接吻
二十八くらい。
恋人よ、
小鳥が とっておきの果実を啄むように、
いつくしむように、くちびるをやわらかくはさみ、
境界線 みずおと立てて霧消し、果てへ連れこみあおうとし、
生と死の際に ただたゆたう。
*
死よ、
天から降るましろのゆびが 月の翳うつろう如くそっと撫ぜ、
つめたき慈愛で、さみしさ照りかえすひたいにふれて、
孤独に緊張した魂の関節 くんずほぐれつ 生のみ 生のままに、
おもたき瞼 ましろき空蔽うそれとかなさって。
接吻
二十八くらい。
恋人よ、
小鳥が とっておきの果実を啄むように、
いつくしむように、くちびるをやわらかくはさみ、
境界線 みずおと立てて霧消し、果てへ連れこみあおうとし、
生と死の際に ただたゆたう。
*
死よ、
天から降るましろのゆびが 月の翳うつろう如くそっと撫ぜ、
つめたき慈愛で、さみしさ照りかえすひたいにふれて、
孤独に緊張した魂の関節 くんずほぐれつ 生のみ 生のままに、
おもたき瞼 ましろき空蔽うそれとかなさって。
接吻