わたしは詩人でありたい
くずおれ 毀れ 掌から洩れる ことばたち
魂の根より炎え わき昇る 音楽の律動
遥かで照る 虚数としての 光 絶対は掠れ揺れるのみ
わが身を戒める 固有の 「美と善」の様式──完了
されば 崩壊して了った 嘗ての ことばたち
打ち棄てられたゆえに 再び ことばの岸へ 還りつき
昇り降り巻く 幾重の光と音楽に 結ばれ 綾織り
詩人の様式の箱庭へ ひそやかに 容れられる
わたしは詩人でありたい──昇るように 墜ち 瑕に剥く 魂
瑕負い 砕け果てんと ひとすぢと曳きずり降ろされる 肉体
わが肉を解体し 魂に照る詩に再構築し 虚空と重なる 海へ放て
嗚 さながら詩作のうごきで さながら 詩作のうごきで!
こうして ひとは詩のように生きられる 屹度 きっと…
そう信仰し 幻へ投げつけるように歌う──赫う城へ 虚数の絶対へ
わたしは詩人でありたい