女1:んー週一かな?

女2:電話は?

女1:ほぼ毎日?

女2:やさしい?

女1:ものすごく。

女2:「好きだよ」って言ったら?

女1:「俺も」って言ってくれる。でへへへ。

女2:はい、ダメー!!

女1:だから、なにそれ。

女2:もう思い出して、嬉しくなってるじゃん! なんで、彼氏いる人の愚痴、聞かないといけなのよ。チャラでしょそんなの、むしろプラスじゃん。

女1:いやいや、彼氏いるのは確かにありがたいよ? 癒しだよ? けど、仕事が辛いことに変わりはないんだってば。
女1:聞いてよ、急に社長に呼び出されて「君にはブレーキの壊れた車になって欲しい!」って

女2:は?

女1:その後、いかに給料を払いたくないかを1時間も聞かされて疲れた。

女2:え、あんたの会社の社長、バカなの?

女1:多分。そう。

女2:え、大変そう。

女1:でしょ?

女2:だが知らん!

女1:ひどくね?

女2:ひどくない。

女1:なんで。

女2:あんたの会社の社長がアンポンタンなのはわかった。でも! 毎日、電話で彼氏が慰めてくれるんでしょ?

女1:くれる。

女2:ほお……

女1:でへへへ……

女2:はい、ダメー!

女1:なんでだよ。

女2:あーあ! 私だって、「もう寝た?」とかLINEしたいよー。来るLINEは、全部業者ばっかり、あーあ、私いったい何のために生きてるんだろ。

女1:あーそういえばさ、彼氏の友達があんたのことかわいいって言ってた。

女2:え、マジで? なんで早く言わないのそんなこと。

女1:今、思い出した。

女2:え、どんな人? かっこいい?

女1:どうだろ……ちょっとまって……えっと……(考え込む)

女2:そんなインパクトの薄い人なの?

女1:いや、その人と会うときはいつも彼氏と一緒だからさ、私、彼氏しか見てないから、あんまり覚えてなくて。

女2:はい、ダメー!

女1:あ、でもニノに似てるって彼氏が言ってた。

女2:マジで? ニノ!?

女1:うん

女2:……そっか。

女1:うん。

女2:うん。

女1:うん?

女2:うん、じゃなくてさ、ここは橋渡しようかーって言うのが友達じゃん? 今度、みんなでご飯行こうとか、連絡先渡しとこうか?とかさ。

女1:ああ、じゃあ今度、彼氏とその友達と飲みいくから来る?

女2:なんだよあるんじゃん、早く言ってよー! 行くに決まってるじゃん。いついつ? やべ、何着ていこう……

女1:その人の、奥さんもくるけどいい?

女2:奥さん?

女1:うん。

女2:ワイフ?

女1:ワイフ。

女2:もしかして、その人既婚者?

女1:そうだけど?

女2:はい、ダメー!

女1:いや、あんたが紹介しろっていったんじゃん。

女2:常識で考えてよ、私は彼氏が欲しいの。不倫相手じゃなくて! 独身で、優しくて、私と付き合ってくれる人いないのー?

女1:あー……じゃあ、マナブさんとかどう?

女2:マナブさん?

女1:バツイチだけど。

女2:バツイチかぁ……まあ、相性がよければそれもありかなぁ……子供は?

女1:いる。

女2:うーん、いきなりお母さんになるのかぁ。ちょっと不安かなー?

女1:大丈夫だって、子供って言っても私だし。

女2:は?

女1:ん?

女2:あんたのお父さん、たしか奥さんと離婚してたよね。名前は?

女1:マナブ。

女2:はい、ダメー! いやさ、私は、けっこうオジサンいけるタイプよ? 枯れ専に目覚めつつあると言っても過言ではないよ? とはいえ! いきなりあんたのお父さん紹介されて、下手したらあんたのお母さんになるとかさすがに無理だよー!

女1:そう? 私はあんたとなら家族になっていいと思ってるけど。

女2:何いってんの、気持ち悪いな。

女1:別に、本音だし。

女2:だったら、お父さんじゃなくて、あんたと付き合った方が早いじゃん。

女1:え?

女2:ははは、なんつって……ん? どうした?

女1:いや、どうしようかなーと思って。

女2:は?

女1:私、実はあんたのこともいいと思ってたんだよね。ちょっともったいなかったなーって。

女2:待て待て。

女1:でも彼氏好きなんだよなー。これって浮気になるのかな? 女だからセーフ? あ、それは彼氏次第か……今度それとなく聞いてみるか。

女2:え、本気?

女1:本気だけど?

女2:そうか……まあ……私もあんたなら……

女1:……ほんと?

女2:うんまあ、だって気が合うし、いい子だし、かわいいし?

女1:……そんな風に思ってたんだ……なんか、嬉しい………

女2:やだ、やめてよ……ここ、外だよ……

女1:じゃあ、場所、変える……?

女2:そう……だね………(見つめる)

女1:(見つめる)

女2:……ねえ

女1:なに?

女2:そろそろやめていい?

女1:だね。

女2:なんで毎回このくだりやらないと気がすまないの?

女1:なんか、やんないと気持ち悪いじゃん。

女2:やめよー定番化するの。……まあ、いいや。焦ってもしょうがないか。こうやって、バカ言い合える友達がいるだけ、恵まれてると思うことにする。

女1:そのうちいい人が見つかるって。

女2:そうかなー?

女1:ま、私の彼氏ほどじゃないと思うけど?

女2:いい加減にしとけよ?

女1:だって私の彼氏が世界一可愛いし。

女2:殴っていいか?

女1:ごめんなさい。

女2:もう許さん。

女1:安心して、あんたのことも可愛いと思ってるから。

女2:……

女1:……

女2:……って、もうやらないよ? 一晩で一回でお腹いっぱいだよ。

女1:ダメか。

女2:絶対、私も彼氏作ってやる!

女1:うん、うん、がんばれ。

女2:なんか言い方むかつくー! (酒を飲み干す)もういい、どうせ私には酒しかないんだ! もう一件行くぞ!

女1:あ、ごめん今日はそろそろ帰る。

女2:は?

女1:彼氏からLINE来て。すごくかわいいパジャマ買ったから見せたいってさ。

女2:はい、ダメーー!

【完】

【声劇台本 女2】「はい、ダメー!」 女性サシ版

【声劇台本 女2】「はい、ダメー!」 女性サシ版

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-12-04

Copyrighted
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