詩歌
春
・立春の きらめき駆ける 青年期
・二月逝く 翳る青空 一面の 豊かな畑に 祈りを捧ぐ
・ノーマスク いつもの春は ゆっくりと
・揃い咲く ソメイヨシノも 良いけれど 個性豊かな ヤマザクラかな
・満開は 遺伝子ぞ知る 初桜
・光る空 スキップしても 花粉症
・新天地 ひと息ついて 胡瓜草
・春分や のどけき朝の 新聞や
夏
・新緑や 学び舎に差す 思索の陽
・地球にて コロナの災禍 節目なり 数多の命 想いし夏よ
・虹を描け! 時空を超える 我が誇り
・蛍とぶ 銀河の水は 甘いかな
・夏至祝う 昼の蒼さも 今日は雨
・白南風や ふるさと走る こころ旅
・夏の雲 命の重み 誰ぞ知る
・原爆忌 傘さす歴史は くり返す
秋
・終戦日 ベンチの隣 揺らぐ影
・天高し 病める身にても かの山を
・見晴らせば 異界の都市の 秋祭り
・マイバッグ 日暮れの奥に キンモクセイ
・黄昏の 博士ときめく 天の川
冬
・立冬や 幼き日々の 赤い月 虚構の渦に 隠れし君は
・立冬の風聞く 地球の悲鳴かな
・霜月や 地球も逆立ち エルニーニョ
・手に蜜柑 冴える大気を ぽっかりと
・短日や 机に向かう 独り者 遠き時代を 思い返すか
・リセットする 冬至の日は 深呼吸
・お正月 サブスクを 書き出してみる
・元日の 水張り詰める 大地震
・温室や 異国の空を 仰ぐ花
・夕暮れの 雲奔る空 春を待つ
・街灯り 制服の学生集う 過去問の束 春はまだ先
詩歌