無職
やることがない。働いてもいない。
こんな色していたのかと気づかされる昼過ぎ。カーテンのこと
窓から通りすぎる初冬の風が足先を冷たくする
風呂場の換気扇の音がうるさくて、静かにウトウトと誘われる、「ここは何処」。
猫背なほど緩やかで、背筋を張る理由はない。それでも気になってしまうのは「なんで生きているのだろう」と似ている。
コーヒーを一口飲む。こんなにもはっきりと見える自分の部屋、戸惑う、なにかを棄てるとこんなにもはっきり見える。
盲目。こんなにも綺麗だ
時間が過ぎていく
それに伴って、空の色が変わっていくんだ
立ち止まったんじゃない
転んだんじゃない
ただ座りたかった
おもいっきり空気を吸ってみたかった
烏が鳴いている。僕も泣いている
夕日が墜落する一瞬のかがやき
こんなことすら知らなかったなんて
無職