苦道 その2
あれから2年の月日が流れた
おばあちゃんの家を訪れた
周辺はやっぱり田んぼだらけ
景色はさして変わらない
母といつかのコンビニを訪れた
行きは母の車に乗ってきた
ヤンキーはさすがにいなかった
店内に入る私と母
店員は母と知り合いらしい
母が何を食べたいか聞いてきた
レジ横のパンが食べたいが2種類の味で迷った
金額は同じである
母は「店員にお金渡すから決めたらその人に伝えなさい」、と言った
先に母は帰って行った
私はパンを決めてレジに向かう
「これください。」
ここで気づいた レジに立つ店員は知らない男性だ
「150円になります。」
母の知り合いの店員は見当たらない
どうしていいか分からなかった
私はおずおずと小銭を出した
帰りはいつかの田んぼ道
母に何て言おうかで考えてばかりの田んぼ道
買ったパンが苦い思いをかき消してほしい
苦道 その2