十月病
みんな、という集合体のなかで、埋没してゆくだけの真夜中。あのこのからだの内側を蝶が飛ぶ。ゆびおりかぞえて、星の、無限にあると思っていた生命のひとつひとつが、ついえてゆくのを、ただみていることしかできない。にんげん。星の大部分を占めている、生きもの。七日間で、あたらしいいのちがめばえて、さみしがりだったあのこが、いく。透明な血を流して。
おはよう、とおなじ調子で、あいしている、と云う。
せんせい。
わたしのセーラー服のスカーフで、絞めてあげたい。
十月病
みんな、という集合体のなかで、埋没してゆくだけの真夜中。あのこのからだの内側を蝶が飛ぶ。ゆびおりかぞえて、星の、無限にあると思っていた生命のひとつひとつが、ついえてゆくのを、ただみていることしかできない。にんげん。星の大部分を占めている、生きもの。七日間で、あたらしいいのちがめばえて、さみしがりだったあのこが、いく。透明な血を流して。
おはよう、とおなじ調子で、あいしている、と云う。
せんせい。
わたしのセーラー服のスカーフで、絞めてあげたい。
十月病