勝手な生き物
制服を着ていた頃
毎日同じものを纏って
集団で同じことをする窮屈さにうんざりしていた
自由になるために制服を脱ぎ捨てる
その先には
緩やかな川をゆっくり進む船があるはず
制服を脱いだら
何を着るのか悩みが増えた
それでも自由になれたはず
自由の中で存分にもがく
選ぶことより慣れること
なぜなら選ぶ自由など与えられないから
緩やかに見えていた川は操縦次第で難波する複雑な流れの川だった
そんな中を進む船
もがき続けて
着いたのか着かないのか
目的地を見失ったようだ
1人になって思う
何もしたくない
急に制服の窮屈さが懐かしくなる
羨ましく思える
流れに身を任せているだけで辿り着く
制服を纏っていれば許させる
抗う事を価値とする未熟さ
なんて勝手なことか
勝手な生き物