空洞

もう
涙も流れない
何も届かない

ただ内側に空洞があり、
それが広がっていくのを
他人事のように見ているだけ

語りには欺瞞が伴う
一人が耐えられないということが解らない
一人でいる人間はいない、意識がある限り
語りには分裂が伴う

底が果てしなく深いのと、
底が抜けているのとでは、
どちらが悲惨なのだろう

空洞

空洞

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-11-17

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