幸福
わたし さながら嵐のような暗く劇しい青春、
険しく砕けながら生活してきたけれども、
そいつには不断に夜の帳がシャッター降ろされて、
わがみすぼらしき背 大いなる侮蔑と揶揄が張りついてる。
わたしはそれですべて佳しと想ってはいるが、
しかし、淋しさという深みの叫びもまた昔と変わることなく、
唯 昔の泉の揺蕩い あたたかみを想い起こし、
おや あれは果たして幸福だったのかしらと訝るのだった。
されば一条の糸を手繰らせるように す、と
わたしは淡いとおい はや不在の光を掬おうとするが、
それは不在としてすべてのわたしに満ちているがため、
嗚 わたしは幸福であったのだ、と確信をする。
わたしの不幸は不在のすべてである、しかし、
すべての不在が幸福の証拠であるからして、万事佳しである。
幸福