マイクロメートルの存在
かなしいだけのいきものになる。深夜の、ただ光がこぼれるコンビニエンス・ストアの、陸の孤島みたいな感じにちょっとだけ、胸が静まる。だれも、うらんでいるわけではないのに、妙に、だれかとの距離を気にして、自主的に殻にこもって、ある程度の時間をやりすごすのが自衛なのだから、ゆるしてほしい。軟体動物だったらしい、あのこが、外国の、どこかの山に墜落した飛行機のニュースをみて、まるでじぶんのたいせつなひとを失ったかのように嘆いているあいだに、からだはとろとろと、とけて、わたしの部屋の床におおきなみずたまりをつくる。みず、と呼ぶほどさらさらはしていないので、ただしくはゼリー?
ときどき、うちゅうからのメッセージはノイジーに、わたしたちを不快にさせるけれど、でも、それらがみんな救難信号だったとしたら。と、想像して、結局は、なんにもできない、わたしたち。
マイクロメートルの存在