ᎠNA

DNA

思いを馳せる
そうする必要もないほど
思い出させる
そんなものに出会い続けたい ほろ苦くても

私の知らない文字
その由来のひとつひとつに 
顔も知らないけれど、繋がっている人たちがいた
脈は、この目が焼却されたあとも続いているだろう


一番美しかった頃にうずくまる  
消えそうなあなたが 私の面影の
残した料理に手を付ける
それになれて本当に良かった 呪いみたいだ
「互いに呪うって、綺麗じゃない」

かけがえのない想い出が
私の誘い文句の鱗片に忍び込んで
入れ替わる瞬間に新しい冒険に出る
行いは一度起こしてしまえばくつがえせない

ただそれでも
数年後に掘り起こすと
みんなもてはやす世界と私に寒気がする


歴史から産まれた者たちは
何も教えられていないのに旅をする 
ありふれた目標を、ゴールテープ後の人質にされて
本能がそうさせるみたいに


俯瞰も主観でわかることも
臓物も
好きなものも嫌いなものも
何もかも
嘘だったらいい

ᎠNA

ᎠNA

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-12-04

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