苦道
子どもの頃におばあちゃんの家に遊びに行った。
おばあちゃんが美味しいご飯を作ってくれた。
ひとしきり遊んだ後に、近くのコンビニ行きたくなった。
おばあちゃんはお金を持たせてくれた。
家からコンビニまでの道は田んぼばかりだ。
時折、道路に稲とそれについたタニシの卵があった。
ピンクで丸いつぶつぶの卵。
黒いタニシからどうやってこの色が出せるのだろうか。
そう思いながらもタニシの卵をよけて先へ進んだ。
コンビニの近くまで来た。
私はピタリと足を止めた。
コンビニの入り口近くには若いヤンキーが数人いた。
彼らは座ったり立ったりしたまま笑っている。
私は彼らに近づくのが怖かった。
パッと振り向き帰路につく。
おばあちゃんがお金を使っていないことに気づいたらどうしよう。
悶々としながら歩いていた。
知らぬ間にタニシの卵を踏みつぶしていた。
苦道